トップ > ライブ配信カテゴリ概要 > ゲーム配信のやり方 > Mixerでゲーム配信する方法 / 2019年11月04日 (月) 08時54分51秒



Mixerで配信するさいに必要なものと、設定方法について

  • Mixer(読み方 : ミクサー)は、Microsoftが運営するゲーム配信サイトです。かつては「Beam」という名称でしたが、2017年に改称されました。


1秒未満の遅延で配信できる

  • Mixer最大の特長は、遅延が1秒未満であるという点です。従来の一般的な配信サイトでは、3~15秒程度の遅延があるため、配信者と視聴者とのコミュニケーションが取りづらいことがありました。しかし、Mixerの場合は真のリアルタイムです。まさに視聴者と同じ時間を共有できます。1回配信すれば、ほかの配信サイトとは一線を画していることがわかるでしょう。

Co-Streamingなどの画期的な機能

  • Mixerには、さまざまな革新的な機能が搭載されています。たとえば、Co-Streaming機能は最大4つの画面を同時に配信できます。複数人で協力プレイしているところを配信すれば、視聴者はそれぞれの画面をひとつの画面内で楽しめます。

目次


準備


Microsoft アカウントの作成


  • 配信するためには、まずMicrosoft アカウントでログインする必要があります。同アカウントがない場合は、Microsoft公式サイトで作成してください。Twitterアカウントや、Discordアカウントでもログイン可能です。

  1. Mixerにアクセスする。
  2. 画面右上の「LOG IN」をクリックする。
  3. Microsoftアカウントでログインする場合は、「LOG IN WITH YOUR MICROSOFT ACCOUNT」をクリックする。
  4. 画面を順に進めてログインする。


日本語表記への変更


  • 2017年10月より、Mixerは日本語に対応しました。以下のように設定を変更すれば、日本語表記になります。

  1. 画面右上のアカウントのアイコンをクリックする。
  2. 「ACCOUNT」をクリックする。
  3. 画面を下にスクロールし、「Choose Site Language」で「日本語」を選択する。


番組タイトル、ゲームタイトルの設定


  1. 画面右上のアカウントのアイコンをクリックする。
  2. 「チャンネルの管理」をクリックする。
  3. 「配信」タブを開く。
  4. 「ストリーミングタイトル」に番組名を入力する。
  5. 「ストリーミング中のゲーム」に、ゲームタイトルを英語で入力してゲームを選択する(日本語非対応)。該当するものがない場合は、「Other」と入力する。
  6. 「保存」をクリックする。


PCを用意する


  • 基本的にPCが必要です。ノートPC、デスクトップPC、どちらでもかまいません。一般的な性能を有するPCであれば配信できるはずです。もし新規にPCを購入するのであれば、性能のよいデスクトップPCを購入しましょう。このページの解説は、PCの使用を前提にしています。


        ゲーム実況で必要なPCスペックと、おすすめPCの選び方

▲画面の上へ

PCを使わない配信方法について


  • このページでは扱いませんが、PCがなくてもゲーム配信することはできます。

スマホからの配信


  • Android端末の場合、Mixer Create(ベータ版)をインストールすることで、スマホ単体でゲーム配信ができます。同アプリのスマホの画面を取り込む機能を使いましょう。ただ、筆者の環境では画面が映ったり映らなかったりと不安定でした。

Xbox Oneからの配信


  • Xbox Oneには、ゲーム配信機能が標準で搭載されています。同機能を使えば、Xbox One単体でゲーム配信ができます。対応している配信サイトは、MixerとTwitchです。


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配信ソフトのダウンロード・インストール


配信ソフトとは


  • ゲーム配信をPCから行うには、(1)ゲーム画面を自分のPCに映し、(2)それを視聴者に見せる、という手順を踏みます。(1)については後述するとして、(2)で必要になるのが配信ソフトです。


  • ライブ配信では、基本的に配信ソフトが必須と考えてください。配信ソフトの機能を使うことで、PCに映っている画面や、PCから出ている音、PCに接続しているマイクの音を視聴者に配信できます。また、配信の開始・終了も配信ソフトで行います。

        ゲーム配信で必要になるものを参照

配信ソフトの種類とFTL配信


  • いろいろな配信ソフトがありますが、OBS StudioXSplitを覚えておきましょう。今回は、無料の前者を使用します。


FTL配信(1秒未満の遅延) RTMP配信(6秒程度の遅延)
OBS Studio ○(20.0.0以降)
XSplit

  • ここで上表をご覧ください。FTLというのは、1秒未満の遅延でライブ配信できる技術です*1。従来、OBS StudioではFTL配信できず、派生ソフトであるOBS-FTLという配信ソフトを使用する必要がありました。しかし、OBS Studioのアップデートにより、20.0.0からは本家OBS StudioでもFTL配信ができるようになりました。したがって、配信ソフトで悩む必要はありません。

OBS Studioのダウンロード・インストール


  • まずは、OBS Studioをダウンロードしましょう。

  1. 公式サイトにアクセスし、「Windows」をクリックする。
  2. ダウンロードしたファイルをダブルクリックして実行する。
  3. 画面を順に進めていく。
  4. 「自動構成ウィザード」を実行するかどうかの質問は、「はい」と「いいえ」のどちらでもよい。よくわからない場合は後者がお薦め*2
  5. インストールが完了する。


▲OBSの公式サイト

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ゲーム配信で必要になる機材


据え置き型ゲーム機ならキャプチャーボード


  • 据え置き型ゲーム機(例 : PS4、Switchなど)のゲームプレイを配信したい場合、キャプチャーボードが必要です。ゲーム機とキャプチャーボードを接続すると、ゲーム画面がPCに映り、同様にゲーム音もPCから出るようになります。これをOBS Studioを使って配信しましょう。


  • キャプチャーボードの購入は慎重に行ってください。キャプチャーボードによって接続できるゲーム機が異なる場合があるからです。とくにPS3をHDMI接続しようと考えている場合は、コピーガード(HDCP)があるので、注意深く当サイトの解説を読みましょう。例として、下表のようなキャプチャーボードがあります。

        より踏み込んだ内容については、キャプチャーボード、およびキャプチャーボードの選び方

Game Capture HD60 S GC550 GV-USB3/HD
価格
商品画像のリンク先
PCとの接続 USB 3.0 USB 3.0 USB 3.0
対応ゲーム機
(接続できるゲーム機)
・PS4
・Switch、Wii U
・Xbox One、Xbox 360
・PS4、PS3、PS2
・Switch、Wii U、Wii
・Xbox One、Xbox 360
・PSP
・PS4
・Switch、Wii U
・Xbox One、Xbox 360
TVへのゲーム画面出力
こちら こちら こちら
特徴 低遅延 筆者お薦め 編集ソフト付属

自分の声も流したいならマイク


  • ゲーム配信中に声を入れたいならマイクが必要です。マイクには、ヘッドセットスタンドマイクの2種類があります。前者はマイクとヘッドフォンが一体となっているタイプ、後者は机などにマイクを置いて使用するタイプです。環境や使い方によっては、マイクの音量が適切でなかったり、ノイズがひどい場合があるので注意しましょう。マイクは、基本的にPCに接続します。

        より踏み込んだ内容については、実況用PCマイクPCマイクの選び方

G231 ECM-PC60 ECM-PCV80U
価格(Amazon)
G231

ECM-PC60

ECM-PCV80U
特徴 ・人気のヘッドセット
詳細
・超小形サイズ
詳細
・ソニーの定番マイク
詳細
タイプ ヘッドセット スタンドマイク
ピンマイク
スタンドマイク

より詳しく知りたい場合は


  • ここまで解説を読んでくると、いろいろと疑問が出てくるかもしれません。たとえば、スマホ、3DS、PSPなどのゲーム画面はどのような方法でPCに映すのかといったことです。各種ゲーム機のゲーム画面を映すために必要なものや、ゲーム配信を行ううえでのポイントについては、下表をご覧ください。


名称 説明 解説ページ
携帯型ゲーム機 3DS ・キャプチャーボードとは接続できない
・代行業者に改造してもらう
こちら
PS Vita ・キャプチャーボードとは接続できない
・代行業者に改造してもらう
PS Vita TV ・キャプチャーボードと接続できる
HDCPに注意
こちら
PSP ・キャプチャーボードと接続できる
・接続用のケーブルも別途必要
こちら
スマホ iOS端末 ・ミラーリング機能を使う
・PCにアプリをインストールする
こちら
Android端末 ・ミラーリング機能を使う
・PCにアプリをインストールする
こちら

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Mixerに接続するための設定をする


  • OBS Studioの設定方法を簡単に見ていきましょう。

「設定」をクリックします。


左メニューの「配信」をクリックし、「サービス」で「Mixer .com - FTL」を選択します。


▲OBS 23.0以降の設定画面

「アカウント接続 (オプション)」をクリックし、Mixerアカウントにログインします。


すると、下記画像のようになります。


OBSの「OK」をクリックして設定画面を閉じます。

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画質・音質などの設定をする


  • つぎに、画質・音質などの設定をします。公式に推奨されている設定にします。

左メニューの「出力」をクリックし、「出力モード」で「詳細」を選択します。


各種設定をしましょう。「ビットレート」の設定は、高画質な配信をするうえで重要な部分です。下記画像は、あくまでも参考程度にしてください。


▲「レート制御」を「CBR」、「ビットレート」を2000kbps、「キーフレーム間隔」を2秒、「CPU使用のプリセット」を「faster」、「チューン」を「zerolatency」にしています。このあたりの設定は、遅延を軽減するためにも重要です。

左メニューの「映像」をクリックし、各種設定を行います。「解像度」の設定も画質に大きく関係する部分です。参考までに、下記画像のように設定します。


自分の声も配信で流したい場合は、マイクをPCに接続した状態で左メニューの「音声」をクリックし、使用するマイクを「マイク音声デバイス」で選択しましょう。


▲ここに表示される項目は、PC環境によって異なります。

「サンプリングレート」で「48khz」を選択します。もし「44.1khz」から変更した場合は、OBS Studioを再起動してください。


「OK」をクリックして設定画面を閉じます。

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視聴者に見せる画面の設定をする


  • さらに、配信者のPCに映っているゲーム画面を視聴者に見せるための設定を行います。

「ソース」のところにある「+」をクリックします。


任意の項目を選択して、ゲーム画面を取り込みます。よくわからない場合は、「ウィンドウキャプチャ」を選ぶとよいでしょう。

ソース 説明 備考
ウィンドウキャプチャ ウィンドウ画面を配信したいときに 無難
ゲームキャプチャ PCゲーム配信の場合に
映像キャプチャデバイス Webカメラ、キャプチャーボードの映像配信に 中・上級者向け
画面キャプチャー デスクトップ画面を見せたいときに


OBS Studioにゲーム画面が映ったことを確認してください。もし画面が映らなかった場合は、以下のページをご覧ください。

        OBS Studioで、画面が映らないときの対処法を参照する


▲画面の上へ

配信を開始する


  • ここまでできたら、あとは配信を開始するだけです。

配信開始」ボタンをクリックします。Mixerの場合、同ボタンをクリックした瞬間に配信が始まります。Webブラウザで操作する必要はありません。


OBS Studioに映っている画面がMixerの放送画面に映ったことを確認しましょう。配信画面が映るまで、ある程度時間がかかります。配信をうまく見られない場合の対処法については、後述します。

このとき、放送画面内のスピーカーをミュートにするのを忘れないようにしましょう。スピーカーをミュートにしないと、音が繰り返し取り込まれてハウリングします(エコーがかかる、音が響く)。


▲画像は、PS4版『METAL GEAR SOLID V: The Phantom Pain』(コナミデジタルエンタテイメント)より

配信を終了する場合は、OBS Studioで「配信終了」ボタンをクリックします。


画質の上げ方や、OBS Studioの便利な機能については、下記ページをご覧ください。

        OBS Studioの詳しい使い方

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アーカイブを残す方法


  • 配信のアーカイブ14日間残すことができ、そのあいだは動画を再生可能です。併せて配信当時のコメントも再生されます。

  1. 画面右上のアカウントのアイコンをクリックする。
  2. 「チャンネルの管理」をクリックする。
  3. 「配信」タブを開く。
  4. ストリーミングの記録[VoD]を残す」をONにする。
  5. 「保存」をクリックする。


  • 最低でも数分以上配信しないと、アーカイブは生成されません。配信終了後、数分以上経過後にチャンネルのトップページからアーカイブを視聴できるようになります

  • アーカイブを削除したい場合は、「チャンネルの管理」の「VOD」タブから行ってください。

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FTL配信で不具合が起きる場合は


  • FTL配信は不安定なことがあります。具体的には、放送ページに画面が映らない(視聴できない)、画面が映っても止まる、途切れるといった症状が起きるケースです。そこで、対処法を覚えておきましょう。配信していない時点で、OBS Studioに映っている画面が滑らかに動いていることを前提にしています*3

視聴時の設定を変更する


  • まず、画面が映るまで1分以上待ちます。すぐには映りません。症状が改善しない場合は、ページを更新します。

  • Webブラウザを変更するのも重要です。たとえば、Chromeで見られないならFirefox、Firefoxで見られないならChromeというように、複数のWebブラウザを使って確認してください。たいていの場合は、この方法で視聴できるようになるはずです。

  • 遅延は増えますが、配信画面にマウスカーソルを重ね、表示された歯車アイコンから「低遅延」をOFFにする方法もあります。この場合も、やはり画面が映るまでしばらく待ちましょう。


  • 視聴者側の回線速度が遅い場合は、配信画面上の歯車アイコンから、「画質」で「480p」などを選択してもらってください。

配信設定を変更する


  • 単純にFTL配信を開始できない場合は、OBS Studioの設定画面から「一般」→「配信時に自動的に録画」のチェックを外します。

  • また、OBS Studioの設定画面から「配信」→「サーバー」を適当な場所に変更します。通常は「Asia: Tokyo」でよいのですが、時間帯によっては「Asia: Hong Kong」のほうがよいかもしれません。

  • 配信者側の上りの速度が遅い場合は、OBS Studioの設定画面から「出力」→「配信」タブでビットレートを下げます。500kbps程度まで下げて配信してみてください。ただし、画質は下がります。

  • どうしてもFTL配信が不安定であるなら、最終的には通常の配信方法で配信しましょう。遅延は増大しますが、FTLよりも確実に安定します。

  1. 「設定」をクリックする。
  2. 「配信」をクリックする。
  3. 「サービス」で「Mixer .com - RTMP」を選択する。
  4. 「アカウント接続 (オプション)」をクリックし、Mixerアカウントにログインする。
  5. 「OK」をクリックする。
  6. 配信を開始する。

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こんなときは


棒読みちゃんにチャットを読みあげさせたい


  • Mixerコメントビューアと棒読みちゃんを連携させます。

        各ライブ配信サイトで棒読みちゃんを使う方法

配信画面にチャットや新規フォロワーを表示したい


  • Streamlabs(外部サイト)というサービスを使います。Streamlabs、およびOBS Studio上で簡単な設定をすることで、チャットやフォロワー通知をリアルタイムで配信画面に表示できます。下記ページはTwitch用ですが、Mixerでも同じやり方です。

        Twitch配信でチャットやフォロワー通知を表示する方法

  • なお、フォロワー通知については、Mixer側で設定を変更すればチャット欄に表示できます。「HypeBot」という名称でチャット欄に自動通知されます。

  1. 画面右上のアカウントのアイコンをクリックする。
  2. 「チャンネルの管理」をクリックする。
  3. 「配信」タブを開く。
  4. 「フォロー通知テキスト」をONにする。
  5. 「保存」をクリックする。

アンケートをとりたい


  • 投票機能を使うと、配信者から視聴者に対して最大6択のアンケートを作成することができます。投票画面はチャット上部に表示されるので、視聴者に投票してもらってください。

  1. チャンネルのトップページを開く。
  2. 画面右下(チャット欄の下側)の3点リーダーをクリックする。
  3. 投票の作成」をクリックする。
  4. 「投票の質問」に質問文、「投票期間」に質問を締め切るまでの時間、「Option」に選択肢を入力する。
  5. 「開始」をクリックする。


4人同時配信したい


  • Co-Streaming機能を使います。詳細は、WindowsPhoneTeq(外部サイト)を参照してください。

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関連ページ







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最終更新:2019年11月04日 08:54

*1 FTLは、「Faster Than Light streaming protocol」の略称です。通常の配信方法であるRTMP配信よりも、遅延を軽減できます。

*2 この自動構成ウィザードというのは、自動で設定を行ってくれる機能です。ここで「いいえ」を選択しても、あとで「ツール」→「自動構成ウィザード」の順にクリックすれば設定画面を再度呼び出せます。

*3 もし配信していないのに画面がカクカク動くという場合は、PCスペックが不足しています。少なくともOBS Studio側の設定(例 : 解像度、フレームレート)を下げる必要があります。