今日、エイブラハム様から新しい命令が出た
今日、この街を焼き尽くす
それを、邪魔してくる異教徒共を、殺しなさい
今日、この街を焼き尽くす
それを、邪魔してくる異教徒共を、殺しなさい
「 There was an old woman, and what do you think?
She lived upon nothing but victuals and drink:
Victuals and drink were the chief of her diet,
And yet this old woman could never keep quiet.」
She lived upon nothing but victuals and drink:
Victuals and drink were the chief of her diet,
And yet this old woman could never keep quiet.」
レティは楽しげに歌を口ずさみ、スキップしながら歩く
そう、命令されたのだ
思いっきり遊んでもいいよ、と
レティは、それがうれしくってたまらない
スキップしながら、人通りが多いだろう繁華街に向かう
そう、命令されたのだ
思いっきり遊んでもいいよ、と
レティは、それがうれしくってたまらない
スキップしながら、人通りが多いだろう繁華街に向かう
「 She went to the baker, to buy her some bread,
And when she came home, her old husband was dead;
She went to the clerk to toll the bell,
And when she came back her old husband was well」
And when she came home, her old husband was dead;
She went to the clerk to toll the bell,
And when she came back her old husband was well」
そう、人が多い場所の方が面白い
そこで、子供を殺して、親が泣き叫ぶ姿を見ようかな?
それとも、親を先に殺して、子供が泣き叫ぶ姿を見ようかな?
どっちも捨てがたい
どっちがいいだろう?
そこで、子供を殺して、親が泣き叫ぶ姿を見ようかな?
それとも、親を先に殺して、子供が泣き叫ぶ姿を見ようかな?
どっちも捨てがたい
どっちがいいだろう?
「もう。どうしてカイザーは、こういうことは駄目だって言うのかな?」
歌を口ずさみ終えたレティ
むぅ、と疑問を口にする
むぅ、と疑問を口にする
どうしてだろう?
あんなに面白いのに
あんなに面白いのに
生き物を殺すのは、面白い
命が消えていく瞬間を見るのは、レティにとってとっても楽しい事だった
もがけばもがくほど、苦しめば苦しむほど、レティはそれを楽しいと感じる
命が消えていく瞬間を見るのは、レティにとってとっても楽しい事だった
もがけばもがくほど、苦しめば苦しむほど、レティはそれを楽しいと感じる
まるで、生まれた瞬間から、どこか螺子が狂っているかのような、思考
まるで、「悪の娘」そのものとして生まれたかのような思考パターンを、レティは持っていた
まるで、「悪の娘」そのものとして生まれたかのような思考パターンを、レティは持っていた
だから、うきうきと繁華街に向かう
思い切り遊んでいいのだ
手加減なしで、思い切り遊ぼう
思い切り遊んでいいのだ
手加減なしで、思い切り遊ぼう
「 Ten little Indian boys went out to dine;
One choked his little self and then there were nine.」
One choked his little self and then there were nine.」
再び、次の歌を口ずさみだしたレティ
そんなレティに、何者かが近づく
そんなレティに、何者かが近づく
「ふむ、そこの楽しげに「そして誰もいなくなった」を口ずさんでいるレディ。ちょっといいかな?」
「……?」
「……?」
くるり、レティは振り返る
そこにいたのは、青年…いや、女性?
メガネをかけた、細身の人間
分厚い本を持っていて、ぱらぱらとめくっている
そこにいたのは、青年…いや、女性?
メガネをかけた、細身の人間
分厚い本を持っていて、ぱらぱらとめくっている
誰だろう?
よくわかんないけど、まずはこいつで遊ぼうかな?
よくわかんないけど、まずはこいつで遊ぼうかな?
「な~に?レティ、今から遊びに行くの」
「ふむ、その遊びと言うのは、もしかしたら、人の命をもてあそぶ事ではないだろうね?……「終末の火」 レティ・ルーニー」
「あれ?レティの事、知ってるの?」
「ふむ、その遊びと言うのは、もしかしたら、人の命をもてあそぶ事ではないだろうね?……「終末の火」 レティ・ルーニー」
「あれ?レティの事、知ってるの?」
きょとん、と首をかしげるレティ
あぁ、とその人は、頷いてきた
あぁ、とその人は、頷いてきた
「…玄宗。この姓に聞き覚えはないかね?」
「ゲンソー?」
「ゲンソー?」
えーっと、とレティは考える
……あ、そうだ
思い出した
……あ、そうだ
思い出した
「うん、あるよ。パパとママの取引相手で、そういう人がいたらしいの」
両親が、よく名前を口にしていた
だから、知っている
だから、知っている
「…あぁ、そうだね。僕は、君の両親とは仕事仲間的な存在であったな。もっとも、当時は僕もまだ若かった故、彼らの方が先輩であったが」
「そうなの?」
「そうなの?」
両親がどんな仕事をしていたのかは、よくわからない
目の前の人間が両親の仕事仲間と言われても、ピンとこない
目の前の人間が両親の仕事仲間と言われても、ピンとこない
「……もういい?レティ、早く遊びたいな」
そう
早く、目の前のこいつで遊びたい
早く、目の前のこいつで遊びたい
「あぁ、すまない、もう一つ、いいかね?」
ぱたん、と本を閉じて
そいつは、レティを見下ろした
そいつは、レティを見下ろした
「君の両親を……ルーニー夫妻を殺したのは、君かね?」
その、問いかけに
「うんっ、そうだよ!邪魔だから、エイブラハム様からもらった力で、レティが玩具にして殺したのっ!!」
と、悪気など、一切なしに
無邪気に無邪気に、そう答えて
そして、目の前の相手で遊ぶべく……「にがよもぎ」の能力を、解放した
無邪気に無邪気に、そう答えて
そして、目の前の相手で遊ぶべく……「にがよもぎ」の能力を、解放した
「そうか」
嫌な予想は当たるものだ
直希は、小さくため息をついた
直希は、小さくため息をついた
「ならば」
「光輝の書」の力を発動させる
手加減はいらない
全力で、行く
手加減はいらない
全力で、行く
「僕は、ルーニー夫妻の遺言を実行すると同時に、夫妻の仇をとらねばならんな」
to be … ?