…それは、静かに街中を進んでいた
学校町
他に類を見ないほど、都市伝説が集まる街
こんな場所だからこそ、同胞を探すには相応しい街である
事実、この街にて、多数の都市伝説契約者を誘い込む事に成功した
あの「組織」を嫌う者は、この街にそう少なくないのだ
学校町
他に類を見ないほど、都市伝説が集まる街
こんな場所だからこそ、同胞を探すには相応しい街である
事実、この街にて、多数の都市伝説契約者を誘い込む事に成功した
あの「組織」を嫌う者は、この街にそう少なくないのだ
「…まったく、自業自得よのう…」
くっくっく、と彼は笑う
これは、あの「組織」の自業自得なのだ
自分を敵に回したのも
多数の契約者に恨まれているのも、全ては自業自得
なんと愉快で、憐れな事であろうか
世界の都市伝説のバランスを保つなどと、大層で正義的な事を言っておきながら…むしろ、自分たちが、バランスを崩している
その正義は、認められていない
こんなにも、哀れで愚かで、愉快な事はあるだろうか?
これは、あの「組織」の自業自得なのだ
自分を敵に回したのも
多数の契約者に恨まれているのも、全ては自業自得
なんと愉快で、憐れな事であろうか
世界の都市伝説のバランスを保つなどと、大層で正義的な事を言っておきながら…むしろ、自分たちが、バランスを崩している
その正義は、認められていない
こんなにも、哀れで愚かで、愉快な事はあるだろうか?
「我の呪いも、効いたようだしな…」
…そう
呪いは最早発動した
だから、最早「首塚」が「組織」に対抗し続ける理由は消えてしまっている
呪いは最早発動した
だから、最早「首塚」が「組織」に対抗し続ける理由は消えてしまっている
しかし、と彼は考える
あの「組織」は、随分と自分を管理したがっていた
管理できないならば、こちらを消そうとすら考えているようだ
あの「組織」は、随分と自分を管理したがっていた
管理できないならば、こちらを消そうとすら考えているようだ
…それこそ、愚かである
我は将門
首塚に祭られし祟り神 平将門なのだ
この国の歴史上に名を残す、最悪クラスの祟り神
…それを、管理下におく、だと?
消す、だと?
首塚に祭られし祟り神 平将門なのだ
この国の歴史上に名を残す、最悪クラスの祟り神
…それを、管理下におく、だと?
消す、だと?
…なんと、愚かな考えよ!!
だが、あの「組織」は諦めないだろう
しぶとく、こちらを手中に収めるか、消すかしようとしてくるはずである
しぶとく、こちらを手中に収めるか、消すかしようとしてくるはずである
だから、彼は部下を集める、同胞を集める
あの「組織」と、いつでも戦う事が出来るように
あの「組織」に、対抗する為に
こうして自ら、街を歩くのだ
あの「組織」と、いつでも戦う事が出来るように
あの「組織」に、対抗する為に
こうして自ら、街を歩くのだ
「……おや」
そして
この日も…相応しき者を、見つけた
この日も…相応しき者を、見つけた
…おぉ、感じる
感じるぞ
お前から、ドス黒い感情を
あの「組織」への恨みを!復讐心を!!
お前からだけじゃない
お前の背後にいる女子からも!!
…おぉ、もう一人の女子は、どこかで見た事があると思ったら…あの荒神か!
くっかかかかかかかかかかか!!
近頃大人しいと思ったら、あんな若造の傍にいたか!
感じるぞ
お前から、ドス黒い感情を
あの「組織」への恨みを!復讐心を!!
お前からだけじゃない
お前の背後にいる女子からも!!
…おぉ、もう一人の女子は、どこかで見た事があると思ったら…あの荒神か!
くっかかかかかかかかかかか!!
近頃大人しいと思ったら、あんな若造の傍にいたか!
面白い
面白いではないか!!
この若造、気にいったぞ
ぜひとも、我の配下に加えたい!!
面白いではないか!!
この若造、気にいったぞ
ぜひとも、我の配下に加えたい!!
「…そこな青年よ」
声をかける
青年は、こちらに気付き…やや、警戒しているような視線を向けてきた
青年は、こちらに気付き…やや、警戒しているような視線を向けてきた
いいぞ、それでいい
いざとなれば、こちらにすら牙を剥くほどの気迫が無ければ困る
こちらを利用してやる、と言うほどの復讐心がなければ困る
それほどの執念がなければ困る
そうでなくては、この「首塚」平将門の部下に相応しくない!!
いざとなれば、こちらにすら牙を剥くほどの気迫が無ければ困る
こちらを利用してやる、と言うほどの復讐心がなければ困る
それほどの執念がなければ困る
そうでなくては、この「首塚」平将門の部下に相応しくない!!
「お前たちは、「組織」が憎くはないか?我は、将門。「首塚」に奉られし祟り神、平将門である…どうだ?我の下で、働いてみる気はないか?」
くっくっく、と
青年を値踏みするように見つめながら、将門は笑って
青年を値踏みするように見つめながら、将門は笑って
暗い、暗い、闇の中……「組織」への恨みを持つ二人は、出会ってしまったのだった
to be …?