実際がどうあれ、彼の姿形は少年と言って差し支えのないものだった。
只諾々と、虚ろに移ろうだけの存在。視点の定まらぬ虚空の瞳。
不規則に揺れ動く貌。薄らに開いた口腔からは、ぶつぶつと呪祖の様な
文言が垂れ流されている。
まるで何かに取り憑かれたかの様に。まるで何かに呪われたかの様に。
自身が今何処を移ろい、何処に迷い込んでいるのかも知らずに。
只少年は夜を往く。闇に潜む黒装束の姿も知らずに。
只諾々と、虚ろに移ろうだけの存在。視点の定まらぬ虚空の瞳。
不規則に揺れ動く貌。薄らに開いた口腔からは、ぶつぶつと呪祖の様な
文言が垂れ流されている。
まるで何かに取り憑かれたかの様に。まるで何かに呪われたかの様に。
自身が今何処を移ろい、何処に迷い込んでいるのかも知らずに。
只少年は夜を往く。闇に潜む黒装束の姿も知らずに。
いや、彼からしてみれば些事であったのかもしれない。
彼は一人、地獄を歩む。その行動に第三者が介入することなど不可能なのかもしれない。
事実、彼は自身を取り囲む黒服の集団には目も呉れず、幽鬼の如く歩を進め続ける。
彼は一人、地獄を歩む。その行動に第三者が介入することなど不可能なのかもしれない。
事実、彼は自身を取り囲む黒服の集団には目も呉れず、幽鬼の如く歩を進め続ける。
そして、彼に黒服達の魔手が伸びようとしたその刹那、
少年の詩が途切れた。
その時、全てが崩れる。彼も、彼を取り巻く黒服達も。
一陣の風が吹くと、白い灰が巻き上がり、その場に彼だけが残った。
一陣の風が吹くと、白い灰が巻き上がり、その場に彼だけが残った。
そして少年はまた歩き出す。血の涙を撒き散らしながら。