「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

単発 - わたしだけのものでいて

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 ……正直、自分には勿体ない彼女だと思う
 青年、鈴村 賢一は、彼女の手料理を食べながら、そんな事を考える

「ん~?どうしたの?」
「いや、なんでもないよ」

 可愛らしく小首をかしげた彼女に、賢一は笑った
 それに釣られるように、彼女、別部 蘭も微笑む
 相変わらずきれいな笑顔だな、と、賢一は見とれそうになってしまう

「どう?美味しい?」
「うん、美味しいよ。蘭は、料理が上手だね」

 …彼女と付き合うようになったのは、ただの偶然
 不良に絡まれていた彼女を助けたのが、キッカケだった
 それ以来、付き合いが始まって
 今ではこうやって、彼女の家に招かれるようにまでなった

 蘭には、両親がいない
 仕事で外国に行っているのだと、彼女は言っていた
 寂しくない?と聞いたら、ちょっと、と寂しそうな笑顔を浮かべてきて
 できる事ならば、ずっとそばにいてあげたい
 そう、願う

「ふふ、褒めてもらえて、うれしいな」

 賢一の褒め言葉に、蘭は笑う
 幸せそうに笑う

「じっくり、味わって食べてね」


「うん、もちろん。蘭が作ってくれた料理だからね」

 ぱく、と、彼女の手料理をじっくりと味わっていく賢一
 少し味が濃いかな、とも思ったが、濃い目の味の方が好みだから問題ない

 賢一は、幸せな気持ちに包まれていた
 だから、気づかなかった


「…………あ、れ?」


 ------命が消える、その瞬間まで
 料理に入れられていたそれに、気づけなかった



 よいしょ、と
 蘭は、賢一の死体を背負って、地下室へと向かう
 うんしょ、よいしょ、と扉を開けた、その先

 地下室には、棺が置かれていた
 一つじゃない
 二つ、三つ、四つ…………全部で、35個くらいはあるだろうか

「よいしょ、と」

 その一つの蓋を開けて、蘭は賢一の死体をそこに横たえた
 うん、と満足げに笑って、棺に賢一の名前と年齢を書きこんでいく

 周りの棺も、全て同じ
 誰かの名前と年齢が書きこまれている

 その内の二つには、「別部」と言う苗字が
 「別部 正人」と「別部 清美」
 蘭の、両親だ

 二人も、棺に納められているのだろう
 今まさに、棺に納められていっている賢一のように

「これで、賢一君は、私のものだよね」

 眠るように死んでいる賢一
 それを見下ろして、蘭は幸せに幸せに笑う

「これで、賢一君は私以外の女の子と話さないもんね。私以外の女の子に笑いかけないもんね。これでずっとずっと、私のものだよね」

 自分に笑いかける笑顔は、自分だけのもの
 自分にかけてくれる声も言葉も、自分だけのもの
 自分の頭を撫でてくれる手だって、自分だけのもの
 その手で他の誰かをなでるなんて、許さない
 その手で、他の誰かに触れるなんて、耐えられない

 だから、殺した

「ふふ、便利な能力、手に入れちゃった。これで、賢一君も甫君も毅君も直弥君も丈君も誠一君も、みんなみんな、永遠に私のものだねっ」

 蘭は、都市伝説契約者だ
 契約しているのは、「ベラ・レンツィ」
 ……彼女を都市伝説と呼んでいいかどうかは、微妙である


 ただ、できる事ならば「都市伝説だと思いたい」存在ではあるだろう
 実の息子を含め35人もの男をヒ素で殺し、今、蘭がしているように、その死体を棺に入れて
 そして、毎晩のようにローソクで照らしながら、棺の一つ一つを開け、殺した男たちの死体を見るのを毎晩の楽しみにしていたという………まさしく、狂気にとらわれた女

 たまたま、それと契約した、その瞬間から
 蘭の精神構造はそれに乗っ取られてしまったのかもしれない
 ヒ素を生み出す能力を手に入れて、ベラ・レンツィがしたように、愛する相手を殺し続けるのだ

 賢一を含め、全員の死体を確認していって、蘭は微笑む
 幸せそうに、幸せそうに笑い続ける



 いつか、誰かがとめるまで
 彼女は、同じ殺人を繰り返して
 この地下室には、棺桶が増え続けるのだろう









fin






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