「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 滝夜叉-03

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だれでも歓迎! 編集
 ---ッガ!!!

 もはや、弾切れとなった今、ショットガンは鈍器にしかならない
 私はそれを振り回し、「夢の国の黒服」相手に応戦していた
 なるべく、自分の元にきた少女たちに、それらの攻撃が届かないよう、戦う

 ……子供を護るのは、大人の役目なのだ
 私が小さな頃、不思議な出来事から助けてくれた男の人が話していた
 あれは、赤いはんてんをきた女の子を連れていた男の人
 …思えば、あれが、私が怪異に関わるようになったキッカケに思える
 元々、霊感と呼ばれるものはあったけれど…滝夜叉と契約してから、劇的に見えるものは増えてきたし
 ……まさか、それが息子にまで継承されるとは、思わなかったけれど

 その滝夜叉は、と言うと、先ほどからきひひひひ、と不気味に笑いながら、大髑髏と蝦蟇を操り、毛むくじゃらのマスコットと戦っている
 まったく、あの子があんな無気味な笑い方をするから、息子にも移ってしまった
 多忙な私に代わって、息子の面倒を見てくれるのはありがたいのだけれども…

「危ないっ!」
「っ!」

 しまった!
 「夢の国の黒服」が、私に向かって手を伸ばす
 反応、しきれない!?
 ……が、その「夢の国の黒服」は、樽によって拘束された
 もがくそれを、私はショットガンで殴りつける

「ありがとう」
「どういたしましてっ」

 …彼女は、相手を樽に拘束できる力をもっているようだ
 しかし、どのくらいの期間、拘束できるのかはわからない
 他の2人も、「夢の国の黒服」やパレード相手に善戦しているけれど…

 …はたして、この面子でどれだけ持つか?
 機を見て、逃亡の機会も考えた方がいいのかもしれない
 私が、そんな事を考え出した時

 携帯が、着信を告げた

「-----っ!!」

 この着信音は……あの子!
 私は慌てて、コートのポケットから携帯を取り出すと、スピーカーモードにする

「もしもし!?○○ちゃん!?」
『うー!パパー!!』

 …一体、何があったのか?!
 滝夜叉は、あの子の傍に護ってくれる相手がいる、と言っていたけれど…まさか、危険な事に!?

『うーうー!鮫島事件ー!うー!』
「…「鮫島事件」?」

 ぴくりっ
 あの子が発した、その単語に、少女たちが反応する

『うー!「鮫島事件」嘘吐きー!嘘一杯バラまくー!信じちゃ駄目ー!うーうーうー!!』

 …嘘?
 それは、どう言う事か?

『町が全部、「組織」の悪い人に操られるー!「組織」の狗にされるって嘘言ってるー!うーうーうーうーうー!!』

 あの子が、拙い言葉で、一生懸命伝えようとしてくれている
 …狗、なんて、悪い単語が出た気もするが、気にしない
 あの子にそんな悪い言葉を教えたのが誰なのか、後で探しておかないと

『パパ、そんな嘘、信じちゃ駄目ー!そんなの全部嘘!うーうーうーうー!!!』
「…えぇ、信じるわ。そんな事、嘘よね」

 私は、この子の言う事を、息子の言う事を、信じる
 この子を通わせていた保育園の先生は、この子の言う事を信じなかった
 息子はいつだって、何かを感じ取り、周りに危険を報せようとしていたのに
 あそこの保育園は信じなかった
 ……だから、あんな事になって
 その癖して、責任を息子に押し付けようとした
 …まぁ、その報いであそこは……いや、今はそれどころじゃないか

「教えてくれて、ありがとう」
『うー!パパ、信じてくれたー!パパ、みんなにも伝えてー!』
「えぇ、伝えるわ」

 …通話を切る
 スピーカーモードにしていたから、周りにも聞こえただろう

「滝夜叉!」
『聞こえておる……この街には、今、父上も来ておるのだぞ!?父上を狗にしようとなど……図に乗るでないぞ、「組織」の馬鹿共め!』

 滝夜叉の声に、怒りが篭る
 暴れ回る大髑髏と蝦蟇に、彼女の怒りが伝わる

『…きっひひひひひひひひ!!こ奴等を葬ったら、さめじまじけんとやらの発動、邪魔してやろうではないか!!』
「そうね、滝夜叉…私たちなら、きっと、できるものね」

 …そうだ
 今までずっと、滝夜叉と一緒に頑張ってきた
 今回だって、きっと、乗り越えられる

「…「組織」とやらに、見せてやりましょう。本当の、地獄を」

 迫り来るパレードを、ショットガンで殴り倒しながら
 私は滝夜叉と一緒に、笑った





「……うー」

 …ぎゅう、と
 少年は、携帯を握り緊める
 聞こえてきた音からして…父親は、戦っていた
 …どんな状況なのか
 少年には、わからない
 …でもきっと、父親は大丈夫だ
 だって、傍に滝夜叉がいるから

「…大丈夫ですか?」
「うー!パパは大丈夫ー!」

 一緒にブラックドックの背中に乗っている女性に、少年は笑って答えた
 そうだ、大丈夫
 大丈夫だと信じて、少年はキャリアウーマンからもたらされた情報を、父親に伝えたのだ

「……大丈夫。だって、僕は滝夜叉や、将門様を信じてるからね……きひひっ」

 …滝夜叉そっくりの笑いを浮かべながら
 少年はぼそり、そう呟いたのだった


 to be …?







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