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連載 - 女装少年と愉快な都市伝説-04

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秋祭り2日目~夜2


「…ぜぇ、はぁ……!」

荒く乱れた息を吐く。
身体は既に限界に近く、手足は鉛のように重い。
それでもなんとか戦況の小康状態を保てているのは、ただ単純に根性で身体を動かしているからだ。

「ま…ったく、なんつー運の悪い……っ!」

思わず呟く。
完全に無駄なことだとわかってはいても、そうぼやかずにはいられなかったから。
既に日は沈み、太陽に替わって月が辺りを照らしている。
戦い始めてからどのくらいたっただろうか。
こっちの身体はダメージ的にも能力の使用時間的にも、限界がすぐそこまで迫っていた。
対するマスコットたちは未だ健在。
黒服たちの数こそだいぶ減ったものの、高い再生力を誇るマスコットたちには大きな傷はない。


戦闘に入る前のこちらの分析はこうだった。
自分と《夢の国》のパレードとの力の差は歴然。
ならば自分の能力の最大の長所であるスピードを最大限に活用し、先手の奇襲で少なくとも一体くらいは撃破してしまわなくては、勝ちの目などありえない。
そして、その考えの通りに動いた。
ホッピングを駆使してビルの側面から高速で飛びかかり、最も防御が薄そうなティ○ンに必殺の一撃を叩き込む。
手応えはあった。
確実に、標的である○ィモンの身体は、こっちが生み出した整地用ローラーによって潰されていた、"はずだった"。
あわよくばこのまま二体目も、と素早く周囲を見やったその時。
ズドム!! と。
全身の骨を軋ませるかのような一撃が、こっちの腹に突き刺さった。
がふ、と肺から息を絞り出されながらも、全力で後方へと飛び去って体制を立て直す。
なんとか息を整えようとするこっちの目に飛び込んできたのは、今さっき叩き潰したはずのティモ○が、何事もなかったかのように佇んでいるという状況だった。

「な、あ…!?」

あまりに予想外の状況に、一瞬思考がフリーズする。そこに、こっちに勝るとも劣らない速さで、ブル○アイが突っ込んできた。
咄嗟に横っ飛びでかわすものの、そのあとには無数の黒服たちとトランプ兵士たちの集団が続く。

(いくらなんでも、こんな状況でこんな数は、とても相手はしてられない…!)

その集団の合間を、縫うようにして避けていく…が。
いきなりガクン、と足が止まる。
足元を見ると、そこには自分の足に絡まるロープが。

「な、まずっ…!」

手に鎌を出現させ、ロープを切り裂く。
これでよし、と顔を上げたこっちの目に入って来たのは。
こちらに全速力で突進してくる、プ○バァの姿だった。




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