「ひあっ!?」
情けない悲鳴をあげながら、女性はしゃがむ。
一瞬遅れ、メスが頭上を通過。
メスの持ち主は大きなマスクの女、口裂け女だ。
「あわ……わっわわ……あ……」
この無様に逃げ惑う女性は、一般人ではない。先日、契約者となった。
別に戦闘能力がないわけでも無い。むしろ、戦えばそれなりに強いはずである。
無いのは、度胸ばかりだ。
「助っ、助けっひやあぁああぁあぁぁぁ」
口裂け女に背を向けるばかりで、戦おうとしない女性はついに追い詰められ、口裂け女のメスが振り下ろされようとしていた。
そんな時、
「はい、ストップ」
黒い服を着た、一人の男が現れた。
「口裂け女。今なら見逃してやる。それ以上やると組織の討伐対象にするぞ」
「…………」
黒服の男の言葉に、口裂け女は考えるように動きを止め
「………………」
しばらくすると去っていった。
「助かったぁ~。あ、ありがとうございます」
「今回はサービスだ」
黒服の男はそう言うと女に近づく。
「さて、三日前に行ったはずだ。これからは日常生活もままならないと」
「う……」
「だが、日常に戻る術もあると、言ったな」
「でも……それは……」
「そうだ。それは……」
男は人差し指と親指の先をくっつけて見せつける
「金だ」
「金……」
「そうだ200万寄越せ。そうすれば俺達『組織』がお前を守ってやろう」
「高いですよぅ」
「高い?あんな高級住宅街にすんでいるんだ。これくらいたいしたことないだろう」
「うー……」
「はぁ…………50万なら払えるだろ。平和な日常を取り戻す為だと思えば、安いだろ」
「……まあ、それくらいなら」
「よしよし、じゃ、すぐ用意しろ。銀行で金下ろすなり、借金するなりしてこい」
「は、はい!」
慌てるように返事をして女は走りだす。
数日前に巻き込まれた異常な体験を、夢にする為に。
50万は高いが、これからの平和の為に。今のように怖い目にあうのは嫌だから。
情けない悲鳴をあげながら、女性はしゃがむ。
一瞬遅れ、メスが頭上を通過。
メスの持ち主は大きなマスクの女、口裂け女だ。
「あわ……わっわわ……あ……」
この無様に逃げ惑う女性は、一般人ではない。先日、契約者となった。
別に戦闘能力がないわけでも無い。むしろ、戦えばそれなりに強いはずである。
無いのは、度胸ばかりだ。
「助っ、助けっひやあぁああぁあぁぁぁ」
口裂け女に背を向けるばかりで、戦おうとしない女性はついに追い詰められ、口裂け女のメスが振り下ろされようとしていた。
そんな時、
「はい、ストップ」
黒い服を着た、一人の男が現れた。
「口裂け女。今なら見逃してやる。それ以上やると組織の討伐対象にするぞ」
「…………」
黒服の男の言葉に、口裂け女は考えるように動きを止め
「………………」
しばらくすると去っていった。
「助かったぁ~。あ、ありがとうございます」
「今回はサービスだ」
黒服の男はそう言うと女に近づく。
「さて、三日前に行ったはずだ。これからは日常生活もままならないと」
「う……」
「だが、日常に戻る術もあると、言ったな」
「でも……それは……」
「そうだ。それは……」
男は人差し指と親指の先をくっつけて見せつける
「金だ」
「金……」
「そうだ200万寄越せ。そうすれば俺達『組織』がお前を守ってやろう」
「高いですよぅ」
「高い?あんな高級住宅街にすんでいるんだ。これくらいたいしたことないだろう」
「うー……」
「はぁ…………50万なら払えるだろ。平和な日常を取り戻す為だと思えば、安いだろ」
「……まあ、それくらいなら」
「よしよし、じゃ、すぐ用意しろ。銀行で金下ろすなり、借金するなりしてこい」
「は、はい!」
慌てるように返事をして女は走りだす。
数日前に巻き込まれた異常な体験を、夢にする為に。
50万は高いが、これからの平和の為に。今のように怖い目にあうのは嫌だから。
「いったか」
女が去った後、黒い服の男はため息を吐く。
「ちょろいな。これで、今月だけで250万か」
ニヤニヤと笑いながら男はネクタイを緩める。
「そろそろ、もっと良いスーツ買うか。まったく、組織の連中はよくこんな息苦しいもの年中着ていられるな」
そう言った、黒い服を着ているだけの男は、口裂け女の契約者である。
女が去った後、黒い服の男はため息を吐く。
「ちょろいな。これで、今月だけで250万か」
ニヤニヤと笑いながら男はネクタイを緩める。
「そろそろ、もっと良いスーツ買うか。まったく、組織の連中はよくこんな息苦しいもの年中着ていられるな」
そう言った、黒い服を着ているだけの男は、口裂け女の契約者である。
終