〈狐尾族〉

〈狐尾族〉(フォックステイル、こびぞく、きつねおぞく、通称「キツネ」)

◆ゲーム時代の設定

 狐尾族は、〈エルダー・テイル〉において狐の妖しさと人の賢しさを併せ持った種族である。豊かな毛並みの狐のような尻尾と頭部から上にのびた狐耳を持っているのが特徴。
 彼らは、〈狼牙族〉らと同じように亜人との戦いのために人工的に生み出された種族である。魔法能力の高さを求めて作り出され、その点においては成功したものの、副作用として本来得るはずの能力を失い、他の能力を得るという厄介な性質も発現してしまった。その不安定さは戦闘種族としては致命的であり、失敗作の烙印を押されるに至った。そのためか、いまだに社会的な地位は高くない傾向にある。
 ゲーム時代は、その容姿からプレイヤーからの人気が高く、クエストに華を添えるNPCとして起用されることも多かった。あまり戦いを好む種族ではないため、都市内のイベントで見かけることがほとんどで、情報提供者や交渉相手としてよく登場している。また「狐は化かす」というイメージからか、はたまた「他者の力を模倣する」という能力からか、相手をだます詐欺師としてや、事件の黒幕として登場することも少なくなかった。
 しかし、彼らは騙しはしても裏切りはしない傾向にある。他者を利用することには躊躇はしないが、同時に信頼というものの価値を知っているからだ。彼らは社会に虐げられたからこそ、個人でのつながりを大事にするのである。
 外見面では、頭部に生えた狐の耳と、腰部のふさふさした毛並みの大きめな尻尾が特徴である。尻尾や耳は幻尾と呼ばれ隠すこともでき、霊的な格の高さによって本数は変化する。尻尾の多さこそが彼らにとって、なにより実力をあらわすバロメーターなのである。
 体格は、〈ヒューマン〉とほとんど変わらず、身長は150~180cmくらい、体重は55~110kgくらいである。髪の毛は、黒や金色、茶褐色などのものが多く、肌の色は黄白色から白色である。瞳の色も黒や金色、茶色のものが多い。
 能力面では、魔力の制御が巧みで幻術などが得意な傾向にある。だがなんといっても一番の特徴は、能力の模倣、いわゆる特技の入れ替わりだろう。これは、本来取得するはずの能力を失う代わりに、他の職業や種族の能力を取得する、というものだ。何を失い何を覚えるのかは、意図的にコントロールできない。そのため、不安定な才能と評されることも多く、運に恵まれないと上手く生かすことができない。狐の耳と尾を持ち、千変万化の才能を秘めた気まぐれな種族。それが〈狐尾族〉である。
〈冒険者〉としては、前述の魔力制御の巧みさから、回復職と魔法攻撃職への適正が高いとされているが、武器攻撃職への適正も高い。


◆ヤマトの国での扱い

 ヤマト地方での〈狐尾族〉の立場は、決して良くはない。貴族の勢力が強い地域では、獣人と呼ばれて蔑まれていることもある。その理由は、いくつかあるが大きいのは「失敗作」と「信頼できない」ことの二つであろう。
〈狐尾族〉は、〈狼牙族〉などと同じく亜人との戦いのために生み出された種族だが、必要な能力を失う厄介な特性から戦闘種族としては失敗作とされてしまった。また、他者の力を盗みとるという視線を向けられ社会的地位は低い。もちろん彼らの特殊な力は盗むどころか努力や才能で身につけるものであり、彼らの正当な実力である。だが、他の種族にはなかなか理解してもらえないのが実情。
 このような立場のためか、国や街などの大規模な共同体を作ることは少なく、一族や家族単位で都市の片隅に住んだり、旅をして暮らすものが多い。また、他の種族が多い場所では、差別を避けるべく、耳と尻尾を隠して〈ヒューマン〉のふりをして暮らしている者も少なくない。
 職業に関しては、個人の才覚で行なえる職につく者が多い。特に宝石商や美術商といった美術品を扱うものや、人の機微を扱う探偵や交渉人、占い師といった職業で、狐尾族をよく見かけることができる。
 一方で、斎宮家を初めする貴族たちが抱えている密偵にも、〈狐尾族〉が多く雇われている。耳さえ隠せば〈ヒューマン〉とは見分けがつかないし、潜入のための魔法も得意であるからだ。口が達者なものや、機転が利くものも多く、組織に溶け込み情報を集めることなどお手の物なのである。
 もっとも、優秀すぎるのが災いし〈狐尾族〉というだけでスパイ扱いされるケースもあり、他種族からの不信感を根深くする一因にもなっている。
〈大災害〉以降、ウェストランデ地方では迫害されることが減り、尻尾を隠さないで暮らす〈狐尾族〉が増えてきたという。おそらく〈Plant Hwyaden〉のギルドマスターが〈狐尾族〉であるからであろう。
 また、アキバの街でも尻尾を隠さない者を見かけるようになったようだ。〈狐尾族〉への先入観がうすい〈冒険者〉は、彼らにとって付き合いやすいのかもしれない。

代表的な居留地



◆種族特技・特性

■〈変わり身の一尾〉

変幻の力を秘めた〈狐尾族〉の尾の加護により、他の種族や職業に「化けて」特技を使うことができる。

■〈狐の蠱惑〉

〈狐尾族〉の特性である高い精神力を磨き、蠱惑的なまでの内面的な魅力を持つ。

■〈狐の偽装虎衣(にせこい)〉

変化の力を応用し、本来なら装備できないはずの様々な装束をまとうことができる。「虎の威を借る狐」とも言うが、借り物であろうと自身と仲間を守る力には違いない。

■〈傾城傾国(けいせいけいこく)の九尾〉

魔性ともいえる魅力により、交渉を有利に進める特技。

■〈三尾の妖力〉

妖の力を秘めた〈狐尾族〉の尾の加護により、自分の魔法や技の真価を一時的に引き出すことができる。

■〈千変万化の七尾〉

尾に宿る変化の力を解放し、ランダムに様々な加護を得る特技。

■〈ファムファタル〉

人間に対する戦闘に長けている。人を化かし、運命を惑わすという狐の因子が、対象の特性を暴き翻弄する。

■〈放下功徳(ほうげくどく)の五尾〉

意識が尽きかけた苦境の中、残る力を味方の波長に変化させて譲り渡す特技。「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」。放下の覚悟が戦況を覆す。


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最終更新:2020年03月05日 21:15
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