「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

単発 - 生きる喜び

最終更新:

guest01

- view
だれでも歓迎! 編集
なんとなく生きてきた。
気がつけば中学生で、とりあえず家から近い高校を受験した。適当に人付き合いして、適当に彼氏をつくったりした。
『難関なのによく受かったね』『あんなカッコイイ人が彼氏なんて良いなあ』
そんな言葉を聞いても、何も感じない。さして勉強なんてしていなかったし、彼氏もあっちからの告白を受けただけで別に好きでもない。
達成感がない。生きている気がしない。私は本当にココにいるのか。ココは私の居場所なのか。生きる事に意味はあるのだろうか。
私は本当に生きているのか。
そんな事ばかり考えていた。

さっき、彼氏が話にでていたが、今は「彼氏だった」だ。別れたわけじゃない。目の前に彼の死体がある、それだけの話。
本当は叫び声をあげるなり、警察に連絡するなりしなければならないのかもしれない。でも、こんな現実味のない事を前に私はただ呆然としていた。
だって、目の前には、その死体を、引きずりながら、走りまわる女が、いるんだから。
「ひき子さん」だ。そんな事を考え、あっさりと受け入れた。
どうでもよかったのだ。そんな事がありえるのかどうか、人生が現実が曖昧な私にとってはたいした問題ではない。
けれど、そんな暢気な事を考えていられたのは、そこまでだった。
気がつけば、今まであの男を引きずっていたひき子さんは、いつのまにか私の足をつかんでいた。

突然、世界が反転し、地面に頭を打ちつける。
そして、痛みに呻く間もなくひき子さんは走りだした。

「あああああアあああぁあアアアぁぁぁあああああああァァああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
ザラザラとした地面に身体が削られる感覚。突然の方向転換で障害物に打ちつけられる痛み。強烈で確かな、私を苦しませる痛み。
「痛い!痛い!!あぐっ!痛い痛い!!!痛い痛い痛い痛い!!痛い痛い痛い痛い痛い!痛いイタイいたい痛いイタイイタイイタイ痛い痛いぃぃぃぃぃぃぃィィ!!!!」
高速で走るひき子さんは私の絶叫など無視し走り続ける。このままでは死んでしまう。
「止めて!痛い痛い痛いいぃィィぃぃぁぁああああやめてやめて痛い!!止めて!!!」
『おい、女。助かりたいか?』
どこかで誰かがそう言った気がした。助かりたい、死にたくない。そう思った。
「痛い止めて痛い止めておねがいたい痛いぃぃぃィぃぃぃィィっっっっふっあっは、あは、あははは」
『おい!聴いてんのか!助かりたいかって質問してんだよ!オレと契約しないと死ぬぞ!』
死にたくない。そう思った。…………なぜ?死にたくない?私は生きたい?生きたがってる?私、生きてる?……そうか、私、生きてるんだ。
「アハハハハッハハッアハッアハハハはははっアははッッハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」
『あー、駄目だ完全に壊れt「契約しましょう」うっわ!生きてた!』
「はやくしてくれないかな。わたしはいまとてもきげんがいいんだから。」
『おっ、おう!契約な、すぐ済まっっっなんだこれ!ちょっ待っ』
そして、気がつけば、私の手には携帯電話が握られていた。

彼女は、引きずっている女の叫びが止んだ事に気付いた。が、彼女にとって、それは気にするような事ではなかった。
女がぼそぼそと何か話し掛けてきているが、彼女は無視した。いちいち引きずるモノの話なんか聴いている時間はない。
だが、それゆえに彼女は攻撃されている事に気付かなかった。
気付いていたとしても何もできなかっただろうが。
突然、女の足を掴んでいた腕に激痛が走る。見れば、そこに腕はなかった。強引に引きちぎられたような断面の腕が女の持つ携帯の液晶画面に吸い込まれていく。
けだるげだった女は今は笑みを浮かべ、その手の携帯からはその女の愉快そうな声が流れていた。
『答えはヘンリエッタでした!さてさて、質問受けつけてるよ!あれあれ?でもでもまだまだ質問考え中?ならならもう一回こっちから!
 第二問!足が八本で腕が五本、目玉十個に口二つ、ついでにお尻が五十個あるモノなーんだ!?』
激痛に苦しむ彼女にその質問を聴いている余裕などなく。彼女がとった行動は、攻撃されたのだから反撃しようという、単純かつ当然の行動。
『あれあれ?わからない?それじゃしかたなーいね♪ペナルティだ!』
その瞬間、彼女の右足が先程の腕と同じように携帯へと吸い込まれていった。反撃しようとしていた彼女はバランスを崩し当然のごとく倒れた。
『ざんねん!!答えは私が今即興で考えた動物、ジャバジョーでしたっ!さあさあ君の質問は?ん?なになに、ギャー?ごっめーん、質問は疑問形にしてくれるかな?
ふーむ、どうやらまだ質問は決まっていないごようす?ならなら仕方ない!こっちから質問だ!第三問!私が今まで食べたパンの数は?制限時間は十秒!じゅーう!よーん!さーん!』
痛みで霞む頭で彼女は考えた。質問の答えをではない。この都市伝説について。
問題をだす、身体の一部を奪う。思い当たるのは「怪人アンサー」だ。しかし、明らかに本来のモノとは違い過ぎる。

彼女が思考する間に今度は左足が、いや、左足首に激痛が走る。
『はい!今回は特別サービス!足首までっ!つ~ぎに間違ったら膝まで持ってくよ!ところで、まだまだ質問がこなーい!しっかたないからこっちからいくよ!』
勝手に問題を出し、勝手に不正解にし、勝手にこちらの質問を締め切る。何度もそれを繰り返し、いつしか彼女は達磨女のようになっていた。
消滅が近い。そう考える彼女に「怪人アンサー」の契約者がぐっと顔を近づけてきた。
「ふ、うふふ、喜んでくれました?ふふ、私は生きていると教えてくれた、うふふ、お礼です。うふふふ、死にそうですか?でも大丈夫。痛いだけでこんなに嬉しいんだもの
 ふふふふふ、あは♪死ぬ瞬間には最上級の生を実感できるはず。ふふ、嬉しい?嬉しいよね?嬉しいはずよ、あははは♪」
不気味に笑う女の声。
『アハハハ、私、オレ、あれ?アハハ、何これ?アヒャヒャ、アハ、ぐるぐるする、あはハハハ』
女の携帯が発する奇妙な声。
「うっふふ、ふふふふ、いかなきゃ。あはは、みんなにも教えてあげなきゃ、ふふ。生きてるって、こんなに嬉しい事なんだって、ふふふふ。教えてあげないと。アハ♪」
女は都市伝説に飲み込まれたのか、女が都市伝説を飲み込んだのか。
彼女は消えゆく意識のなかで考えた。






タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
記事メニュー
ウィキ募集バナー