「ない、ない、ないないないないないないないないないないないないないないないない!!
何処にもない! どこっ、何処なのよぉ!?」
何処にもない! どこっ、何処なのよぉ!?」
真夜中の校舎内、携帯のライトのみを頼りに、ランドセルを背負った少女が汗だくになって走り回っていた
息を切らせ、度々時計を確認しては顔を青くさせて教室の中を荒らし回り、探し回る
髪を振り乱し、血眼になってまで彼女が探し求めているもの
それは
息を切らせ、度々時計を確認しては顔を青くさせて教室の中を荒らし回り、探し回る
髪を振り乱し、血眼になってまで彼女が探し求めているもの
それは
「しお、みず……塩水が、何処にも…………!!」
そう、塩水
特に深い意味は無い、水に食塩を入れただけの簡単なもの
彼女はそれを、必死になって探しているのだ
特に深い意味は無い、水に食塩を入れただけの簡単なもの
彼女はそれを、必死になって探しているのだ
「あと、2分っ………早くっ、見つけなきゃ…………」
自分に言い聞かせるが、次第に身体は彼女の思う通りに動かなくなっていく
脚が棒になり始め、とうとうその場で立ち止まってしまった
止まっている時間は無い、一刻も早く探さなきゃ
ぜぇぜぇと喘ぎながら、ふと顔を上げると
脚が棒になり始め、とうとうその場で立ち止まってしまった
止まっている時間は無い、一刻も早く探さなきゃ
ぜぇぜぇと喘ぎながら、ふと顔を上げると
「…………っ………!!!」
そこに落ちていた――置いてあったのだろうか――のは、小さな瓶
きちんとコルク栓がしてあり、その中には無色透明な液体が入っていた
無論、見ただけではその液体が何なのか分からなかったが、少女は確信した
と同時に、彼女の表情がパッと明るくなった
きちんとコルク栓がしてあり、その中には無色透明な液体が入っていた
無論、見ただけではその液体が何なのか分からなかったが、少女は確信した
と同時に、彼女の表情がパッと明るくなった
「あっ、た……しおみず、あった!!!!」
――――これで私の勝ち!!
心の中でそう叫び、少女は小瓶という名の希望を掴んだ
心の中でそう叫び、少女は小瓶という名の希望を掴んだ
「え?」
素っ頓狂な声を上げる
背負ったランドセルが、先程よりも重く感じた
「何だろう?」と考えようとした瞬間に、少女の顔から笑みが消え、恐怖が支配する
身体中から冷や汗を噴き出しながら、恐る恐る、少女は振り返る
背負ったランドセルが、先程よりも重く感じた
「何だろう?」と考えようとした瞬間に、少女の顔から笑みが消え、恐怖が支配する
身体中から冷や汗を噴き出しながら、恐る恐る、少女は振り返る
【みぃ~つけたぁ……】
金切声の後に続いたのは、蛙が潰れたような声と、水が飛び散るような音だった
「あっひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!!!
いやー最高だったよお前! 顔も声も何もかも!!」
いやー最高だったよお前! 顔も声も何もかも!!」
僕は目の前の少女に称賛の言葉を向けた
とはいえ、その対象となる少女はもう、この世にはいないのだけれどね
とはいえ、その対象となる少女はもう、この世にはいないのだけれどね
僕は「ひとりかくれんぼ」と契約した名も無い小学生
でも実際に一人でかくれんぼなんかしてもいつも僕が勝つから面白くない
それで思いついたんだ、“他の誰かにやらせよう”、ってね
ルールは簡単
参加者の爪とお米をいっぱいに詰めたぬいぐるみが鬼
鬼に見つからないように、塩水のある隠れ場所に辿り着いて、「ひとりかくれんぼ」終了の儀式をする事が出来たら勝ち
制限時間は1時間
こんなに簡単なルールなのに、誰もクリアしたことがないんだもん、面白いよね
今夜で6人目だったかな
でも実際に一人でかくれんぼなんかしてもいつも僕が勝つから面白くない
それで思いついたんだ、“他の誰かにやらせよう”、ってね
ルールは簡単
参加者の爪とお米をいっぱいに詰めたぬいぐるみが鬼
鬼に見つからないように、塩水のある隠れ場所に辿り着いて、「ひとりかくれんぼ」終了の儀式をする事が出来たら勝ち
制限時間は1時間
こんなに簡単なルールなのに、誰もクリアしたことがないんだもん、面白いよね
今夜で6人目だったかな
「あーぁ……今日は制限時間いっぱいまで持ったね、ここまで生き延びた子は初めてだよ」
血の海に倒れた、刃物を持った真っ赤なクマのぬいぐるみを拾い上げた
あれ、こんなに赤かったっけ
まぁいっか
あれ、こんなに赤かったっけ
まぁいっか
「でも不思議だなぁ、何で『もし勝てたら何でも言う事聞いてあげる』って言っただけなのに本気になるんだろ」
みんな女の子なのが原因なのかな? 女の子の考えてる事は分からないや
さてと、明日はどの子と遊ぼうかな
さてと、明日はどの子と遊ぼうかな
...end