「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

単発 - Acrotomophilia

最終更新:

匿名ユーザー

- view
だれでも歓迎! 編集
彼は恋をしたことがなかった。
それどころか、女性に性的興奮を覚えた事すらなかった。
三次だろうと二次だろうと、ロリだろうと熟女だろうと、彼を満足させる事はできなかった。
もしや自分は男が好きなのではないか。
そう思い、そちらの方にも手を出してみたが、気持ち悪いという感想しかなかった。
そうして二十余年、彼は恋など知らずに生きてきた。
しかし、性欲がないわけではなかった。ムラムラする事もあった。
けれど、彼を満足させるモノはなかった。
適当なモノで鎮めてもいまいちスッキリしない。
彼は常に欲求不満であり、苛々していた。
だから
「私、奇麗?」
という、道端で突然、大きなマスクをした女に質問され
「知るかボケ!」
と即答してしまったのも、まあ、仕方のない事だったのだ。
「っっぅわあ!!?」
もちろん、「口裂け女」であるその女にそんな事を言えば、襲われるのは当然だったが。
彼は都市伝説には詳しくなかったが、口裂け女くらいは知っていた。
本物ではなく、真似をして鋏を振り回すキ○ガイだと思っていたが。
男はすぐに逃げだし、交番はどこだったかと頭を巡らす。
それより、携帯電話だと思いいたり、坂を駆け降りながらポケットをさぐる。
ふと、ただ直感のみで右へ跳ぶ。直後、彼のいた地面に鋏が刺さる。
「チッ」
静かに舌打ちをして、口裂け女は鋏を抜き、彼に鋏を向ける。
「マジかよ……!?」
アスファルトの地面に鋏が刺さる現実に混乱しながら、彼は辛うじて二撃目を避ける。
そして、
「そこの人!私と契約して下さい!助けますから!!」
どこからかそんな女の叫びが聞こえた。
この状況は何だとか、契約とは何かとか、そんな事は三撃目が彼の頬を掠った瞬間に吹っ飛び、「助ける」という単語に飛びついた。
「契約するから助けろ!」
そう言った彼の目の前には、今まさに鋏が振り下ろされようとしていた。
が、突然、口裂け女の両腕が、落ちた。まるで初めてから飾りだったかのように、ボトリと。
彼と口裂け女の耳に響いたのは、ゴロゴロと転がる車輪の音。
見れば、車椅子に乗った女が、坂を駆け降りてくる。
「だあぁぁぁぁらっしゃああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
そして、その女はそのまま、口裂け女に体当たりした。
一瞬、口裂け女は車椅子を受け止めようとして、腕が無い事に思い至る。
そして、大きな音がした。
「あうっ!」
口裂け女に体当たりしたは良いが、乗っていた女も投げ出され、地面を転がった。
かなり痛いだろうに、女はすぐに彼の元へ這っていった。
「怪我はありませんか、契約者さん」
「何だ、これ……」
「混乱してますよね。でも説明は待ってください。まず、口裂け女をどうにかしないと」
「そうか、これが……」
「……?あの」
「これが恋か!」
「はいぃ!!?」

彼の言葉に、女は驚く。
自分の容姿に自信などなく、なにより出会ったばかりなのにそんな事を言われるとは思わなかったのだ。
「結婚しよう」
「え!?ぇと、ふつつか者でs、違っ!あの、そのっ、そういうのは、もっと段階を踏んで……」
女はすっかり混乱していた。
そして、口裂け女の事を忘れていた。
「あ」
「え?」
女が後ろを見れば、口裂け女がいた。
無くした腕の代わりに、その口に鋏をくわえていた。
そして、口裂け女が走りだした。鋏を女の首に向けて。
女はとっさの事に、手も足もだせずなかった。
有名な話だが、口裂け女は100mを3秒で駆ける。
そんな速度で、接近する鋏の威力はどれほどのものか。
「彼女に触れるな不細工女」
そして、彼がバットのように振った車椅子に、その速度で突っ込んだ時の威力もどれほどだったろう。
「うぉぉぉぉ…………腕が痺れたぁ……」
腕を押さえながら、彼はしゃがみ込んだ。腕が折れていないのは奇跡と言ってもよかっただろう。
ひしゃげた車椅子とともに車椅子と転がった口裂け女は身体中が傷だらけになっていた。
何より、くわえていた鋏が、顔を貫き、その口はさらに大きく裂けていた。
「……………………」
それでも、それほどの傷を負ってなお、口裂け女は立ち上がった。
「しぶといな」
「契約者さんはさがっていて下さい。私が何とかします」
彼の半分程度しかない背丈で、彼を守るように立つ。
けれど、口裂け女はくるりと向きを変え、彼と女のいる方向とは別の方向へ走っていった。
ようするに、不利と悟って逃げた。
「……助かったのか?」
「みたい、ですね」
そう言って、二人はため息を吐いた。
「さて、さっきの続きだが」
「え?」
「子供は何人欲しい」
「え!?いや、あの、ですね」
「ペットは犬と猫、どちらがいい。もちろん、それ以外でも構わないが」
「待っ、待ってください!早いです!いろいろと早すぎます!!」
「……それもそうか」
「あ、分かってくれましt」
「こんな道端でこんな話をするのはダメだな。まずはどこかの喫茶店に行くのが先か」
「え…………ちょっと、待っ、契約者さん!?話を聴いて、待って!抱き上げないで!契約者さん!?」
彼は全く話を聴かず、暴れる女を簡単に抱っこして歩きだした。
その後、とある喫茶店で、一人の男と都市伝説「だるま女」が目撃されたが、それはまた別の物語である。

彼は恋をしたことがなかった。
それどころか、女性に性的興奮を覚えた事すらなかった。
彼は自分の性癖を理解していなかったから。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
記事メニュー
ウィキ募集バナー