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単発 - 運命の車輪

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匿名ユーザー

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「どうしても行くのかい?」

「ええ、だってこの町には夢が無いもの」

 そう言って彼女はどこか遠い町に行ってしまった。
 田舎とは言えどテレビのあるこの町で彼女の顔をその先一度も見なかったことから推測するに恐らく彼女の夢はかなわなかったのだろう。
 まあそんなものだ。
 夢は破れ、希望は砕け、努力は無に帰して、そして平凡な日々が続く。
 努力が報われるのはほんの一部の才能ある人間であって、そんな人間に限って努力もしない訳で。
 結果として世の中では負ける役の人ができて、幸せな人間と不幸な人間が一人ずつできる。
 
「やだなあ、夢なんてそこらに満ちているじゃないか」

 そういった僕を君は笑ったね。
 でもね、どこにでも居る普通の人間な君が片田舎の高校のミスコンに合格したりアイドル事務所に合格したのは偶然なんかじゃないんだ。
 それで君が妙な自信をつけてしまって妙な方向に夢を追いかけだしたことはまったくもって僕の予想外だったし、
 それで僕の知らないところに行って勝手に失敗したのかもしれないけどそれだって僕は知らないことで、予想なんてできなかったこと。
 ああ、夢が敗れるなんて辛いだろうね。
 でも君一人が不幸になれば君を蹴落とした人間は幸せになるだろう?
 君はどうするのかって?もう充分幸福な思い出があったじゃないか。
 思い出一つで人は幸せに生きて行けるらしいぜ?
 どの道君みたいな平凡な人間は平凡な人生を生きていくしか無いんだからそこそこ幸せな夢を見れたと思えば上出来さ。
 なあ、理想を抱いて溺死しろ。

「君は無欲だねえ」

 黒い犬は笑う。

「僕は幸運なんて求めない、だからといって不幸も求めない」

「君は自分のために能力を使わないのだね」

「僕の人生は僕のもの、誰かを幸せにするためのもの」

「でも、君はそう言って関わる人々を不幸にしてきたじゃないか」

「僕は運を奪っていない、望んだ人々に少しだけ前借りさせただけさ
 ドラマティックな人生を望む人々にはむしろ感謝されてもいいくらいだよ」

「ハハッ、ドラマティックな人生を望む人間なんてのは大概前借りを必要としない強運の持ち主か、悪運の持ち主だ
 見たところ君は彼らに感謝されようという恩着せがましい人間ではないみたいだが?」

「ああ、ソレは“知らなかった”、きっと“偶然”さ」

 クルクルクルクル廻る車輪
 運命の輪は何もしない
 生き様くらいは計画的に
 マイナスはマイナス、プラスはプラス
 
「彼らを僕が不幸にしたんじゃない、元から不幸なのさ」

 クルクルクルクル回る運命
 車輪は虚しく空回り
 この世の憂さを弾いたら
 あとに残るは夢ばかり

「だって僕は帳尻だけは合わせているんだから」

 遠くで手を振る妻と息子
 犬の散歩ももう終わり
 僕は至って幸せだ

 運命の車輪は映画のフィルム
 入場料は貴方の幸福
 良い夢を抱いて朝まで眠れ

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