「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 首塚-14

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匿名ユーザー

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 じゃらり、じゃらじゃら
 指輪にブレスレット、腰には銀のチェーンベルト
 じゃらじゃら、全身に銀のアクセサリーをごてごてと身につけている青年
 金髪に程よく焼けた肌に、銀のアクセサリーが映える

 …しかし、彼はピアスだけは身につけていなかった
 幼い頃、「ピアスをあけた穴から伸びる白い糸」の話を聞いて以来、少々トラウマなのだ
 その話を聞いたのが、当時のクラスメイト相手からだけであったら、ここまで警戒はしなかっただろう
 だが、聞かせてくれた相手が相手だった

『そんな都市伝説も存在するのです。あなたも気をつけるのですよ?』

 …青年は、あの黒服の言葉を、護るようにしていた
 忠告を破ったがために、危険な目にあったのが一度や二度ではない…と、言うだけではない

 彼にとって、あの黒服は父親のような存在だった
 ……実の両親からは、愛情などかけてもらった記憶もなく、あの黒服のように、本気で心配された事もない
 母親は、自分の事など放っておいて、遊び呆けてばかりだった
 プライドの塊だった父親は、自分をまるで己が歩めなかった道を進ませるかの如く、厳しさばかりをぶつけられた
 どちらからも、息子らしい扱いなど受けなかった
 愛情もかけられた事がなく、心配された事もない

 …けれど、あの黒服は本気で心配してくれたのだ
 だからこそ、青年は、あの黒服を父親のように慕っていた
 両親以上に自分を心配してくれて、手を差し伸べてくれる黒服
 その優しさを、尊敬していた

 …青年が高校受験を向かえた年、両親は離婚するかしないか、という大喧嘩をしていた
 確か、母親の浮気が原因だったと思う
 何を今更、と青年は当時、あきれていた
 父親だって、浮気をしていた
 母親の昔など、青年が小学生の頃から、ずっとそうだった
 そもそも、青年が今の都市伝説と契約したのは…母親の浮気相手が経営していた、日焼けサロンでの出来事だったし
 浮気相手の所に子供を連れて行くなど、どう言う神経をしていたのやら

 とにかく、その両親にあきれて、青年は家を飛び出した
 受験する高校も、自分で選んだ
 一人で生きることを選んだ青年に、あの黒服はまた手を差し伸べてくれた
 学校の授業料やら生活費やらを援助してくれ、成長を見守ってくれた


 …その時の恩がある
 青年は、そう考える
 必ず、必ず、その恩を返したい
 青年はそう考える


 …だから
 いつか、必ず、あの黒服を「組織」から救ってみせる
 あんな「組織」に、優しい黒服が縛られ続けないよう…解放させて見せる


 青年は、そう、強く決意し、「首塚」の部下であり続けるのだった






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