エジプト神話には、ネコの姿をした神様がいるという
「「「「「「バステト様ぁー……バステト様ぁー……」」」」」」
幾つかの炎のみしか明かりの無い遺跡のような暗い部屋
何人もの人々が膝を地につけ手を広げ、何度も懇願するように頭を下げている
打楽器の軽快なリズムに乗ってダンスを踊っている者もいた
そして、奥には祭壇と、それに乗っている1匹の猫
何人もの人々が膝を地につけ手を広げ、何度も懇願するように頭を下げている
打楽器の軽快なリズムに乗ってダンスを踊っている者もいた
そして、奥には祭壇と、それに乗っている1匹の猫
「バステト様……どうか、我々の願いを聞いて下され……」
一人の老人が民衆を代表して祭壇の上のネコに頭を下げながら、
フルーツに魚、ワインの入った杯を差し出した
「バステト」とは件のネコの頭をした、若しくは家猫の姿をしたエジプト神話の神
音楽と踊りが好きで、豊穣と月、性愛を司るとされる
フルーツに魚、ワインの入った杯を差し出した
「バステト」とは件のネコの頭をした、若しくは家猫の姿をしたエジプト神話の神
音楽と踊りが好きで、豊穣と月、性愛を司るとされる
「このところ晴れ間が続いております…どうか、この大地に天の恵みを与えて下され…」
「「「「「「バステト様ぁー……バステト様ぁー……」」」」」」
「「「「「「バステト様ぁー……バステト様ぁー……」」」」」」
男は太鼓を叩き、女は楽しげに踊り、老人達は必死に願いを請う
ネコは「にゃー」と一言鳴いて、前足をぺろぺろ舐めて顔を洗った
その時だった
ネコは「にゃー」と一言鳴いて、前足をぺろぺろ舐めて顔を洗った
その時だった
「おい皆! 雨だ! 雨が降ったぞ!!」
外からそんな声が聞こえた
見に行かずとも、徐々に強さを増す雨音が彼等の耳にしかと届いていた
見に行かずとも、徐々に強さを増す雨音が彼等の耳にしかと届いていた
「あぁ…有難う御座いますバステト様!」
「「「「「「バステト様万歳! バステト様万歳!!」」」」」」
「「「「「「バステト様万歳! バステト様万歳!!」」」」」」
ある者は大いに喜び、ある者は感涙を流し、祭壇のネコを褒め称えた
「ふにゃ~」とネコは大きな欠伸をして、その場で丸くなった
「ふにゃ~」とネコは大きな欠伸をして、その場で丸くなった
それは誰も知らない事であった
このネコが、「猫が顔を洗うと雨が降る」と契約しているという事を
「バステト」などでは全くないという事を
このネコが、「猫が顔を洗うと雨が降る」と契約しているという事を
「バステト」などでは全くないという事を
...end