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単発 - 正義の行い

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父親は刑事、母親は検事。
「正義の名の下に~」が口癖の父親に、
「犯罪者なんて全員死刑になれば良い」が口癖の母親。
多忙な両親から、尼ヶ辻 虎子が教わった数少ない事は「悪を許すな」だった。

「ハッ……ハッ……ハッ…………ハァ……」
夜の公園。朝なら散歩、昼なら親子で賑わうだろう場所も夜は人気がない。
「くっそ、が……!なんなんだよ!?」
そんな場所を、男は何かから逃げるように走っていた。
金髪や入れ墨、男の見た目は一般人とは言い難く、実際、男はヤクザだった。
ズガンッ!!
「っ!?」
男の背後から大きな音が響き、男のすねを何かが掠り、地面をえぐる。
「むぅ~、銃って扱いが難しいです」
聞こえてくるのは女の声。
「てめぇ、何者なんだ!いきなり襲ってきやがって!!」
男は振り返り、女に向き合う。
初めてちゃんと見る女はまだ若く、高校生にも見えた。
「えっとぉ~、私、尼ヶ辻って言います。はじめまして」
尼ヶ辻は全く臆する事なく、のんびりとした口調で話す。
「そのぉ~、悪を裁きに来ました」
「悪……?俺がいったい何したってんだ!」
「だってぇ~、あなた暴力団じゃないですか。それはぁ~、立派な犯罪者集団でしょう?」
「悪だの犯罪者だの、一方的に言いやがって……、てめぇはどうなんだ?おい!」
「んぅ~?」
「てめぇだって銃なんか持ち歩いてんだろ!容赦なく撃ちやがって!俺に当たったら殺人犯だぞ!!」
「あぁ~、これは前に殺したあなたのお仲間さんから没収しました。
 あとぉ~、私は殺人犯にはなりませんよ」
「は?」
「正義の為の行いですから」

「意味わかんねぇよ」
男はそう呟きながら、胸ポケットに手を入れる。
男は何も考えずに逃げていたわけではない。
なるべく、人のいない、人に見つからない、無関係な人に被害のでない場所を探して逃げてきた。
男は契約者だから。
「とりあえず……死んどけ!!」
そう言って、胸ポケットから取り出した物を尼ヶ辻に向ける。
それは、タバコの箱。品名、ラッキーストライク。
原爆投下の記念という都市伝説を持つタバコ。
そんなタバコが、尼ヶ辻に向かって爆発する
はずだった。
「……………………あ?」
ソレが起き、何が起きたか理解できず、男はタバコを持っていた手を見る。
しかし、手首の先からは刃物で切られたようにスッパリとなくなっていて
「おやぁ~、タバコは身体に悪いからやめた方が良いですよ」
タバコと手は尼ヶ辻が持っていた。
「、何?……ぇ、……はあ?」
痛みも忘れ、混乱し、呆然とする。
「えっとぉ~、とある治安の悪い国でしっかりと持っていた金目の物を強盗に手ごと持っていかれる。あのぉ~、そんな都市伝説はご存知ですか?」
「け、契約者…………」
タバコの箱と男の手を興味深そうに弄る目の前の女に恐怖を覚え、男は尻餅をつく。
「た、たす……助け、……て」
「んぅ~、駄目ですよ。だってぇ~、犯罪者は死刑にしないと」
そう言って、尼ヶ辻は男を見る。
「あっとぉ~、こんな都市伝説知ってます?
 えっとぉ~、男の人が旅先でであった女性と仲良くなるんですが気がつくと血まみれで寝てて調べたら腎臓が一つなくなっているって話です」
尼ヶ辻が話し終えた時、その手には赤黒い、ヌメヌメとした、心臓。
男は、何も分からないまま、ドサリと倒れた。
「さてぇ~、次の犯罪者を捜しましょうか」

父親は刑事、母親は検事。
「正義の名の下に~」が口癖の父親に、
「犯罪者なんて全員死刑になれば良い」が口癖の母親。
漢字を教わるより早く、「悪を許すな」と尼ヶ辻 虎子は教わった。
けれど、「罪を犯すな」と教わった事は、一度もない。

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