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「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - ハーメルンの笛吹き-98

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【上田明也の探偵倶楽部after.act7~浮気調査~】

前回から数日後。
樹と本格的に修行を始めた上田は早速ボロボロになって事務所に運ばれてきた。
なぜだか全身ロープでぐるぐる巻きな上にパンツ一丁である。
救急セットを持ってきた彼方が応急処置をしながら声をかける。

「う、上田さん?生きてますか……?」
「生きてる、超生きてる。生の実感を感じている。」
「あの人誰なんですか、教え甲斐があったとか言ってましたけど?」
「ああ、格闘技の師匠的な人だ。ちょっと親父に対抗するために強くなろうとしてだな……。」
「強くも何もボロボロじゃないですか!ていうかパンツ一丁ってなにごとですか!
 茜さんが居るんですからあんまり無茶しないでくださいよ!」
「あまり説教臭くなるな、ところで知ってるか彼方?」
「なんですか?」
「少しのお金と、明日のパンツが有れば……、人間生きていけるんだぜ?」

突然、事務所のドアが開く。
其処に飛び込んできたのは上田の知り合いである明日真の契約している都市伝説「猫レンジ」の恋路である。

「明日のパンツと聞いて!」
「ちっがあああああううう!」
「テレレレッテッテー♪」
「彼方のレベルが上がった、彼方はハイテンション突っ込みを覚えた!」
「とまあさっくりぼけ終わったところで……。」
「いや、恋路さんは毎度毎度ボケかまさないでください。」
「堅いこと言うなよ彼方くぅん。」

にゃっはっはと笑ってどっかりと椅子に座る恋路。
どうやら今回は依頼に来た様子だ。





「と言う訳で笛吹さん!」
「待った!俺が服着てから話してくれ!」
「そういえば全身ボドボドだよね、結構な使い手にやられたようで。」
「うむ、まあ壮絶な戦いだった……。」
「良いから服来てくださいよ。」
「解った、じゃあちょっと待って……。」

上田はそこら辺にあるスーツを手に取るとその場でクルッと一回転。
華麗にステップを刻み終えるとそのスーツは上田の身体を包み込んでいた。

「て。」
「着替え早ッ!?」
「俺はやれば出来る子だ。それでは依頼を聞こうか。」
「うむ、浮気調査をして欲しいんだよ。最近アスマに変な虫がついていてね。」
「なにっ!?
 あいつのような男が浮気だなんてそんなこと……。」
「いいや、アスマは優しいからね。」
「勢いに流されることもあり得ると?」
「そうさ、油断も隙もあったもんじゃないぜ。」
「その変な虫についてお前はある程度知っていると考えて良いのか?」
「うん、名前はわかってる。確か……笹木、カシャシャギジャキサシャキ。」
「豪快に噛んだなあ……。」
「滑舌は気にするな!」
「解った。報酬は……、私がバイトして貯めてた分のお金があるから安心してくれ。」
「いや、お前から金は取らん。」
「まさか身体で!?ヘンタアアアアイ!」
「ひっひっひ、ばれちまっちゃあ……。」

と言い終えたところで上田と恋路が彼方の方を見る。
突っ込みを全力で期待してるようだ。




もうこいつらには突っ込まないぞ、と覚悟を決めた筈の彼方だったが、
二人の視線に耐えきれずぽつりと呟く。

「僕に突っ込みを求めないでください……。」
「え」
「う」
「なんか……ごめん。」
「ごめんね彼方君?」
「真面目な話すると報酬は時間制だ。浮気調査なら一時間辺り一万円ってところか。」
「そこら辺は私も知ってるよ。バイトしてたし。」
「都市伝説退治の一件十何万とかに比べたら歩合が悪いのよね。」
「あらら、意外と安い。」
「相手によりけりだからな。組織がやると無料だけど、確実に来るとは限らないだろ?
 そこらへんの不安感をゆさぶるともっと出してくれたりする。
 仕事はきちっとやってるし調査費も込みだから良心的。
 都市伝説退治の仕事は学校町の外でも結構有るしね。
 個人的に一番美味しいのは表沙汰に出来ない都市伝説犯罪の解決でなあ……。
 まあ恋路ちゃんは善人で居たいと思うので聞かせないけど。」
「えっ、所長なにやってるんですか?」
「彼方、お前も聞かない方が良いぞ。綺麗なキャラで居たいだろうし。
 お前ら食わせるのも結構大変でだなあ……。親からの仕送りも無いし!
 ビルの経営も吉静の食費の足しにしかならん。
 あと彼方も学校行くようになったからそれでまた金が……。」
「おぉう、笛吹探偵事務所の裏事情を知ってしまった……。」
「ごめんなさい笛吹さん、誰も知らないところで頑張ってたんですね……?」
「良いんだぞ彼方、お前らが幸せそうに暮らしているのが俺にとっても幸せなんだ……。」

何故かちょっとしんみりし始める笛吹探偵事務所。
恋路はすすり泣きを始めてしまった。




「笛吹さん!これで穀雨兄妹に暖かい物を!」
「いや受け取れねえよそれは!」

恋路が取り出したのは激辛中華の店「北斗神軒」の従業員優待券。
驚愕の50%引きである。

「ていうか暖かいどころの騒ぎじゃないから!
 激熱だから!」
「てへ☆」
「可愛くすれば許されると思うなよ!」
「まあそれはそうとして、今度の日曜に……六時間くらい尾行してみてくれない?
 報酬は……。」
「成功したらで良いぞ、その女が居るところをバッチリとカメラに撮しておくから。」
「解った、それじゃあ頼むね。」

そう言って恋路は事務所を出て行った。
彼方が上田に聞きづらそうに訪ねる。

「さっきの話って……。」
「ああ、マジマジ。我が事務所はわりとギリギリ経営。
 今度は俺の子供も生まれるらしいし本当に大変だぜー。
 彼方君、これからもよりいっそう頑張ってくれ!」
「わ、わかりました……。」
「まぁ、事務所の経営がギリギリなのは嘘だけどさ……。」

事務所の方は太宰龍之介暗殺の成功報酬もまだ使い切ってない状態である。
上田の嘘を信じた彼方は割とブルーな顔をして自分の部屋に戻っていったのであった。
説教喰らわなくて良かったなあ、と上田は暢気なことを考えながら夕飯の支度を始めた。
【上田明也の探偵倶楽部after.act7~浮気調査~】

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