▼
地方都市の安全と治安を担うはずの冬木警察署は、酷く騒然としていた。
普段ならそこまでの緊迫感もなく物静かな署内も、今ではヒリヒリとした混乱が渦巻いている。
なにせ連日続く事件が進展しない上に、今日に入ってからも不可解な事件が急増しているがゆえに。
不安や憤怒、悪戯心を持った通報が続き、警察官達は解明できない事件に苛立ちつつも早く真相を暴くために躍起になっていた。
普段ならそこまでの緊迫感もなく物静かな署内も、今ではヒリヒリとした混乱が渦巻いている。
なにせ連日続く事件が進展しない上に、今日に入ってからも不可解な事件が急増しているがゆえに。
不安や憤怒、悪戯心を持った通報が続き、警察官達は解明できない事件に苛立ちつつも早く真相を暴くために躍起になっていた。
そんな喧噪の中、警察官の姿に扮したT-1000は平然とした顔で署内を歩いていた。
今の雰囲気には似つかわしくない、ある意味異彩を放つ行動をと取っているにもかかわらず、しかし誰もが別の事に集中しており、目に留めることはない。
だから気配遮断も相まって、T-1000は容易く潜入を果たせていた。
そのまま警察署の奥へと進み、誰もいない適当な部屋に入る。
稼働している端末機を見つけ、針状に変化した指先から情報の海へとダイブする。
今の雰囲気には似つかわしくない、ある意味異彩を放つ行動をと取っているにもかかわらず、しかし誰もが別の事に集中しており、目に留めることはない。
だから気配遮断も相まって、T-1000は容易く潜入を果たせていた。
そのまま警察署の奥へと進み、誰もいない適当な部屋に入る。
稼働している端末機を見つけ、針状に変化した指先から情報の海へとダイブする。
警察の動向、市内の重要施設、得られる限りの個人情報、etc、etc...
そして膨大な捜査資料の中から聖杯戦争に関わってそうな案件を検索し始めた。
そして膨大な捜査資料の中から聖杯戦争に関わってそうな案件を検索し始めた。
~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~
『連続失踪事件』
【概要】
○月×日頃から深山町で頻発している原因不明の失踪事件。
~(中略)~行方不明者は数十人にも及ぶが、未だ当事者達の関連性は見つからない。
~(中略)~誰もが何の兆しもなしに、気付けばいなくなっていた、という証言だけが唯一共通している。
~(中略)~何らかのテロ行為、もしくは大規模拉致事件の可能性も視野に入れ、捜査を強化する方針である。
※詳細な捜査資料については別資料参照。
【概要】
○月×日頃から深山町で頻発している原因不明の失踪事件。
~(中略)~行方不明者は数十人にも及ぶが、未だ当事者達の関連性は見つからない。
~(中略)~誰もが何の兆しもなしに、気付けばいなくなっていた、という証言だけが唯一共通している。
~(中略)~何らかのテロ行為、もしくは大規模拉致事件の可能性も視野に入れ、捜査を強化する方針である。
※詳細な捜査資料については別資料参照。
『新都北部殺人事件』
【概要】
○月×「日未明、都心北部の林中にて、首を切り裂かれた男性の遺体と多数の破壊痕が見つかった。
~(中略)~男性の身体に争った形跡はなかったものの、殺害の手際の良さから見て殺しのプロが関わっている可能性が高い。
~(中略)~現場には別人が居た痕跡や血痕が見つかったが、その正体は掴めていない。
~(中略)~破壊痕についても、どの様な器物を使用したのか、未だ解明できていないままである。
※詳細な捜査資料については別資料参照。
【概要】
○月×「日未明、都心北部の林中にて、首を切り裂かれた男性の遺体と多数の破壊痕が見つかった。
~(中略)~男性の身体に争った形跡はなかったものの、殺害の手際の良さから見て殺しのプロが関わっている可能性が高い。
~(中略)~現場には別人が居た痕跡や血痕が見つかったが、その正体は掴めていない。
~(中略)~破壊痕についても、どの様な器物を使用したのか、未だ解明できていないままである。
※詳細な捜査資料については別資料参照。
『連続通り魔殺人事件』
【概要】
○月×日以降、深山町を中心に刺殺による殺害が相次いでいる。
~(中略)~同じ手口であり、その手際の良さから、同一人物による犯行である可能性が高い。
~(中略)~なお少数ながらも、各事件の前後にはロッドケースを背負った少年が目撃されている。
~(中略)~以上の特徴の少年を本事件の重要参考人として扱い捜索する。
※詳細な捜査資料については別資料参照。
【概要】
○月×日以降、深山町を中心に刺殺による殺害が相次いでいる。
~(中略)~同じ手口であり、その手際の良さから、同一人物による犯行である可能性が高い。
~(中略)~なお少数ながらも、各事件の前後にはロッドケースを背負った少年が目撃されている。
~(中略)~以上の特徴の少年を本事件の重要参考人として扱い捜索する。
※詳細な捜査資料については別資料参照。
~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~
聖杯戦争の予選期間中から発生していた数々の事件の中で、他の主従が関与している可能性が高い事件は以上の三つに絞れた。
どれも捜査が行き詰っているようだが、T-1000自身が調査するのに役立つ情報が十分に集積されていた。
また、今日に入ってからの報告も中々興味深いものだった。
どれも捜査が行き詰っているようだが、T-1000自身が調査するのに役立つ情報が十分に集積されていた。
また、今日に入ってからの報告も中々興味深いものだった。
深夜と午前に発生した数度の爆発事故。
学園では爆音が響き、校庭にクレーターができた。
等々。
学園では爆音が響き、校庭にクレーターができた。
等々。
これらの事件も、本戦開幕に伴い複数の主従が活発に行動し始め、そして衝突した結果だと確信する。
流石に直近の出来事であるため情報は少ないく、各々の全容は掴めていないが。
とりあえず時刻や場所、その他の情報もT-1000は記録しておいた。
流石に直近の出来事であるため情報は少ないく、各々の全容は掴めていないが。
とりあえず時刻や場所、その他の情報もT-1000は記録しておいた。
これで必要な情報は揃い、警察署に用はなくなった。
今のところ解った事は、深山町に聖杯戦争の参加者達が集まっている、といったところか。
その足取りはまだ分からないが、後はこれらの情報を分析して居場所を突き止めるのみ。
だから後は移動して思考しながら探せばいい事だ。
今のところ解った事は、深山町に聖杯戦争の参加者達が集まっている、といったところか。
その足取りはまだ分からないが、後はこれらの情報を分析して居場所を突き止めるのみ。
だから後は移動して思考しながら探せばいい事だ。
T-1000は脇目も振らずに部屋を出ようとして。
その前に、通信機器から告げられた新たな情報を耳にした。
その前に、通信機器から告げられた新たな情報を耳にした。
○
「あぁクソ、ホント今日はついてねぇ」
デパートの裏側。
従業員の駐車場や物資の搬入が主体となる場所。
当然表側のような人通りや明るさはなく、ただ薄暗いもの寂しさが佇む。
そんな人気のない場所を作業服姿の男が一人、事務所に向かって駆けていた。
その男は午後からの勤務予定だったが、訳あって遅刻しており焦っていた。
なにせ近所で発生した爆発事故によって自宅にも損害を被り、その事で警察に掛け合ったりと忙しくなっていたからだ。
今日のルーチンワークが狂ってしまい、己の不運を嘆きつつ遅れを取り戻そう動いていた。
従業員の駐車場や物資の搬入が主体となる場所。
当然表側のような人通りや明るさはなく、ただ薄暗いもの寂しさが佇む。
そんな人気のない場所を作業服姿の男が一人、事務所に向かって駆けていた。
その男は午後からの勤務予定だったが、訳あって遅刻しており焦っていた。
なにせ近所で発生した爆発事故によって自宅にも損害を被り、その事で警察に掛け合ったりと忙しくなっていたからだ。
今日のルーチンワークが狂ってしまい、己の不運を嘆きつつ遅れを取り戻そう動いていた。
ゆえに、男は知らなかった。
デパートの屋上にて惨劇が起きている事を。
被害に合った人々の悲鳴を聞くことなく、デパート内の混乱も今の彼には関係なかった。
そして、男に新たな悲劇が迫っている事も。
デパートの屋上にて惨劇が起きている事を。
被害に合った人々の悲鳴を聞くことなく、デパート内の混乱も今の彼には関係なかった。
そして、男に新たな悲劇が迫っている事も。
ドンッ!!!
突如、後方で大きな音が轟く。
驚いて後ろを振り返ると、駐車してある自動車の上に誰かが倒れていた。
驚いて後ろを振り返ると、駐車してある自動車の上に誰かが倒れていた。
「な、なんだ!?もしかして、上から落ちてきたのか!?」
男は踵を返して現場に駆け寄る。
相当の衝撃だったのか、自動車は酷くひしゃげていた。
落下してきた人物も酷い有様であったが、それ以上に衣装の異彩さが気になった。
全身黒尽くめの奇抜な衣装を纏っており、さらに不気味に笑っているような仮面を被っている。
何かの催し物の仮装だろうかと疑問に思いつつ、男は突然の出来事でどうすればいいのか分からず慌てふためいていた。
何かないかと辺りを見回すと、丁度いいタイミングでパトカーがこちらに近づいて来るのを発見した。
すぐさま男は大きく手を振って誘導し、停車して降りてきた警察官に駆け寄った。
相当の衝撃だったのか、自動車は酷くひしゃげていた。
落下してきた人物も酷い有様であったが、それ以上に衣装の異彩さが気になった。
全身黒尽くめの奇抜な衣装を纏っており、さらに不気味に笑っているような仮面を被っている。
何かの催し物の仮装だろうかと疑問に思いつつ、男は突然の出来事でどうすればいいのか分からず慌てふためいていた。
何かないかと辺りを見回すと、丁度いいタイミングでパトカーがこちらに近づいて来るのを発見した。
すぐさま男は大きく手を振って誘導し、停車して降りてきた警察官に駆け寄った。
「お巡りさん!丁度良かった、こっち来てください!」
「どうかしたのか?」
「あっちに負傷者が!突然上から落ちて来たんだ!」
「どうかしたのか?」
「あっちに負傷者が!突然上から落ちて来たんだ!」
警察官は男が指差した方向を一瞥し、男の方に向き直して。
「そうか、わかった」
返事と共に警察官は男に向かって腕を振った。
予兆なき動作に応じられず、何が起こったかも分からず。
ただ、男の首が地面に転がり落ちた。
予兆なき動作に応じられず、何が起こったかも分からず。
ただ、男の首が地面に転がり落ちた。
▼
デパートの屋上で死傷者多数の事件発生、という知らせを受けて現場に急行してみれば、丁度いい場面に出くわす事ができた。
まずは邪魔な目撃者を葬り終え、T-1000は再度黒尽くめの人物を見据えた。
まるで“死神”のような人物がサーヴァントである事は一目瞭然だった。
恐らく、上で戦闘中に強烈な攻撃を受けて落ちて来たのだろう。
“死神”の損傷は激しく、気絶しているのか全く動く気配を感じられない。
さらにじっくり観察すると、もう一つこの英霊の正体について分かった事があった。
まずは邪魔な目撃者を葬り終え、T-1000は再度黒尽くめの人物を見据えた。
まるで“死神”のような人物がサーヴァントである事は一目瞭然だった。
恐らく、上で戦闘中に強烈な攻撃を受けて落ちて来たのだろう。
“死神”の損傷は激しく、気絶しているのか全く動く気配を感じられない。
さらにじっくり観察すると、もう一つこの英霊の正体について分かった事があった。
(あれは“機械のサーヴァント”、それも未知の技術で出来た自律型機械人形、か)
ある意味同族であるT-1000だからこそ判り得る事実。
ターミネーターとしての知覚能力を駆使すれば、“死神”の身体的特徴や傷口からその正体を割り出す事など訳なかった。
とはいえ判ったのは“死神”の身体が機械で出来ているということのみ。
自分達とは違う技術体系で構成されている事だけが明らかであり、この英霊の全容までは掴めていない。
しかし、その事は今のT-1000にとっては問題ではなかった。
ターミネーターとしての知覚能力を駆使すれば、“死神”の身体的特徴や傷口からその正体を割り出す事など訳なかった。
とはいえ判ったのは“死神”の身体が機械で出来ているということのみ。
自分達とは違う技術体系で構成されている事だけが明らかであり、この英霊の全容までは掴めていない。
しかし、その事は今のT-1000にとっては問題ではなかった。
T-1000が近づく。“死神”は全く動かない。
どうやら強烈な衝撃を受けて機能が停止しているのかもしれない。
念のためいつ動き出しても即座に対応できるように警戒しつつ、その身体に触れようと、ゆっくりと手を伸ばして。
どうやら強烈な衝撃を受けて機能が停止しているのかもしれない。
念のためいつ動き出しても即座に対応できるように警戒しつつ、その身体に触れようと、ゆっくりと手を伸ばして。
「ヒャダルコ!!」
突如、別の方向から無数の氷礫が襲い掛かってきた。
T-1000はすかさずその場から飛び退き、すぐ攻撃源を睨み付ける。
T-1000はすかさずその場から飛び退き、すぐ攻撃源を睨み付ける。
「ああっ、ヒドイ!!一体誰がこんなことを!!!」
姿を現したのは、これまたT-1000にとって未知なる存在だった。
赤い帽子と服を纏った小人のようで、しかしその顔には大きな一つ目しかない、人間とはかけ離れた異形の魔物。
その小人は一目散に“死神”の元に駆け寄り、損傷の具合を診て嘆いていた。
T-1000にとってみればあれが何であるかは分からない。
聖杯からの知識により“使い魔”ではないかと当たりを付けていたが、その正体までは“UNKOWN”のままだった。
何であれ、T-1000は邪魔な小人を排除するために速攻で斬撃を仕掛ける。
赤い帽子と服を纏った小人のようで、しかしその顔には大きな一つ目しかない、人間とはかけ離れた異形の魔物。
その小人は一目散に“死神”の元に駆け寄り、損傷の具合を診て嘆いていた。
T-1000にとってみればあれが何であるかは分からない。
聖杯からの知識により“使い魔”ではないかと当たりを付けていたが、その正体までは“UNKOWN”のままだった。
何であれ、T-1000は邪魔な小人を排除するために速攻で斬撃を仕掛ける。
「飛翔呪文 ッ!!!」
だが小人の方が一足早く、虚しく空を斬るだけだった。
◆
数刻前。
≪わぁっ!!た、大変だぁっ!!≫
≪っておい、いきなり大声出すなよ≫
≪キルバーンが危ない!!≫
≪はぁ?なんだそれ≫
≪すぐに助けに行かなくちゃ!≫
≪っておい、いきなり大声出すなよ≫
≪キルバーンが危ない!!≫
≪はぁ?なんだそれ≫
≪すぐに助けに行かなくちゃ!≫
そんなやり取りをした後、ピロロはサーシェスを置いて飛び出していった。
(終始順調だったのに、最後に何があったんだ!?)
ピロロは酷く焦っていた。
己が分身が危機に陥っている。
キルバーンとの情報共有ができるピロロは、デパート屋上での戦闘状況の顛末を把握していた。
あと一歩でセイバー組の首を取れるところまでいったのに、途中からライダーに横やりを入れられてしまい。
それでもキルバーン自体にさしたる損害もなく撤退しようとした、その矢先。
最後に乱入した何者かの攻撃により、たった一発で『大魔王の死神(キルバーン)』 は再起不能になってしまった。
なお、その一撃はただの強烈な殴打にあらず。
狂戦士の馬鹿力に加え、宝具による筋力の上昇、様々な機械・兵器を破壊したという逸話の再現により。
機械人形たる『大魔王の死神(キルバーン)』は想定以上のダメージを受けてしまっていたのだ。
だがそんな事情など露知らず、ピロロはキルバーンを復活させるべく現場に急行した。
己が分身が危機に陥っている。
キルバーンとの情報共有ができるピロロは、デパート屋上での戦闘状況の顛末を把握していた。
あと一歩でセイバー組の首を取れるところまでいったのに、途中からライダーに横やりを入れられてしまい。
それでもキルバーン自体にさしたる損害もなく撤退しようとした、その矢先。
最後に乱入した何者かの攻撃により、たった一発で『大魔王の死神(キルバーン)』 は再起不能になってしまった。
なお、その一撃はただの強烈な殴打にあらず。
狂戦士の馬鹿力に加え、宝具による筋力の上昇、様々な機械・兵器を破壊したという逸話の再現により。
機械人形たる『大魔王の死神(キルバーン)』は想定以上のダメージを受けてしまっていたのだ。
だがそんな事情など露知らず、ピロロはキルバーンを復活させるべく現場に急行した。
キルバーンの元に辿り着くと、そこには一人の警察官が立っていた。
警察官は動かないキルバーンを睨みながら、ゆっくりとしながら触れようとしている。
即座に、ピロロの中で警鐘が鳴り響く。
アイツに触れさせてはならない、と。
警察官は動かないキルバーンを睨みながら、ゆっくりとしながら触れようとしている。
即座に、ピロロの中で警鐘が鳴り響く。
アイツに触れさせてはならない、と。
「ヒャダルコ!!」
咄嗟に呪文を唱え放つ。
流石にこれだけの氷礫だけでは、あのサーヴァントは倒せないだろう。
だがそれでいい。これはただの牽制。キルバーンから引き離せれば十分だった。
流石にこれだけの氷礫だけでは、あのサーヴァントは倒せないだろう。
だがそれでいい。これはただの牽制。キルバーンから引き離せれば十分だった。
「ああっ、ヒドイ!!一体誰がこんなことを!!!」
演技も忘れずキルバーンに近づく。
少し確認しただけでも酷い損傷具合であることがわかる。
これはすぐにでも『大魔王の死神(キルバーン)』を修復しないと都合が悪い。
じゃないと、目の前のサーヴァントが攻撃してくるように、ボクにも危険が及ぶから。
少し確認しただけでも酷い損傷具合であることがわかる。
これはすぐにでも『大魔王の死神(キルバーン)』を修復しないと都合が悪い。
じゃないと、目の前のサーヴァントが攻撃してくるように、ボクにも危険が及ぶから。
「飛翔呪文 ッ!!!」
最上の警戒で構えていたピロロは、斬撃を受ける前に逃げ切る事に成功した。
とりあえず今はあの場から離れて、適当な場所でキルバーンを復活させるべくビル街に向けて飛び去って行った。
とりあえず今はあの場から離れて、適当な場所でキルバーンを復活させるべくビル街に向けて飛び去って行った。
▼
小人と“死神”が消え去った方向を見据えながら、T-1000はその場に佇んでいた。
すぐに追いかけることも出来たが、一旦置いといて次に取るべき行動について考え始めた。
すぐに追いかけることも出来たが、一旦置いといて次に取るべき行動について考え始めた。
まず空を見上げると、デパートの屋上から飛び立っていった飛行体を目撃した。
たぶん、上の戦闘も佳境に入ったのだろう。
飛び立った者達は勝者なのか、撤退する者なのか、はたまた別の目的を持つ者なのかは分からないが。
あの去っていく飛行体にキリヤ・ケイジもいる事だけは察知していた。
仮初のマスターに付着させといた発信機がある限り、あの飛行体の行方を追う事など訳ない話だ。
たぶん、上の戦闘も佳境に入ったのだろう。
飛び立った者達は勝者なのか、撤退する者なのか、はたまた別の目的を持つ者なのかは分からないが。
あの去っていく飛行体にキリヤ・ケイジもいる事だけは察知していた。
仮初のマスターに付着させといた発信機がある限り、あの飛行体の行方を追う事など訳ない話だ。
同様の理由で、“死神”の位置も把握していた。
“死神”の身体に触れた時、僅かながら液体金属の一部を付着させる事に成功している。
本当ならばそのまま液体金属を流し込んで機械人形を隅々まで調査し、あわよくばハッキングで支配下に置く事も視野に入れていたが。
詳しく調べる間もなく邪魔が入ってしまったため、発信機を取り付けるところまでしかできなかった。
しかし、これで二組以上の主従の動向を容易に図れるというアドバンテージを得ることができた。
“死神”の身体に触れた時、僅かながら液体金属の一部を付着させる事に成功している。
本当ならばそのまま液体金属を流し込んで機械人形を隅々まで調査し、あわよくばハッキングで支配下に置く事も視野に入れていたが。
詳しく調べる間もなく邪魔が入ってしまったため、発信機を取り付けるところまでしかできなかった。
しかし、これで二組以上の主従の動向を容易に図れるというアドバンテージを得ることができた。
さらに、T-1000はデパートの屋上に向かう事も考える。
もしかしたら、まだ屋上に残っている主従がいるのかもしれない、あるいは他の主従の足取りが掴めるかもしれない、っと。
何も得られない可能性もあるが、他の主従は後で追跡できる事や屋上の状況を逸早く得られるという利点もある。
もしかしたら、まだ屋上に残っている主従がいるのかもしれない、あるいは他の主従の足取りが掴めるかもしれない、っと。
何も得られない可能性もあるが、他の主従は後で追跡できる事や屋上の状況を逸早く得られるという利点もある。
どこに向かうか、ほんの数秒の熟考の末、T-1000は決定する。
狙うべきは―――
狙うべきは―――
【C-8/デパート・裏側/1日目・午後】
【アサシン(T-1000)@ターミネーター2】
[状態]正常、日本人男性の警察官に擬態
[装備]警棒、拳銃
[道具]『仲村ゆり』の写真、パトカー、車内にあった資料、その他警察官の装備一式
[思考・状況]
基本行動方針:スカイネットを護るため、聖杯を獲得し人類を抹殺する。
1.【飛行体】、【死神】、【屋上】のいずれかに向かう。
2.マスターらしき人物を見つけたら様子見、確定次第暗殺を試みる
ただし、未知数のサーヴァントが傍にいる場合は慎重に行動する。
3.「仲村ゆり」を見かけたらマスターかどうか見極める。
[備考]
キリヤ・ケイジの私物に液体金属の一部を忍ばせてあるので、どこにいるかは大体把握しています。
アサシン(キルバーン)の身体に液体金属の一部を忍ばせてあるので、どこにいるかは大体把握しています。
なお、魔力探知などにより忍ばせた液体金属が気付かれてしまう可能性があります。
[状態]正常、日本人男性の警察官に擬態
[装備]警棒、拳銃
[道具]『仲村ゆり』の写真、パトカー、車内にあった資料、その他警察官の装備一式
[思考・状況]
基本行動方針:スカイネットを護るため、聖杯を獲得し人類を抹殺する。
1.【飛行体】、【死神】、【屋上】のいずれかに向かう。
2.マスターらしき人物を見つけたら様子見、確定次第暗殺を試みる
ただし、未知数のサーヴァントが傍にいる場合は慎重に行動する。
3.「仲村ゆり」を見かけたらマスターかどうか見極める。
[備考]
キリヤ・ケイジの私物に液体金属の一部を忍ばせてあるので、どこにいるかは大体把握しています。
アサシン(キルバーン)の身体に液体金属の一部を忍ばせてあるので、どこにいるかは大体把握しています。
なお、魔力探知などにより忍ばせた液体金属が気付かれてしまう可能性があります。
◆
サーシェスは運転席で退屈そうにしながら、車を停車させてラジオに耳を傾けていた。
読み上げられるニュースは物騒なものばかりであり、今日になってから発生した原因不明の事件について多く取り上げられていた。
そこへ速報が入り、デパートでの騒動について読み上げられる。
なんともタイムリーな話題で、詳しい情報はまだないが死傷者も多数いるかもしれないと告げられていた。
その情報を聞いて、生粋の戦争狂は内心悲しみに暮れるあまり、大きなため息を吐き出してしまった。
読み上げられるニュースは物騒なものばかりであり、今日になってから発生した原因不明の事件について多く取り上げられていた。
そこへ速報が入り、デパートでの騒動について読み上げられる。
なんともタイムリーな話題で、詳しい情報はまだないが死傷者も多数いるかもしれないと告げられていた。
その情報を聞いて、生粋の戦争狂は内心悲しみに暮れるあまり、大きなため息を吐き出してしまった。
「あぁいいなぁ。俺も混ざりたかったぜ」
当然、そこには犠牲者に対する哀悼の意など全くない。
彼が悔やむ事はただ一つ。
生命が潰える瞬間という至上の光景を見れなかった、という事だけ。
生死を賭けた闘いが行われたというのに、自分が参加できず除け者にされてしまったという事実が、とても残念でならなかった。
あの場に俺の胸を躍らせる最高の舞台があったのかもしれない、と思うと切なく感じてしまう。
そんな風に考えてしまうほどに、サーシェスという男は常人とはかけ離れた歪みを抱いていた。
彼が悔やむ事はただ一つ。
生命が潰える瞬間という至上の光景を見れなかった、という事だけ。
生死を賭けた闘いが行われたというのに、自分が参加できず除け者にされてしまったという事実が、とても残念でならなかった。
あの場に俺の胸を躍らせる最高の舞台があったのかもしれない、と思うと切なく感じてしまう。
そんな風に考えてしまうほどに、サーシェスという男は常人とはかけ離れた歪みを抱いていた。
「んで、一体どうしたんだ、アサシンよ?まさか、一発逝ってきたか?」
サーシェスは前を見たまま、後部座席に向かって皮肉を込めて言い放つ。
「まさか。死神が殺されちゃあ、シャレにならないだろ」
そんな苦言をものともせず、いつの間にか帰還していた死神の顔がミラーに映っていた。
【B-8/ビル街/1日目・午後】
【アリー・アル・サーシェス@機動戦士ガンダムOO】
[状態]健康
[令呪]残り三画
[装備]正装姿
[道具]カバン、車
[金銭状況]当面は困らない程の現金・クレジットカード
[思考・状況]
基本行動方針:戦争を楽しむ。
1.獲物を探す。
2.カチューシャのガキ(ゆり)を品定め。楽しめそうなら、遊ぶ。
3.B-8の研究施設に興味。“誰か”が“何か”を持ち出すのを待ってみる。
[備考]
カチューシャの少女(ゆり)の名前は知りません。
銃器など凶器の所持に関しては後続の書き手にお任せします。
[状態]健康
[令呪]残り三画
[装備]正装姿
[道具]カバン、車
[金銭状況]当面は困らない程の現金・クレジットカード
[思考・状況]
基本行動方針:戦争を楽しむ。
1.獲物を探す。
2.カチューシャのガキ(ゆり)を品定め。楽しめそうなら、遊ぶ。
3.B-8の研究施設に興味。“誰か”が“何か”を持ち出すのを待ってみる。
[備考]
カチューシャの少女(ゆり)の名前は知りません。
銃器など凶器の所持に関しては後続の書き手にお任せします。
【アサシン(キルバーン)@DRAGON QUEST -ダイの大冒険- 】
[状態]蘇生によりほぼ回復、死神の笛破損
[装備]いつも通り
[道具]なし
[思考・状況]
基本行動方針:マスターに付き合い、聖杯戦争を楽しむ。
1. 今は休憩してマスターと話し合う。
[備考]
身体の何処かにT-1000の液体金属が付着しています。
[状態]蘇生によりほぼ回復、死神の笛破損
[装備]いつも通り
[道具]なし
[思考・状況]
基本行動方針:マスターに付き合い、聖杯戦争を楽しむ。
1. 今は休憩してマスターと話し合う。
[備考]
身体の何処かにT-1000の液体金属が付着しています。
【アサシン(ピロロ)@DRAGON QUEST -ダイの大冒険-】
[状態]健康
[装備]いつも通り
[道具]なし
[思考・状況]
基本行動方針:マスターに付き合い、聖杯戦争を楽しむ。
1.今は休憩してマスターと話し合う。
[備考]
ストックしていた魔力を消費してキルバーンを復活させました。
緊急事態であったため、まだT-1000の液体金属には気付いていません。
しかしじっくり観察すれば気付く事ができます。
[状態]健康
[装備]いつも通り
[道具]なし
[思考・状況]
基本行動方針:マスターに付き合い、聖杯戦争を楽しむ。
1.今は休憩してマスターと話し合う。
[備考]
ストックしていた魔力を消費してキルバーンを復活させました。
緊急事態であったため、まだT-1000の液体金属には気付いていません。
しかしじっくり観察すれば気付く事ができます。
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034:ワイルドルーザー/ブレイブウィナー | 投下順 | 036:日常フラグメント |
034:ワイルドルーザー/ブレイブウィナー | 時系列順 | 036:日常フラグメント |
BACK | 登場キャラ | NEXT |
032:Endless Waltz | アリー・アル・サーシェス | 046:這い寄る悪夢 |
031:空の騎士 | アサシン(キルバーン) | |
032:Endless Waltz | アサシン(ピロロ) | |
016:鉄心と水銀 交わらない宿命 | アサシン(T-1000) |