モノクロモノクル
僕は目が不自由だ。
左目の視力はゼロ。右目の視力は人並みだが、こちらは全色盲――白と黒の濃淡しかわからない。
僕がまだ幼いころ、家にあった古い鏡を割ってしまい、その破片が僕の両目を直撃。
以来僕はこの不自由な目と付き合っていくことになってしまった。
左目の視力はゼロ。右目の視力は人並みだが、こちらは全色盲――白と黒の濃淡しかわからない。
僕がまだ幼いころ、家にあった古い鏡を割ってしまい、その破片が僕の両目を直撃。
以来僕はこの不自由な目と付き合っていくことになってしまった。
だが、僕の目は便利だ。
実はこの何も見えない左目にも見えるものがある。
それは日常の裏に潜み、非日常に生きるものたち。
僕の左目には、それらが独特の色をもって見えるのだ。
実はこの何も見えない左目にも見えるものがある。
それは日常の裏に潜み、非日常に生きるものたち。
僕の左目には、それらが独特の色をもって見えるのだ。
赤は危ないやつら。炎のように大きかったり、どす黒い血のように濃いやつは特に危険。
黄色は危険地帯。近づかなければ安全だけど、領域に踏み込んだらどうなるかわからない。
青いのや緑のはたいてい安全。そこにいるだけの存在とか、人に友好的なやつらとか。
そういった単色のやつもいれば混色のやつもいたりと、なかなか個性があって面白い。
黄色は危険地帯。近づかなければ安全だけど、領域に踏み込んだらどうなるかわからない。
青いのや緑のはたいてい安全。そこにいるだけの存在とか、人に友好的なやつらとか。
そういった単色のやつもいれば混色のやつもいたりと、なかなか個性があって面白い。
あまり見ないけれど、中には人間なのに色を持ってる人たちもいる。
赤を持つ人がけっこう多いけれど、ほとんどの人たちの色は怖さを感じない。
それはまるで暖かい焚き火のような、きれいな夕焼けのような、咲き誇る紅葉のような。
そういった、見ていて安心感を覚えるような色ばかりだ。
赤を持つ人がけっこう多いけれど、ほとんどの人たちの色は怖さを感じない。
それはまるで暖かい焚き火のような、きれいな夕焼けのような、咲き誇る紅葉のような。
そういった、見ていて安心感を覚えるような色ばかりだ。
白黒の日常を見る右目と、極彩の非日常を見る左目。
この不自由で便利な白黒色眼鏡を頼りに、僕は非日常を避け、日常を生きてこられた。
でも僕は非日常を知っている。非日常の世界をこの目で見てしまっている。
もしこの先、今まで遠巻きに見ていた非日常と相対したとき、僕は目をそらさずにいられるだろうか。
この不自由で便利な白黒色眼鏡を頼りに、僕は非日常を避け、日常を生きてこられた。
でも僕は非日常を知っている。非日常の世界をこの目で見てしまっている。
もしこの先、今まで遠巻きに見ていた非日常と相対したとき、僕は目をそらさずにいられるだろうか。
【終】