それは、GW中での出来事
少し、と言うか結構うきうきとした気持ちを抱えて待ち合わせ場所である南区の繁華街入り口へと向かっていた
そう、今日はYとAが、他の仲良しグループのメンバーも誘って、学校街を案内してくれる日だ。特に繁華街を中心に教えてくれるようで、まだこの街のどこに何の見せがあるのかをきちんと把握していない自分には大変とありがたい
待ち合わせ時間より少し早く付くように歩いて行く。待ち合わせ時間より早めに着くようにするか、遅めにつくようにするか………相手によってそれをコントロールするのも、良い女の条件だ。今回は、ちょっと早めについた方がいい、と判断したのである
そう、今日はYとAが、他の仲良しグループのメンバーも誘って、学校街を案内してくれる日だ。特に繁華街を中心に教えてくれるようで、まだこの街のどこに何の見せがあるのかをきちんと把握していない自分には大変とありがたい
待ち合わせ時間より少し早く付くように歩いて行く。待ち合わせ時間より早めに着くようにするか、遅めにつくようにするか………相手によってそれをコントロールするのも、良い女の条件だ。今回は、ちょっと早めについた方がいい、と判断したのである
「………って、あ」
自分も、ちょっと早めについた、つもりだったのだけど
待ち合わせ場所には、すでに二人の影があった
和装に身を包んだRと、どことなく軽そうな印象を与えてくる服装のLだ
きちんとした性格のRはともかく、Lがすでにいたのはちょっぴり意外だった
まぁ、Lは軽そうに見えて案外しっかりしているので、待ち合わせ時間なんかもちゃんと間に合わせるタイプなのだろう
待ち合わせ場所には、すでに二人の影があった
和装に身を包んだRと、どことなく軽そうな印象を与えてくる服装のLだ
きちんとした性格のRはともかく、Lがすでにいたのはちょっぴり意外だった
まぁ、Lは軽そうに見えて案外しっかりしているので、待ち合わせ時間なんかもちゃんと間に合わせるタイプなのだろう
「ごめんなさい、待たせちゃった?」
「大丈夫ですよ、僕達も、つい先程、ついたところですので」
「俺っち達ー、ちょっと早めについたみたいっすねー」
「大丈夫ですよ、僕達も、つい先程、ついたところですので」
「俺っち達ー、ちょっと早めについたみたいっすねー」
はんなり、と微笑むRと、へらっ、とした笑みを浮かべるL
こうして見るとタイプが全く違うのだが、仲が良いのだから不思議だ
こうして見るとタイプが全く違うのだが、仲が良いのだから不思議だ
そうして待っていると、次に来たのはYとA
家族か誰かに、車で送ってもらったらしく、赤いポルシェから降りてきて、こちらい駆けてくる
家族か誰かに、車で送ってもらったらしく、赤いポルシェから降りてきて、こちらい駆けてくる
「おまたせー。一応待ち合わせ時間に合うように来たつもりだったけど。龍哉と憐はやっぱ早いね」
「……ん、おは、よ」
「……ん、おは、よ」
ひらり、と明るく手をふってくるYと、その後ろに少し隠れるようにしながらぺこり、と頭を下げるA
この双子も、けっこう対照的だよなぁ、としみじみ思ってみる
この双子も、けっこう対照的だよなぁ、としみじみ思ってみる
そうして、待ち合わせ時間からちょっと遅れて、HとNがやってきた
なんというか、こうして待ち合わせしてみただけで、各々の性格とかがちょっとわかってくるような気もする
なんというか、こうして待ち合わせしてみただけで、各々の性格とかがちょっとわかってくるような気もする
「神子にも声かけたけど、今日は用事があるから無理だってよ」
「おや、せっかくですから、神子様もご一緒に……と思いましたが、仕方ありませんね」
「おや、せっかくですから、神子様もご一緒に……と思いましたが、仕方ありませんね」
結局集まったのは、自分を含めて七人
これだけ集まれば、十分だろう
個人的に、男性が多いのだから、誘惑チャンスも多い、ということだろう
心の中で、ぐっとガッツポーズを取った
……が
これだけ集まれば、十分だろう
個人的に、男性が多いのだから、誘惑チャンスも多い、ということだろう
心の中で、ぐっとガッツポーズを取った
……が
「それじゃ、全員揃った事だし、行こうぜ」
と、いいながら、すっ、と、ごくごく自然な動きで、HがLの腰に手を回した様子を目撃して
「ーーーーーーせいっ!!」
ごがすっ!と
「おぐっ!?」
「あぁっ、はるっち!?」
「あぁっ、はるっち!?」
思い切り、Hに向かって盛大に回し蹴りを放ってしまった訳だが
決して、自分は悪くないだろう、うん
決して、自分は悪くないだろう、うん
こうして、繁華街を中心に、あちこち案内してもらった
制服が有名な地元レストランやら、Rの親戚がオーナーをやっていると言うブティックやら、美味しいパン屋さんやら
個人的に、ブティックを教えてもらったのは、たいへんとありがたい。めちゃくちゃ混んではいたものの、服のブランドひと通り揃っていたし、今度時間がある時にじっくりと服を選びたいものだ
そして、案内してもらいつつ、R達とどうでもいい事を話したりもしていた
制服が有名な地元レストランやら、Rの親戚がオーナーをやっていると言うブティックやら、美味しいパン屋さんやら
個人的に、ブティックを教えてもらったのは、たいへんとありがたい。めちゃくちゃ混んではいたものの、服のブランドひと通り揃っていたし、今度時間がある時にじっくりと服を選びたいものだ
そして、案内してもらいつつ、R達とどうでもいい事を話したりもしていた
「へー、優と晃って、家族以外の人達とも一緒に生活してるんだ………大変じゃない?」
「そんな事ないわよ。昔から一緒だから、ほとんど家族みたいなものだし。ね、晃」
「……うん………父さん、と、母さん達にとっても………みんな、家族みたいなもの、だから。ボク達にとっても、家族のような、もの」
「まぁ、それ言ったら。憐だって従兄弟家族とも一緒に生活してるしな」
「そうっすねー。俺っちんとこの場合、父さんが伯父さんと離れるのをすっげー嫌がったってのと叔父さんが家事全滅で生活能力ないのに伯母さんが仕事の関係で家にいない事あるから心配ってのもあるっすけど」
「龍哉んとこも、家族以外も一緒だよな」
「そうですね。僕の家の場合、お手伝いさんや、組員の方の一部も一緒に生活しておりますから」
「そんな事ないわよ。昔から一緒だから、ほとんど家族みたいなものだし。ね、晃」
「……うん………父さん、と、母さん達にとっても………みんな、家族みたいなもの、だから。ボク達にとっても、家族のような、もの」
「まぁ、それ言ったら。憐だって従兄弟家族とも一緒に生活してるしな」
「そうっすねー。俺っちんとこの場合、父さんが伯父さんと離れるのをすっげー嫌がったってのと叔父さんが家事全滅で生活能力ないのに伯母さんが仕事の関係で家にいない事あるから心配ってのもあるっすけど」
「龍哉んとこも、家族以外も一緒だよな」
「そうですね。僕の家の場合、お手伝いさんや、組員の方の一部も一緒に生活しておりますから」
………うん、時々「ん?」となるような単語が聞こえたような気がしないでもないけど、気のせいである
スルー能力も、いい女には必要な能力だ
スルー能力も、いい女には必要な能力だ
そうして、あちこち案内してもらい、お昼ご飯
てっきり、昼食は繁華街のどこかのお店で、と思っていたのだけど、そうではなく
案内されたのは、東区の、住宅街の一角だった
看板らしい看板も出ていない喫茶店。「閑古鳥」と言う店名らしいそこに、案内された
さほど広くない店内、他にお客さんはなく、ちょっぴり不安を感じていたのだけど
てっきり、昼食は繁華街のどこかのお店で、と思っていたのだけど、そうではなく
案内されたのは、東区の、住宅街の一角だった
看板らしい看板も出ていない喫茶店。「閑古鳥」と言う店名らしいそこに、案内された
さほど広くない店内、他にお客さんはなく、ちょっぴり不安を感じていたのだけど
「……美味しい」
っく、お、美味しい!
なるほど、隠れ家的お店と言うやつは侮れない、そういう事か!
こちらの反応に、Nが楽しげに笑ってくる
なるほど、隠れ家的お店と言うやつは侮れない、そういう事か!
こちらの反応に、Nが楽しげに笑ってくる
「な、美味いだろ?看板ないせいか店名のせいか、客あんましいないけど。その分、ゆっくり出来るし」
「店主が聞いてる前で容赦無いな。まぁいいけど」
「店主が聞いてる前で容赦無いな。まぁいいけど」
カウンターの向こうから、店主らしい男の人が突っ込んできた
うん、なかなかいい男じゃないか、この店の店員さん
これは、いつか堕とすリストにチェックを入れ…………
うん、なかなかいい男じゃないか、この店の店員さん
これは、いつか堕とすリストにチェックを入れ…………
「……ただいま、風夜」
「あ、アーサー、ギル、お帰りー」
「あ、アーサー、ギル、お帰りー」
……買い物に出かけていたらしい他の店員二人、どちらも男性であるその人達を、店主がぎゅっとハグしてた
片方は無表情のままだが、片方はあわあわしつつ、少し赤くなっている
えぇい、こいつらもか!こいつらもナチュラルホモか!!
思わずだぁんっ!!と、テーブル叩きたくなってしまった
耐えた自分は偉いと思う
こう、ぐぐぐっ、と、耐えぬいていると……足元を、何か、もこっ、としたものが通りすぎた気がした
あれ?と視線を下に向けると、Lの足元辺りに、何かがちょーん、と座っている
片方は無表情のままだが、片方はあわあわしつつ、少し赤くなっている
えぇい、こいつらもか!こいつらもナチュラルホモか!!
思わずだぁんっ!!と、テーブル叩きたくなってしまった
耐えた自分は偉いと思う
こう、ぐぐぐっ、と、耐えぬいていると……足元を、何か、もこっ、としたものが通りすぎた気がした
あれ?と視線を下に向けると、Lの足元辺りに、何かがちょーん、と座っている
「きゅーん」
と、聞こえてきたのは、子犬の声
デザートのひつじババロア(羊みたいな形にしたババロア)を食べようとしてたLが、表情を輝かせる
デザートのひつじババロア(羊みたいな形にしたババロア)を食べようとしてたLが、表情を輝かせる
「ん、ポチ、どうしたっすー?………ババロアは、ポチには分けてあげられないっすよ?」
「……きゅぅん?」
「……きゅぅん?」
ちょーん、と、Lの足元でおすわりしている柴の子犬が、首を傾げている
あれ、こんな子犬、いつの間に
あれ、こんな子犬、いつの間に
「憐君、その子犬、知ってるの?」
「このお店の看板犬っすよー」
「このお店の看板犬っすよー」
可愛いなぁ、とポチと言う名前らしいその子犬に和んでいるL
なんか、Hがぐぬぬ状態になっているのは、突っ込み入れるべきだろうか
なんか、Hがぐぬぬ状態になっているのは、突っ込み入れるべきだろうか
…に、しても、犬
まいった、自分は犬はどうにも苦手な方だ
しかし………相手は子犬だ
よくよく見ると、なかなか可愛いじゃないか
こう、子犬なら、いけるんじゃないだろうか、子犬を愛でていれば、こう、こっちへの好感度もあがるのでは
まいった、自分は犬はどうにも苦手な方だ
しかし………相手は子犬だ
よくよく見ると、なかなか可愛いじゃないか
こう、子犬なら、いけるんじゃないだろうか、子犬を愛でていれば、こう、こっちへの好感度もあがるのでは
「なるほど、看板犬か………ほら、こっちおいでー」
「…わふ?」
「…わふ?」
くるんっ、と、子犬がこちらに振り返った
あ、っつ、つぶらな瞳がこっちを見上げてくる
これは、犬が苦手な人間から見ても、可愛………
あ、っつ、つぶらな瞳がこっちを見上げてくる
これは、犬が苦手な人間から見ても、可愛………
「わふ」
ぷいっ
「…あ、あれ?」
「そっぽ向かれたな」
「憐に甘えたい気分なんじゃない?憐、店に来るたび、ポチをかわいがってるし」
「そっぽ向かれたな」
「憐に甘えたい気分なんじゃない?憐、店に来るたび、ポチをかわいがってるし」
こちらからそっぽをむいて、きゅーんきゅーん、とLに擦り寄って甘えている子犬
な、謎の敗北感が………っしかし、そうされても可愛いとは、子犬の魔翌力恐るべし!!
Hとは別の意味でぐぬぬぬ、となってしまって
な、謎の敗北感が………っしかし、そうされても可愛いとは、子犬の魔翌力恐るべし!!
Hとは別の意味でぐぬぬぬ、となってしまって
店主が、こちらをじっと見ていたことに
彼女が気づく事は、なかった
彼女が気づく事は、なかった
to be … ?