ラノロワ・オルタレイション @ ウィキ
エンキリサイテル(下) 狩人vs.不知なるシズ
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エンキリサイテル(下) 狩人vs.不知なるシズ ◆LxH6hCs9JU
【4】
「ゲ……ゲ……ゲェー!」
インコちゃんが甲高く喋ったので、今は喋っちゃだめ、と伊里野が叱った。
叱られて嬉しそうに顔を歪めるインコちゃんが、ちょっとかわいかった。
叱られて嬉しそうに顔を歪めるインコちゃんが、ちょっとかわいかった。
伊里野とインコちゃんは、三階の電化製品売り場にいた。
デパートに侵入してきただろう敵を殺すために、その姿を探していたのだ。
しかし八階建てのデパートの中から三人の人間を探すというのはなかなか難しく、未だ見つからなかった。
デパートに侵入してきただろう敵を殺すために、その姿を探していたのだ。
しかし八階建てのデパートの中から三人の人間を探すというのはなかなか難しく、未だ見つからなかった。
と思ったら、見つけた。
見つけたというよりは、見つかった。
たぶん、インコちゃんの鳴き声を聞かれたのだろう。
通路の先のほうに、包丁かなにかを持った女性がいた。
なぜか水着姿でいるように見えるが、和服の女性が着替えたのだろうか。
見つけたというよりは、見つかった。
たぶん、インコちゃんの鳴き声を聞かれたのだろう。
通路の先のほうに、包丁かなにかを持った女性がいた。
なぜか水着姿でいるように見えるが、和服の女性が着替えたのだろうか。
伊里野が少し考えている間に、水着は来た。
通路をまっすぐ走り、伊里野に向かってくる。
伊里野は慌てず、インコちゃんが入っている鳥篭を床に置いた。
そして、ナイフではなくベレッタを抜く。
両手でしっかりとグリップを握り、水着に照準を合わせる。
撃った。
が、外れた。
通路をまっすぐ走り、伊里野に向かってくる。
伊里野は慌てず、インコちゃんが入っている鳥篭を床に置いた。
そして、ナイフではなくベレッタを抜く。
両手でしっかりとグリップを握り、水着に照準を合わせる。
撃った。
が、外れた。
避けられたわけではない。
単純に、伊里野の狙いが甘かっただけだ。
今度はもっとよく狙おう。
伊里野は再度、水着に照準を合わせる。
撃った。
今度は命中して、水着はその場に倒れた。
しばらく待ってみるが、動かない。
単純に、伊里野の狙いが甘かっただけだ。
今度はもっとよく狙おう。
伊里野は再度、水着に照準を合わせる。
撃った。
今度は命中して、水着はその場に倒れた。
しばらく待ってみるが、動かない。
死んだ。伊里野は思った。
殺せた。伊里野は喜んだ。
殺せた。伊里野は喜んだ。
鳥篭を拾い上げ、倒れた水着に近寄っていく。
伊里野は驚いた。
水着は人間ではなく、マネキン人形だった。
伊里野は驚いた。
水着は人間ではなく、マネキン人形だった。
マネキンが動いてた。伊里野は思った。
ふしぎ。伊里野は言った。
ふしぎ。伊里野は言った。
殺せたと思っていたが、殺せていなかった。
ということは、敵はまだいる。
なら、殺さないと。
じゃないと、自分が殺されてしまうから。
じゃないと、浅羽も殺されてしまうから。
ということは、敵はまだいる。
なら、殺さないと。
じゃないと、自分が殺されてしまうから。
じゃないと、浅羽も殺されてしまうから。
◇ ◇ ◇
【5】
今の戦局を一言で説明するなら、『多勢に無勢』だった。
フリアグネが使役するマネキン人形の群れは、総数が知れない。
ひょっとしたら、デパート中のマネキンが彼の支配下にあるのかもしれなかった。
一体一体の強度は大したことはないが、数に押されている隙をフリアグネにつけ込まれるとも限らない。
フリアグネもそれが狙いで、雑魚を量産したといった具合だろう。
技術によるものか道具によるものかはしらないが、どちらにせよこのマネキンによる人海戦術は厄介極まりない。
フリアグネが使役するマネキン人形の群れは、総数が知れない。
ひょっとしたら、デパート中のマネキンが彼の支配下にあるのかもしれなかった。
一体一体の強度は大したことはないが、数に押されている隙をフリアグネにつけ込まれるとも限らない。
フリアグネもそれが狙いで、雑魚を量産したといった具合だろう。
技術によるものか道具によるものかはしらないが、どちらにせよこのマネキンによる人海戦術は厄介極まりない。
そう考えたシズは八階から離れ、階段で六階まで降りてきていた。
六階はまるまる玩具売り場になっていて、商品棚やラックの数が他のフロアよりも多い。
つまり、遮蔽物が多く通路が狭いのだ。
そんな場所に大挙して人が押し寄せれば、当然――詰まる。
六階はまるまる玩具売り場になっていて、商品棚やラックの数が他のフロアよりも多い。
つまり、遮蔽物が多く通路が狭いのだ。
そんな場所に大挙して人が押し寄せれば、当然――詰まる。
「知能はそれほど高くはないようだな」
狭い通路を、互いに押し合いながら走ってくるマネキンの群れ。
中には押し合いの果て、転ぶ者までいた。
所詮は人形か。シズは思った。
刀の間合いまで近づいてきた奴から順に、斬り倒していく。
シズがマネキン共をばったばったと斬っていく様は、まるで時代劇で見る殺陣のようだった。
中には押し合いの果て、転ぶ者までいた。
所詮は人形か。シズは思った。
刀の間合いまで近づいてきた奴から順に、斬り倒していく。
シズがマネキン共をばったばったと斬っていく様は、まるで時代劇で見る殺陣のようだった。
「炎の巨人を使役していた彼が“魔術師”なら、君は“剣士”といったところか。うふふ……炎髪灼眼のおちびちゃんを思い出すね」
列を作ってシズに迫るマネキンの群れ――その最奥。
一群の主たる“狩人”フリアグネが、微笑を浮かべながら宙に浮いていた。
翼も持たず、乗り物にも乗らず、糸で吊るしたように浮いていた。
一群の主たる“狩人”フリアグネが、微笑を浮かべながら宙に浮いていた。
翼も持たず、乗り物にも乗らず、糸で吊るしたように浮いていた。
「驚いた。手品師かなにかなのか」
「こんなものは一芸にもなりはしないさ。“紅世の王”ならば、できて当然のことだよ」
「こんなものは一芸にもなりはしないさ。“紅世の王”ならば、できて当然のことだよ」
フリアグネの発言に、シズは目を見開いた。
“紅世の王”。
その名称には、聞き覚えがある。
“紅世の王”。
その名称には、聞き覚えがある。
「なるほどな。おまえが、例の『フレイムヘイズと敵対している者』か」
「ふむ? この世の本当のことを知っているでもなしに、私という存在を知っているとは」
「ある二人組に、話を聞いてね」
「へえ……『万条の仕手』と法衣のおちびちゃんかな? あの二人も、今頃はどうしていることか」
「ふむ? この世の本当のことを知っているでもなしに、私という存在を知っているとは」
「ある二人組に、話を聞いてね」
「へえ……『万条の仕手』と法衣のおちびちゃんかな? あの二人も、今頃はどうしていることか」
言葉を交わす間にも、シズは刀を振るう手を休めない。
マネキンの群れは、どんどんその数を減らしていく。
やがてフリアグネが、ぱちんっ、と指を鳴らした。
すると、マネキンたちは一斉に後退を始める。
主の後ろにまで下がり、フリアグネが先頭に出た。
マネキンの群れは、どんどんその数を減らしていく。
やがてフリアグネが、ぱちんっ、と指を鳴らした。
すると、マネキンたちは一斉に後退を始める。
主の後ろにまで下がり、フリアグネが先頭に出た。
「なんのつもりだ?」
シズが訊いた。
「そちらの流儀に従おうと思ったまでさ。都合よく、私も剣の型をした宝具を持っているわけだしね」
フリアグネが答える。
剣で勝負をしたい、とのことらしい。
怪しい。シズは思った。
乗ってやる気にはなれず、フリアグネに背を向けた。
逃走を再開する。
剣で勝負をしたい、とのことらしい。
怪しい。シズは思った。
乗ってやる気にはなれず、フリアグネに背を向けた。
逃走を再開する。
「ツレないね、“剣士”」
フリアグネは肩を竦め、困った表情を浮かべた。
そして、逃げていくシズの背中に左手を向ける。
そして、逃げていくシズの背中に左手を向ける。
「なにも逃げることは……ないだろうに!」
瞬間――薄い白の色をした炎が、左手の指輪に灯った。
五つが五つとも、指先から勢い良く発射される。
パースエイダーと同等の弾速でもって、一直線にシズを追撃していった。
五つが五つとも、指先から勢い良く発射される。
パースエイダーと同等の弾速でもって、一直線にシズを追撃していった。
シズは通路の角を直角に曲がり、これを避けようとした。
しかし驚いたことに、指輪も通路の角を直角に曲がり、シズを追尾してきた。
シズはまたすぐに曲がり角を折れるが、指輪はついてくる。
追尾機能を持ったパースエイダーなんて、聞いたことがなかった。
観念し、シズはこれを払い落とすことに決めた。
足を止め、飛んでくる指輪に刀の剣尖を打ち当てていく。
耳障りな擦過音が連続して鳴り、指輪は五つ、床に落ちた。
しかし驚いたことに、指輪も通路の角を直角に曲がり、シズを追尾してきた。
シズはまたすぐに曲がり角を折れるが、指輪はついてくる。
追尾機能を持ったパースエイダーなんて、聞いたことがなかった。
観念し、シズはこれを払い落とすことに決めた。
足を止め、飛んでくる指輪に刀の剣尖を打ち当てていく。
耳障りな擦過音が連続して鳴り、指輪は五つ、床に落ちた。
が、すぐにまた別の指輪が五つ、飛んできた。
フリアグネが右手に嵌めていた分だった。
フリアグネが右手に嵌めていた分だった。
「くっ!」
シズは舌打ちし、無理やりな体勢でこれも払い落としていった。
また五つ、合計十個の指輪が、シズの足下に落ちた。
それらを確認する、間隙。
ザン、という剣が物を斬る音を聞いた。
シズの横に置かれていた商品棚が、縦真っ二つに割れる。
こちらに倒れ込んでくる棚を避けるため、シズは身体を動かし――見た。
棚と共に飛び込んできた、フリアグネの姿を。
また五つ、合計十個の指輪が、シズの足下に落ちた。
それらを確認する、間隙。
ザン、という剣が物を斬る音を聞いた。
シズの横に置かれていた商品棚が、縦真っ二つに割れる。
こちらに倒れ込んでくる棚を避けるため、シズは身体を動かし――見た。
棚と共に飛び込んできた、フリアグネの姿を。
「――っ!」
フリアグネは既に、大剣を振りかぶっている。
今度こそ、回避不能。
シズは刀を平に構え、これを受けることに決めた。
今度こそ、回避不能。
シズは刀を平に構え、これを受けることに決めた。
「ああ――」
刃と刃が交差し、金属音が鳴った。
そして、
そして、
「それは悪手だよ、“剣士”」
フリアグネよりの、評。
数瞬の後、シズはこの評価の意味を知る。
数瞬の後、シズはこの評価の意味を知る。
大剣の刀身に、薄い白の色をした波紋が浸透した。
嫌な予感がした。
刃越しに感じる力は大したことがないのに、悪寒が走る。
フリアグネの放つ殺気に呑まれた――わけではない。
言うなれば第六感のようなものが、シズに危機を知らせた。
危機を知ったからといって、もう、どうにもならない。
嫌な予感がした。
刃越しに感じる力は大したことがないのに、悪寒が走る。
フリアグネの放つ殺気に呑まれた――わけではない。
言うなれば第六感のようなものが、シズに危機を知らせた。
危機を知ったからといって、もう、どうにもならない。
シズの首筋に、
シズの右腿に、
シズの脇腹に、
シズの左脛に、
シズの背中に、
シズの胸板に、
シズの臀部に、
無数、
無数、
無数、
無数、
無数、
無数、
無数、
深く、
浅く、
深く、
浅く、
深く、
深く、
深く、
シズの右腿に、
シズの脇腹に、
シズの左脛に、
シズの背中に、
シズの胸板に、
シズの臀部に、
無数、
無数、
無数、
無数、
無数、
無数、
無数、
深く、
浅く、
深く、
浅く、
深く、
深く、
深く、
入るはずなどないのに――傷が、入った。
「なっ……!?」
予想外の痛みに、シズの身体が揺れる。
刃の位置は変わっていない。
刀と大剣が触れ合い、押し合う力が拮抗している。
マネキンたちに切りつけられたわけでもなかった。
なのに、なぜ――全身に傷が入る!?
刃の位置は変わっていない。
刀と大剣が触れ合い、押し合う力が拮抗している。
マネキンたちに切りつけられたわけでもなかった。
なのに、なぜ――全身に傷が入る!?
「今の一撃には相当な量の“存在の力”を込めた。君はもう傷だらけだよ」
フリアグネは言うが、まったく理解できなかった。
シズはただ、大剣を刀で受けただけだというのに。
まさかそれがいけなかったとでも言うのだろうか。
シズはただ、大剣を刀で受けただけだというのに。
まさかそれがいけなかったとでも言うのだろうか。
「ぐっ……ぜぁぁっ!」
シズによる気合の一声。
刀に思い切り力を込め、フリアグネの身を突き飛ばす。
拮抗状態が保てぬと見て取るや、フリアグネは自ら跳んで後ろに下がった。
刀に思い切り力を込め、フリアグネの身を突き飛ばす。
拮抗状態が保てぬと見て取るや、フリアグネは自ら跳んで後ろに下がった。
生じた猶予で、シズは確認する。
身体のあちこちに走る激痛は、間違いなく裂傷のそれだった。
目で確認しなくとも、血が滲んでいるのがわかる。
だというのに、衣服やレインコートは切り裂かれた形跡がない。
鎌鼬というわけでもなく、肌を直接裂かれたような感じだ。
トリックが、わからない――。
身体のあちこちに走る激痛は、間違いなく裂傷のそれだった。
目で確認しなくとも、血が滲んでいるのがわかる。
だというのに、衣服やレインコートは切り裂かれた形跡がない。
鎌鼬というわけでもなく、肌を直接裂かれたような感じだ。
トリックが、わからない――。
「考えている暇はないよ、“剣士”」
既に大剣を下ろしたフリアグネが、また指を鳴らす。
待機していたマネキンの群れが、一斉に襲いかかってくる。
対処法はなんら変わりない。
斬って、倒していくだけだ。
ただ、逃げながらが難しくなっただけ。
待機していたマネキンの群れが、一斉に襲いかかってくる。
対処法はなんら変わりない。
斬って、倒していくだけだ。
ただ、逃げながらが難しくなっただけ。
シズはすべて斬り崩す覚悟で、マネキンの群れに突っ込んでいった。
瞬く間に、一体、ニ体と、マネキンがシズの刀の餌食になっていく。
数が多いとはいえ、所詮は粗悪品だ。
デパートのマネキン全体を総動員したとしても、シズを押し切るのは難しいだろう。
瞬く間に、一体、ニ体と、マネキンがシズの刀の餌食になっていく。
数が多いとはいえ、所詮は粗悪品だ。
デパートのマネキン全体を総動員したとしても、シズを押し切るのは難しいだろう。
「ああ……だが悲しいね、“剣士”。君が“少佐”ほどに聡明なら、警戒もできただろうに」
シズは、“魔法遣い”の存在など考慮に置けなかった。
坂井悠二からの忠告があったとはいえ、“それ”がどういうものかは聞き及んでいなかった。
人形を使役し、宙に浮き、指輪を飛ばし、刃の交錯だけで全身各所に傷を負わせる。
ましてや――『使役する人形を、ハンドベルを鳴らしただけで一斉に爆破させる』など、誰が予想できようか。
坂井悠二からの忠告があったとはいえ、“それ”がどういうものかは聞き及んでいなかった。
人形を使役し、宙に浮き、指輪を飛ばし、刃の交錯だけで全身各所に傷を負わせる。
ましてや――『使役する人形を、ハンドベルを鳴らしただけで一斉に爆破させる』など、誰が予想できようか。
チリン――。
フリアグネの手にあったハンドベルが、音を奏でた。
一体が起爆、
二体が爆裂、
三体が破砕、
四体が爆発、
五体が炸裂、
六体が爆砕、
七体が破裂、
八体が発破、
九体が爆焼、
全体が誘爆。
二体が爆裂、
三体が破砕、
四体が爆発、
五体が炸裂、
六体が爆砕、
七体が破裂、
八体が発破、
九体が爆焼、
全体が誘爆。
爆音が無数、連続して響き渡った。
シズを取り囲んでいたマネキンたちが、誘爆し合いながら弾け飛んだのだ。
シズを取り囲んでいたマネキンたちが、誘爆し合いながら弾け飛んだのだ。
玩具売り場全域が、爆炎に包まれる。
すぐさま消火用のスプリンクラーが作動し、炎の勢いを弱めていく。
続けて防火シャッターが下り、爆発によって生じた煙も、あっという間に霧散していった。
すぐさま消火用のスプリンクラーが作動し、炎の勢いを弱めていく。
続けて防火シャッターが下り、爆発によって生じた煙も、あっという間に霧散していった。
「……ほう」
フリアグネから、感嘆の声が上がる。
晴れた煙の中に、シズの姿はなかった。
確認できたのは、破壊された玩具ばかりだった。
晴れた煙の中に、シズの姿はなかった。
確認できたのは、破壊された玩具ばかりだった。
「脆弱な人間ゆえ、跡形もなく吹き飛んだ……なんて冗談を言っては、失礼にあたるね。
しかし込めた“存在の力”が弱かったとはいえ、初見の爆発を煙幕代わりにするとは。
戦闘センスは悪くなかったのだが、如何せん『相性』が良すぎたね。
“魔術師”とは違い、君は実に私向きの相手だったよ。せめて敢闘賞は贈ろうか、“剣士”」
しかし込めた“存在の力”が弱かったとはいえ、初見の爆発を煙幕代わりにするとは。
戦闘センスは悪くなかったのだが、如何せん『相性』が良すぎたね。
“魔術師”とは違い、君は実に私向きの相手だったよ。せめて敢闘賞は贈ろうか、“剣士”」
相性の良さ――シズにとっては、相性の悪さ。
フリアグネとシズの勝敗を分かった要因は、この一言に尽きる。
フリアグネとシズの勝敗を分かった要因は、この一言に尽きる。
シズはこのデパートの地の利を活かそうとしていたようだが、あいにくこの地はフリアグネの側こそが先人だ。
粗悪品共の舞踏会を開演、再演する際に一時的な拠点としたことがあるため、各フロアの特徴は三人とも把握している。
それに加えて、“燐子”の素材が即席で調達できるという環境も有利に働いた。
粗悪品の兵隊など実力者相手には牽制にしかならないが、これだけの物量ならば話は別だ。
さらにシズは“剣士”だった。近接戦を得意とする者は、『吸血鬼(ブルートザオガー)』の餌も同然。
直接的にでも間接的にでも、“存在の力”を込めさえすれば相手に裂傷を負わせられる大剣なんて、埒外にもほどがある。
極めつけは、シズがそういった『不思議な力』に対しての知識と対応力に欠けていたことだろう。
咄嗟の判断力、順応力は高いと見て、攻め手を小出しにしていったのはもちろんフリアグネの策によるものだったが、
雑魚同然の有象無象でしかなかったマネキンが、まさか『ダンスパーティー』を鳴らしただけで爆弾に変わるなど、予想できるはずもない。
粗悪品共の舞踏会を開演、再演する際に一時的な拠点としたことがあるため、各フロアの特徴は三人とも把握している。
それに加えて、“燐子”の素材が即席で調達できるという環境も有利に働いた。
粗悪品の兵隊など実力者相手には牽制にしかならないが、これだけの物量ならば話は別だ。
さらにシズは“剣士”だった。近接戦を得意とする者は、『吸血鬼(ブルートザオガー)』の餌も同然。
直接的にでも間接的にでも、“存在の力”を込めさえすれば相手に裂傷を負わせられる大剣なんて、埒外にもほどがある。
極めつけは、シズがそういった『不思議な力』に対しての知識と対応力に欠けていたことだろう。
咄嗟の判断力、順応力は高いと見て、攻め手を小出しにしていったのはもちろんフリアグネの策によるものだったが、
雑魚同然の有象無象でしかなかったマネキンが、まさか『ダンスパーティー』を鳴らしただけで爆弾に変わるなど、予想できるはずもない。
「『万条の仕手』も人が悪い。そのあたりをよく教えておけば、結果も違っただろうに。
いや、見たところ彼は我々と同じ思想の持ち主ようだったから、彼女も詳細は秘めたということかな。
『この世の本当のこと』なんて、好き好んで宣布するのは大昔の夢想家くらいだろうしね」
いや、見たところ彼は我々と同じ思想の持ち主ようだったから、彼女も詳細は秘めたということかな。
『この世の本当のこと』なんて、好き好んで宣布するのは大昔の夢想家くらいだろうしね」
薄く、不敵に笑うフリアグネに、疲労の色はなかった。
「欲を言うなら、消費した分の“存在の力”を充填したかったが――まあ、いいさ」
“燐子”の大量生成と、先の『吸血鬼』による一撃。
これでちょうど、“魔術師”から得た“存在の力”とイーブンといったところか。
それを思うと少しもったいなかったが、嬉しいことに餌はもう一匹いる。
“和服”が欲しがっていた刀は後で回収するとして、それを交換条件に譲ってもらうのもいいかもしれない。
フリアグネは思案し、デパートの下層へと移動を開始した。
これでちょうど、“魔術師”から得た“存在の力”とイーブンといったところか。
それを思うと少しもったいなかったが、嬉しいことに餌はもう一匹いる。
“和服”が欲しがっていた刀は後で回収するとして、それを交換条件に譲ってもらうのもいいかもしれない。
フリアグネは思案し、デパートの下層へと移動を開始した。
「今回は、“少佐”に花を持たせてあげるとしようじゃないか」
【C-5/百貨店・6F玩具売り場/一日目・午後】
【フリアグネ@灼眼のシャナ】
[状態]:健康
[装備]:吸血鬼(ブルートザオガー)@灼眼のシャナ、ダンスパーティー@灼眼のシャナ、コルデー@灼眼のシャナ
[道具]:デイパック、支給品一式×2、酒数本、狐の面@戯言シリーズ、
[思考・状況]
基本:『愛しのマリアンヌ』のため、生き残りを目指す。
1:さて、“和服”のほうの首尾はどうかな。
2:トラヴァスと両儀式の両名と共に参加者を減らす。しかし両者にも警戒。
3:他の参加者が(吸血鬼のような)未知の宝具を持っていたら蒐集したい。
4:他の「名簿で名前を伏せられた9人」の中に『愛しのマリアンヌ』がいるかどうか不安。いたらどうする?
[備考]
※坂井悠二を攫う直前より参加。
※封絶使用不可能。
※“燐子”の精製は可能。が、意思総体を持たせることはできず、また個々の能力も本来に比べ大きく劣る。
[状態]:健康
[装備]:吸血鬼(ブルートザオガー)@灼眼のシャナ、ダンスパーティー@灼眼のシャナ、コルデー@灼眼のシャナ
[道具]:デイパック、支給品一式×2、酒数本、狐の面@戯言シリーズ、
[思考・状況]
基本:『愛しのマリアンヌ』のため、生き残りを目指す。
1:さて、“和服”のほうの首尾はどうかな。
2:トラヴァスと両儀式の両名と共に参加者を減らす。しかし両者にも警戒。
3:他の参加者が(吸血鬼のような)未知の宝具を持っていたら蒐集したい。
4:他の「名簿で名前を伏せられた9人」の中に『愛しのマリアンヌ』がいるかどうか不安。いたらどうする?
[備考]
※坂井悠二を攫う直前より参加。
※封絶使用不可能。
※“燐子”の精製は可能。が、意思総体を持たせることはできず、また個々の能力も本来に比べ大きく劣る。
※百貨店6F玩具売り場が“燐子”の爆発によって一時炎上、スプリンクラーによる消火が行われ、防火シャッターが下ろされています。
※何体かの“燐子”が百貨店内を徘徊しています。フリアグネ、“少佐”、“和服”以外の人間を見つけたら襲うよう命令されています。
※何体かの“燐子”が百貨店内を徘徊しています。フリアグネ、“少佐”、“和服”以外の人間を見つけたら襲うよう命令されています。
◇ ◇ ◇
【6】
「シ、シシシ、シィ……ズゥ――ッ!!」
インコちゃんが甲高く喋ったので、今は喋っちゃだめ、と伊里野が叱った。
叱られて嬉しそうに顔を歪めるインコちゃんが、ちょっとかわいかった。
叱られて嬉しそうに顔を歪めるインコちゃんが、ちょっとかわいかった。
敵を探す伊里野は、三階の婦人服売り場にやって来ていた。
女性ものの衣類が置かれた一帯は、他のフロアに比べても随分、がらんとしていた。
どうしてだろう、と少し考えてみると、マネキンがないからだ、と気づいた。
敵が来る前、シズと一緒にこのデパートを見て回ったときにはあったものが、欠けていた。
売り場の目立つ位置に置かれていたはずのマネキン人形が、どこぞへと消えていた。
女性ものの衣類が置かれた一帯は、他のフロアに比べても随分、がらんとしていた。
どうしてだろう、と少し考えてみると、マネキンがないからだ、と気づいた。
敵が来る前、シズと一緒にこのデパートを見て回ったときにはあったものが、欠けていた。
売り場の目立つ位置に置かれていたはずのマネキン人形が、どこぞへと消えていた。
さっき襲いかかってきた、動くマネキン人形を思い出す。
あれはこのデパートのマネキン人形だったのだろう。
しかし、それがなぜ勝手に歩き回り、挙句の果てに伊里野を襲うのか。
わからなかったが、あまり気にしなかった。
あれはこのデパートのマネキン人形だったのだろう。
しかし、それがなぜ勝手に歩き回り、挙句の果てに伊里野を襲うのか。
わからなかったが、あまり気にしなかった。
あれは簡単に倒せる。伊里野は思った。
だから安心。伊里野は安心した。
だから安心。伊里野は安心した。
安心した直後、頭の上で大きな音が鳴り響いた。
見上げると、天井が揺れている。
上の階でなにかあったみたいだった。
シズは爆弾を持っていたはずだから、それでも爆発させたのかもしれない。
シズは八階にやって来た敵を殺せたのだろうか。
殺せたのだとしたら、ちょっとだけ焦る。
伊里野はまだ、三人の内の一人だって殺せていない。
浅羽のために、ちゃんとやるって決めたのに。
見上げると、天井が揺れている。
上の階でなにかあったみたいだった。
シズは爆弾を持っていたはずだから、それでも爆発させたのかもしれない。
シズは八階にやって来た敵を殺せたのだろうか。
殺せたのだとしたら、ちょっとだけ焦る。
伊里野はまだ、三人の内の一人だって殺せていない。
浅羽のために、ちゃんとやるって決めたのに。
殺したい。伊里野は願った。
殺さなきゃ。伊里野は思った。
殺そう。伊里野は前に進んだ。
敵は殺す。伊里野は決めた。
あっ。伊里野が声を零した。
殺さなきゃ。伊里野は思った。
殺そう。伊里野は前に進んだ。
敵は殺す。伊里野は決めた。
あっ。伊里野が声を零した。
通路の先のほうに、敵の姿があった。
今度は、マネキンではなかった。
突き刺さるような殺気が、痛かった。
インコちゃんがひどく怯えていた。
一心不乱に羽根をバタバタさせていた。
邪魔になるので、鳥篭をその場に置いた。
今度は、マネキンではなかった。
突き刺さるような殺気が、痛かった。
インコちゃんがひどく怯えていた。
一心不乱に羽根をバタバタさせていた。
邪魔になるので、鳥篭をその場に置いた。
見つけた敵は、こちらに近づいてくる。
敵の正体は、和服だった。
伊里野よりも年上に見える、女だった。
敵の正体は、和服だった。
伊里野よりも年上に見える、女だった。
「――なんだ、おまえ?」
声をかけてくる和服に、伊里野は応えない。
鳥篭を足下に置いたので、両手が空いていた。
左手にベレッタM92という拳銃を持つ。
右手に『無銘』というナイフを持つ。
これが伊里野の完全武装だった。
鳥篭を足下に置いたので、両手が空いていた。
左手にベレッタM92という拳銃を持つ。
右手に『無銘』というナイフを持つ。
これが伊里野の完全武装だった。
対して、和服の装備はナイフが二本だった。
右手に一本、左手に一本。
どちらも変な形のナイフだった。
右手に一本、左手に一本。
どちらも変な形のナイフだった。
「いくらなんでも――視えすぎだろう、それは」
伊里野には、和服がなにを言っているのかがわからない。
わからなくてもいいと思った。
わかる必要なんてないとも思った。
ただ殺すだけだと思った。
わからなくてもいいと思った。
わかる必要なんてないとも思った。
ただ殺すだけだと思った。
「ちっ……厄介者を押しつけられた気分だ。ホテルに続いて貧乏くじかよ」
和服がナイフで斬りかかってくるなら、銃で撃とう。
和服が銃を警戒するようなら、ナイフで斬りかかりにいこう。
和服が伊里野から逃げるようなら、銃で撃ってからナイフで仕留めよう。
和服が銃を警戒するようなら、ナイフで斬りかかりにいこう。
和服が伊里野から逃げるようなら、銃で撃ってからナイフで仕留めよう。
伊里野の戦争はもう、とっくのとうに始まっていた。
今更のように組み立てた戦術プランを、脳内で反芻する。
今更のように組み立てた戦術プランを、脳内で反芻する。
頑張ろう。伊里野は思った。
だから。
殺意を口にする。
だから。
想いを口にする。
だから。
恋心を口にする。
だから。
浅羽のために。
殺意を口にする。
だから。
想いを口にする。
だから。
恋心を口にする。
だから。
浅羽のために。
「死んで」
【C-5/百貨店・3F婦人服売り場/一日目・午後】
【伊里野加奈@イリヤの空、UFOの夏】
[状態]:顔に殴打の痕。体に軽い擦り傷など。たまに視力障害。
[装備]:ベレッタ M92(9/15)、『無銘』@戯言シリーズ、北高のセーラー服@涼宮ハルヒの憂鬱、
[道具]:デイパック、支給品一式×2、トカレフTT-33(8/8)、トカレフの予備弾倉×4、
べレッタの予備マガジン×4、ポテトマッシャー@現実×2、10人名簿@オリジナル
[思考・状況]
基本:浅羽以外皆殺し。浅羽を最後の一人にした後自害する。ただし「浅羽を確実に生かして帰す方法」が他にあるなら検討?
1:目の前の敵を殺す。殺したらシズのところに戻る。他の敵に会ったらそれも殺す。
2:シズと一時的に同盟。シズを利用する。とりあえず、この場は二人で三人の敵に対処する。
3:出会った参加者を皆殺し? シズと共に方針を考える?
4:診療所に行って身体の不調に対処する薬を探したい。
5:(……インコちゃんのことはちょっとだけ気に入った)
[備考]
不定期に視力障害をおこすようです。今のところ一過性のもので、すぐに視力は回復します。
『殴られた』ショックのせいで記憶に多少の混乱があります。そのせいで浅羽直之を襲撃した事実に「気がついていません」
[状態]:顔に殴打の痕。体に軽い擦り傷など。たまに視力障害。
[装備]:ベレッタ M92(9/15)、『無銘』@戯言シリーズ、北高のセーラー服@涼宮ハルヒの憂鬱、
[道具]:デイパック、支給品一式×2、トカレフTT-33(8/8)、トカレフの予備弾倉×4、
べレッタの予備マガジン×4、ポテトマッシャー@現実×2、10人名簿@オリジナル
[思考・状況]
基本:浅羽以外皆殺し。浅羽を最後の一人にした後自害する。ただし「浅羽を確実に生かして帰す方法」が他にあるなら検討?
1:目の前の敵を殺す。殺したらシズのところに戻る。他の敵に会ったらそれも殺す。
2:シズと一時的に同盟。シズを利用する。とりあえず、この場は二人で三人の敵に対処する。
3:出会った参加者を皆殺し? シズと共に方針を考える?
4:診療所に行って身体の不調に対処する薬を探したい。
5:(……インコちゃんのことはちょっとだけ気に入った)
[備考]
不定期に視力障害をおこすようです。今のところ一過性のもので、すぐに視力は回復します。
『殴られた』ショックのせいで記憶に多少の混乱があります。そのせいで浅羽直之を襲撃した事実に「気がついていません」
【両儀式@空の境界】
[状態]:頬に切り傷
[装備]:自殺志願(マインドレンデル)@戯言シリーズ
[道具]:デイパック、支給品一式、ハーゲンダッツ(ストロベリー味)×5@空の境界
[思考・状況]
基本:ゲームを出来るだけ早く終了させ、“人類最悪”を殺す。
1:目の前の少女を殺す。
2:ひとまずフリアグネとトラヴァスについていく。不都合だと感じたら殺す。
[備考]
※参戦時期は「忘却録音」後、「殺人考察(後)」前です。
※自殺志願(マインドレンデル)は分解された状態です。
[状態]:頬に切り傷
[装備]:自殺志願(マインドレンデル)@戯言シリーズ
[道具]:デイパック、支給品一式、ハーゲンダッツ(ストロベリー味)×5@空の境界
[思考・状況]
基本:ゲームを出来るだけ早く終了させ、“人類最悪”を殺す。
1:目の前の少女を殺す。
2:ひとまずフリアグネとトラヴァスについていく。不都合だと感じたら殺す。
[備考]
※参戦時期は「忘却録音」後、「殺人考察(後)」前です。
※自殺志願(マインドレンデル)は分解された状態です。
※百貨店3F婦人服売り場、伊里野の足下にインコちゃん@とらドラ!(鳥篭つき)が置かれています。
◇ ◇ ◇
【7】
一階の入り口から、外に出た。
暖かな日差しが、不思議と数週間ぶりのように思えた。
日はまだ高い。時間など、それほど経過したわけではなかった。
暖かな日差しが、不思議と数週間ぶりのように思えた。
日はまだ高い。時間など、それほど経過したわけではなかった。
身体を引き摺るように、歩く。
地を這うように、進む。
せっかくの業物を杖代わりにせざるをえなかった。
二本足で立っていることが奇跡だった。
生きていること自体が、奇跡的だった。
地を這うように、進む。
せっかくの業物を杖代わりにせざるをえなかった。
二本足で立っていることが奇跡だった。
生きていること自体が、奇跡的だった。
フリアグネとの死闘から逃れたシズは、六階から一階まで、寄り道せずに降りてきた。
もはや戦える状態ではない。ここは素直に撤退しよう。そう思って外に出た。
しかしそれとて難しかった。
もはや戦える状態ではない。ここは素直に撤退しよう。そう思って外に出た。
しかしそれとて難しかった。
シズの全身には無数の裂傷が刻まれ、今もなお血が流れ続けている。
加えて、最後に食らった爆発がまずかった。
一体分の爆発量は手榴弾のそれより遥かに劣るが、ああも連続して、しかも包囲下で爆発されると、破壊力は倍どころではない。
シズは防御も回避も許されず、それをまともに受けてしまったのだ。
着ていたセーターやレインコートはボロボロに変わり果て、全身の肉が焼けた。
骨が軋み、裂傷が抉られ、流血の勢いは濁流のごとく加速した。
シズの身体は血塗れで、息も絶え絶えだった。
加えて、最後に食らった爆発がまずかった。
一体分の爆発量は手榴弾のそれより遥かに劣るが、ああも連続して、しかも包囲下で爆発されると、破壊力は倍どころではない。
シズは防御も回避も許されず、それをまともに受けてしまったのだ。
着ていたセーターやレインコートはボロボロに変わり果て、全身の肉が焼けた。
骨が軋み、裂傷が抉られ、流血の勢いは濁流のごとく加速した。
シズの身体は血塗れで、息も絶え絶えだった。
視界がおぼろげだ。
腕に力が入らない。
脚に力が入らない。
考える能力が低下。
どうやら死ぬのか。
腕に力が入らない。
脚に力が入らない。
考える能力が低下。
どうやら死ぬのか。
カラン――。
刀が、地面に落ちる音が鳴った。
痛みと疲労に耐えきれず、シズが倒れたのだ。
痛みと疲労に耐えきれず、シズが倒れたのだ。
「うっ……」
うつ伏せのままだと苦しいので、どうにか身体を仰向けにする。
余力の使い道はそれだけ。もう立てる気もしなかった。
余力の使い道はそれだけ。もう立てる気もしなかった。
空が広がっていた。
綺麗な青空だった。
疲れを癒す青空だ。
シズは少し笑った。
綺麗な青空だった。
疲れを癒す青空だ。
シズは少し笑った。
パチ、パチ、パチ。
手を叩く音が聞こえた。
これは拍手の音だろうか。
気になったので、シズは頑張って身を起こそうとする。
上半身だけ起こすことができた。
それだけで十分、拍手をする男の姿は視認できた。
三人組の一人が、見下ろすようにそこに立っていた。
あの、眼鏡の男だった。
これは拍手の音だろうか。
気になったので、シズは頑張って身を起こそうとする。
上半身だけ起こすことができた。
それだけで十分、拍手をする男の姿は視認できた。
三人組の一人が、見下ろすようにそこに立っていた。
あの、眼鏡の男だった。
「生還、おめでとうございます」
「皮肉か」
「とんでもない。労をねぎらっているのですよ」
「皮肉か」
「とんでもない。労をねぎらっているのですよ」
余裕たっぷりに喋る眼鏡の男を見て、シズは納得する。
なるほど、この男は後詰めか。
逃げたのは二人、ならば追うのも二人でいい。
もう一人はこうやって、トドメ役に回れば――他二人は、弱らせるだけで済む。
三人組は、シズや伊里野よりも少しだけ、集団戦闘というものに慣れていたようだ。
なるほど、この男は後詰めか。
逃げたのは二人、ならば追うのも二人でいい。
もう一人はこうやって、トドメ役に回れば――他二人は、弱らせるだけで済む。
三人組は、シズや伊里野よりも少しだけ、集団戦闘というものに慣れていたようだ。
「フリアグネ様と“和服”はどうなりましたか?」
「さあな」
「その刀、あまり血がついていませんね」
「訊くまでもないじゃないか」
「申し訳ありません。性分なんですよ」
「さあな」
「その刀、あまり血がついていませんね」
「訊くまでもないじゃないか」
「申し訳ありません。性分なんですよ」
眼鏡の男の印象は、優しそうな、から、陰湿な、に変わった。
三人とも、曲者だったわけだ。
恐れ入る。
完敗じゃないか。
三人とも、曲者だったわけだ。
恐れ入る。
完敗じゃないか。
「黙る前に一つ、質問させてもらっていいでしょうか」
眼鏡の男が言った。
喋る余力はまだあったので、シズは男の質問に応じることにした。
喋る余力はまだあったので、シズは男の質問に応じることにした。
「あなたはいったい、なにがしたかったのですか?」
随分と曖昧な質問だった。
しかし、答えられないわけではない。
むしろいい機会なのかもしれないな。
シズは微かに笑って、語り出した。
しかし、答えられないわけではない。
むしろいい機会なのかもしれないな。
シズは微かに笑って、語り出した。
「俺には、命を捨ててでもやるべきことがある」
そんな始まり方だった。
「七年前のことだ。ある平和な国があった。政治の上手い王様がいたんだ。その王様が殺された。
王様を殺したのは、王様の息子だった。父親を嫌っていたようで、大層惨たらしく殺したそうだ。
王様だけでなく、王様の血を引く者はことごとく殺した。兄妹や叔父叔母もだ。つまりは粛清だ。
王様の息子は王様の親類を皆殺しにしたが、自分の妻だけは殺さなかった。
しかしその妻は、悲嘆に暮れて自殺してしまった。ほとんど王様が殺したようなものだ。
二人いた実の子供は、国外へ追放されて行方知れずになった。殺されたという説もあった」
王様を殺したのは、王様の息子だった。父親を嫌っていたようで、大層惨たらしく殺したそうだ。
王様だけでなく、王様の血を引く者はことごとく殺した。兄妹や叔父叔母もだ。つまりは粛清だ。
王様の息子は王様の親類を皆殺しにしたが、自分の妻だけは殺さなかった。
しかしその妻は、悲嘆に暮れて自殺してしまった。ほとんど王様が殺したようなものだ。
二人いた実の子供は、国外へ追放されて行方知れずになった。殺されたという説もあった」
酷い息子ですね、と眼鏡の男は言った。
「そして王様の息子は新しい王様になり、その国に新しいルールを作った。
自分が自堕落な生活をするための、自分勝手なルールだった。
政治の上手かった前王とは比べものにならない、政治の下手くそな王様だった。
国民はもちろん反発したが、時が経つにつれ、快楽だらけの生活に慣れてしまった。
やがて、民衆のほとんどが王様を慕うようになった。国は当然、めちゃくちゃになった」
自分が自堕落な生活をするための、自分勝手なルールだった。
政治の上手かった前王とは比べものにならない、政治の下手くそな王様だった。
国民はもちろん反発したが、時が経つにつれ、快楽だらけの生活に慣れてしまった。
やがて、民衆のほとんどが王様を慕うようになった。国は当然、めちゃくちゃになった」
シズの話はそこで一旦、途切れた。
荒い呼気を整えてから、続きを口にする。
荒い呼気を整えてから、続きを口にする。
「俺はその国に向かう途中、ここにつれてこられた」
「なるほど。事情はわかりました」
「なるほど。事情はわかりました」
眼鏡の男は、表情を変えずに言った。
それを見て、シズはさらに続ける。
それを見て、シズはさらに続ける。
「七年間。七年、待った。七年の間に、剣を覚えた。人を殺す技術を磨いた。勉強もした。度胸もつけた。
初めて人を斬ったときのことを覚えている。嫌な気分だった。復讐のためだと自分に言い聞かせた。
それでも納得はできなかった。人殺しがなにより得意だなんてことは、誉められることでも、誇れることでもない」
初めて人を斬ったときのことを覚えている。嫌な気分だった。復讐のためだと自分に言い聞かせた。
それでも納得はできなかった。人殺しがなにより得意だなんてことは、誉められることでも、誇れることでもない」
同感です、と眼鏡の男は言った。
「ここで人を殺すのも復讐のためだと、自分に言い聞かせた。それでも納得はできなかった。
納得はできなかったが、それでも剣は振るえるものだった。復讐のための人殺しをしようと思った。
アリソンという女を殺した。マオという女を殺した。キョンと坂井悠二と水前寺邦博という男たちは逃した。
殺していく内に、陸という友人を亡くした。さすがに少し懲りた。復讐のためとはいえ、人殺しは――ごふっ」
納得はできなかったが、それでも剣は振るえるものだった。復讐のための人殺しをしようと思った。
アリソンという女を殺した。マオという女を殺した。キョンと坂井悠二と水前寺邦博という男たちは逃した。
殺していく内に、陸という友人を亡くした。さすがに少し懲りた。復讐のためとはいえ、人殺しは――ごふっ」
喋る途中で、シズが血を吐いた。
このあたりが限界らしい。
自分語りのような、懺悔だった。
懺悔のような、自分語りだった。
このあたりが限界らしい。
自分語りのような、懺悔だった。
懺悔のような、自分語りだった。
「よかった」
シズの話を聞いていた眼鏡の男が、短く感想を言った。
すると身を屈めて、シズが持っていた刀とバッグを回収した。
仰向けに倒れるシズの横を、通り過ぎる。
そして、言った。
すると身を屈めて、シズが持っていた刀とバッグを回収した。
仰向けに倒れるシズの横を、通り過ぎる。
そして、言った。
「どうやら僕は、君に謝る必要も、君を許す必要もないようだ」
眼鏡の男は、怒っていた。
悲しんでいる風でも、哀れんでいる風でもあった。
シズがなにか返事をしようとして、しかし起こしていた上半身が倒れた。
悲しんでいる風でも、哀れんでいる風でもあった。
シズがなにか返事をしようとして、しかし起こしていた上半身が倒れた。
もう、力が入らなかった。
空と、雲だけが見える。
眼鏡の男は、デパートの中に入っていった。
シズだけが、取り残された。
少しだけ、期待していたのに。
空と、雲だけが見える。
眼鏡の男は、デパートの中に入っていった。
シズだけが、取り残された。
少しだけ、期待していたのに。
「厳しいな」
眼鏡の男は、トドメを刺してはくれなかった。
【C-5/百貨店・1F入り口/一日目・午後】
【トラヴァス@リリアとトレイズ】
[状態]:健康
[装備]:ワルサーP38(6/8、消音機付き)、フルート@キノの旅(残弾6/9、消音器つき)
[道具]:デイパック×3、支給品一式×3(食料・水少量消費)、フルートの予備マガジン×3、
アリソンの手紙、ブラッドチップ(少し減少)@空の境界 、拡声器、早蕨刃渡の太刀@戯言シリーズ、
パイナップル型手榴弾×1、シズのバギー@キノの旅、医療品、携帯電話の番号を書いたメモ紙、
トンプソン・コンテンダー(0/1)@現実、コンテンダーの交換パーツ、コンテンダーの弾(5.56mmx45弾)x10
[思考・状況]
基本:殺し合いに乗っている風を装いつつ、殺し合いに乗っている者を減らしコントロールする。
1:フリアグネ様や和服と合流しよう。
2:当面、フリアグネと両儀式の両名と『同盟』を組んだフリをし、彼らの行動をさりげなくコントロールする。
3:殺し合いに乗っている者を見つけたら『同盟』に組み込むことを検討する。無理なようなら戦って倒す。
4:殺し合いに乗っていない者を見つけたら、上手く戦闘を避ける。最悪でもトドメは刺さないようにして去る。
5:ダメで元々だが、主催者側からの接触を待つ。あるいは、主催者側から送り込まれた者と接触する。
6:坂井悠二の動向に興味。できることならもう一度会ってみたい。
[状態]:健康
[装備]:ワルサーP38(6/8、消音機付き)、フルート@キノの旅(残弾6/9、消音器つき)
[道具]:デイパック×3、支給品一式×3(食料・水少量消費)、フルートの予備マガジン×3、
アリソンの手紙、ブラッドチップ(少し減少)@空の境界 、拡声器、早蕨刃渡の太刀@戯言シリーズ、
パイナップル型手榴弾×1、シズのバギー@キノの旅、医療品、携帯電話の番号を書いたメモ紙、
トンプソン・コンテンダー(0/1)@現実、コンテンダーの交換パーツ、コンテンダーの弾(5.56mmx45弾)x10
[思考・状況]
基本:殺し合いに乗っている風を装いつつ、殺し合いに乗っている者を減らしコントロールする。
1:フリアグネ様や和服と合流しよう。
2:当面、フリアグネと両儀式の両名と『同盟』を組んだフリをし、彼らの行動をさりげなくコントロールする。
3:殺し合いに乗っている者を見つけたら『同盟』に組み込むことを検討する。無理なようなら戦って倒す。
4:殺し合いに乗っていない者を見つけたら、上手く戦闘を避ける。最悪でもトドメは刺さないようにして去る。
5:ダメで元々だが、主催者側からの接触を待つ。あるいは、主催者側から送り込まれた者と接触する。
6:坂井悠二の動向に興味。できることならもう一度会ってみたい。
◇ ◇ ◇
【8】
“終わりよければ全てよし”。
シズの故郷には、そんなことわざがある。
ものごとが上手く終われば、そのすべてがよかったことになる。
人生最後に為し得たことで、その人の人生が決まる。
ものごとが上手く終われば、そのすべてがよかったことになる。
人生最後に為し得たことで、その人の人生が決まる。
対して、シズの人生は。
やるべきことがやれなかった。
為すべきことが為せなかった。
そんなまま、終わる。
やるべきことがやれなかった。
為すべきことが為せなかった。
そんなまま、終わる。
“終わりわるければ全てわるし”。
シズは、晴天を見上げながら新しいことわざを作った。
学校では教えられないな、と思った。
学校では教えられないな、と思った。
背中のあたりが生暖かい。
水の上を揺蕩うような気分だった。
水の上を揺蕩うような気分だった。
きっと、自分を中心に血溜まりができているのだろう。
こんなにたくさん血を流したのは、初めてだった。
こんなにたくさん血を流したのは、初めてだった。
激痛で、顔が歪む。
痛みを堪えるため、歯を軋ませた。
大して効果などなかった。
痛みを堪えるため、歯を軋ませた。
大して効果などなかった。
死ぬときは笑顔で死にたい。
漠然と、そんな風に思ったことがある。
でも今は、とても笑顔になんてなれなかった。
漠然と、そんな風に思ったことがある。
でも今は、とても笑顔になんてなれなかった。
シズは、人をさんざん苦しませてから死に至らしめる方法をよく知っている。
だからわかった。
全身傷だらけで血が止まらない状態の人を、なにもせず放置する。
この上なく残酷な方法だった。
だからわかった。
全身傷だらけで血が止まらない状態の人を、なにもせず放置する。
この上なく残酷な方法だった。
あの子は。
伊里野加奈は、無事だろうか。
伊里野加奈は、無事だろうか。
和服に、フリアグネに、眼鏡の男。
結局シズは、三人の内の全員と相対することになってしまった。
運が悪いなどという度合いではなかった。
苦笑したい気分だが、意識が朦朧としていて笑えない。
結局シズは、三人の内の全員と相対することになってしまった。
運が悪いなどという度合いではなかった。
苦笑したい気分だが、意識が朦朧としていて笑えない。
つらい。
しにたい。
しにたい。
伊里野はもう、デパートを去ったのだろうか。
それとも、誰かと殺し合っている最中だろうか。
せめて彼女には、生き残って欲しい。
彼女には、やるべきことをやり遂げて欲しい。
それとも、誰かと殺し合っている最中だろうか。
せめて彼女には、生き残って欲しい。
彼女には、やるべきことをやり遂げて欲しい。
赤い咳をした。
赤い。
本当に、赤い。
赤い。
本当に、赤い。
赤い……のだろうか。
なんだか、ものの色すらわからなくなってきた。
頭がぼやけているのもそうだし、目も見えなくなってきた。
頭がぼやけているのもそうだし、目も見えなくなってきた。
これはなんだろう。シズは思った。
報いか。シズは悟った。
報いか。シズは悟った。
目前にまで迫っていた、故郷を思い出す。
生まれたときは、いい国だった。
王が代わってからは、酷い国だった。
七年経ったが、酷い国のままなんだろうな。
生まれたときは、いい国だった。
王が代わってからは、酷い国だった。
七年経ったが、酷い国のままなんだろうな。
帰りたかったな。
陸には悪いことをした。
アリソンとマオにも。
キョンはどうなっただろう。
悠二と水前寺も。
素直に病院に行けばよかった。
和服は強かった。
フリアグネは反則だった。
眼鏡の男は、どこか彼女に似ていた。
インコちゃん。
ぶさいくな顔だったな。
アリソンとマオにも。
キョンはどうなっただろう。
悠二と水前寺も。
素直に病院に行けばよかった。
和服は強かった。
フリアグネは反則だった。
眼鏡の男は、どこか彼女に似ていた。
インコちゃん。
ぶさいくな顔だったな。
…………。
意識が飛んでいた。
一瞬だけだった。
また戻ってきた。
死んだかと思った。
いや、死ぬだろう。
一瞬だけだった。
また戻ってきた。
死んだかと思った。
いや、死ぬだろう。
あるいは、ああそうか。
今のは、走馬灯か。
今のは、走馬灯か。
偉大な祖父がいた。
優しい母がいた。
嫌いな父がいた。
叔父叔母。
使用人。
飼い犬。
兄妹。
たくさんの家族。
そして民衆。
王子様だった。
幼少期が駆け巡る。
優しい母がいた。
嫌いな父がいた。
叔父叔母。
使用人。
飼い犬。
兄妹。
たくさんの家族。
そして民衆。
王子様だった。
幼少期が駆け巡る。
剣を習った。
人殺しをした。
力を求めた。
復讐がしたかった。
人殺しをした。
力を求めた。
復讐がしたかった。
本当に、行くつもりですか?
陸にそんなことを言われた気がする。
事あるごとに言われていた気がする。
事あるごとに言われていた気がする。
祝福のつもり。
これはなんだろう?
誰かから、なにかをもらった気がする。
誰かから、なにかをもらった気がする。
わたしにもどるところなんてない。
それは私も同じだよ。
だから探そう。
安住の地を、一緒にね。
だから探そう。
安住の地を、一緒にね。
駆け巡った。
いっぱい、駆け巡った。
なかなか悪くなかった。
貴重な体験をした。
いっぱい、駆け巡った。
なかなか悪くなかった。
貴重な体験をした。
今なら、いい笑顔で死ねる気がする。
そう、ちょうどあんな風な――。
何者かが、傍に立っていた。
シズを見下ろすように、立っていた。
誰だろう。
白い髪の、女の子だった。
伊里野かと思った。
伊里野よりも背が低かった。
もうすぐ閉じるシズの目と、女の子の目が合った。
悪い気はしなかった。
むしろあたたかかった。
話がしたい。
最後の力を振り絞るか。
悪くない最期だ。
どんな言葉をかけよう。
ああ、そうだ――。
これを訊いておこう。
「だれだおまえは」
白い髪の女の子は、答えてくれなかった。
【シズ@キノの旅 死亡】
◇ ◇ ◇
【9】
百貨店の入り口に、一台のホヴィー(注・=『ホヴァー・ヴィークル』。浮遊車両のこと)が停っていた。
ホヴィーに乗ってきた二人と一匹は、黙って目の前に広がる光景を見つめている。
声もなく、邪魔もせず、ただ黙って見つめていた。
ホヴィーに乗ってきた二人と一匹は、黙って目の前に広がる光景を見つめている。
声もなく、邪魔もせず、ただ黙って見つめていた。
百貨店の入り口に、一人の男が倒れていた。
真っ赤な血溜まりの上で、浮かぶように倒れていた。
男は、今ちょうど息を引き取ったところだった。
真っ赤な血溜まりの上で、浮かぶように倒れていた。
男は、今ちょうど息を引き取ったところだった。
男の傍には、白い髪をした女の子が立っていた。
無言だった。
エメラルドグリーンの瞳で、死んだ男を睨んでいた。
あるいは見ていた。
無言だった。
エメラルドグリーンの瞳で、死んだ男を睨んでいた。
あるいは見ていた。
切れていた縁が、こんなところで合った。
想いは正しく伝わらない ― I know what you're thinking. ―
【C-5/百貨店・1F入り口/一日目・午後】
【ティー@キノの旅】
[状態]:健康。
[装備]:RPG-7(1発装填済み)@現実、シャミセン@涼宮ハルヒの憂鬱
[道具]:デイパック、支給品一式、RPG-7の弾頭×1
[思考・状況]
基本:「くろいかべはぜったいにこわす」
0:…………。
1:百貨店でシャミセンのごはんを調達したい。
2:RPG-7を使ってみたい。
3:手榴弾やグレネードランチャー、爆弾の類でも可。むしろ色々手に入れて試したい。
4:『黒い壁』を壊す方法、壊せる道具を見つける。そして使ってみたい。
5:浅羽には警戒。
[備考]:
※ティーは、キノの名前を素で忘れていたか、あるいは、素で気づかなかったようです。
[状態]:健康。
[装備]:RPG-7(1発装填済み)@現実、シャミセン@涼宮ハルヒの憂鬱
[道具]:デイパック、支給品一式、RPG-7の弾頭×1
[思考・状況]
基本:「くろいかべはぜったいにこわす」
0:…………。
1:百貨店でシャミセンのごはんを調達したい。
2:RPG-7を使ってみたい。
3:手榴弾やグレネードランチャー、爆弾の類でも可。むしろ色々手に入れて試したい。
4:『黒い壁』を壊す方法、壊せる道具を見つける。そして使ってみたい。
5:浅羽には警戒。
[備考]:
※ティーは、キノの名前を素で忘れていたか、あるいは、素で気づかなかったようです。
【浅羽直之@イリヤの空、UFOの夏】
[状態]:全身に打撲・裂傷・歯形。右手単純骨折。右肩に銃創。左手に擦過傷。(←白井黒子の手により、簡単な治療済み)
微熱と頭痛。前歯数本欠損。
[装備]:毒入りカプセル×1@現実
[道具]:伊里野加奈のパイロットスーツ@イリヤの空、UFOの夏
デイパック、支給品一式 、ビート板+浮き輪等のセット(大幅減)@とらドラ!、カプセルのケース
[思考・状況]
1:クルツの物資調達に同行。余裕があれば伊里野も探したい。
2:伊里野の不調を治すため、「薬」と「薬に詳しい人」を探す。
3:薬が入手できるかもしれないので、診療所も調べたい。
4:薬に詳しい「誰か」の助けを得て、伊里野の不調を治して……それから、どうしよう?
5:ティーに激しい恐怖。
[備考]
※参戦時期は4巻『南の島』で伊里野が出撃した後、榎本に話しかけられる前。
※伊里野が「浅羽を殺そうとした」のは、榎本たちによる何らかの投薬や処置の影響だと考えています。
[状態]:全身に打撲・裂傷・歯形。右手単純骨折。右肩に銃創。左手に擦過傷。(←白井黒子の手により、簡単な治療済み)
微熱と頭痛。前歯数本欠損。
[装備]:毒入りカプセル×1@現実
[道具]:伊里野加奈のパイロットスーツ@イリヤの空、UFOの夏
デイパック、支給品一式 、ビート板+浮き輪等のセット(大幅減)@とらドラ!、カプセルのケース
[思考・状況]
1:クルツの物資調達に同行。余裕があれば伊里野も探したい。
2:伊里野の不調を治すため、「薬」と「薬に詳しい人」を探す。
3:薬が入手できるかもしれないので、診療所も調べたい。
4:薬に詳しい「誰か」の助けを得て、伊里野の不調を治して……それから、どうしよう?
5:ティーに激しい恐怖。
[備考]
※参戦時期は4巻『南の島』で伊里野が出撃した後、榎本に話しかけられる前。
※伊里野が「浅羽を殺そうとした」のは、榎本たちによる何らかの投薬や処置の影響だと考えています。
【クルツ・ウェーバー@フルメタル・パニック!】
[状態]:左腕に若干のダメージ、復讐心
[装備]:エアガン(12/12)、ウィンチェスター M94(7/7)@現実
[道具]デイパック、支給品一式、缶ジュース×17(学園都市製)@とある魔術の禁書目録、BB弾3袋、予備弾28弾、ママチャリ@現地調達 、メッセージ受信機
[思考・状況]
基本:生き残りを優先する。宗介、かなめ、テッサとの合流を目指す。
1:デパートで物資調達を行う予定……だったが、どうにもきな臭いな。
2:物資調達後、飛行場に戻り鮮花に銃を教える。
3:摩天楼で拾った三人、特に浅羽とティーの行動に注意を払う。
4:可愛い女の子か使える人間は仲間に引き入れ、その他の人間は殺して装備を奪う。
5:知り合いが全滅すれば優勝を目指すという選択肢もあり。
6:ステイルとその同行者に復讐する。
7:メリッサ・マオの仇も取る。
8:鮮花に罪悪感、どこか哀しい。
9:メッセージを待つ。それを隠し通す。
[備考]
※土御門から“とある魔術の禁書目録”の世界観、上条当麻、禁書目録、ステイル=マグヌスとその能力に関する情報を得ました。
※最初に送られてきたメッセージは「摩天楼へ行け」です。次回いつメッセージがくるかは不明です。
[状態]:左腕に若干のダメージ、復讐心
[装備]:エアガン(12/12)、ウィンチェスター M94(7/7)@現実
[道具]デイパック、支給品一式、缶ジュース×17(学園都市製)@とある魔術の禁書目録、BB弾3袋、予備弾28弾、ママチャリ@現地調達 、メッセージ受信機
[思考・状況]
基本:生き残りを優先する。宗介、かなめ、テッサとの合流を目指す。
1:デパートで物資調達を行う予定……だったが、どうにもきな臭いな。
2:物資調達後、飛行場に戻り鮮花に銃を教える。
3:摩天楼で拾った三人、特に浅羽とティーの行動に注意を払う。
4:可愛い女の子か使える人間は仲間に引き入れ、その他の人間は殺して装備を奪う。
5:知り合いが全滅すれば優勝を目指すという選択肢もあり。
6:ステイルとその同行者に復讐する。
7:メリッサ・マオの仇も取る。
8:鮮花に罪悪感、どこか哀しい。
9:メッセージを待つ。それを隠し通す。
[備考]
※土御門から“とある魔術の禁書目録”の世界観、上条当麻、禁書目録、ステイル=マグヌスとその能力に関する情報を得ました。
※最初に送られてきたメッセージは「摩天楼へ行け」です。次回いつメッセージがくるかは不明です。
※百貨店1F入り口にホヴィー@キノの旅が停めてあります。
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前:とおきひ――(forgot me not) 次:不通の真実――(a silent call)
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| 前:街角にて ― Alternative ― | シズ | |
| 前:街角にて ― Alternative ― | 伊里野加奈 | 次:力の限りを振り絞って、泣いて叫んで伝えるから |
| 前:硫黄の炎に焼かれても | フリアグネ | 次:力の限りを振り絞って、泣いて叫んで伝えるから |
| 前:硫黄の炎に焼かれても | トラヴァス | 次:力の限りを振り絞って、泣いて叫んで伝えるから |
| 前:硫黄の炎に焼かれても | 両儀式 | 次:力の限りを振り絞って、泣いて叫んで伝えるから |
| 前:交差する意志/潜伏する意志 | 黒桐鮮花 | 次:Quinty |
| 前:交差する意志/潜伏する意志 | クルツ・ウェーバー | 次:力の限りを振り絞って、泣いて叫んで伝えるから |
| 前:交差する意志/潜伏する意志 | 白井黒子 | 次:Quinty |
| 前:交差する意志/潜伏する意志 | ティー | 次:力の限りを振り絞って、泣いて叫んで伝えるから |
| 前:交差する意志/潜伏する意志 | 浅羽直之 | 次:力の限りを振り絞って、泣いて叫んで伝えるから |