「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

単発 - モノクロモノクル

最終更新:

kemono

- view
だれでも歓迎! 編集

モノクロモノクル


 僕は目が不自由だ。
 左目の視力はゼロ。右目の視力は人並みだが、こちらは全色盲――白と黒の濃淡しかわからない。
 僕がまだ幼いころ、家にあった古い鏡を割ってしまい、その破片が僕の両目を直撃。
 以来僕はこの不自由な目と付き合っていくことになってしまった。

 だが、僕の目は便利だ。
 実はこの何も見えない左目にも見えるものがある。
 それは日常の裏に潜み、非日常に生きるものたち。
 僕の左目には、それらが独特の色をもって見えるのだ。

 赤は危ないやつら。炎のように大きかったり、どす黒い血のように濃いやつは特に危険。
 黄色は危険地帯。近づかなければ安全だけど、領域に踏み込んだらどうなるかわからない。
 青いのや緑のはたいてい安全。そこにいるだけの存在とか、人に友好的なやつらとか。
 そういった単色のやつもいれば混色のやつもいたりと、なかなか個性があって面白い。

 あまり見ないけれど、中には人間なのに色を持ってる人たちもいる。
 赤を持つ人がけっこう多いけれど、ほとんどの人たちの色は怖さを感じない。
 それはまるで暖かい焚き火のような、きれいな夕焼けのような、咲き誇る紅葉のような。
 そういった、見ていて安心感を覚えるような色ばかりだ。

 白黒の日常を見る右目と、極彩の非日常を見る左目。
 この不自由で便利な白黒色眼鏡を頼りに、僕は非日常を避け、日常を生きてこられた。
 でも僕は非日常を知っている。非日常の世界をこの目で見てしまっている。
 もしこの先、今まで遠巻きに見ていた非日常と相対したとき、僕は目をそらさずにいられるだろうか。


【終】





タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
記事メニュー
ウィキ募集バナー