「爆発しろ」
私の呟きと同時に、私の前を歩くカップル達からちいさな爆発音が上がった。
お察しの通り、私は「リア充爆発しろ」の契約者。
それも、もともと契約していたのはただ一人の親友だった。
「あたし、彼氏できたんだ」
だからもう契約解除なのと笑って言った彼女にその都市伝説をくれと頼み、晴れて私は契約者となった。
「爆発しろ」
軽い破裂音が響き、周囲のそこここで爆発が起きる。リア充だらけじゃないか。ちくしょう。
幸か不幸か。私にとっては不幸だが、もともとその程度の威力なのか、
それとも契約者である私の力不足か、爆竹程度の爆発しか起きやしない。
小爆発を起こしたカップルはと言えば、きゃあきゃあ歓声を上げて、なあにこわーいなんて甘ったるく抱き合ってやがる。ちくしょう。
それに引き替え、こんなしょっぱい事しかできない私には、一生彼氏なんか出来ないかも知れない。
たまらなく惨めになって
「リア充爆発しろ!!」
絶叫してその場にしゃがみ込んだ。でもどれだけ連中が爆発したって、ちっとも慰められやしない。
「あの、お嬢さん」
顔を上げると、そこには黒いスーツにグラサン姿の、なかなかイケメンのおじ様が。
連れの女などは居ないよう。もしかしてナンパ?私に一目惚れしちゃいましたとか?ようやく私にも春の訪れが!?今12月だけど。
「あ…すみません。邪魔でしたか」
涙を拭いて立ち上がると、彼はそうではありませんと言い、名刺を差し出してきた。
「組織…?」
「ええ、威力は子どもの悪戯程度とは言え、
こちらの立場上、危害が発生する可能性を放置しては置けませんので」
つまり私に、「組織」の管理下に入るか、契約を解除し、
都市伝説を手放すか。どちらか選べと言うことらしい。
私はしばし考えて。いや、考えるふりをして。
「貴方が…担当になって下さるなら、どこまでもついて行きます」
声音にばっちり甘さを乗せてアピール。これに気付かない男はよほど鈍いか三次元不感症だ。
黒服はしばしぽかんと私を見つめ、
「せっかくですが…私は今でこそ『黒服』ですが、都市伝説に飲まれる前からの妻と子が居りまして」
……やっぱり春なんか遠いんだなあ
「もうみんな爆発しろおおおおお!!!!」
私の呟きと同時に、私の前を歩くカップル達からちいさな爆発音が上がった。
お察しの通り、私は「リア充爆発しろ」の契約者。
それも、もともと契約していたのはただ一人の親友だった。
「あたし、彼氏できたんだ」
だからもう契約解除なのと笑って言った彼女にその都市伝説をくれと頼み、晴れて私は契約者となった。
「爆発しろ」
軽い破裂音が響き、周囲のそこここで爆発が起きる。リア充だらけじゃないか。ちくしょう。
幸か不幸か。私にとっては不幸だが、もともとその程度の威力なのか、
それとも契約者である私の力不足か、爆竹程度の爆発しか起きやしない。
小爆発を起こしたカップルはと言えば、きゃあきゃあ歓声を上げて、なあにこわーいなんて甘ったるく抱き合ってやがる。ちくしょう。
それに引き替え、こんなしょっぱい事しかできない私には、一生彼氏なんか出来ないかも知れない。
たまらなく惨めになって
「リア充爆発しろ!!」
絶叫してその場にしゃがみ込んだ。でもどれだけ連中が爆発したって、ちっとも慰められやしない。
「あの、お嬢さん」
顔を上げると、そこには黒いスーツにグラサン姿の、なかなかイケメンのおじ様が。
連れの女などは居ないよう。もしかしてナンパ?私に一目惚れしちゃいましたとか?ようやく私にも春の訪れが!?今12月だけど。
「あ…すみません。邪魔でしたか」
涙を拭いて立ち上がると、彼はそうではありませんと言い、名刺を差し出してきた。
「組織…?」
「ええ、威力は子どもの悪戯程度とは言え、
こちらの立場上、危害が発生する可能性を放置しては置けませんので」
つまり私に、「組織」の管理下に入るか、契約を解除し、
都市伝説を手放すか。どちらか選べと言うことらしい。
私はしばし考えて。いや、考えるふりをして。
「貴方が…担当になって下さるなら、どこまでもついて行きます」
声音にばっちり甘さを乗せてアピール。これに気付かない男はよほど鈍いか三次元不感症だ。
黒服はしばしぽかんと私を見つめ、
「せっかくですが…私は今でこそ『黒服』ですが、都市伝説に飲まれる前からの妻と子が居りまして」
……やっぱり春なんか遠いんだなあ
「もうみんな爆発しろおおおおお!!!!」
END