学校町全体が、にわかに騒がしくなっていた、その時
学校町の、とあるマンションに、複数の人間と、人間ではないものが集まり始めていた
学校町の、とあるマンションに、複数の人間と、人間ではないものが集まり始めていた
彼らを統率する者が探しているその獲物を、捕らえる為に
「ここか?」
「あぁ。間違いない」
「あぁ。間違いない」
複数人の契約者達が、そこに集まっていた
その数、軽く30人程だろうか
エイブラハム傘下の子飼いの契約者達
ゴグ、ニスロク、バフォメット、レオナール、エウリノーム、アラストール、ガーディアン・エンジェル、エフェメラエ、ウジエル、マトリエル、サハクィエル、タブリル…………
中には、ヴァレンタインが契約しているガーゴイルより数段上質の存在と契約している者までいる
もっとも…上質の存在と契約しているからと言って、人間性まで上質とは限らない
事実、ここに集まった連中は、皆、ロクでもない
ロクでもないからこそ、エイブラハムの甘言にあっさり乗ったともいえる
その数、軽く30人程だろうか
エイブラハム傘下の子飼いの契約者達
ゴグ、ニスロク、バフォメット、レオナール、エウリノーム、アラストール、ガーディアン・エンジェル、エフェメラエ、ウジエル、マトリエル、サハクィエル、タブリル…………
中には、ヴァレンタインが契約しているガーゴイルより数段上質の存在と契約している者までいる
もっとも…上質の存在と契約しているからと言って、人間性まで上質とは限らない
事実、ここに集まった連中は、皆、ロクでもない
ロクでもないからこそ、エイブラハムの甘言にあっさり乗ったともいえる
「淫魔を捕えればいいんだよな?」
「あぁ、狙いはそれだけ、他の連中は好きにしていいそうだ」
「煮ても焼いても、切り刻んでもすりつぶしてもいい、と」
「それじゃあ、好きにさせてもらおうじゃないか」
「あぁ、狙いはそれだけ、他の連中は好きにしていいそうだ」
「煮ても焼いても、切り刻んでもすりつぶしてもいい、と」
「それじゃあ、好きにさせてもらおうじゃないか」
さぁ、行こうじゃないか
彼らは、扉に手をかけた
彼らは、扉に手をかけた
その扉の向こうに待つ結果に
彼らは、気づかない
彼らは、気づかない
こん
コンコンコンコンコンコンコンコン
扉をノックする
返事はない
コンコンコンコンコンコンコンコン
扉をノックする
返事はない
力づくで、扉を破った
部屋の中に、彼らはなだれ込んだ
部屋の中に、彼らはなだれ込んだ
「ぁ………」
部屋の中にいた、黒い髪、黒い瞳、褐色の肌の男
見つけた
情報で聞いている淫魔だ
捕えようと、彼らは飛び掛かる
見つけた
情報で聞いている淫魔だ
捕えようと、彼らは飛び掛かる
怯えていたはずの、淫魔が
口元に笑みを浮かべた事にも、気づかずに
口元に笑みを浮かべた事にも、気づかずに
「え?」
がしり
二人が首を掴まれ、どこかに引きずり込まれる
漆黒の闇が現れ、数体を飲み込む
座り込んでいた淫魔の姿が、全く別の姿に、変わって
二人が首を掴まれ、どこかに引きずり込まれる
漆黒の闇が現れ、数体を飲み込む
座り込んでいた淫魔の姿が、全く別の姿に、変わって
「……っ、流石に、No.0クラスに変化するのは、きついな……っ」
と、そう呟いて
放たれた光のレーザーが、彼らを一瞬で全滅させた
放たれた光のレーザーが、彼らを一瞬で全滅させた
「お前、エーテルが傍に居なくても変化できるようになってたのか?」
姿を現したザンが、元の…と言うか、普段使っているジブリルの姿に戻ったディーデリヒそう訪ねる
すると、ディーデリヒはあぁ、と頷きながらも
すると、ディーデリヒはあぁ、と頷きながらも
「だけど、やっぱ反動がきついな……本人を前にしてないと、30秒程度しか持たない」
「それだけ持てば十分じゃないの?」
「それだけ持てば十分じゃないの?」
ひょこ、と、脱衣所の方に隠れていた美樹が姿を現した
…美樹の言うとおりである
「組織」上層部No.0の一人であるエーテルに、ディーデリヒは変化したのだ
しかも、ドッペルゲンガーであるディーデリヒ、彼が変化すれば、本人以上の力を発揮する
………故に、強すぎる存在に変化する事は、彼に負担を与える
…美樹の言うとおりである
「組織」上層部No.0の一人であるエーテルに、ディーデリヒは変化したのだ
しかも、ドッペルゲンガーであるディーデリヒ、彼が変化すれば、本人以上の力を発揮する
………故に、強すぎる存在に変化する事は、彼に負担を与える
と、異空間から、ジブリルが戻ってきた
引っ張り込んだ連中は倒したようだ
引っ張り込んだ連中は倒したようだ
「さて、と。こっちは片付けたが」
「ディランちゃん達、無事に逃げ延びてるといいんだが……」
「ディランちゃん達、無事に逃げ延びてるといいんだが……」
開きっぱなしの、ベランダの窓
そちらを見ながら、ザンはやや不安げに、呟いた
そちらを見ながら、ザンはやや不安げに、呟いた
「え、えっと……繰ちゃん、大丈夫?」
「だ、大丈夫よ!!」
「だ、大丈夫よ!!」
暗くなった空を、インキュバスの姿に戻って飛んでいるディラン
その腕には、繰が抱かれている
その腕には、繰が抱かれている
襲撃を察知して、ベランダから脱出したのだ
ジブリル達が後は任せろ言って、半分無理矢理脱出させたともいう
繰の懐では、菊花が若干おろおろした状態でいたりする
ジブリル達が後は任せろ言って、半分無理矢理脱出させたともいう
繰の懐では、菊花が若干おろおろした状態でいたりする
しっかり、しっかりと、ディランに抱き着いている繰
その繰を、ディランも優しく、抱きしめ返した
その繰を、ディランも優しく、抱きしめ返した
一方
空を飛んでいるディランの、下では
空を飛んでいるディランの、下では
「あいつらに任せて大丈夫だったのか?」
「大丈夫だと思う。ディーデリヒさんの能力、正直反則だし」
「にゃー」
「あ゙ー」
「大丈夫だと思う。ディーデリヒさんの能力、正直反則だし」
「にゃー」
「あ゙ー」
ユニコーンに乗った、ヘンリーとパスカル
ついでに、パスカルの胸元には、ダミアと悪霊が入っていたりする……ダミアは、若干狭そうに感じているように見えるが、まぁ、放置だ
ユニコーンは、身軽に建物の屋根の上を走り回り跳び移る
ついでに、パスカルの胸元には、ダミアと悪霊が入っていたりする……ダミアは、若干狭そうに感じているように見えるが、まぁ、放置だ
ユニコーンは、身軽に建物の屋根の上を走り回り跳び移る
「まぁ、確かに本人以上に強くなるなんてチートの極みだよな。本人を前にしないと変身できないってのがせめてもの制限か」
「親しい相手だと、本人前にしてなくても変身できるけど」
「もう嫌だ、そんなチート戦力。いや、味方だからいいんだが……っ!?」
「親しい相手だと、本人前にしてなくても変身できるけど」
「もう嫌だ、そんなチート戦力。いや、味方だからいいんだが……っ!?」
はっ、と上を見るパスカル
つられて、ヘンリーも頭上を見上げて……
つられて、ヘンリーも頭上を見上げて……
「……ッディランさん!?」
その光景が、見えた
「みぃつけたぁああああああっ!!」
「-----っ!?」
「-----っ!?」
ディラン達の前に立ちふさがった、それ
鶏頭、人間の胴体と腕、蛇の頭をした脚と言う、化け物
鶏頭、人間の胴体と腕、蛇の頭をした脚と言う、化け物
「っアブラクサス!?」
グノーシス主義で語られる天使にして、現在の教会からは悪魔として認識されている存在 アブラクサス
彼もまた、今回学校町に送られた子飼いの、一人で
彼もまた、今回学校町に送られた子飼いの、一人で
「ゲルトラウデ様の命令だ、死ねっ!!」
「……っ」
「……っ」
繰は、アブラクサスを迎撃しようとした
が、それよりも先に、相手の攻撃は飛んできて
が、それよりも先に、相手の攻撃は飛んできて
「…っ危ない!」
その攻撃が、繰に届かないように
ディランが、その攻撃をすべて、受け止めて
ディランが、その攻撃をすべて、受け止めて
「…………っ先生!?」
背中から生えてる翼を、切り裂かれて
二人は、地面へと落下していった
二人は、地面へと落下していった
to be … ?