「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 次世代の子供達-44b

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匿名ユーザー

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【次世代の人様の再び、東区中学へより】




 ーーーー花房 直斗
 昭和の中期、学校町の開発計画が進んでいた頃に学校町に移り住んできた花房家の生まれ
 今まで、その家系から契約者が出た形跡は一切なし。どうやら、血縁的に器が小さい者が生まれやすく、契約に結びつきにくいらしい
 そういった家系自体は、珍しいものでもないから気にならない
 例えば、現在のK-No0の伴侶の家系もまた、心の器が小さく、都市伝説との契約はほぼ不可能だと聞いている
 都市伝説と関わっているからと言って、全てが都市伝説契約者とは限らない、そういう事だ
 最も、契約者になれない以上、都市伝説能力によって身を守る事ができない為、誰かに守ってもらうなりしなければ、そう言った契約者でもないのに都市伝説と関わる者は早死するのが関の山だが

(こいつの場合、今、この現状では俺に守られる事前提でいやがるな)

 中学校の前で声をかけた奴相手にも、無防備に背中を見せている直斗を見てそう感じた
 非契約者を守るのは、「組織」に所属する契約者としては当然の事だ
 だから、もし、直斗が声をかけた奴が危険な契約者であった場合、自分が直斗を守るのは確かに当然の事なのだが………それを前提で動く、と言うのも度胸があると言うか、何と言うか

(餓鬼の頃から、都市伝説契約者と接しし続けていて感覚が狂ってる……?………いや、そういう感じでもないんだが……)

 接触の機会が増えても、この花房 直斗と言う少年に関して、今なお完全には理解しきれていない
 何もかもを軽く考えているようで、その裏で何か企んでいるような………自分を「大したことない存在」に見せようとしているような、そんな印象が拭えない

(……どちらにせよ、あいつに関しては俺が少し警戒しておくべきか)

 ちらり、と自分達の後をついてきている、直斗と同程度の年代と思える少年を見る
 …どこかで、見たことがあるような、ないような
 後で、「組織」の資料室で確認するか、もしくは……

(愛百合に………いや、天地に確認とるか)

 愛百合は、立場の関係上、情報から隔離される事もある
 天地に聞いたほうが確実だろう

 そのように考えているうちに、そこに到着した
 校舎の壁際に、花や小さなぬいぐるみが、いくつも供えられている
 直斗逹以外にも、土川 策季を慕っていた者逹が、今もこうして花を供えに来ているのだろう

 そっと、直斗が膝をついて花を供えるると、軽く手を合わせ、静かに目を閉じた
 自分も、軽く手を合わせ、黙祷する
 …そうしてから、ちらり、と、自分達の後をついてきていたそいつを見た
 自分と直斗の両方を警戒してきている様子だが………

「あぁ、そうだ。慶次」

 と、黙祷を終えた直斗が立ち上がり、こちらに声をかけてくる

「彼女。「繰り返す飛び降り」。やっぱ、まだいるみたいだ。「富士の樹海の自殺者の幽霊が、人間を引き込んで自殺させる」からは解放されてるようだが、完全に「繰り返す飛び降り」になっちまってるみたいだ」
「あ?………あぁ、目撃情報あると思ったら、やっぱりそうか。人を襲っていないにしても、後で穏健派辺りが様子見した方が……」

 ………
 待て

「って、おい」
「都市伝説関係者以外の前で、都市伝説の話するな、ってか?大丈夫だって、そいつも契約者みたいだし」

 直斗は、笑いながらそいつを見た
 その言葉に、そいつが警戒の色を強めたのがわかる

「それがわかる、って事はやっぱり「組織」の契約者……」
「え、違うけど」
「えっ」
「えっ」

 うん?
 …………うん?

「こいつ、契約者じゃねぇぞ。「組織」所属でもないし」
「えっ」
「うん。俺、器小さすぎて契約一切できない。「薔薇十字団」の「先生」から太鼓判押されたレベルで器極小だから無理」

 えっ、と言う、意外そうな顔でそいつは直斗を見ている
 …こいつが「組織」の契約者だと思っていたのか
 何故、そんな愉快な間違いを

「えっ、マジで……えー……」
「疑いの眼差し向けられても、それが事実だよ。都市伝説の事は色々把握しているが、契約しちゃいない」

 直斗は肩をすくめて、そいつにそう言った
 まだなお、疑いの眼差しを向けていたそいつだったが、何やら「ん……?」と首を傾げている
 その様子を見て、直斗が小さく、笑ったように見えた

「「三年前」、ここで起きた事件。その事を、知りたいか?」

 誘うように、直斗がそいつに言う

「表向き、ニュースで報道されたような事じゃない、真実を」
「…何故、俺がそれを知りたいと?」
「どうせ、「狐」絡みだろ?卒業生でもないようなのに、この学校の様子確認してたの」

 「狐」
 その言葉に、そいつは確かに反応した

「俺は、あの事件の当事者だし……今も「狐」絡みに首を突っ込んでいる。だから、話せるよ」
「……おい。そんな無警戒に話していいのか」

 流石に、直斗を押しとどめる
 今、目の前にいるこいつが「狐」の信奉者、もしくは誘惑されている奴ではないとは保証できないのだ
 だと、言うのに

「大丈夫だって。こいつは「狐」に誘惑はされてない」

 何故か、自信満々に、直斗はそう言い切ってきた
 こいつは時々、根拠もないのに自信たっぷりに断言する事があり……何故か、それは事実であることが多い
 都市伝説と契約できない代わりに、天才的な直感でも備わっているんじゃないか、と疑いたくなるレベルだ

「味方は多いにこしたことはないし、こっちでわかってる「狐」絡みの情報渡しておけば、被害も減るかもしれないし?」
「お前なぁ……」

 直斗の言うこともわからないではない、のだが
 万が一、こいつが「狐」の関係者だったらどうするつもりなのか
 直斗自身は「こいつは「狐」関係者ではない」と妙な確信を得ているから、警戒が薄いのかもしれないが

「それにさ、慶次。「あいつ」がまだ帰ってないようだったら、あいつ呼んで、現場の様子を「再現」してもらえば、何があったかわかりやすく説明できるs「あいつの協力得るのはごめんだ」えー」

 却下する
 あのクソ生意気な後輩の手を借りるのだけは嫌だ
 えー、と直斗は残念そうだが、嫌だ

「…まぁ、そこら辺の判断も、こいつ次第ってことで」

 直斗の視線が、そいつへと移る

「……知りたい?詳しく。当時の「狐」の姿も確認できるかもしれないけど?」

 誘うように、誘うように
 情報という餌をぶら下げ、直斗はそいつを試すように、笑っていた



to be … ?




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