「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

単発 - 最悪で害悪な災厄

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俺は、いつもいつも、いつも虐げられてきた。
奴等は、俺のことを「最悪」と、「生きているだけで害悪」と言った。
ならば、俺は悪で構わない。
悪であったからこそ、今、手前らに復讐できるのだから。

さぁ、新しい人生の幕開けだ。



人気の無い廃工場前。そこに、二人の人間が対峙していた。
その片方は、少女。やけに露出度の高い服装に、先端にハートがついた妙な形の杖。その少女は、全身で「魔法少女」であるとアピールしていた。
「おい、おっさん。てめぇが最近暴れまわっている契約者か?」
見た目とは裏腹の乱暴な口調。杖でもう一人の人間を指しているその姿は、少なくともハートがついた杖を手にした少女がとるべきことではない。
「あぁ、そうだ」
もう一人は、30代だと思われる男。服の色は暗く、出来るだけ人の目に付かないように選んだかのような服装をしている。
杖の先を突きつけながらの少女の問いに、男はあっさり肯定した。もっとも、否定したところでこの少女が引くことはない。
そもそもなんら確証の無い相手を、わざわざ違う地区まで誘導することはいくら子供と言えどそうそう有り得い。
「あぁ、やっぱりなぁ。じゃあ…」
少女は男の答えを受け、まぁ、そうだろうなといったような声を出しながら杖を構えた。
直後、周囲に魔力が充満する。少女の足元には輝く魔法陣が開き、その上で少女は詠唱を始めた。
契約都市伝説名、「魔法少女」 詠唱が必要なため咄嗟の反応はできないものの、
その魔法の威力は、正しく強大。
「破壊の閃光(ブレイクレイ)ィィッ!!」
たった数秒、それだけで詠唱は完了する。より強さを増した魔法陣の光を浴びながら、魔法名の宣言とともに少女は魔法を発動した。
次の瞬間、周囲を漂う魔力が光に変化する。それらは少女の杖の先へと集中し、苛烈に輝く奔流と化して男へと襲い掛かった。
所謂、レーザーと呼ばれるそれは男の体を飲み込み、その後方にある建物を、まるで脆い砂の城の如く崩壊させる。
その後には、男の身体など塵一つ残っていなかった。

「死んだか。あっけねぇなぁ、おい」
黒煙を上げる地面と、崩壊したビルを見ながら少女が呟く。被害が大きいと聞き、ある程度強いと考えていたのだが、様子見の魔法で終了してしまった。なんともあっけない。
だが、少女の考えは間違っていなかった。
「誰が?」 「!?」
背後からの声。振り向くと、すぐ後ろに男が立っていた。
少女は半ば反射的に、咄嗟にその場から飛びのいて距離を開ける。
「死ねという言葉はもう飽きるほど聞いたが、死んだと言われた事は結構久しぶりだぞ?」
男は遠い目をしながら、小さく笑う。
笑うといっても、それは口と言葉だけ。悲しみ、怒り、絶望、様々なものが混ざり合い、完全な黒となってしまったような濁った目は瞬きもせずに「敵」を見つめている。
「……っ」
少女は恐怖する。今、対峙している男は、否、存在は、「負」の塊であった。それの正反対…「正」の感情により魔法を発動する少女にとっては、出来ることなら関わりたくも無い相手である。
だがしかし、そんなことに怯え、退散する魔法少女ではない。彼の契約した都市伝説はある程度わかっている。自分と同じ、魔法使いの類だ。
ならば、勝てないわけではない。魔法使いとは、あくまで魔法を使う「人間」なのだ。
「っ!Akid-do-hOshihRukHls-kL;ssuterfollnsho-ri-naitoo-aik-Kkdua-kI-Khdk-saisiaK!魔法発動――星の降る夜(ブリリアントスター)」
高速で唱えられる、常人には理解できぬ詠唱。発動とともに足元の魔法陣から放たれた数多の光弾が、まるで夜空の星のように少女の周囲に輝く。
少女が男を指差すと同時に、「星」は対象を撃ち抜かんと光の速度を持って動きだした。

その「星」が対象――「男」に到達するまで。たったそれだけの時間の間に、「対象」は詠唱を終え、魔法を発動していた。
「自衛魔術――拒絶の扉(マインドガーダー)」

一瞬すら遅すぎる程の短い時間。発動した少女でさえ、目視どころか魔力の移動すら感じることが出来ない。単純な直線軌道、しかし最速の、「普通であれば」防御の暇も許さない光の嵐。
それを「対象」は防いでいた。「星」による煙はすぐに薄れ、抉れた地面に静かに浮かぶ、幾何学模様が映し出された黒い二十面体が姿を現した。

「嘘…だろ……?」
パキパキと、二十面体の面が剥がれていく。その中に佇む男は、無論全くの無傷。
少女の恐怖が大きくなる。先ほどの魔法は最強ではないものの、自分が覚えている魔法の中でかなり上級のものだった。
それをああも簡単に防がれてしまうことなど、普通であれば有り得ない。
つまり、それは今回の相手――今目の前にいる男は、決して普通では無いことを意味していた。
「……そろそろ、こちらからも行くぞ?」
濁った目が、少女を貫く。暖かくも無く、冷たくも無く、ただひたすら「負」に彩られた視線は、少女に「諦めろ」と言う。
「(…くそっ)」
悪態をつく。ただの防御魔法でさえあそこまで強力だというのに、それを攻撃に回せばどうなるか。考えたくも無い。
だからこそ、自分に出来うる限り最高の防御魔法を展開する。そうすればあるいは、防げるかもしれない。防げたならば、その場から全力で逃げれば、もしかしたら助かるかもしれない。
何より、あんな「負」の言うとおりに諦めてしまうのは癪だった。それならば、今まで自分を支えてきてくれた「正」を、奇跡を願おう。
「――――究極なる防壁(オリハルコンハードネス)」
開かれる、この世の何よりも硬い障壁。例え核の直撃さえ無傷で凌ぐ、完全の防御。
最強の盾を前に男は、最強の、否、絶対の矛を発動した。

「即死魔術――呪詛(バクハツシロ)」

それはただ、相手を「殺す」ためだけの魔法。
障壁がいかに硬かろうと、本人がいくら早かろうと、
体内からの攻撃を防ぐ手立ては、無い。


障壁の中で紅蓮が爆ぜる。幾十にも爆発は重なり、もともと内側からは強いわけではない障壁は割れ、消滅する。
後に残ったのは、爆発により大きく抉れた地面だけだった。


俺は「悪」であった。別に、不良などがやる行為をしたことは一切無い。
悪に憧れを抱いた時期もあったが、これといって悪い行動はしていない。しかしそれでも、周りは俺を悪と蔑んだ。

誰も祝ってくれない30の誕生日、とある「何か」に出会った。奴は、自身を悪と呼んだ。お前と同じだ、と。
続けて、「それ」はこう言う。復讐がしたいか?貴様を悪にしたものに、罰を与えたいか?
勿論と答えると、奴は…恐らく、笑った。ならば、契約しよう。さぁ、新しい人生の幕開けだ。

爆発で真っ黒に煤けた地面を見る。可哀想だ、などとは思わない。ただ、少女は運が悪かっただけ。そう、俺と同じように。

契約都市伝説名―――「三十歳まで童貞だと魔法使いになれる」
ふらり、男は家路につく。魔力の消費は微々たる物だが、久しぶりに喋って少し疲れた。

未だ、彼の復讐劇に幕は降ろされない。


続かないんだろうなぁ。





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