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連載 - 花子さんと契約した男の話-31

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匿名ユーザー

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だれでも歓迎! 編集
「はい、どうぞ」

 この日も、彼女は忙しく屋台で働いていた
 組で出している屋台
 毎年、地元への貢献などで屋台は出しているが、今年は特に忙しい
 なかなか好評で、今年の屋台の企画を立てた彼女としてはうれしい所である
 ご飯だけではなく、100円値段の安いナンのバージョンも売り出していたのが良かったのだろうか?
 …とまれ、そのかいあって、彼女も忙しい
 息子や娘にまで、手伝わせてしまっているくらいだ
 もっとも、今日は秋祭りの三日目
 2人には、屋台の事は大丈夫だから、と祭を見て回るように言ってはいる
 …それでも、二人とも、時折屋台によって手伝ってくれているが
 我ながら、いい息子と娘を持ったものだと思う

 …そう
 本当に、いい子なのだ
 だから…あの子たちが、自分たちにも秘密でやっている「何か」も、きっと間違った事ではない
 彼女は、そう信じていた
 それが、何なのか?
 彼女は、それを積極的に知ろうと思うつもりはない
 もし、必要であれば、子供たちから話してくれるだろう、と考えていた
 だから、大丈夫
 自分が、それに関して思い悩む必要など、どこにもないのだ
 世界一の、自分たちの息子と娘がやっている事なのだから
 何の問題も、そこには存在しないのだ

「すいません、カレー、三人前ください」
「あ、はぁい。全部、ご飯のでよろしいかしら?」
「あ、一つはナンでお願いします」
「はぁい、少しお待ちになってね」

 少女の三人組が、カレーを買いに来た
 夫がカレーを容器に盛り付けてくれている間、彼女は金銭のやり取りをしておく
 えぇ、と、ご飯が二つとナンが一つだから…合計1400円
 1500円受け取ったので、おつりの100円を渡す

(……あら?)

 ……と
 彼女は、その三人組の一人に、ふと、違和感を感じた 
 それがわかったのは、俗に「女の勘」などと呼ばれるような、女性特有の鋭さと…以前、息子相手にやった経験から、なのだが
 それに気付き、彼女は微笑ましさを覚えた

「はい、どうぞ」

 牛すじのカレーを手渡していく
 恐らく、男性なのだろう、しかし、女装させられている、その姿に
 彼女は、昔、まだ息子が小さかった頃に、振袖を着せてやった思い出を思い出して和むのだった



「……気付いてた、あのおばさん、絶対に気付いてた……!!」
「気のせいじゃないですか?」
「…多分」

 三人組がその後、そんな会話をしていた事など、彼女は全く知らないままだ






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