「新聞部の活動6」
どうもお久しぶりです。一一です。CoA編以来ですね。CoAでの詳しい話は後日書きますのであしからず。では、ここからは3人称視点でお送りしましょう
一「情報が手に入りました」
CoA事件が解決し、またいつもの活動…『都市伝説は実在する』という都市伝説の作成に戻る新聞部達。その部員の一は、部員達に何かを伝えるようだった
真「ほう。それはどんな情報なんだ?」
一「以前僕達が貼った新聞を剥がした化学の先生…荒神秀先生の契約都市伝説が判明しました」
郵記「すごいですよね。なんだったんですよね?」
相変わらず変わった口癖である
一「ええ。『夜動く白骨標本』と『踊る人体模型』です。『ホルマリン漬け』ではありませんでした。ちなみに骨格標本は性別的には女性らしいです。
さらに先生には狂気的に先生を慕う弟さん…所謂ヤンデレですね。がいて、彼は『コーラを飲むと骨が溶ける』と契約しているらしいですよ」
文子「なるほど…」
一「でも、このくらいの情報は探そうとすればいくらでも見つけられる程度のものです。つまり、本題はここからです」
一呼吸置き、
... . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
一「以前、僕達に忠告をした黒服。あの組織の情報を持ってきました」
真「…何?」
などと、普通の人間であれば。否、異常な人間であっても耳を疑うようなことを、一は平然と真顔で言い放った
真「どういうことだ? 黒服の組織の情報は最上級機密のはず。万が一情報を知ってしまったら消されかねないくらいの…。
いくらお前といっても、そう簡単に手に入れられるようなものでは…成る程。それが異常(アブノーマル)の異常たる所以か」
一「はい、その通りです。理屈で説明できるけど、理屈が通用しない異常。ただ、そうなるからそうなってしまう。それが異常者(ぼくたち)ですよ」
郵記「え? 何の話ですよね? あぶのーまる? いじょう? 何なんですよね、それ?」
真「そういえばお前には言ってなかったな。異常ってのは、一部の人間だけが生まれつき持っている才能、能力のようなもので、
例えば言語能力が異常なほど優れているとか、例えば情人に見えないものが見えるだとか、見た物全てを記憶できるだとか―そういった才能のことを言うのさ」
郵記「なるほどですよね…」
一「ちなみに僕の異常は見聞探し(インフォメーションハンター)。あらゆる情報を収集する異常な情報網です。
僕がその気になれば、大抵の情報は集められますよ」
隣の家の夕飯のおかずから、逃走中の指名手配犯の現在位置まで。如何なる情報も集めることができる、そんな異常。尤も、限度はあるし、見つけようとしなければ唯耳が早いだけになるのだが。
一「…では、話を戻しますね。黒服の組織。都市伝説の種類としては『メン・イン・ブラック』に分類され、都市伝説に関しての事件の処理などをする組織らしいです。
大きく分けて穏健派、強硬派、過激派、中立派(日和見派)の四つに分かれていて…まぁこれは思想の違いによるものでしょうね。
穏健派は組織外の者にも寛容で、被害者の意思を極力尊重します。強硬派は危険度によって応対は変わりますが、基本的に組織の敵相手には容赦しません。過激派は強硬派よりさらに過激で、組織の敵は即・抹殺です
そして中立派は、組織外の者にもある程度寛容ですが、少し危険な場合は観察・監視。そして、危害が無視できない場合は容赦なく殲滅します。
そして組織内にはA~Zの種類がいて、それぞれに番号が振り分けられています。
そして、組織の黒服には2種類…即ち元々『メン・イン・ブラック』という種類の都市伝説である純粋な黒服と、都市伝説に飲み込まれたことで都市伝説化した黒服が居るわけです。
以前僕を襲った黒服は黒服H-No.360。本名は広瀬 宏也。飲まれた都市伝説は『エロイ人は髪が伸びるのが早い』です。変態が服を着て歩いているような存在と囁かれていますね。ちなみに、逢瀬佳奈美さんと交際している、との噂がありますがどうでもいいですね。
文子さんの所に来た胸が大きい黒服は恐らくD-No.962。本名は大門 大樹。無駄に巨乳、という文子さんの談から予測しました―尤も、巨乳というのは元より無駄なんですけど。胸と前科は無い方がいい。常識ですね」
一 一は貧乳萌えという、今までほとんど使われなかった設定が今頃出てくる。覚えてる人なんて居るのだろうか?
一「閑話休題、彼が飲み込まれた都市伝説は『夢の国の地下トンネル』と『夢の国の地下カジノ』。このまま飲まれれば『夢の国の黒服』になるところでしたが、『夢の国の地下カジノ』との契約を解除したことで代わりに『組織の黒服』と化しました。
ですがそのせいで、『組織の黒服』でありながら『夢の国の黒服』が混じっているという非常に稀有な存在になってしまいました。それが幸か不幸かは彼にしか知りようがありませんけどね。
ちなみに彼…即ち男性なのに文子さんの所に来たときは胸の大きい女性だった、という件については恐らくマッド・ガッサー事件が原因でしょう。覚えてますよね?」
真「ああ」
一「『マッド・ガッサー』…毒ガスではなく女体化ガスを使う風変わりな『マッド・ガッサー』。そのガスに当てられて女体化したものらしいです。ちなみに今はもう男性に戻ってるそうですが。
それと、彼は女性がどんなにアプローチしても気づかない程度に鈍感らしいですが、それはどうでもいい情報でしょう。
あと、上位メンバーが1人を除いて全員幼女で、『幼気』と呼ばれる不思議な力を使うR-Noが存在するそうです」
真「なるほど、流石お前だ。これでボク達はさらに都市伝説を広めることができるわけだ…!」
郵記「僕も『記者の勘』を駆使して頑張るんですよね!」
文子「あの…」
真「ん? どうした?」
文子「私、さっきから『なるほど…』と『あの…』しか喋ってないんですけど! 大丈夫ですよね!? 私の存在忘れてませんよね!? 空気化してませんよね!? \アッヤリ~ン/なんて言われませんよね!?」
\アッヤリ~ン/\ハーイ!/。うん、流行らない。パクリだし。流行ってはいけない気さえする
文子「私お団子じゃありませんしバズーカのように髪を飛ばしたりできませんよ!?」
『大丈夫ですよ、文子さん』
慌てふためく文子の肩に、ぽんと手を置き、言う『天狗の新聞』
『私は、これが今回初めての台詞ですから』
文子「天狗ちゃん…」
なにやら、台詞の少ない者どうしで奇妙な友情が芽生えたようである
真「さて…。一。他に、ボク達に報告することはあるか?」
一「はい。今日は10月28日ですよね?」
真「ああ、こっちの世界ではな」
一「そして、今日10月28日は『マヤの予言』で世界が終わる日。なのでそれについて調べておきました。
『マヤの予言』による世界の終焉。これは時限爆弾的なものではなく、人為的な…否。神威的なもののようです。
『マヤ神話』の神々が地上にやってきて世界を終焉させようとしています。判明しているメンバーは『フラカン』、『ククルカン』、『イシュムカネー』、『イシュピヤコック』…そして、『太陽の暦石』です」
文子「また豪華なメンバーが揃ったものね…」
一「さらに『太陽の暦石』には『マヤの予言』に記されている世界終焉の予言の現象を起こす能力を持つそうですが、単体では無力で。契約者が必要のようです。
そして、その契約者になったのは…否。契約者にされたのは、神崎麻夜。精神も殆ど『太陽の暦石』に乗っ取られたようです」
文子「成る程ね。『千里眼』で見たら遠くのほうにジャガー人間が居たけれど、それもそうなのかしら?」
一「ええ。『マヤの予言』の終末説のひとつ、『ジャガーに食い殺される』ですね。終末論のジャガーなだけあって、アスファルトを粉砕する程度の腕力・脚力。そして、鉄くらいなら簡単に傷をつける程度の鋭い爪を持っているそうです」
真「…で、どうするんだ? ボク達は全員非戦闘要因だぞ。そんなパワフルな都市伝説に対抗するのは難しいぞ」
一「ええ、分かっていますよ。ですが僕たちは新聞部です。相手が都市伝説だからこそ、僕たちが新聞部だからこそ、対抗する手段があります…!」
ニヤリ、と笑い言う一
一「僕もさっきあのジャガーに遭いましたが、僕の武器では何もできませんでした。もうどうしようもなく、死を覚悟した僕は、偶然持っていたマタタビをジャガーの顔に投げつけたんです」
郵記「なぜ、そんなものを偶然持ってたんですよね…?」
一「すると、いくら終末論のジャガーと言ってもネコ科のようで。マタタビに酔って怯みました。なのでその隙に逃げて僕は助かったわけですが…。
そう、あのジャガー人間の弱点はマタタビなんです。つまり、この弱点を利用しない手はありません…!」
一の言わんとすることを理解したのか、ニヤリと笑う真
真「…成る程、捏造か…!」
『捏造?』
一「ええ、その通りです。終末論のジャガー男。それだけ聞くとどうしようも無いほどに厄介ですが、それでも都市伝説であることに変わりはありません。
そして都市伝説は人間の噂から生まれるものです。創造神―なんてことをよく言いますが、そんな人類を創ったとする神でさえ、所詮は人間の創作物に過ぎませんし、人類創造も人間の作った設定でしかありません」
などと、『フラカン』が聞いたら100%怒るであろうことを、『フラカン』以外の神であっても不愉快に感じる罰当たりなことを、平然と言う一
一「つまり、相手が都市伝説である限り、僕たち人間が噂を流せば後からいくらでも設定は付け加えられるんですよ…!」
文子「成る程、そう言うことね…」
郵記「非契約者で新聞部取材担当の一先輩らしい考え方ですよね…!」
『え? え? え?』
周りの全員が理解しているのに自分だけが理解できていない状況に、慌てふためく『天狗の新聞』
文子「天狗ちゃん。口裂け女の弱点はポマードよね? あと、犬が苦手って説もあるわね」
『ポマード…犬…弱点…。…! 成る程、そういうことですか!』
のどに刺さった魚の小骨が取れたように、すっきりした表情を浮かべる『天狗の新聞』
一「どうやら皆さん理解したようですね。そう、『ジャガー男の弱点はマタタビである』。この情報を利用して。脚色して捏造して、ジャガー男に新たな弱点を付与するんですよ!
極論を言えば、僕たちが『世界を終わらせようとするジャガーを倒す狼のヒーローが居る』…という噂でも流せばジャガーは倒せるのでしょうが、そんな根の葉も無い噂を流すのは、火の無い所に煙を立てるのは非常に難しいでしょう。
なので、事実を脚色して弱点を付与します。具体的には、『ジャガー男にマタタビ科植物を塗った武器で傷を付けるとその内毒が回って死ぬ』、『ジャガー男の心臓か脳にマタタビ科植物を塗った武器を当てると、即死する』、
『ジャガー男の目にマタタビ科植物の粉末かエキスをエキスをかけると目が見えなくなる』、『鼻にかけると鼻が利かなくなる』、『マタタビ科植物の粉末か、マタタビ科植物を焼いたときに発生する煙を吸わせると体が麻痺する』などの噂を流すんです」
真「くく…やはりか…。よし、記事の作成はボクに任せたまえ! どうせ殆どの人間がジャガー男に遭うのだろうから、今回は都市伝説に関わる者にしか読めないような細工はしない!
学校町中の、いや、学校町外の者でさえ噂するくらいに人を引き込む記事を書いてやるさ…!」
文子「そして写真撮影は私に任せて頂戴。『千里眼』でマタタビに怯むジャガーを確実に撮影して、ちょっぴり写真も改造して、部長の記事の信憑性を底上げするわ…!」
郵記「そしてジャガーに襲われる人間探しは僕に任せて欲しいんですよね! 『記者の勘』でいち早く事件を察知するんですよね!」
一「皆さん…ありがとうございます…。そして噂の伝達度合いの調査は僕にお任せください。僕達で力を合わせて1日で…否、数時間でこの噂を広めてやりましょう!」
「「「「おー!!!」」」」
こうして、新聞部達も新聞部らしい方法で、世界終焉と戦うのであった…。頑張れ新聞部、負けるな新聞部! 人類の明日のために!
「ねぇ、知ってる? あのジャガー男にマタタビを塗った刃物をさすとね…。苦しみだして死んじゃうんだって…」
「マタタビを焼くと近寄って来ないらしいよ?」
「友達の友達から聞いた話なんだけど、マタタビを顔にかけると見えなくなるんだってさ…」
新聞部の書いた記事は、新聞部達の蒔いた噂の種は、早速周りに広まっていた…
どうもお久しぶりです。一一です。CoA編以来ですね。CoAでの詳しい話は後日書きますのであしからず。では、ここからは3人称視点でお送りしましょう
一「情報が手に入りました」
CoA事件が解決し、またいつもの活動…『都市伝説は実在する』という都市伝説の作成に戻る新聞部達。その部員の一は、部員達に何かを伝えるようだった
真「ほう。それはどんな情報なんだ?」
一「以前僕達が貼った新聞を剥がした化学の先生…荒神秀先生の契約都市伝説が判明しました」
郵記「すごいですよね。なんだったんですよね?」
相変わらず変わった口癖である
一「ええ。『夜動く白骨標本』と『踊る人体模型』です。『ホルマリン漬け』ではありませんでした。ちなみに骨格標本は性別的には女性らしいです。
さらに先生には狂気的に先生を慕う弟さん…所謂ヤンデレですね。がいて、彼は『コーラを飲むと骨が溶ける』と契約しているらしいですよ」
文子「なるほど…」
一「でも、このくらいの情報は探そうとすればいくらでも見つけられる程度のものです。つまり、本題はここからです」
一呼吸置き、
... . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
一「以前、僕達に忠告をした黒服。あの組織の情報を持ってきました」
真「…何?」
などと、普通の人間であれば。否、異常な人間であっても耳を疑うようなことを、一は平然と真顔で言い放った
真「どういうことだ? 黒服の組織の情報は最上級機密のはず。万が一情報を知ってしまったら消されかねないくらいの…。
いくらお前といっても、そう簡単に手に入れられるようなものでは…成る程。それが異常(アブノーマル)の異常たる所以か」
一「はい、その通りです。理屈で説明できるけど、理屈が通用しない異常。ただ、そうなるからそうなってしまう。それが異常者(ぼくたち)ですよ」
郵記「え? 何の話ですよね? あぶのーまる? いじょう? 何なんですよね、それ?」
真「そういえばお前には言ってなかったな。異常ってのは、一部の人間だけが生まれつき持っている才能、能力のようなもので、
例えば言語能力が異常なほど優れているとか、例えば情人に見えないものが見えるだとか、見た物全てを記憶できるだとか―そういった才能のことを言うのさ」
郵記「なるほどですよね…」
一「ちなみに僕の異常は見聞探し(インフォメーションハンター)。あらゆる情報を収集する異常な情報網です。
僕がその気になれば、大抵の情報は集められますよ」
隣の家の夕飯のおかずから、逃走中の指名手配犯の現在位置まで。如何なる情報も集めることができる、そんな異常。尤も、限度はあるし、見つけようとしなければ唯耳が早いだけになるのだが。
一「…では、話を戻しますね。黒服の組織。都市伝説の種類としては『メン・イン・ブラック』に分類され、都市伝説に関しての事件の処理などをする組織らしいです。
大きく分けて穏健派、強硬派、過激派、中立派(日和見派)の四つに分かれていて…まぁこれは思想の違いによるものでしょうね。
穏健派は組織外の者にも寛容で、被害者の意思を極力尊重します。強硬派は危険度によって応対は変わりますが、基本的に組織の敵相手には容赦しません。過激派は強硬派よりさらに過激で、組織の敵は即・抹殺です
そして中立派は、組織外の者にもある程度寛容ですが、少し危険な場合は観察・監視。そして、危害が無視できない場合は容赦なく殲滅します。
そして組織内にはA~Zの種類がいて、それぞれに番号が振り分けられています。
そして、組織の黒服には2種類…即ち元々『メン・イン・ブラック』という種類の都市伝説である純粋な黒服と、都市伝説に飲み込まれたことで都市伝説化した黒服が居るわけです。
以前僕を襲った黒服は黒服H-No.360。本名は広瀬 宏也。飲まれた都市伝説は『エロイ人は髪が伸びるのが早い』です。変態が服を着て歩いているような存在と囁かれていますね。ちなみに、逢瀬佳奈美さんと交際している、との噂がありますがどうでもいいですね。
文子さんの所に来た胸が大きい黒服は恐らくD-No.962。本名は大門 大樹。無駄に巨乳、という文子さんの談から予測しました―尤も、巨乳というのは元より無駄なんですけど。胸と前科は無い方がいい。常識ですね」
一 一は貧乳萌えという、今までほとんど使われなかった設定が今頃出てくる。覚えてる人なんて居るのだろうか?
一「閑話休題、彼が飲み込まれた都市伝説は『夢の国の地下トンネル』と『夢の国の地下カジノ』。このまま飲まれれば『夢の国の黒服』になるところでしたが、『夢の国の地下カジノ』との契約を解除したことで代わりに『組織の黒服』と化しました。
ですがそのせいで、『組織の黒服』でありながら『夢の国の黒服』が混じっているという非常に稀有な存在になってしまいました。それが幸か不幸かは彼にしか知りようがありませんけどね。
ちなみに彼…即ち男性なのに文子さんの所に来たときは胸の大きい女性だった、という件については恐らくマッド・ガッサー事件が原因でしょう。覚えてますよね?」
真「ああ」
一「『マッド・ガッサー』…毒ガスではなく女体化ガスを使う風変わりな『マッド・ガッサー』。そのガスに当てられて女体化したものらしいです。ちなみに今はもう男性に戻ってるそうですが。
それと、彼は女性がどんなにアプローチしても気づかない程度に鈍感らしいですが、それはどうでもいい情報でしょう。
あと、上位メンバーが1人を除いて全員幼女で、『幼気』と呼ばれる不思議な力を使うR-Noが存在するそうです」
真「なるほど、流石お前だ。これでボク達はさらに都市伝説を広めることができるわけだ…!」
郵記「僕も『記者の勘』を駆使して頑張るんですよね!」
文子「あの…」
真「ん? どうした?」
文子「私、さっきから『なるほど…』と『あの…』しか喋ってないんですけど! 大丈夫ですよね!? 私の存在忘れてませんよね!? 空気化してませんよね!? \アッヤリ~ン/なんて言われませんよね!?」
\アッヤリ~ン/\ハーイ!/。うん、流行らない。パクリだし。流行ってはいけない気さえする
文子「私お団子じゃありませんしバズーカのように髪を飛ばしたりできませんよ!?」
『大丈夫ですよ、文子さん』
慌てふためく文子の肩に、ぽんと手を置き、言う『天狗の新聞』
『私は、これが今回初めての台詞ですから』
文子「天狗ちゃん…」
なにやら、台詞の少ない者どうしで奇妙な友情が芽生えたようである
真「さて…。一。他に、ボク達に報告することはあるか?」
一「はい。今日は10月28日ですよね?」
真「ああ、こっちの世界ではな」
一「そして、今日10月28日は『マヤの予言』で世界が終わる日。なのでそれについて調べておきました。
『マヤの予言』による世界の終焉。これは時限爆弾的なものではなく、人為的な…否。神威的なもののようです。
『マヤ神話』の神々が地上にやってきて世界を終焉させようとしています。判明しているメンバーは『フラカン』、『ククルカン』、『イシュムカネー』、『イシュピヤコック』…そして、『太陽の暦石』です」
文子「また豪華なメンバーが揃ったものね…」
一「さらに『太陽の暦石』には『マヤの予言』に記されている世界終焉の予言の現象を起こす能力を持つそうですが、単体では無力で。契約者が必要のようです。
そして、その契約者になったのは…否。契約者にされたのは、神崎麻夜。精神も殆ど『太陽の暦石』に乗っ取られたようです」
文子「成る程ね。『千里眼』で見たら遠くのほうにジャガー人間が居たけれど、それもそうなのかしら?」
一「ええ。『マヤの予言』の終末説のひとつ、『ジャガーに食い殺される』ですね。終末論のジャガーなだけあって、アスファルトを粉砕する程度の腕力・脚力。そして、鉄くらいなら簡単に傷をつける程度の鋭い爪を持っているそうです」
真「…で、どうするんだ? ボク達は全員非戦闘要因だぞ。そんなパワフルな都市伝説に対抗するのは難しいぞ」
一「ええ、分かっていますよ。ですが僕たちは新聞部です。相手が都市伝説だからこそ、僕たちが新聞部だからこそ、対抗する手段があります…!」
ニヤリ、と笑い言う一
一「僕もさっきあのジャガーに遭いましたが、僕の武器では何もできませんでした。もうどうしようもなく、死を覚悟した僕は、偶然持っていたマタタビをジャガーの顔に投げつけたんです」
郵記「なぜ、そんなものを偶然持ってたんですよね…?」
一「すると、いくら終末論のジャガーと言ってもネコ科のようで。マタタビに酔って怯みました。なのでその隙に逃げて僕は助かったわけですが…。
そう、あのジャガー人間の弱点はマタタビなんです。つまり、この弱点を利用しない手はありません…!」
一の言わんとすることを理解したのか、ニヤリと笑う真
真「…成る程、捏造か…!」
『捏造?』
一「ええ、その通りです。終末論のジャガー男。それだけ聞くとどうしようも無いほどに厄介ですが、それでも都市伝説であることに変わりはありません。
そして都市伝説は人間の噂から生まれるものです。創造神―なんてことをよく言いますが、そんな人類を創ったとする神でさえ、所詮は人間の創作物に過ぎませんし、人類創造も人間の作った設定でしかありません」
などと、『フラカン』が聞いたら100%怒るであろうことを、『フラカン』以外の神であっても不愉快に感じる罰当たりなことを、平然と言う一
一「つまり、相手が都市伝説である限り、僕たち人間が噂を流せば後からいくらでも設定は付け加えられるんですよ…!」
文子「成る程、そう言うことね…」
郵記「非契約者で新聞部取材担当の一先輩らしい考え方ですよね…!」
『え? え? え?』
周りの全員が理解しているのに自分だけが理解できていない状況に、慌てふためく『天狗の新聞』
文子「天狗ちゃん。口裂け女の弱点はポマードよね? あと、犬が苦手って説もあるわね」
『ポマード…犬…弱点…。…! 成る程、そういうことですか!』
のどに刺さった魚の小骨が取れたように、すっきりした表情を浮かべる『天狗の新聞』
一「どうやら皆さん理解したようですね。そう、『ジャガー男の弱点はマタタビである』。この情報を利用して。脚色して捏造して、ジャガー男に新たな弱点を付与するんですよ!
極論を言えば、僕たちが『世界を終わらせようとするジャガーを倒す狼のヒーローが居る』…という噂でも流せばジャガーは倒せるのでしょうが、そんな根の葉も無い噂を流すのは、火の無い所に煙を立てるのは非常に難しいでしょう。
なので、事実を脚色して弱点を付与します。具体的には、『ジャガー男にマタタビ科植物を塗った武器で傷を付けるとその内毒が回って死ぬ』、『ジャガー男の心臓か脳にマタタビ科植物を塗った武器を当てると、即死する』、
『ジャガー男の目にマタタビ科植物の粉末かエキスをエキスをかけると目が見えなくなる』、『鼻にかけると鼻が利かなくなる』、『マタタビ科植物の粉末か、マタタビ科植物を焼いたときに発生する煙を吸わせると体が麻痺する』などの噂を流すんです」
真「くく…やはりか…。よし、記事の作成はボクに任せたまえ! どうせ殆どの人間がジャガー男に遭うのだろうから、今回は都市伝説に関わる者にしか読めないような細工はしない!
学校町中の、いや、学校町外の者でさえ噂するくらいに人を引き込む記事を書いてやるさ…!」
文子「そして写真撮影は私に任せて頂戴。『千里眼』でマタタビに怯むジャガーを確実に撮影して、ちょっぴり写真も改造して、部長の記事の信憑性を底上げするわ…!」
郵記「そしてジャガーに襲われる人間探しは僕に任せて欲しいんですよね! 『記者の勘』でいち早く事件を察知するんですよね!」
一「皆さん…ありがとうございます…。そして噂の伝達度合いの調査は僕にお任せください。僕達で力を合わせて1日で…否、数時間でこの噂を広めてやりましょう!」
「「「「おー!!!」」」」
こうして、新聞部達も新聞部らしい方法で、世界終焉と戦うのであった…。頑張れ新聞部、負けるな新聞部! 人類の明日のために!
「ねぇ、知ってる? あのジャガー男にマタタビを塗った刃物をさすとね…。苦しみだして死んじゃうんだって…」
「マタタビを焼くと近寄って来ないらしいよ?」
「友達の友達から聞いた話なんだけど、マタタビを顔にかけると見えなくなるんだってさ…」
新聞部の書いた記事は、新聞部達の蒔いた噂の種は、早速周りに広まっていた…
続く…