「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 赤い幼星-18o

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Retsuya

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だれでも歓迎! 編集
ぱきっ、と音を立てて、氷の塊がまた一つ踏み潰された

(日天>まさか、こんな単純なものだとはな
(羅菜>日天殿が、あの氷像の残骸から核のような物体を発見しなければ、拙者達は劣勢のままだったでござろうな
(日天>偶然とは言え、自分に感謝してるよ・・・さて、この近辺はひとまず全滅か
(羅菜>いや、油断は禁物でござる。 いつまた現れるやも知れぬでござるからな
(日天>分かってる・・・それより、

その先を言いかけた時、羅菜も苦笑して頷いた
ハァ、と互いに溜息を吐いた後、2人は同時に振り返った

(羅菜>レジーヌ殿
(日天>何やってるんだあんたは

2人の睨むような視線の先には、眠っていたロールを触手で縛りあげようとしていたレジーヌがいた
彼女は悪びれる様子も無く、淡々と言葉を返す

(レジーヌ>いや? 小腹が空いたので一つ食そうと
(日天>いつも思っていたんだが、それは食欲じゃない! 性欲だ!
(レジーヌ>同じ欲に変わりはないだろう?
      それよりR-No.3、私は一度君を食したい、大人しく身を捧げてくれ、と私は単刀直入に物申す
(日天>ふざけるな!
(レジーヌ>テケリリリリ、激怒する表情も素晴らしい、是非食したい
(日天>男だった時は見向きもしなかった癖に・・・まぁ狙われても困るが

と、言ってる内に、ロールは無事に羅菜によって保護された

(ロール>うー・・・ん、戦闘終わった系?
(羅菜>む、起きたでござるな。身体は無事でござるか?
(ロール>うん、絶好調ってカンジ♪
(レジーヌ>チッ
(日天>露骨に舌打ちすんなっ!?
(レジーヌ>弱った女を食すのが私の最も好む食事法だというのに―――――――――――――ッ!?

突然、レジーヌが何かに反応した
長い前髪に隠れた眼鏡が、怪しく輝いたように見えた

(ロール>ん、レジーヌどうかした訳?
(レジーヌ>君達も来い、仕事だ
(ロール>へ?

と言ったのも束の間、レジーヌは下半身をバイクに変え、
髪の一部を触手のように伸ばしながら、何処かへと疾走していった
排気ガスに咽る、取り残された3人

(ロール>ッケホ、コホッ・・・あーもう! 何考えてんだっつーの!?
(羅菜>む、むぅ、レジーヌ殿が急ぐ程の事と言えば・・・
(日天>考えるのは後だ、『画竜点睛』!!

日天は己のスケッチブックから、黒い鱗を持った翼竜――「ワイバーン」を呼び出す
その背に飛び乗り、ロール達にも乗るように促し、
「ワイバーン」は3人を乗せてレジーヌを追って翼を大きく羽ばたかせた






    †    †    †    †    †    †






氷の悪魔達は尚も増え続ける
甲高い神秘的な音を鳴らして走り、しんしんと降る雪の中を飛び、
そして人々に襲い掛かる
この、町の一角でも―――


「いやあああああああああああああああああああああああああ!?」


1、2、3・・・複数体の氷の悪魔に追われ、叫んでいるのは少女だった
道化師のような格好をした、何処と無く滑稽な姿の少女
しかし、姿こそ楽しげなのだが、その状況は最悪且つ、彼女自身必死である

(少女>何でっ、何でかしら!? ローズはメルセデス様の部下かしらっ!?
    なのにどうして追われなきゃいけないかしらぁっ!!??

何やら語尾がおかしいこの少女、名はローゼマリー・ラッツィンガー
幻と情報を司る悪魔「ニバス」の契約者であり、666人のエイブラハム傘下の子飼い契約者の1人である
彼女がこうして涙目になりながら叫んでいるのも無理はなかった
そもそも、氷の悪魔を召喚したのは「13使徒」の1人、メルセデス・オラーリャだ
彼女はそのメルセデスに仕え、エイブラハムよりもメルセデスに従っていた
故に、このような仕打ちを受ける理由が全く分からないのだ

(ローゼマリー>いい加、減に・・・ひゃあっ!?

足が縺れ、雪を撒き散らして前のめりに転んでしまった
幸い積雪がクッションになって怪我はなかったが、
暫く走り続けていた為に足が棒になって、再び立ち上がることが出来ない
已む無く腕で這って逃げようとするローゼマリーに、氷の悪魔が近づき、
ぎらりと光る美しい氷の剣を振り上げた

(ローゼマリー>な・・・じ、冗談はやめて欲しいかしら? ローズに何の恨みが――――

容赦なく剣が振り下ろされる
何も出来ず、涙を零しながらローゼマリーは力強く目を瞑った





がががががががががががががががががががが!!という銃撃音と共に、
彼女の前にいた氷の悪魔が粉々になり、風に吹かれて消えた
何があったのか分からなかったが、それでも彼女は目を開け、涙を拭い、

(ローゼマリー>・・・メルセデス様!!

見え始めた希望を抱き、勢い良く振り向いた
彼女は己の目を疑った
後悔・・・否、恐怖にも似た感情が、ローゼマリーの心を支配する
見えた姿は、彼女の知っている者ではなく、黒いスーツの、下半身が自動二輪車になった少女
髪の毛が液状の触手になっていたり、一部マシンガンや眼球になっているその禍々しい姿は、
つい今まで彼女を追っていたこの氷の悪魔達よりも悪魔らしく思えてしまう
しかし、恐ろしいのはそこだけではない
あの眼鏡の奥の怪しい視線が、自分に向けられているような気がする
あのうねる気味の悪い触手が、自分に向けられているような気がする
彼女は明らかに、自分の背後にいる悪魔達ではなく、自分に向かって走ってきている
そして明らかに、自分に向けて嬉しそうに不気味な笑みを浮かべている

(ローゼマリー>一難去らずにまた一難かしらぁぁぁぁぁぁぁ!?

ぐわおぉん!!とエンジンを噴かせ、少女は一気にローゼマリーに近づき、
触手を目一杯広げ、ローゼマリーの退路を断った
笑い声が響き、少女――レジーヌ・ルーフィオは言い放った

(レジーヌ>テケリリリリ・・・この世の全ての女に感謝を篭めて・・・いただきまs
(日天>「ワイバーン」! 放て!!

聞こえたのは、レジーヌを追ってやってきた日天の声
ロールと羅菜を乗せた「ワイバーン」は、召喚者である日天の指示を受け入れ、
その口から激しく燃える火球を幾つか撃ち出した

(レジーヌ>ッ!?

1発は、レジーヌのスライム状の身体を木っ端微塵に粉砕した
残りは全てローゼマリーを襲っていた悪魔達に放たれ、それらを沈静化した

(ローゼマリー>・・・い、一応は、助かったかしら・・・

ようやく安心し、安堵の溜息を吐くローゼマリー
そんな彼女に、羅菜とロールが歩み寄った

(羅菜>無事でござるか? レジーヌ殿に何もされておらんでござるな?
(ロール>ってか、何もあそこまでしなくても良いと思うってゆーか
(ローゼマリー>・・・あなた達、「組織」かしら? それと、さっきのも・・・
(羅菜>左様でござるよ、先程は此方の仲間が怯えさせてしまったようで、申し訳ないでござる

羅菜が謝っていると、飛び散ったレジーヌが元の身体を生成し、日天を睨んでいた

(レジーヌ>・・・R-No.3・・・君、わざとやったな?と、私は激しい怒りを露にしながらあえて問う
(日天>当たり前だ! 「組織」が人を襲ってどうする!? 強行派や過激派じゃあるまいし!!
(レジーヌ>あれらとはベクトルが違う。同じ暴行でも、私が好むのは性暴行だ
(日天>モラルの欠片も無いなあんた!?
(羅菜>昔からでござるよ、レジーヌ殿は・・・
(ロール>けどプレイはチョー肉食的ってゆーかぁ、またやってってカンジぃ♪
(日天>お前は黙ってろ!?

物騒且つ割と賑やかな話を繰り広げている間に、
ローゼマリーは彼女達に気づかれぬよう、一歩、また一歩と引き下がっていった

(ローゼマリー>(今度こそ冗談じゃないかしら・・・
         このまま「組織」に囚われたら、ローズはメルセデス様の足手纏いになってしまうかしら
         逃げるなら、まだローズの素性が知れてない今がチャンスかしら・・・)

そして、彼女は「ニバス」の能力で、
己の幻を作りつつ、こそこそとその場から逃げる、という算段を立てた
のだが、

(ローゼマリー>んひゃっ、ぁっ、むぐっ!?

彼女の身体に絡みつくように、スライムが纏わりつき、包み込む
服を伝って笑い声が振動として身体中に響き渡る

(レジーヌ>むぅ、胸は未発達・・・育成し甲斐があるな・・・肌の張りも上出来だ・・・テケリリリリ
(ローゼマリー>なっ、っちょ、どこ触ってるかしrうあぁっ!?
(レジーヌ>ほぅ、この茂みは何だ?
(日天>自重しろこの性欲魔女!!・・・まぁ、一応褒めてはやるが
    つまらん演技なんかして悪いが、オレ達と来てもらうぞ、エイブラハムの子飼い
(ローゼマリー>ッ!? どうしtひんっ・・・どうし、て、それを・・・
(羅菜>いや、胸の十字架を見ればそうとしか思えんでござる、少なくとも5割は
(ロール>でも反応がそれだと一気に100パーになるって訳
(ローゼマリー>「組織」め図ったかしら!?
        メルセデス様助けて欲しいかしら!! ローズは「組織」に殺されてしまうかしら!!
(日天>(鬱陶しい喋り方だな・・・)安心しろ、オレ達は殺しはしな――
(レジーヌ>殺すなど勿体無い、天国よりも素晴らしい地獄へと誘ってあげよう
      生き地獄ならぬ、イキ地獄・・・テケリリリリリリリリリリリリリリ
(ローゼマリー>いやああああああああああああああああああ!?

   ...To be Continued

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