「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

単発 - 富士の樹海

最終更新:

konta

- view
だれでも歓迎! 編集

お話



ざああああああああああああ
 耳障りな雨音が響き渡る
 土砂降りの雨の中、女は一人、立ち尽くす

 森の奥
 暗い、暗い、森の奥
 ここまできたら、もう帰れない
 ここまで入り込んでしまったら、もう帰り道なんてわからない

 ここは樹海
 富士の樹海の奥地
 そこに、女は立ち尽くす

 女の周辺には、たくさんの
 たくさんのたくさんのたくさんのたくさんのたくさんのたくさんのたくさんのたくさんのたくさんのたくさんのたくさんのたくさんのたくさんのたくさんの
 たくさんの、自殺者の死体が転がっていた、ぶらさがっていた
 ここは、富士の樹海、自殺の名所

『富士の樹海の自殺者の幽霊が、人間を引き込んで自殺させる』

 そんな、都市伝説を思い出した
 …何故、こんな時に、そんな事を思い出してしまったのか

 自分も自殺志願者だから?
 違う、違う、違う、違う、違う
 自分は、引き込まれたのだ
 この自殺者たちに、引き込まれたのだ

 ざああああああああああああああああああああああ
 雨音のノイズは、止まらない

 …くるり
 その、自殺者たちが、死体が
 一斉に、こちらを見つめてきた

 動くはずのないそれが
 死んでいるはずの、その瞳が
 一斉に、こちらを見つめてきた

 何故、おかしいと、もっと早く気付かなかったのか
 一箇所に、こんなにたくさん、死体が集まっているはずがない!!

『…ケ、イ、ヤ、ク』

 死体たちの、口が
 一斉に動いて、音を紡ぎだす

『ケ、イ、ヤ、ク、シ、ナ、イ、カ?』

 契約?
 それが、どう言う意味なのか
 女性は、判断する事ができなかった


 ただ、頷いて

 …にぃ、と
 死体たちが、笑った

「………っはは」

 ざああああああああああああああ
 雨音のノイズに、笑い声が混じりだす

「は、ははっ、あはははははははははははははははははは」

 壊れた笑いを、女はあげる
 女は、気付いてしまった
 確かに、自分は自殺する気なんてなかったはずだ
 富士の樹海の自殺者たちに、引き込まれた自分

 しかし
 まったく、その気が無かった訳でもないのだろう
 だからこそ、引き込まれた
 しかし、実際に自殺する勇気など、自分にはなく

 中途半端だった自分
 そんな自分が、この死体共と契約した?

「あっははははははははははははははははは!!!!」

 契約した瞬間、女は理解してしまった
 こいつらは、都市伝説
 富士の樹海に人を引き込む自殺者の幽霊…そのものなのだ
 自分は、それと契約した
 すなわち、人を自殺させる存在になった

 なんて愉快
 自分は、ある意味で人殺しになったのだ!!

 壊れたように笑い続ける女
 楽しい事など何もなく、灰色の人生を過ごし続けてきた女

 生まれて初めて、楽しい玩具を手に入れたかのように
 雨の中、狂ったように笑い続けたのだった




to be … ?







タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
記事メニュー
ウィキ募集バナー