じゃらり、じゃらじゃら
指輪にブレスレット、腰には銀のチェーンベルト
じゃらじゃら、全身に銀のアクセサリーをごてごてと身につけている青年
金髪に程よく焼けた肌に、銀のアクセサリーが映える
指輪にブレスレット、腰には銀のチェーンベルト
じゃらじゃら、全身に銀のアクセサリーをごてごてと身につけている青年
金髪に程よく焼けた肌に、銀のアクセサリーが映える
…しかし、彼はピアスだけは身につけていなかった
幼い頃、「ピアスをあけた穴から伸びる白い糸」の話を聞いて以来、少々トラウマなのだ
その話を聞いたのが、当時のクラスメイト相手からだけであったら、ここまで警戒はしなかっただろう
だが、聞かせてくれた相手が相手だった
幼い頃、「ピアスをあけた穴から伸びる白い糸」の話を聞いて以来、少々トラウマなのだ
その話を聞いたのが、当時のクラスメイト相手からだけであったら、ここまで警戒はしなかっただろう
だが、聞かせてくれた相手が相手だった
『そんな都市伝説も存在するのです。あなたも気をつけるのですよ?』
…青年は、あの黒服の言葉を、護るようにしていた
忠告を破ったがために、危険な目にあったのが一度や二度ではない…と、言うだけではない
忠告を破ったがために、危険な目にあったのが一度や二度ではない…と、言うだけではない
彼にとって、あの黒服は父親のような存在だった
……実の両親からは、愛情などかけてもらった記憶もなく、あの黒服のように、本気で心配された事もない
母親は、自分の事など放っておいて、遊び呆けてばかりだった
プライドの塊だった父親は、自分をまるで己が歩めなかった道を進ませるかの如く、厳しさばかりをぶつけられた
どちらからも、息子らしい扱いなど受けなかった
愛情もかけられた事がなく、心配された事もない
……実の両親からは、愛情などかけてもらった記憶もなく、あの黒服のように、本気で心配された事もない
母親は、自分の事など放っておいて、遊び呆けてばかりだった
プライドの塊だった父親は、自分をまるで己が歩めなかった道を進ませるかの如く、厳しさばかりをぶつけられた
どちらからも、息子らしい扱いなど受けなかった
愛情もかけられた事がなく、心配された事もない
…けれど、あの黒服は本気で心配してくれたのだ
だからこそ、青年は、あの黒服を父親のように慕っていた
両親以上に自分を心配してくれて、手を差し伸べてくれる黒服
その優しさを、尊敬していた
だからこそ、青年は、あの黒服を父親のように慕っていた
両親以上に自分を心配してくれて、手を差し伸べてくれる黒服
その優しさを、尊敬していた
…青年が高校受験を向かえた年、両親は離婚するかしないか、という大喧嘩をしていた
確か、母親の浮気が原因だったと思う
何を今更、と青年は当時、あきれていた
父親だって、浮気をしていた
母親の昔など、青年が小学生の頃から、ずっとそうだった
そもそも、青年が今の都市伝説と契約したのは…母親の浮気相手が経営していた、日焼けサロンでの出来事だったし
浮気相手の所に子供を連れて行くなど、どう言う神経をしていたのやら
確か、母親の浮気が原因だったと思う
何を今更、と青年は当時、あきれていた
父親だって、浮気をしていた
母親の昔など、青年が小学生の頃から、ずっとそうだった
そもそも、青年が今の都市伝説と契約したのは…母親の浮気相手が経営していた、日焼けサロンでの出来事だったし
浮気相手の所に子供を連れて行くなど、どう言う神経をしていたのやら
とにかく、その両親にあきれて、青年は家を飛び出した
受験する高校も、自分で選んだ
一人で生きることを選んだ青年に、あの黒服はまた手を差し伸べてくれた
学校の授業料やら生活費やらを援助してくれ、成長を見守ってくれた
受験する高校も、自分で選んだ
一人で生きることを選んだ青年に、あの黒服はまた手を差し伸べてくれた
学校の授業料やら生活費やらを援助してくれ、成長を見守ってくれた
…その時の恩がある
青年は、そう考える
必ず、必ず、その恩を返したい
青年はそう考える
青年は、そう考える
必ず、必ず、その恩を返したい
青年はそう考える
…だから
いつか、必ず、あの黒服を「組織」から救ってみせる
あんな「組織」に、優しい黒服が縛られ続けないよう…解放させて見せる
いつか、必ず、あの黒服を「組織」から救ってみせる
あんな「組織」に、優しい黒服が縛られ続けないよう…解放させて見せる
青年は、そう、強く決意し、「首塚」の部下であり続けるのだった
終