突然だが、僕は死にそうだ。
目の前には、一人の女の子。場所は男子トイレ。僕の首には、縄。
目の前には、一人の女の子。場所は男子トイレ。僕の首には、縄。
授業も終わって帰りの仕度をしていると、クラスの松山と米田が話しかけてきた。
これから、この中学校の七不思議を試しに行くけど一緒にどうか。という話だった。
僕はそういう話は大好きなので、ぜひとも参加したいところだったが、残念な事に今日は図書委員の仕事があった。
泣く泣く二人の誘いを断って、僕は図書室へと向かった。
これから、この中学校の七不思議を試しに行くけど一緒にどうか。という話だった。
僕はそういう話は大好きなので、ぜひとも参加したいところだったが、残念な事に今日は図書委員の仕事があった。
泣く泣く二人の誘いを断って、僕は図書室へと向かった。
「うわ、もう真っ暗だよ。」
図書室の扉を閉めながら、僕は呟いた。
今日の図書室利用者は0。これならサボって松山達についていけば良かったと、後悔した。
「…………トイレ行こ」
正直、30分程我慢していた。そろそろ、我慢の限界だと思い、近くのトイレに駆け込んだ。
松山達が首を吊っていた。
「…………………………は?」
松山に米田、他にも名前も知らない他のクラスの奴数人、全員縄で首をくくって死んでいた。
ぶらりと垂れ下がった足と、その股から出て来る、茶色い物を眺めながら僕はこの学校の七不思議を思い出した。
そうだ、このトイレは
「おにぃさんっ、遊びましょ。」
花子さんが出るんだ。
図書室の扉を閉めながら、僕は呟いた。
今日の図書室利用者は0。これならサボって松山達についていけば良かったと、後悔した。
「…………トイレ行こ」
正直、30分程我慢していた。そろそろ、我慢の限界だと思い、近くのトイレに駆け込んだ。
松山達が首を吊っていた。
「…………………………は?」
松山に米田、他にも名前も知らない他のクラスの奴数人、全員縄で首をくくって死んでいた。
ぶらりと垂れ下がった足と、その股から出て来る、茶色い物を眺めながら僕はこの学校の七不思議を思い出した。
そうだ、このトイレは
「おにぃさんっ、遊びましょ。」
花子さんが出るんだ。
学校の北校舎三階東端、図書室のすぐ横。それが、この学校の花子さんの居場所だ。
男子トイレ女子トイレの区別なく、奥から三番目の個室。その扉を三回ノックして、
「花子さん、遊びましょ。」
と言う。そうすると、
「じゃあ、首締め遊びをしましょう。」
と返ってくる。
それが、この学校の都市伝説「トイレの花子さん」。
男子トイレ女子トイレの区別なく、奥から三番目の個室。その扉を三回ノックして、
「花子さん、遊びましょ。」
と言う。そうすると、
「じゃあ、首締め遊びをしましょう。」
と返ってくる。
それが、この学校の都市伝説「トイレの花子さん」。
「ねー、聞いてるぅ?」
「ぇと、僕、急いでるから……」
この花子さんと遊ぶなんて、絶対に嫌だ。
首締め遊びが、どんな遊びかは知らないが、松山達のようにてるてる坊主にされるに決まってる。
さっさと、逃げy
「だーめ」
「え?」
「おにぃさんはわたしと遊ぶの♪」
気がつくと、いつの間にか僕の首には縄があって、その縄は天井に繋がっていて、
「ばーいばいっ」
僕は、突然死ぬ事になった。
目の前には、一人の女の子。場所は男子トイレ。僕の首には、縄。
「ぇと、僕、急いでるから……」
この花子さんと遊ぶなんて、絶対に嫌だ。
首締め遊びが、どんな遊びかは知らないが、松山達のようにてるてる坊主にされるに決まってる。
さっさと、逃げy
「だーめ」
「え?」
「おにぃさんはわたしと遊ぶの♪」
気がつくと、いつの間にか僕の首には縄があって、その縄は天井に繋がっていて、
「ばーいばいっ」
僕は、突然死ぬ事になった。
目の前には、一人の女の子。場所は男子トイレ。僕の首には、縄。
ぶちっ
「うわっ!」
「あれ?」
一瞬、ふわりと浮いた足が地面につく。首の縄はだらりと垂れ下がり、天井に繋がっていたはずの場所は焼け焦げ、黒くなっていた。
「大丈夫です?」
後ろから声を掛けられ、振り返ると、どこかの教会のシスターの恰好をした外国の女の人。
「おねぇさん、だれぇ?こっちは男子トイレだよぉ?」
自分の事を棚に上げて、花子さんが尋ねた。
「貴女と同じ都市伝説ですよ。」
「そうなんだー。この人間はわたしのえものだから取っちゃダメだよぅ?」
「そう言われましてもねえ。」
花子さんと、女の人は、口だけ笑いながら話をする。
花子さんがこちらを見ていない間に逃げようと思ったが、女の人を置いて逃げるのは悪いような気がした。
というか、それ以前に腰が抜けて動けなかった。
「貴方」
女の人が、僕に話し掛けてきた。
「は、はい!?」
「この子、貴方を殺そうとしていますけれど、助けが必要です?」
「へ、え、あ!はい!助けてください!」
「後で私の頼みを聞いてくださいます?」
「はい!……え?」
「交渉成立です。」
「あれ?」
一瞬、ふわりと浮いた足が地面につく。首の縄はだらりと垂れ下がり、天井に繋がっていたはずの場所は焼け焦げ、黒くなっていた。
「大丈夫です?」
後ろから声を掛けられ、振り返ると、どこかの教会のシスターの恰好をした外国の女の人。
「おねぇさん、だれぇ?こっちは男子トイレだよぉ?」
自分の事を棚に上げて、花子さんが尋ねた。
「貴女と同じ都市伝説ですよ。」
「そうなんだー。この人間はわたしのえものだから取っちゃダメだよぅ?」
「そう言われましてもねえ。」
花子さんと、女の人は、口だけ笑いながら話をする。
花子さんがこちらを見ていない間に逃げようと思ったが、女の人を置いて逃げるのは悪いような気がした。
というか、それ以前に腰が抜けて動けなかった。
「貴方」
女の人が、僕に話し掛けてきた。
「は、はい!?」
「この子、貴方を殺そうとしていますけれど、助けが必要です?」
「へ、え、あ!はい!助けてください!」
「後で私の頼みを聞いてくださいます?」
「はい!……え?」
「交渉成立です。」
「おねぇさん、わたしのジャマするのー?」
「はい。」
「じゃ、死んで。」
そう花子さんが言った時、既に女の人の首には天井に繋がった縄があった。
けれど、その縄は突然炎上し、消し炭になった。
「うわぁ、おねぇさん、何の都市伝説なのぉ?」
「私はマリアンヌといいます。貴女の名前はなんです?」
「見ての通り花子さんだよぉ。
んー、『マリアンヌ』なんて聞いた事も無いマイナー都市伝説。負けたら、『花子さん』の恥だなぁ。」
花子さんがそう呟くと、天井から大量の縄が出現して、マリアンヌさんに襲い掛かる。
しかし、縄はさっきと同じように燃えて無くなってしまう。
「これなぁら、どうだっ!」
花子さんが叫ぶと、便器から水が溢れ出し、濁流となってマリアンヌさんを襲った。
でも、
「あれ?」
その水はマリアンヌさんに当たる直前に動きを止めてしまう。
「花子さん、でした?貴女がどんな都市伝説か、私は知りませんが、ポルターガイストの勝負なら私、負けませんよ?」
ふわりと、嫌な浮遊感が僕を襲った。というか、実際に浮いていた。
僕だけじゃない。松山の死体が、便器が、壁のタイルが、水道の蛇口が、トイレの水が、グルグルと回転する。
上も下も分からない、吐き気のする目眩の中、僕は気を失った。
「はい。」
「じゃ、死んで。」
そう花子さんが言った時、既に女の人の首には天井に繋がった縄があった。
けれど、その縄は突然炎上し、消し炭になった。
「うわぁ、おねぇさん、何の都市伝説なのぉ?」
「私はマリアンヌといいます。貴女の名前はなんです?」
「見ての通り花子さんだよぉ。
んー、『マリアンヌ』なんて聞いた事も無いマイナー都市伝説。負けたら、『花子さん』の恥だなぁ。」
花子さんがそう呟くと、天井から大量の縄が出現して、マリアンヌさんに襲い掛かる。
しかし、縄はさっきと同じように燃えて無くなってしまう。
「これなぁら、どうだっ!」
花子さんが叫ぶと、便器から水が溢れ出し、濁流となってマリアンヌさんを襲った。
でも、
「あれ?」
その水はマリアンヌさんに当たる直前に動きを止めてしまう。
「花子さん、でした?貴女がどんな都市伝説か、私は知りませんが、ポルターガイストの勝負なら私、負けませんよ?」
ふわりと、嫌な浮遊感が僕を襲った。というか、実際に浮いていた。
僕だけじゃない。松山の死体が、便器が、壁のタイルが、水道の蛇口が、トイレの水が、グルグルと回転する。
上も下も分からない、吐き気のする目眩の中、僕は気を失った。
「ん……」
「気がついたです?」
目を開けるとマリアンヌさんがいた。さっきまでの騒ぎが嘘のように、トイレは静かだった。
首を吊っていた松山達は地面に横たわっていた。
「あ、の……花子さんは?」
「トイレをぶつけたら消えてしまいました。瞬間移動能力も持っていたんですね。」
淡々と話すマリアンヌさんの声を聞きながら、段々頭が回転し始める。
「あの、マリアンヌさんは何者なんですか?なんであんな凄い事が?ていうか、花子さんて都市伝説じゃ!?そう言えばマリアンヌさんも都市伝説ってさっき!?
なんでこんな事に!?都市伝説って都市伝説でしょ!!?そうだ、さっき助ける代わりに頼みを聞けって!!もしかして僕の命とか?!!」
「落ち着いて下さい。」
その後、僕が落ち着くのを待って、マリアンヌさんは話し始めた。
マリアンヌさんの説明によると、この世界には都市伝説が実際に存在し、闊歩しているらしい。
都市伝説の中には、さっきの花子さんのように人を襲うモノがいる。そして、そんな都市伝説から人を守ろうとする都市伝説も存在する。
しかし、弱い都市伝説では強い都市伝説を止める事ができない。その為、弱い都市伝説は、人と契約をする。
「契約、ですか……?」
「はい。契約をすれば、都市伝説の能力は格段に上がります。それに、契約した人間も何らかの能力を使えるようになる場合があります。
さて、頼みとは他でもありません。私と契約してください。」
「はい……?」
「契約による能力の上昇とかはどうでもいいのです。だだ、私は契約者が欲しい。
契約者と一緒に紅茶でも飲んだり、契約者と世間話したり、契約者と協力して戦ったり、そういう事がしたいんです。
そんな事ができる人なら契約者じゃなくても良いのですが、契約者以外が私の傍にいるのは大変危険ですし。契約者は全然見つからないし。」
そう話すマリアンヌさんは、本気で泣きそうだった。
「気がついたです?」
目を開けるとマリアンヌさんがいた。さっきまでの騒ぎが嘘のように、トイレは静かだった。
首を吊っていた松山達は地面に横たわっていた。
「あ、の……花子さんは?」
「トイレをぶつけたら消えてしまいました。瞬間移動能力も持っていたんですね。」
淡々と話すマリアンヌさんの声を聞きながら、段々頭が回転し始める。
「あの、マリアンヌさんは何者なんですか?なんであんな凄い事が?ていうか、花子さんて都市伝説じゃ!?そう言えばマリアンヌさんも都市伝説ってさっき!?
なんでこんな事に!?都市伝説って都市伝説でしょ!!?そうだ、さっき助ける代わりに頼みを聞けって!!もしかして僕の命とか?!!」
「落ち着いて下さい。」
その後、僕が落ち着くのを待って、マリアンヌさんは話し始めた。
マリアンヌさんの説明によると、この世界には都市伝説が実際に存在し、闊歩しているらしい。
都市伝説の中には、さっきの花子さんのように人を襲うモノがいる。そして、そんな都市伝説から人を守ろうとする都市伝説も存在する。
しかし、弱い都市伝説では強い都市伝説を止める事ができない。その為、弱い都市伝説は、人と契約をする。
「契約、ですか……?」
「はい。契約をすれば、都市伝説の能力は格段に上がります。それに、契約した人間も何らかの能力を使えるようになる場合があります。
さて、頼みとは他でもありません。私と契約してください。」
「はい……?」
「契約による能力の上昇とかはどうでもいいのです。だだ、私は契約者が欲しい。
契約者と一緒に紅茶でも飲んだり、契約者と世間話したり、契約者と協力して戦ったり、そういう事がしたいんです。
そんな事ができる人なら契約者じゃなくても良いのですが、契約者以外が私の傍にいるのは大変危険ですし。契約者は全然見つからないし。」
そう話すマリアンヌさんは、本気で泣きそうだった。
「あの、良いですよ?」
「はい?」
「契約、しても……」
「…………本当です!?」
助けてくれたお礼、というのもあるのだが、都市伝説が本当にいるという事実を知ってしまった以上、今後も襲われる恐怖が付き纏う。
なら、花子さんを撃退したマリアンヌさんに守って貰おうと考えたのだ。
「あぁ、ありがとうございます!遥々、こんな極東までやって来たかいがありました!」
それに、まあ、こんなに嬉しそうなマリアンヌさんが見れたなら、それだけで価値があるというものだ。
「それで、どうすれば?」
「あ、はい。契約すると言っていただければ、それで大丈夫です。」
「簡単ですね。契約します。」
「はい、受理します。」
その瞬間、僕の中に何かが流れ込ん
「あれ?」
違う、僕が何かに飲み込まれるような嫌な感覚。家が、女性が、フラッシュバックする、首無し男、青いベールの女、猫が死ぬ、Marianne Please Help Get!、燃える建物、
「はい?」
「契約、しても……」
「…………本当です!?」
助けてくれたお礼、というのもあるのだが、都市伝説が本当にいるという事実を知ってしまった以上、今後も襲われる恐怖が付き纏う。
なら、花子さんを撃退したマリアンヌさんに守って貰おうと考えたのだ。
「あぁ、ありがとうございます!遥々、こんな極東までやって来たかいがありました!」
それに、まあ、こんなに嬉しそうなマリアンヌさんが見れたなら、それだけで価値があるというものだ。
「それで、どうすれば?」
「あ、はい。契約すると言っていただければ、それで大丈夫です。」
「簡単ですね。契約します。」
「はい、受理します。」
その瞬間、僕の中に何かが流れ込ん
「あれ?」
違う、僕が何かに飲み込まれるような嫌な感覚。家が、女性が、フラッシュバックする、首無し男、青いベールの女、猫が死ぬ、Marianne Please Help Get!、燃える建物、
僕は知らなかった。
契約には容量が必要で、自分の容量を越える都市伝説との契約は死に繋がる事を、
「貴方も、駄目なんですね……」
僕が最後に見たのは、悲しそうな顔のマリアンヌさんと、その背後に蠢く30を超す亡霊達。
契約には容量が必要で、自分の容量を越える都市伝説との契約は死に繋がる事を、
「貴方も、駄目なんですね……」
僕が最後に見たのは、悲しそうな顔のマリアンヌさんと、その背後に蠢く30を超す亡霊達。
そして、僕は悪名高きイギリスの都市伝説「ボーリィ牧師館」に飲み込まれた。
終