「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 次世代の子供達-58i

最終更新:

匿名ユーザー

- view
だれでも歓迎! 編集
 愛人と美亜の試合が終わって、次の試合までの休憩時間の事
 二人の試合開始前にその姿を見つけていた晃は、とことこ、と近づいていった
 そうして、くっくっ、真降の服の袖を引っ張った

「え?……あぁ、晃君ですか。こんにちは」
「……こんにちは。真降君も、試合を見に?」
「はい。まぁ、出場するチビ逹のお目付役兼手合わせ役かねてですが……そちらは」
「………試合、見に来た。優は出るけど、自分含めてみんなは、出ない」

 試合に出ないのだから、神子の手伝いで実況の方に……とも、ちょっと考えていたのだが
 そもそも、自分ではうまくしゃべれないから無理だろう、と晃は実況係は辞退していた
 TRPGでGMをやっている際はすらすらと喋る事ができても、それ以外では少し、喋るのは苦手だ
 ………TRPGやる時のように、誰かになりきっていれば実況が出来ただろうか。流石に、試す気にはなれないが

「……さっき」
「?」
「愛人と美亜さんの試合の、前。慶次さん逹、見てた?」

 そう、愛人逹の試合が始まる前
 真降が慶次と郁の様子を見ていた辺りから、晃は真降逹の姿に気づいていた
 …遥の方は、気づいていたかどうかわからない。治療室に向かった憐の事で頭の半分以上が使われていたはずだから
 事実、今も遥はまだ真降の方に気づいていないようだ

「気になること………あった?」
「……まぁ、少し」

 ちらり、真降がもう一度、慶次と郁を見る
 二人は、試合の合間にフリー契約者の資料に目を通しているようだった
 あの契約者は来ていないらしい、等と話しているのが少し、聞こえてくる

「彼の担当黒服が彼を見る視線が、少し……」
「………?………慶次さんの担当黒服、郁さんじゃ、ない」
「あれ?」
「………慶次さんの担当、は。赤鐘 愛百合の方。ANo」

 少し考えている様子の真降
 納得がいったのか、あぁ、と声を上げる

「そうだ、郁さんはかなえさんの担当でしたね」
「ん、そう………郁さんも、慶次さんと一緒にいる事、結構多いけど」

 ややこしい、とは晃も思う
 強行派である愛百合からの影響を少しは薄めようとしているのか、慶次はかなえと郁と共に行動する事も多いのだ
 最近では、その二人どころか天地と組むことすらあると言うが

 ……と、真降が「あれ?でもそれじゃあ……」と、新たな疑問が浮かんだようではあったが

「…あ、次の試合、始まる」

 そう、次の試合が始まる
 遥が「げ」と言う声を上げているのが聞こえてきた

 次の試合の出場者の片割れは、遥が「絶対にかなわない」と常に言っている、あの人だ




 対戦相手であるその女性を、キラはじっと観察した
 長い黒髪は頭の天辺でポニーテールにされており、銀色のリボンで結ばれている。翡翠色の瞳は、まっすぐにキラを見つめ返してきていた
 武器らしい武器は持っていない。服装はパーカーにジーンズと、戦闘用なのか地味な格好だ

(……日景 アンナ。「首塚」所属……日景 翼とセシリアの娘にして長女。日景 遥の姉)

 キラがすでに持っている情報は、それくらいだろうか。確か、遥より二つ年上……今年で18歳だったはず
 対してアンナの方は、どの程度キラの情報を持っているのだろう
 実はお互い、契約都市伝説に関する情報は与えられていない
 試合の中で、相手の契約都市伝説を見抜け、と言うことなのだろうか

『それでは、第5試合、開始っ!!』

 開始の合図
 小さく、アンナが笑った

「はーい、それじゃあ………年下相手でも、容赦はしないわよ?」

 アンナが、静かに構えた
 あれは、何の格闘技の構えだったか………どちらにせよ、戦闘方法は接近戦か
 契約都市伝説も、接近戦闘向きのものなのだろうか
 油断なく、キラは手元に氷の剣を作り出そうと………

「え?」

 ……どろり、と
 氷の剣の表面が、溶け始めた
 それに驚いた瞬間、アンナが地を蹴り接近してくる
 繰り出された拳を避け、一旦、距離を取った
 もう一度、氷の剣を作り出しながら、ちょうどよい距離を保とうと

 ぐちゃり

「っ!?」

 地面の感触が、おかしい
 見れば、どろり、と、地面が溶けてきているような……

(これは……彼女の契約都市伝説の正体と、能力を把握しないと、危ない)

 アンナもアンナで、キラの契約都市伝説を見定めようとしている気配がある
 どちらが先に見抜くことが出来て対応できるか、まさに、それが求められようとしていた



to be … ?



タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
記事メニュー
ウィキ募集バナー