【上田明也の協奏曲16~野に咲く花を手折るとしても~】
「歩けるか?」
「無理です。」
説得が終わるとメルはわりと大人しくなっていた。
冷静に考えると刀で突き刺した上に思い切り殴った相手に歩けるか?はないというものである。
「じゃあ仕方ないな。」
「大丈夫なんですかマスター。」
「これくらい、お前の為なら。」
俺はメルを担ぎ上げると神社を出て行くことにした。
ここに黒服が向かっていることだろう。
今、この状態で会えば逃げ切れるかどうかは正直怪しい。
参道を回避しながらバイクに向かい、探偵事務所に戻る。
「無理です。」
説得が終わるとメルはわりと大人しくなっていた。
冷静に考えると刀で突き刺した上に思い切り殴った相手に歩けるか?はないというものである。
「じゃあ仕方ないな。」
「大丈夫なんですかマスター。」
「これくらい、お前の為なら。」
俺はメルを担ぎ上げると神社を出て行くことにした。
ここに黒服が向かっていることだろう。
今、この状態で会えば逃げ切れるかどうかは正直怪しい。
参道を回避しながらバイクに向かい、探偵事務所に戻る。
「所長お帰りー!って……メルちゃん!?なにがあったんですか!」
事務所に戻ると向坂が出迎えてくれた。
「ああー……、仕事がらみ。今回はわりと手強かった。」
「……都市伝説ですか。」
「ああ、そうだよ。」
「メルちゃんに……、無理させないで下さい。」
彼女の言う通りか。
だがこれからはあまり無理させなくても済みそうだ。
それよりも、だ。
「……そうだな、この後もう一仕事有るんだ。こいつを頼む。」
メルを向坂に任せて、俺は孤児院に向かうことにした。
穀雨の居るあの孤児院に行き、彼女を連れ去る。
誰かの意志にゆだねていれば手遅れになるから。
どんなに悪であろうと、手が汚れようと、守りたい物が有るって解ったから。
だから俺は今から彼女を誘拐してこよう。
殺人鬼「ハーメルンの笛吹き男」として。
「じゃあ行ってくるぜ向坂。この仕事が終わったらボーナスでも出そう。」
「行ってらっしゃい、所長。期待しないで待っています。」
後ろを向いたまま手を振る。
いきなり彼女が追いかけてきて肩を叩かれた。
「どうし………!」
「始めてそんな顔をしてくれましたね。」
頬にキスされてしまった。
「ばれたら怒られるねえ。」
「所長付き合ってる人でも居るんですか?」
君が今だっこしている人だよ。とは口が裂けても言えないので適当に誤魔化すことにした。
「全世界が俺に恋してるんだぜ?」
向坂は少しだけ笑うと照れ隠しに俺を探偵事務所から追い出すように送り出してくれた。
事務所に戻ると向坂が出迎えてくれた。
「ああー……、仕事がらみ。今回はわりと手強かった。」
「……都市伝説ですか。」
「ああ、そうだよ。」
「メルちゃんに……、無理させないで下さい。」
彼女の言う通りか。
だがこれからはあまり無理させなくても済みそうだ。
それよりも、だ。
「……そうだな、この後もう一仕事有るんだ。こいつを頼む。」
メルを向坂に任せて、俺は孤児院に向かうことにした。
穀雨の居るあの孤児院に行き、彼女を連れ去る。
誰かの意志にゆだねていれば手遅れになるから。
どんなに悪であろうと、手が汚れようと、守りたい物が有るって解ったから。
だから俺は今から彼女を誘拐してこよう。
殺人鬼「ハーメルンの笛吹き男」として。
「じゃあ行ってくるぜ向坂。この仕事が終わったらボーナスでも出そう。」
「行ってらっしゃい、所長。期待しないで待っています。」
後ろを向いたまま手を振る。
いきなり彼女が追いかけてきて肩を叩かれた。
「どうし………!」
「始めてそんな顔をしてくれましたね。」
頬にキスされてしまった。
「ばれたら怒られるねえ。」
「所長付き合ってる人でも居るんですか?」
君が今だっこしている人だよ。とは口が裂けても言えないので適当に誤魔化すことにした。
「全世界が俺に恋してるんだぜ?」
向坂は少しだけ笑うと照れ隠しに俺を探偵事務所から追い出すように送り出してくれた。
「こりゃあへまする訳にはいかないな。」
やれやれと肩をすくめながら車に乗り込む。
隣には誰もいない。
前にも後ろにも真上にもましてや真下にも居ない。
たった一人。
サッと行ってサッと帰ってくればそれでよし。
駄目だったならば皆殺し。
黒いスーツにサングラスをかけて黒服とやらの変装だけでもしておくことにした。
使う車は地下駐車場の隠し部屋に止めてある赤いフィアット500だ。
殺人鬼ハーメルンの笛吹きが鼠を使わなくてどうするというのだ。
「エンジン良し、タイヤ良し、搭載兵器も完璧。」
車の中に積み込まれている武器を確認する。
ああ、どれも完璧だ。
ワルサーWA2000と一緒に届いたあれも入っている。
「あー、「組織」の者と理事長におねがいします。
はい、少女を迎えに来る予定が速くなったと、はい。
それだけで解ると思いますので、どうもありがとうございました。」
電話口の女性も騙されてくれた様子だ。
俺は車を発進させると穀雨の居る孤児院に向かった。
やれやれと肩をすくめながら車に乗り込む。
隣には誰もいない。
前にも後ろにも真上にもましてや真下にも居ない。
たった一人。
サッと行ってサッと帰ってくればそれでよし。
駄目だったならば皆殺し。
黒いスーツにサングラスをかけて黒服とやらの変装だけでもしておくことにした。
使う車は地下駐車場の隠し部屋に止めてある赤いフィアット500だ。
殺人鬼ハーメルンの笛吹きが鼠を使わなくてどうするというのだ。
「エンジン良し、タイヤ良し、搭載兵器も完璧。」
車の中に積み込まれている武器を確認する。
ああ、どれも完璧だ。
ワルサーWA2000と一緒に届いたあれも入っている。
「あー、「組織」の者と理事長におねがいします。
はい、少女を迎えに来る予定が速くなったと、はい。
それだけで解ると思いますので、どうもありがとうございました。」
電話口の女性も騙されてくれた様子だ。
俺は車を発進させると穀雨の居る孤児院に向かった。
「どうも、少女を引き取りに来ました。」
孤児院へは正面から正々堂々と入り込んだ。
サングラス、ダークスーツ、ブリーフケース。
どれをとっても「組織」の黒服だ。俺の変装も完璧である。
車も駐車場に止めてある。
玄関で「組織」を名乗ると職員はさして疑問を抱く様子もなく、俺を理事長室に通した。
ここの職員はどうやら仕事に対して大したこだわりを持っていないらしい。
まず最初に、こういう手合いは身元をきっちり確認するのが筋という物だと俺は思うのだが。
こいつらは子供が何処に引き取られようと本当にどうでも良いのだろうな。
俺はできるだけ顔を見せないようにしながら理事長室に入り込み、すばやくドアを閉めて理事長と二人きりになった。
彼は金魚に餌を与えていた。
「今、職員に彼女を連れてこさせているのですが……、少々来る日程が速くなったのですってね。」
「はい、最近我々に対して工作を行っている者が多いので安全の為に少しずつ計画のスケジュールを早めているのですよ。」
「成る程、それなら良いのです。」
こいつは恐らく組織のことを解っていない。
金やら何やらの為に子供を横流ししているのか。
「まったく、ろくでもないな。」
「どうしたんです?」
「いえ、邪魔者が多くて少々イライラしていましてね。」
「はぁ……。」
孤児院へは正面から正々堂々と入り込んだ。
サングラス、ダークスーツ、ブリーフケース。
どれをとっても「組織」の黒服だ。俺の変装も完璧である。
車も駐車場に止めてある。
玄関で「組織」を名乗ると職員はさして疑問を抱く様子もなく、俺を理事長室に通した。
ここの職員はどうやら仕事に対して大したこだわりを持っていないらしい。
まず最初に、こういう手合いは身元をきっちり確認するのが筋という物だと俺は思うのだが。
こいつらは子供が何処に引き取られようと本当にどうでも良いのだろうな。
俺はできるだけ顔を見せないようにしながら理事長室に入り込み、すばやくドアを閉めて理事長と二人きりになった。
彼は金魚に餌を与えていた。
「今、職員に彼女を連れてこさせているのですが……、少々来る日程が速くなったのですってね。」
「はい、最近我々に対して工作を行っている者が多いので安全の為に少しずつ計画のスケジュールを早めているのですよ。」
「成る程、それなら良いのです。」
こいつは恐らく組織のことを解っていない。
金やら何やらの為に子供を横流ししているのか。
「まったく、ろくでもないな。」
「どうしたんです?」
「いえ、邪魔者が多くて少々イライラしていましてね。」
「はぁ……。」
コンコン
誰かが扉を叩いた。
「理事長、穀雨ちゃんを連れてきました。」
「おお、そうか。少し待っていてくれ……。あの、ところで報酬の方はしっかりございますかね?」
理事長が俺の持っているブリーフケースをチラチラと見ながら問いかけてくる。
「おっと、忘れる所でした。こちらに……。」
俺は持っていたブリーフケースを理事長に渡すような素振りをして………
BANG!BANG!
腹に二発
BANG!
頭部に一発
「おお、そうか。少し待っていてくれ……。あの、ところで報酬の方はしっかりございますかね?」
理事長が俺の持っているブリーフケースをチラチラと見ながら問いかけてくる。
「おっと、忘れる所でした。こちらに……。」
俺は持っていたブリーフケースを理事長に渡すような素振りをして………
BANG!BANG!
腹に二発
BANG!
頭部に一発
銃弾を撃ち込んだ。
ブリーフケースからうっすらと煙が立ち上る。
それでは説明しよう、このブリーフケースの中にはH&KMP7が入っているのだ。
H&K社の銃はその命中精度とサイズから要人警護などによく使用されるので隠し持ちやすさを追求される傾向がある。
その中で開発されたのがH&KMP5Kの派生バージョンであるMP5Kコッファーだ。
これはブリーフケースなどの内部にそのまま突っ込める大きさでしかもケースと銃を内部で連結させることで
ケースの中から銃撃が可能になっている。
俺はサンジェルマンに頼み込んでMP7をケースに詰め込めるように改造して貰っていたのだ
MP7事態が音のあまりでない銃だが、更にサイレンサーのおかげで音はほとんど無くて済んだようである。
だが銃の音がわずかでも隣の部屋からすれば誰だって警戒する。
俺はすばやく口笛を吹いて扉の向こうにいる子供を気絶させると部屋を出た。
それでは説明しよう、このブリーフケースの中にはH&KMP7が入っているのだ。
H&K社の銃はその命中精度とサイズから要人警護などによく使用されるので隠し持ちやすさを追求される傾向がある。
その中で開発されたのがH&KMP5Kの派生バージョンであるMP5Kコッファーだ。
これはブリーフケースなどの内部にそのまま突っ込める大きさでしかもケースと銃を内部で連結させることで
ケースの中から銃撃が可能になっている。
俺はサンジェルマンに頼み込んでMP7をケースに詰め込めるように改造して貰っていたのだ
MP7事態が音のあまりでない銃だが、更にサイレンサーのおかげで音はほとんど無くて済んだようである。
だが銃の音がわずかでも隣の部屋からすれば誰だって警戒する。
俺はすばやく口笛を吹いて扉の向こうにいる子供を気絶させると部屋を出た。
「あの、何かあったので……」
声から判断するに俺が電話口で話した職員だろう。
ナニモシラナイイッパンシミンノカタに違いない。
「いえ、」
再び腹に二発、頭に一発。
降り注ぐ血の雨
「貴方が心配するようなことは何もありませんでした。」
綺麗に笑顔を作って応対してみた。
声から判断するに俺が電話口で話した職員だろう。
ナニモシラナイイッパンシミンノカタに違いない。
「いえ、」
再び腹に二発、頭に一発。
降り注ぐ血の雨
「貴方が心配するようなことは何もありませんでした。」
綺麗に笑顔を作って応対してみた。
穀雨は具合良く俺の笛で気を失っているようだ。
ブリーフケースをすばやく開封すると中からMP7と真っ赤なネットブックが現れた。
ネットブックはすでに起動されており、赤い部屋が何時でも発動できるようになっている。
「茜さん、頼んだ。」
俺は穀雨を赤い部屋に回収させる。
「……来たか。」
遠くから響いてくる足音。
誰が連絡したかは知らないがどうやらお客様がいらっしゃったようだ。
丁寧に応対せざるを得ないな、これは。
俺は首をクルリと回して愉快に笑った。
ブリーフケースをすばやく開封すると中からMP7と真っ赤なネットブックが現れた。
ネットブックはすでに起動されており、赤い部屋が何時でも発動できるようになっている。
「茜さん、頼んだ。」
俺は穀雨を赤い部屋に回収させる。
「……来たか。」
遠くから響いてくる足音。
誰が連絡したかは知らないがどうやらお客様がいらっしゃったようだ。
丁寧に応対せざるを得ないな、これは。
俺は首をクルリと回して愉快に笑った。
「現場に到着した。どうぞ。」
無線を行いながらこちらに近づいてくる黒服。
「血痕を発見したので理事長室の探索から行うことにする。」
そういって彼は周囲を警戒しつつ、こちらにゆっくり近づいてきた。
俺が思うに、穀雨を助けたところで組織の過激派は彼女以外の子供を使って実験を始めるだろう。
ではどうすれば良いだろうか?
俺が思うに、この孤児院を破壊すればいいのだ。
いや、本当に破壊するとそれはそれでまた不都合だからやらないけどさ。
たとえば、のこのこやってくる黒服を次々殺してみせるとか。
たとえば、この施設の職員を片っ端から殺してみせるとか。
この孤児院のシステムが根底から揺らがされるようなことを行えばそれだけ、彼らが実験台にされるリスクは減る。
まあ単純に言ってしまえば俺による組織への徹底的な嫌がらせを行えば自然と彼らも救われるのだ。
とにかく、俺は目の前のこの不運な黒服を屠ることにした。
「付喪神……!」
付喪神を呼び出して物陰に仕込んでいたナイフに憑依させる。
丁度十本分だ、これで仕込みは完璧。
「都市伝説の気配が濃厚だ。詳しくは解らないがまだ建物内部に残っている可能性………。」
ハーメルンの笛吹きの都市伝説の気配のせいで付喪神に気付いていないようだ。
――――――ヒゥン
わずかに空気の裂ける音がする。
生憎、彼の無線はそこで途切れることになった。
何故ならA-92と名乗ったその黒服の首は一瞬で真っ二つになっていたのだから。
無線を行いながらこちらに近づいてくる黒服。
「血痕を発見したので理事長室の探索から行うことにする。」
そういって彼は周囲を警戒しつつ、こちらにゆっくり近づいてきた。
俺が思うに、穀雨を助けたところで組織の過激派は彼女以外の子供を使って実験を始めるだろう。
ではどうすれば良いだろうか?
俺が思うに、この孤児院を破壊すればいいのだ。
いや、本当に破壊するとそれはそれでまた不都合だからやらないけどさ。
たとえば、のこのこやってくる黒服を次々殺してみせるとか。
たとえば、この施設の職員を片っ端から殺してみせるとか。
この孤児院のシステムが根底から揺らがされるようなことを行えばそれだけ、彼らが実験台にされるリスクは減る。
まあ単純に言ってしまえば俺による組織への徹底的な嫌がらせを行えば自然と彼らも救われるのだ。
とにかく、俺は目の前のこの不運な黒服を屠ることにした。
「付喪神……!」
付喪神を呼び出して物陰に仕込んでいたナイフに憑依させる。
丁度十本分だ、これで仕込みは完璧。
「都市伝説の気配が濃厚だ。詳しくは解らないがまだ建物内部に残っている可能性………。」
ハーメルンの笛吹きの都市伝説の気配のせいで付喪神に気付いていないようだ。
――――――ヒゥン
わずかに空気の裂ける音がする。
生憎、彼の無線はそこで途切れることになった。
何故ならA-92と名乗ったその黒服の首は一瞬で真っ二つになっていたのだから。
手元にナイフを戻して素早く服の中にしまう。
「いやー……、狙い通りで笑っちまったぜ。」
俺は黒服Hを見ているといつも思うのだ。
あいつと戦うのだけは願い下げだと。
その理由はいたって簡単。
あいつは糸使いなのだ。
それどころか相模は風魔の必殺忍法『風閂』を使う髪の毛使いなのだ。
いや、風閂かはまた別なんだけどさ。
糸使いと前もって解っていたとしてもそういう奴らとは戦いたくない。
勝つ方法が少ないのにそれを使う手は無いという物だ。
と、言うわけで自分も使ってみた。
ナイフに鋼線をくくりつけて付喪神経由で自在に操ってみる。
これだけでかなり強力な糸による攻撃になるのだ。
とりあえず俺はピンクフロイドの原子心母でも口笛で演奏しながら孤児院を歩き始めることにした。
大人の目撃者がいると行けない。
それじゃあ片っ端からヤってみよう!
「いやー……、狙い通りで笑っちまったぜ。」
俺は黒服Hを見ているといつも思うのだ。
あいつと戦うのだけは願い下げだと。
その理由はいたって簡単。
あいつは糸使いなのだ。
それどころか相模は風魔の必殺忍法『風閂』を使う髪の毛使いなのだ。
いや、風閂かはまた別なんだけどさ。
糸使いと前もって解っていたとしてもそういう奴らとは戦いたくない。
勝つ方法が少ないのにそれを使う手は無いという物だ。
と、言うわけで自分も使ってみた。
ナイフに鋼線をくくりつけて付喪神経由で自在に操ってみる。
これだけでかなり強力な糸による攻撃になるのだ。
とりあえず俺はピンクフロイドの原子心母でも口笛で演奏しながら孤児院を歩き始めることにした。
大人の目撃者がいると行けない。
それじゃあ片っ端からヤってみよう!
「居たぞっ!あそこだ!」
「一人で居る内に囲んで殺せ!」
結局孤児院の中に大した物はなかった。
強いて言えば俺の車が完璧に破壊されていて少々以上の殺意を覚えたことくらいだ。
あのフィアットは中々勝ちのある物だったので……本当に残念だ。
口笛の音に誘われて、一人また一人と黒服が誘われてくる。
或る者はセンスの悪い光線銃を片手に、
また或る者は己の都市伝説と思しき何かを従えて、
成る程、数で押せば勝てると思っているようだ。
空気が涙ししゃくり上げるようなヒゥンヒゥンという音。
光線銃を鋼線で切り捨てる時にあがるのはそんな音。
「……糸?ハーメルンの笛吹きや蜻蛉切にそんな能力は無い筈だ!」
怒濤のような射撃の群、群、群。
だがそんな物では俺は倒せない、いまやハーメルンの笛吹きを取り込んだ俺に、幾つ命のストックが有ると思っているのだ。
コートの下に隠した大量のナイフを射出して光線銃の持ち主達の急所を貫く。
「なんだ!?こいつ、今までになかった都市伝説と契約していやがる!」
他愛ない。これで終わりか。
そう思った次の瞬間だった。
ダン!ダン!
速い。
ハーメルンの笛吹きで強化された聴覚を以てしてやっと気づけるレベルだ。
壁や天井を蹴って三次元の移動をしている何かが居る。
味方を囮にしてでも俺を殺そうとする何かが居る。
「一人で居る内に囲んで殺せ!」
結局孤児院の中に大した物はなかった。
強いて言えば俺の車が完璧に破壊されていて少々以上の殺意を覚えたことくらいだ。
あのフィアットは中々勝ちのある物だったので……本当に残念だ。
口笛の音に誘われて、一人また一人と黒服が誘われてくる。
或る者はセンスの悪い光線銃を片手に、
また或る者は己の都市伝説と思しき何かを従えて、
成る程、数で押せば勝てると思っているようだ。
空気が涙ししゃくり上げるようなヒゥンヒゥンという音。
光線銃を鋼線で切り捨てる時にあがるのはそんな音。
「……糸?ハーメルンの笛吹きや蜻蛉切にそんな能力は無い筈だ!」
怒濤のような射撃の群、群、群。
だがそんな物では俺は倒せない、いまやハーメルンの笛吹きを取り込んだ俺に、幾つ命のストックが有ると思っているのだ。
コートの下に隠した大量のナイフを射出して光線銃の持ち主達の急所を貫く。
「なんだ!?こいつ、今までになかった都市伝説と契約していやがる!」
他愛ない。これで終わりか。
そう思った次の瞬間だった。
ダン!ダン!
速い。
ハーメルンの笛吹きで強化された聴覚を以てしてやっと気づけるレベルだ。
壁や天井を蹴って三次元の移動をしている何かが居る。
味方を囮にしてでも俺を殺そうとする何かが居る。
味方を犠牲にしてでも俺を殺す?
まったく――――――最高じゃないか!
「口裂け女!」
俺がそいつの正体を知った瞬間には、俺のパクリである真っ赤なコートを身につけた女が俺の背後をとっていた。
「ッシャアアアアアアアア!!!」
裂帛の気合いと共に拳が俺の身体に突き刺さる。
われ鐘が身体の中で鳴り響くような衝撃と生温い内蔵が暖房もろくに効いてないこの場所でぶちまけられる激痛が身体を疾走る。
「今までのは囮か!」
吹っ飛んできた俺をテケテケの契約者らしき女がさらに殴り殺そうと待っている。
まったく――――――最高じゃないか!
「口裂け女!」
俺がそいつの正体を知った瞬間には、俺のパクリである真っ赤なコートを身につけた女が俺の背後をとっていた。
「ッシャアアアアアアアア!!!」
裂帛の気合いと共に拳が俺の身体に突き刺さる。
われ鐘が身体の中で鳴り響くような衝撃と生温い内蔵が暖房もろくに効いてないこの場所でぶちまけられる激痛が身体を疾走る。
「今までのは囮か!」
吹っ飛んできた俺をテケテケの契約者らしき女がさらに殴り殺そうと待っている。
「内蔵零してるのに容赦が無いことで……。」
持っていたナイフをすぐさま捨て去ると先程のワイヤーナイフに付いていた付喪神を総動員。
ワイヤーを使って自分の身体をなんとか受け止める。
隣ではテケテケの契約者らしき女の拳が床を割っていた。
「ずいぶん丈夫になったみたいね、ハーメルンの笛吹き!」
女は空中でグルグル巻きになっている俺をにらみつける。
「猫は九つ命があるそうだ。ハーメルンの笛吹きは悪魔だぜ?」
すぐに自らへの拘束を解くと懐からM29を取り出して女に向ける。
「Go ahead. Make my day.」
映画の1シーンを気取りながら44マグナムの弾丸を彼女の頭部に向けて撃ち込む。
その刹那
メキリメキリと鉄の砕ける音がする。
「そのセリフは正義の味方のセリフよ?」
「そんなの知るか、それよりも銃弾を砕くなんて最高に化け物の所行だよ!」
今すぐスタンディングオベーションでも決めてやりたいところだが生憎そうも行かない。
口裂け女が真後ろにいるのだ。
コートの肘の部分を強く押すとMP5Kが2丁程滑り落ちてくる。
ワイヤーを操りながら口裂け女の行動を制限し、居るであろうと予想できるところにありったけの弾丸を撃ち込んだ。
断末魔の悲鳴。
ビンゴだ。
持っていたナイフをすぐさま捨て去ると先程のワイヤーナイフに付いていた付喪神を総動員。
ワイヤーを使って自分の身体をなんとか受け止める。
隣ではテケテケの契約者らしき女の拳が床を割っていた。
「ずいぶん丈夫になったみたいね、ハーメルンの笛吹き!」
女は空中でグルグル巻きになっている俺をにらみつける。
「猫は九つ命があるそうだ。ハーメルンの笛吹きは悪魔だぜ?」
すぐに自らへの拘束を解くと懐からM29を取り出して女に向ける。
「Go ahead. Make my day.」
映画の1シーンを気取りながら44マグナムの弾丸を彼女の頭部に向けて撃ち込む。
その刹那
メキリメキリと鉄の砕ける音がする。
「そのセリフは正義の味方のセリフよ?」
「そんなの知るか、それよりも銃弾を砕くなんて最高に化け物の所行だよ!」
今すぐスタンディングオベーションでも決めてやりたいところだが生憎そうも行かない。
口裂け女が真後ろにいるのだ。
コートの肘の部分を強く押すとMP5Kが2丁程滑り落ちてくる。
ワイヤーを操りながら口裂け女の行動を制限し、居るであろうと予想できるところにありったけの弾丸を撃ち込んだ。
断末魔の悲鳴。
ビンゴだ。
「H&K社のMP5Kだ、貴様らに使ってやるには勿体ない代物だったか?」
「祐美江!」
テケテケの女が悲鳴を上げる。
さて、後ろはどれほど恐ろしい事になっているのだろう。
銃段に遅れてワイヤー付きのナイフが祐美江と呼ばれていた女に突き刺さり、体内に潜り込み、彼女を食い荒らす。
「ハッハッハ!化け物同士が友情ごっこか!美しいなあ!えぇ、オイ?」
「この野郎……、この野郎!!」
テケテケの女は俺に素早く殴りかかってくるが俺は使い終わったMP5を捨ててM29で牽制を行う。
「やめてくれやめてくれ!人間は弱いんだ!お前らに殴られたら一溜まりもない!」
「許さない!お前は許さないぞ!」
残る弾はあと5発。
決して安い物では無いそれを湯水のように使い捨てる。
銃撃の反動に耐えられずに骨が悲鳴を上げている。
都市伝説一つ取り込んだのもまた決して安い買い物じゃなかったようだ。
「弾が切れたな!」
テケテケの女はそれを狙って飛びかかってくる。
「はっはっは、俺が弾無しになると思うかい?特にアンタみたいな可愛い女の子を目の前にすると……。」
服の袖からリボルバーの拳銃が滑り降りてくる。
ドガァン!手元で炸薬が破裂する。
またも腕の骨はきしみ始めている。
「俺の黒くて大きなマグナムは何度でもいきり立ってしまうようだがね。」
正直なところちょっと年を取りすぎているのだが。
再び銃段を防御しようとしたテケテケは白魚のような右手を無様に破裂させてのたうち回る結果になった。
そうだそうだ、その苦しそうな声をもっと聞かせて貰わないと俺は楽しくないんだよ。
「祐美江!」
テケテケの女が悲鳴を上げる。
さて、後ろはどれほど恐ろしい事になっているのだろう。
銃段に遅れてワイヤー付きのナイフが祐美江と呼ばれていた女に突き刺さり、体内に潜り込み、彼女を食い荒らす。
「ハッハッハ!化け物同士が友情ごっこか!美しいなあ!えぇ、オイ?」
「この野郎……、この野郎!!」
テケテケの女は俺に素早く殴りかかってくるが俺は使い終わったMP5を捨ててM29で牽制を行う。
「やめてくれやめてくれ!人間は弱いんだ!お前らに殴られたら一溜まりもない!」
「許さない!お前は許さないぞ!」
残る弾はあと5発。
決して安い物では無いそれを湯水のように使い捨てる。
銃撃の反動に耐えられずに骨が悲鳴を上げている。
都市伝説一つ取り込んだのもまた決して安い買い物じゃなかったようだ。
「弾が切れたな!」
テケテケの女はそれを狙って飛びかかってくる。
「はっはっは、俺が弾無しになると思うかい?特にアンタみたいな可愛い女の子を目の前にすると……。」
服の袖からリボルバーの拳銃が滑り降りてくる。
ドガァン!手元で炸薬が破裂する。
またも腕の骨はきしみ始めている。
「俺の黒くて大きなマグナムは何度でもいきり立ってしまうようだがね。」
正直なところちょっと年を取りすぎているのだが。
再び銃段を防御しようとしたテケテケは白魚のような右手を無様に破裂させてのたうち回る結果になった。
そうだそうだ、その苦しそうな声をもっと聞かせて貰わないと俺は楽しくないんだよ。
「どうだい?M29は防げてもM500の弾丸は防げなかったみたいだね。」
声も出ないらしい。
仕方ない。
どんな銃がこいつの命を奪ったかくらいは教えてやろう。
「M500とは市販品としては最強の拳銃弾「.500S&W」を使用し、
マズルエネルギーは.44Magnum弾の3倍(S&W社比)を誇る世界最強の銃だ。
威力に於いてはだけどね。
いや、厳密に言えばオーストラリアのプファイファーツェリスカとかいうハンドメイドの作品が最強だよ?
でもありゃあ人間には扱えないからさ。」
「人間……。」
掠れた声で吐き捨てるように呟く。
「ああ、そうだ。間違いなく人間だ。」
「お前の……、何処が……人間だぁ!」
「人間の証明が欲しいか?
私利私欲の為に無垢な子供を実験台にするような「組織」の構成員がこの俺に人間の証明を求めるか!
良いだろう、証明してやる。これから完膚無きまでに証明し尽くしてやろう。」
「うわあああああああああああああああああ!!!」
先程までくたばっていた筈の口裂け女がもう一度動き始める。
M500……、ああ、躱されちまった。
今度は奴の蹴りが迫る。
「無粋な奴め。」
だが、それも問題は無い。
指をパチン、とならすと口裂け女は見事に爆発解体されてしまった。
先程ナイフで触手プレイを決めていたときにナイフごと爆弾を一つおいてきたのだ。
「ちょっとした即席クレイモアはお気に召して頂けたようだね。」
飛び散ってきた肉片が掌に乗る。
おやおや丁度頬の部分だ。
「ほら、ほっぺが落ちた。」
邪魔くさいので床に捨てた。
声も出ないらしい。
仕方ない。
どんな銃がこいつの命を奪ったかくらいは教えてやろう。
「M500とは市販品としては最強の拳銃弾「.500S&W」を使用し、
マズルエネルギーは.44Magnum弾の3倍(S&W社比)を誇る世界最強の銃だ。
威力に於いてはだけどね。
いや、厳密に言えばオーストラリアのプファイファーツェリスカとかいうハンドメイドの作品が最強だよ?
でもありゃあ人間には扱えないからさ。」
「人間……。」
掠れた声で吐き捨てるように呟く。
「ああ、そうだ。間違いなく人間だ。」
「お前の……、何処が……人間だぁ!」
「人間の証明が欲しいか?
私利私欲の為に無垢な子供を実験台にするような「組織」の構成員がこの俺に人間の証明を求めるか!
良いだろう、証明してやる。これから完膚無きまでに証明し尽くしてやろう。」
「うわあああああああああああああああああ!!!」
先程までくたばっていた筈の口裂け女がもう一度動き始める。
M500……、ああ、躱されちまった。
今度は奴の蹴りが迫る。
「無粋な奴め。」
だが、それも問題は無い。
指をパチン、とならすと口裂け女は見事に爆発解体されてしまった。
先程ナイフで触手プレイを決めていたときにナイフごと爆弾を一つおいてきたのだ。
「ちょっとした即席クレイモアはお気に召して頂けたようだね。」
飛び散ってきた肉片が掌に乗る。
おやおや丁度頬の部分だ。
「ほら、ほっぺが落ちた。」
邪魔くさいので床に捨てた。
「見たまえ、テケテケの女。これが……人間だ。
愉悦と利益と保身の為に同胞を殺して殺して殺しまくる方法を突き詰め続けた共食いのプロフェッショナル。
その牙が一度外部を向けば生存していられる種など存在しないんだよ。」
蜻蛉切で自慢の両手両足を切り落とすと俺のM500を無理矢理しゃぶらせる。
「君たち組織は都市伝説の事件を隠蔽しているよね?
それって何でだと思う?
理由は単純だよ。
怖いからさ。
人間が都市伝説の敵になれば君、一瞬でお終いだよ。
なんもかんも消えて無くなり、唯一残った君らの死骸の上で人間だけが明日の朝日を拝むのさ。
どうだい?これが人間だ。人間というのはこういう物なのだ。
そして、それ故に俺こそが人間だ。
QED(解答ははかくて示された)。
まだ何か質問や異議や言いがかりなどが有るかな?
達磨女!」
返事はない。
「これにて君の人生最後の授業を終わる。
起立、礼。……ってもう死んでいたか。」
ため息を吐いて俺は彼女に背を向けた。
散歩ほど歩くと子供の悲鳴が聞こえる。
「おい、ハーメルンの笛吹き!
お前、子供が大好きで大好きでしょうがないらしいじゃないか。
お前は目の前で罪もない子供が殺されそうになっても黙っていられるのか!?」
テケテケの女は男の子を一人、人質に取っていた。
愉悦と利益と保身の為に同胞を殺して殺して殺しまくる方法を突き詰め続けた共食いのプロフェッショナル。
その牙が一度外部を向けば生存していられる種など存在しないんだよ。」
蜻蛉切で自慢の両手両足を切り落とすと俺のM500を無理矢理しゃぶらせる。
「君たち組織は都市伝説の事件を隠蔽しているよね?
それって何でだと思う?
理由は単純だよ。
怖いからさ。
人間が都市伝説の敵になれば君、一瞬でお終いだよ。
なんもかんも消えて無くなり、唯一残った君らの死骸の上で人間だけが明日の朝日を拝むのさ。
どうだい?これが人間だ。人間というのはこういう物なのだ。
そして、それ故に俺こそが人間だ。
QED(解答ははかくて示された)。
まだ何か質問や異議や言いがかりなどが有るかな?
達磨女!」
返事はない。
「これにて君の人生最後の授業を終わる。
起立、礼。……ってもう死んでいたか。」
ため息を吐いて俺は彼女に背を向けた。
散歩ほど歩くと子供の悲鳴が聞こえる。
「おい、ハーメルンの笛吹き!
お前、子供が大好きで大好きでしょうがないらしいじゃないか。
お前は目の前で罪もない子供が殺されそうになっても黙っていられるのか!?」
テケテケの女は男の子を一人、人質に取っていた。
「ヒュー、頑張るねえ。肉体再生も出来たのか。」
「五月蠅い!いますぐ武器を捨てろ!」
「解った解った。」
言われたとおりに武器を捨てる。
「くくく……、これでお前もちょっと丈夫なだけの人間だ!嬲り殺してやる!」
ジワリジワリと近づくテケテケ。
「まずは足、テメエの足を削いで腕を拉ぎ、鼻を砕き目をくりぬいて、その後からじっくり殺してやる!」
こっそり付喪神を発動させようとしたが……。
気付かれてしまった。
「舐めやがって……!このガキ殺すぞ!良いのか?」
「女の子がそんな汚い言葉を使うもんじゃないよ。」
人質というアイディアには素直に賞賛を送りたいが俺にはそれは通用しない。
特に子供の人質なんて絶対通用しない。
だから結局の所、問題無い。
俺は余裕たっぷりに聞き返してやった。
「そもそもガキって言うけどそのガキは何処に居るんだい?」
「――――――!!」
「子供の誘拐で俺に勝ちたいなら赤い靴でも連れてきたまえよ!」
「そんな!何処に!」
「あそこだよ。」
人質の男の子は先程まで金魚の入っていた水槽に頭を突っ込んでいた。
「五月蠅い!いますぐ武器を捨てろ!」
「解った解った。」
言われたとおりに武器を捨てる。
「くくく……、これでお前もちょっと丈夫なだけの人間だ!嬲り殺してやる!」
ジワリジワリと近づくテケテケ。
「まずは足、テメエの足を削いで腕を拉ぎ、鼻を砕き目をくりぬいて、その後からじっくり殺してやる!」
こっそり付喪神を発動させようとしたが……。
気付かれてしまった。
「舐めやがって……!このガキ殺すぞ!良いのか?」
「女の子がそんな汚い言葉を使うもんじゃないよ。」
人質というアイディアには素直に賞賛を送りたいが俺にはそれは通用しない。
特に子供の人質なんて絶対通用しない。
だから結局の所、問題無い。
俺は余裕たっぷりに聞き返してやった。
「そもそもガキって言うけどそのガキは何処に居るんだい?」
「――――――!!」
「子供の誘拐で俺に勝ちたいなら赤い靴でも連れてきたまえよ!」
「そんな!何処に!」
「あそこだよ。」
人質の男の子は先程まで金魚の入っていた水槽に頭を突っ込んでいた。
「知っているかテケテケ?」
余裕ぶったポーズで解説してやることにした。
なんて優しいんだろう、俺。
「ハーメルンの笛吹きの事件で死んだ子供達は……
余裕ぶったポーズで解説してやることにした。
なんて優しいんだろう、俺。
「ハーメルンの笛吹きの事件で死んだ子供達は……
――――――――――――鼠のように溺れて死んだんだよ。
あとは解るな?」
「――――――そんな!じゃあ……。」
「子供を水辺で溺れさせるくらい、俺には一瞬で出来ることだ。」
あーあ、と残念そうな声を上げる俺。
これでお終いとは骨がない。
化け物なら化け物らしくもっと圧倒的な力で俺をねじ伏せてみろという物だ。
恐怖に歪むテケテケの顔。
「ちゃっちゃとオッ死ね、ゲス野郎。」
デリンジャーをベルトの中から取り出すと俺はテケテケに止めを刺した。
あとは解るな?」
「――――――そんな!じゃあ……。」
「子供を水辺で溺れさせるくらい、俺には一瞬で出来ることだ。」
あーあ、と残念そうな声を上げる俺。
これでお終いとは骨がない。
化け物なら化け物らしくもっと圧倒的な力で俺をねじ伏せてみろという物だ。
恐怖に歪むテケテケの顔。
「ちゃっちゃとオッ死ね、ゲス野郎。」
デリンジャーをベルトの中から取り出すと俺はテケテケに止めを刺した。
「さて、警察でも呼ぶか。」
男の子を水槽から助け上げて、監視カメラやテープを破壊してから警察を呼ぶ。
警察が来るまでの時間、俺は暇つぶしに少年にいい話をすることにした。
男の子を水槽から助け上げて、監視カメラやテープを破壊してから警察を呼ぶ。
警察が来るまでの時間、俺は暇つぶしに少年にいい話をすることにした。
「なぁ、少年。今怖かったか?」
首を縦に振る少年。まあ当たり前だ。
「少年、安心とは何か知っているか?」
首を横に振る少年。まあ当たり前だ。
「安心って言うのは車の後部座席で眠ることに似ている。
前の席には頼れる大人が居て、心配事は何も無い。
でもな、あるとき頼れる大人は居なくなってしまう。
その時は、君が前の座席に行って君の隣で寝ている君の大切な人を守ってあげなくちゃ行けない。
男の子はきっとそうやって大人になっていくんだ。
今君は怖かっただろう?
きっと後部座席に居たら後ろから車に激突されたくらい怖かった筈だ。
今までの生活は大変だったかもしれないけどこれからはもっと大変だ、保証してやる。
でも、配られたカードにワガママいっちゃいけない。
君は生まれる前にその手札で勝負すると宣言してしまったんだ。
今更文句なんていっちゃいけない。
でも、どうしても力を貸して欲しかったらこのハーメルンの笛吹きに頼れ。
今回妙な事件に巻き込んだお詫び程度には力を貸してやる。
だから、できるだけ自分の力で人生切り開いて行けよ。
他人に安心を花束一杯くれてやれる大人になれ。」
ちょっといい話がが終わると俺は警察のサイレンの音を確認してから悠々と赤い部屋に逃げ込んだのであった。
ちなみにこの話、あとちょっとばかり後日譚がある。
【上田明也の協奏曲16~野に咲く花を手折るとしても~ fin】
首を縦に振る少年。まあ当たり前だ。
「少年、安心とは何か知っているか?」
首を横に振る少年。まあ当たり前だ。
「安心って言うのは車の後部座席で眠ることに似ている。
前の席には頼れる大人が居て、心配事は何も無い。
でもな、あるとき頼れる大人は居なくなってしまう。
その時は、君が前の座席に行って君の隣で寝ている君の大切な人を守ってあげなくちゃ行けない。
男の子はきっとそうやって大人になっていくんだ。
今君は怖かっただろう?
きっと後部座席に居たら後ろから車に激突されたくらい怖かった筈だ。
今までの生活は大変だったかもしれないけどこれからはもっと大変だ、保証してやる。
でも、配られたカードにワガママいっちゃいけない。
君は生まれる前にその手札で勝負すると宣言してしまったんだ。
今更文句なんていっちゃいけない。
でも、どうしても力を貸して欲しかったらこのハーメルンの笛吹きに頼れ。
今回妙な事件に巻き込んだお詫び程度には力を貸してやる。
だから、できるだけ自分の力で人生切り開いて行けよ。
他人に安心を花束一杯くれてやれる大人になれ。」
ちょっといい話がが終わると俺は警察のサイレンの音を確認してから悠々と赤い部屋に逃げ込んだのであった。
ちなみにこの話、あとちょっとばかり後日譚がある。
【上田明也の協奏曲16~野に咲く花を手折るとしても~ fin】