「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

単発 - 0点を取れば…

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kemono

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だれでも歓迎! 編集
日が赤くなりかけた頃の路地裏で。

(少年>ひっ・・・
(注射男>注射は・・・いらんかねぇ?

白衣の男が危なげな薬品の入った注射器を片手に、下校途中の少年が襲われていた。
この町ではよくある光景だ。
そしてこんな時、颯爽とヒーローが現れるのもよくある光景。
しかし今回はヒーローではなく、

(女性>・・・注射男、下校途中の少年を襲う・・・マイナス10点。残り90点。

ヒロインだった。
30代程のセミロングの女性が、黒いメモ帳と赤いボールペンを持って呟いた。

(注射男>何だお前は?
(女性>私に質問をした・・・マイナス3点、残り87点。
(注射男>はぁ?
(女性>少年、今の内に早く逃げなさい。
(少年>あ・・・ありがとう!

と、少年は注射男が余所見をしている間に走ってその場を去った。

(注射男>なっ・・・貴様よくもぉ!
(女性>女に暴言を吐いた・・・マイナス5点。残り82点。
(注射男>何をブツブツ言ってる!? 貴様も注射してやるぞぉ!

注射男が注射器を突き刺そうと女性に襲い掛かる。 が、女性はスッと横に回避する。

(女性>女を脅した、マイナス5点。
    女に凶器を向けて襲いかかった、マイナス25点。残り52点。

避けながらもさらさらとメモ帳に字を書いていく女性。
速筆ができるらしく、字は常人では読めない状態になっている。

(注射男>な、何なんだコイツ、さっきから何を書いている・・・?
(女性>持続力が無い、マイナス2点。残り50点。
(注射男>いちいちムカツク女だなぁ!!

注射男が尚も女性に襲い掛かる。 今度も避ける、が・・・
すれ違いざまに、注射男の手が彼女の体に触れる。
否、女性はわざと「触れさせた」。

(女性>女の体に触れる・・・マイナス50点。残り・・・0点。
(注射男>やっと0点になったか。 どうなるんだ?俺は死ぬのか?

注射男はせせら笑うように言う。 しかし女性は表情一つ変えずに返した。

(女性>あぁ。 0点を取れば死刑だ。
(注射男>ッ!?
(女性>さぁ・・・お前の点(つみ)を数えろ。

パタンッ、とメモ帳を閉じる女性。 その瞬間、注射男の首はすっ飛び、赤く燃える夕日に消えた。

(女性>またページが切れかけている・・・新しいメモ帳を買わなければ。

こんな話を聞いた事があるだろうか。
ある母親がいた。彼女は娘を女手1つで育て、部屋を散らかしても、食事を残しても、何をやっても決して叱らなかった。
ある日、娘は1冊のノートを見つける。そこにはこんなことが書いてあった。
「○○が人参を残した マイナス5点 残り45点」と・・・
彼女が契約した都市伝説はこの、【0点になったら死刑】だったのだ。



プルルルルルル・・・と電話が鳴る。 彼女が電話を取ると、男性の声が。

(男性>《姉貴、頼みがある。》
(女性>何だ弟。
(男性>《醤油が切れた。 帰るついでに買ってきて欲しい。》
(女性>自分で行け。 お前の能力なら5分経たんだろう?
(男性>《確かにそうだが疲れる。 それにまたメモ帳切れかけているんだろ?醤油の1本くらい。》
(女性>姉を扱き使う・・・マイナス5点、残り55点だ。
(男性>《ケーキバイキングに連れて行ってやるから勘弁してくれ。》
(女性>分かった。買ってきてやるついでにプラス45点にしておいてやろう。残り100点。
(男性>《・・・ありがとう、じゃあ頼んだ。》
(女性>あぁ。

女性は電話を切った。

(女性>・・・弟め、濃口か薄口か言わなかったな。 マイナス5点、残り95点だ。

   ...END





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