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  • ろりしょたばとるろわいある@ うぃき
  • Muddy Blood

ろりしょたばとるろわいある@ うぃき

Muddy Blood

最終更新:2010年10月20日 18:01

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だれでも歓迎! 編集

Muddy Blood◆NaLUIfYx.g


「レンちゃん。あそこで泳いでいる2人助け出そうか?」

はやては結局北には行かずに、西の湖にいる子達を選んだ。
目の前で困っている子を助けないで誰を助ける?
どこかの偉人さんが言ったような台詞をはやては思い出し実行する。
そしてこの場にいるもう1人――レンに意見を求めた。
はやての意見に反対がなかったのか、レンは無表情のままこくりと小さく頷いた。
仲間からの賛成をもらったはやてはおっしゃと思い、どうやってあの人達を助けようかと再び視線を湖へと戻すと、

「あれ……誰もおらへん……?」

そこには先程の人影などなく、太陽の光を反射させてキラキラと輝く湖へと変わっていた。
穏やかな風が小さな波を立たせ、あまりの変化ぶりにひょっとしてさっきの幻覚? とはやては思わされる。
が、その小さな波に反乱するかのように、とある地点の水面は揺れていた。
そこははやてとレンが人を見つけた地点、これらの条件の下、はやては何が起きたのか大体理解した。

(ひょっとして溺れてしもうたんやないか……?)

それはどう考えても最悪な展開。
水面に浮いていたのなら、呼び込んで接触できたのかもしれない。しかし、水中にいる人に話しかけられる術はない。
飛び込んで助けようにも、下半身が動かない自分が2人を助けられるはずがなく、むしろ水死体がもう1人増えてしまう。
となると、

「レンちゃん泳げたりする?」
「?」

はやての質問にレンは首を傾げた。
わかっている事であったが、ほんの少し期待していた部分が裏切られ、若干落ち込んだ。

(いや仮に泳げても助けられるわけないやろ……)

溺れている2人を助けるなんてどこのレスキュー隊員や? って心の内で突っ込むはやて。
そんな事をしている間にも刻々と時間は過ぎていく。
北の騒音は少しずつだが確実に小さくなっていった。
今更駆け込んだとしてももう遅いだろう。
――結局どっちも助けられない。
その言葉が、はやての頭をトンカチとかで叩くような衝撃を走らされた。
それは自分のせい、自分の下半身が不自由でなければ……
そう考えると出したくもないため息が深く吐き出される。
そんなはやてにちょんちょんとレンが突っついた。
落ち込みから立ち直っていない顔で「なんや?」と聞くとレンが湖の方を指差している。
言われるがままにそちらの方に向くとそこには――1人の少女がいた。
なぜ1人? とか、どうやって助かった? とか、聞く前に自然と呼びかけの言葉が出ていた。

「お~~い! 大丈夫かぁ~~!?」

 *  *  *


最初声が聞こえた時、イリヤは自分の事を指しているのだとは気がつかないし、耳にも入らなかった。
それだけ精神に余裕がない証拠でもあった。
これからも恐怖してしまうだろう、これからも生と死の狭間で生きていかなければならない。
再度自分が他人を殺さなければならないと決心するのに時間がかかってしまった。
パンパンとイリヤは自分の頬を叩く。
この状況下で迷いが生じるのは敗北の証――そう自分に言い聞かせた。

(今更迷っては――)
「お~~い! 大丈夫かぁ~~?」

と、声が聞こえた。
無意識のままに視線を声が聞こえる方に向かれる。
そこには車椅子に座ってる女の子と可愛らしいドレスを着た少女が立っていた。

(さて……どうしようかしらね)

イリヤは悩む。
ただし、それは『どうやって殺そうか』という悩み。
1人は足が不自由、1人は見た目そう強くない感じ、殺すには格好の敵だ。しかし油断してはならない。
先程のようなミスはしてはならない。
向こうはイリヤに対して警戒心が薄い。
色々感ずかれる前に一気に殺すべきだとイリヤは思った。
先の戦闘での疲労感や消費した魔力は大きい。しかし、そのような問題は意味を成さない。
ここで一撃で葬れば問題ない。そしてそのまま2人殺せばご褒美を貰える、そこまで考えてイリヤはようやく返事を返した。

「大丈夫だよー」

笑って手を振り、敵意がある事を悟られないようにする。
そして静かにS2Uに入ってる魔法を唱え始めた。

「えぇと……とりあえずどないしよ……」

湖とはやて達のいる橋の高さは結構ある。
ここには救命道具となるロープや、浮輪などといった物は一切ない。
故にはやてはどうやって助けようか悩んだ。
ちんたらしていたらまた先程のようにおぼれてしまうに違いない。
はやてはキョロキョロと周りを見始め困りだした。しかし、当の本人イリヤはそんな不安など全く気にせずに、

「大丈夫、そっちに行くね」
(後は精製が終わるのを待つだけ……)

イリヤは魔法の詠唱を終えていた。
が、その性質と量、尚且つ敵にバレない位置に配置する為にはどうしても時間がかかる。
時間稼ぎの為にもまずは接触しなければ話にならない。
イリヤはS2Uを高々に掲げた。その先端には魔法の精製中の為、魔法陣が張られてある。
途端、彼女の体は羽根のように軽くなり、翼もなく宙に浮かんだ。
そしてそのままゆっくりと飛翔、はやてとレンのいる橋の上へと辿り着いた――体操服とブルマの格好で。
それはイリヤのバリアジャケットの機能によるものであり、イリヤ自身が発動できる魔法ではなかった。
だが、そしたらS2Uの魔法陣が一体何の物なのか疑われてしまう。そうならない為にもあたかもS2Uが発動しかけたかのように見せたのであった。

そしてこの際服装など気にしてはダメだ。これでも立派な防御手段なのだから、

「ね?」

と、呆然とイリヤの方を見ている2人に言う。いやレンはただ無表情のままなだけなのだが……
はやての方はイリヤが空を飛んだ事にはそう驚かなかった。

(あれは……確かなのは達と同じ魔法陣……)

自分の知り合いであるなのはやフェイトが魔法を発動するさいの陣と全く変わらなかった。
つまりあの杖はデバイスということになる。形は見たことがないが、十中八九そうであろう。
しかし、あれは魔力のある者ではないと使用できない。つまり彼女は……

「じ、自分魔法を使えるん?」

はやての質問にイリヤは人差し指を口に当てて返答にやや困った。

「ん~……魔法じゃなくて魔術は使えるよ。それにわたしの名前はイリヤスフォール・フォン・アインツベルン。じぶんじゃないよ」

語尾を少しだけ強調する。外見には出さないが内面少し怒ってるかのように感じた。
はやてはあわてて自分の目の前で手を左右に振り、謝りの言葉を述べる。

「あぁ……ごめん、ごめん。イリヤちゃん、でええかな? 私は八神はやて、んでもってこの子がレンちゃんや」

簡潔にはやては自分とその仲間の名前を教えた。その瞬間、イリヤは直感で感じる。
自分の放つ魔法の準備が出来た、と。
後はその魔法を口に出すだけ。自然と口元が柔らかくなり、笑みへと変わる。
一方のはやても「何でずっと飛んでるん?」とそう聞こうとしたその時、

「うん、名前教えてくれてありがと、やっちゃって!!」
『Stinger Blade Execution Shift』

主の命に応えて、魔法を発動するS2U。
その魔法の名前は聞いた事がない。しかしそれがどのような魔法かはわかる。
イリヤは明らかな殺意を込めて叫んだ。そんな魔法が攻撃以外であるはずがない。
先手を取られてしまった事と、油断してしまった事に後悔しながらも、はやてとレンは自然に身構える。
が、その魔法陣からは要となる魔法が発動されない。不発と一瞬思ったはやては頭上の様子が変である事に気づく。
上から……音がする。
それも一つじゃない、複数だ。
はやてはカードを一枚取り出しながらも上を見上げる。
そこには無数の刃が、はやて達を突き刺そうと勢い付けて襲いかかってきた。
迷う暇はない。あれを回避するなど不可能、防御するしか選択肢はない。

「パンツァーヒンダネス!」

カードに予め入ってる魔力を媒介に魔法を組み立てる。
はやてとレンを無数の刃から守らんと盾が立ち塞がった。

S2Uの保持者――クロノが使った時は盾の守護獣ザフィーラによって守られた。
それは彼自身が盾の守護獣と名乗るように強固な盾を持っていたからだ。
では今回はどうだ? 今回使われたのは『パンツァーヒンダネス』。
これ自身も防御に徹すればそれなりの強固となる盾である。が、イリヤが唱えた数は魔力や時間の都合上でも100弱。
拮抗したのはほんの数秒であった。
はやてが展開した盾はひびが入るのと同時に分解され、防ぎきれなかった刃が2人を襲いかかる。
もはや主を守る手段などない。はやては死の恐怖から避けようと目を瞑った。

ほんの数秒、それだけでも何かは出来る。
例えば誰かを守る事も……
ドン、と胸辺りを押された。
その力は弱く、はやてと車椅子を数mだけ後退させただけ――がそれで十分。
誰が押したかなんて見なくてもわかる。しかし、理由がわからない為、再び目を開ける。
一瞬であったが太陽の光が懐かしく思えた。
そして目の前にはレンが……その瞬間砂埃と刃がレンの姿をかき消した。

「レン……ちゃん……?」

はやての口が震える、いや全身が震え出してきた。
誰かに四肢が掴まれているかのように動けない。
それは誰にだってわかる……レンが身代わりとなったのだ。
何か言葉にしようと喉から必死に吐き出そうとするが、

「あ……あ……」

と単一な単語しか作れない。
助けたくても肝心の手が動かない。頭で何度も命令しても体はそれに背く。
刃は一瞬でレンを襲い掛かり、砂埃は時間が経つにつれて薄れていった。

(嫌い……そんなの嫌やわ……)

見たくなかった。しかし、目の前には自分達を狙っている敵がまだいる。
その敵をなんとかしなければ……そう思ってぎこちない動きでカードを取ろうとした時であった。
それは綺麗な放物線を描き、はやての膝にぽつんと置かれた。
さっき使った物、今使おうとした物――カードであった。

「レン! ……ちゃん……」

そしてはやての隣にはいつも通りレンがちょこんと立っていた。
最初は生きていた事による喜びと安堵感が混ざったが、その姿を見て苦痛と不安が混ざった口調へと変わった。
ある程度レン自身で防いだのかはわからないが、刃によって負われた全身の切り傷が痛々しく見えた。
その傷はいつ死んでもおかしくない数である。
口からも足からも手からも血がすーっと流れ、よく見ると足がふらついている。
立っているのがやっとではないかと思わせる程弱々しい。

「逃げてって……そんなレンちゃんに任せられへんよ!」

レンの念話を受け取って、反論をはやては述べた。
こうしてる間にも敵が襲ってくるかもしれない。だからこんな事で話続ける暇などなかった。
いや、そもそもはやてはレンの事を見捨てるわけがない。自分を助けた上さらに逃がしてくれるなんて、そんな事はやてが許すわけなかった。
しかし、

「このままじゃ2人とも死ぬっ……て、だからって!」

レンの言い分はもっともであり、はやてにはわかっていた。
敵の魔法は強大だ。対するこちらはカードを全て攻撃に回しても5発。
さらに仲間1人は重傷、このまま放っといていたら確実に死ぬであろう。回復の魔法を発動する暇はない。
ならば確実に生き残る為ならば……
1人がここを死守して仲間を逃がせばよい。
それが当然の考え、誰一人責められる内容でもない。

「そんなの嫌やわ!」

自分の思考を消し去ろうと頭を左右にふる。
それでもわからないではないか! 5発の内になんとか決めれば……
はやては解決策を頭に浮かべようとするが、
その5発の内にレンも助けながらやれるのか? その後レンの傷をどうやって治す?
考えれば考える程別の誰かが反論を唱える。はやてはもう手詰まりであった。
どうしようもない事を認めさせられ、はやての目からは涙が毀れた。
はやて自身もわかってる、それが仕方ない事であると。しかし認めない。認めたくなかった。
先の少年での戦闘も助けてくれて、今も重傷を負ってまで自分を助けてくれた。
同情もしてくれた。支給品だってわけてくれた。
念話で会話もできた。もっともっとお話をしたい。
無表情ではあるが、内面は優しい女の子なんだ。
そんな子を、そんな大切な子をはやては捨てる気など絶対にしたくない行為。
我侭と言われてもいい。だって、恩返し1つもしてないではないか!
顔を伏せる。見られたくないからだ、涙を零す姿を。

「行って、お願い……」
「そんなむ……え……?」

予想外の出来事に目を見開いた。
確かに聞こえた。頭ではなく、耳で。
聞きまちがいだったのかと思わずレンの方を向いた。
――笑ってた。
いや、それは本当にちょっとだけ口が緩んだだけ。
むしろ微笑んだというのが正しい表現であった。しかし、はやてはそれが笑っていたという以外説明できなかった。
その瞳は優しかった。
心の底から悪という気持ちが流れさってしまうような感じ。自分の犯した罪を赦してくれるような感じ。
はやては確信した。レンははっきしと声に出したのだと。そして気づく。自分はそこまで大事にされているのだと。
今は勝てない、けど今度出会った時勝てばいい。その時弔ってくれ、とそう訴えてくれた感じもした。
とにかくその言葉、初めて口に出したその言葉ではやては決心した。レンの気持ちを無駄にしない為、自分がレンの分も生きていく為にも……
それは聞き間違いだったのかもしれない。幻聴だったのかもしれない。しかし、はやてはそんな考えなど浮かばなかった。
はやては小さく「ごめんな……」と呟くと車椅子を動かし始めた。
そしてその膝の上に今度は自分のランドセルを乗っけた。

 *  *  *


イリヤはただ黙って2人の様子を見ていた。
いや、ただ見ていたわけではない。ちょっとした保険をかけていたから必然的にそうなってしまっただけである。
だから砂埃がかき消されて、車椅子の子が無傷であったのは少し驚きを隠せなかった。しかし、少しだけ。
イリヤは冷静に対処する。油断してはならない。先程も車椅子の子は魔術を使った。
ゆえに何か話してる間、イリヤは2人にばれないように準備に取り掛かった。
この間に攻撃をしてもよかった。しかし、向こうにあの防御魔術がある限り、こちらの攻撃は通らないだろう。
ならば先の魔術は? いや先程の魔術はもう放てない。あれは魔力消費が高すぎた。そちらよりもより確実な方をイリヤは選んだ。
と、車椅子の子が去っていく。好都合――と言うべきなのだろうかともかく魔術を使える子は離れた。
目の前に残ったのは重傷の子、この子をさっさと殺して車椅子の子を狙おうかとイリヤは判断する。

「へぇ……あの子を逃がすんだ?」
イリヤの質問にこくりとレンは頷く。
「あなたもう死んじゃうよね?」
また頷く。
「わたしに勝てると思ってるの?」
再三頷く。
「じゃあやってみてよ。S2U!」
『Blaze Cannon』

イリヤは黒杖をレンの方に向け、魔法陣を発動させる。直後熱量と魔力が篭った魔法弾を発射させた。
威力、発射速度共に高レベルの砲撃魔法。
相手は避ける事なくただ立ち止まっている。
そしてそれはレンの目前へと迫り、炸裂した。
イリヤの視線から見ると、それはレンへと直撃した以外説明できない。
煙がむんむんとレンの姿を消す。
イリヤは勝利の確信を得たのか、笑みを込めて喜ぶ。が、それも束の間。
その煙をかき消すぐらいのスピードを持った何かが、レンの方から発射された。
驚き、慌てて防御魔術を唱えようとしたが、遅い。

「げふっ……」

予想外の展開、予想外の攻撃。
なんなのかはわからないが、何かがイリヤの腹部を直撃した。
出したくもない音を吐き出し、橋の上を転げ回るイリヤ。
止まったや否や、胃をやられたのか血が混じっている胃液を吐き出す。
対するレンの方は無傷、いや切り傷を除けば、であるが。
そう、レンはネコアルクを瞬時に召還させたのだ。
これがスティンガーレイのような複数発放つ魔法だったら変わっていたのかもしれない。
とにかく1体で防御し、1体で飛び道具としての攻撃。
予想外に効いたのか、イリヤはなかなか立ち上がれない。
レンはトドメを刺そうと先の『スティンガーブレイド・エクスキューションシフト』で一部破壊された橋を飛び越えて、距離を縮めようとした。
しかし、

「!?」

レンの動きが止まった。
下には魔法陣が発動、そして両腕両足には魔力の鎖がレンを拘束した。
レンは必死に振り払おうと身体を動かすが、魔力の鎖はびくともしない。
――完全に捕まってしまったのだ。
レンがはやてを逃がしている間にイリヤが攻撃をしなかった準備とはこれであった。
それはS2Uに入ってある捕縛魔法の1つ『ディレイドバインド』
これは特定空間に進入した敵を捕縛する魔法。
但し弱点もある。それは詠唱の長さと特定空間のみの作動により敵に避けられやすいという2点だ。
だが、その2点もレンがはやてを逃がす時間と、レンが勝利を確信しての油断により消え去る。
イリヤは勝利を確信した。故にレンの攻撃を直撃で食らった。
レンは勝利を確信した。故にイリヤの罠へと嵌った。
ふらふらと立ち上がり、腹部を抑え、咳き込むイリヤ。

「2人いたから2つ、だから2倍の威力だよ。逃げられる術なんてないから」

イリヤが冷たい言葉を放つ。
この状況下で逆転できる術などあるはずがない。しかし、それでもイリヤは焦っていた。
外面に出さないように必死に抑えている。なぜなら、
――レンの瞳は未だに諦めている様子などなかった。
見栄を張っているだけなのかもしれない。そう思いたくても先の戦闘での経験が物を言う。
ふらつきながらも近づき、残り距離は後数m。
本来ならばもう少し近づく。が、これ以上近づいたら自分も死んでしまうのではないか? と全身が警戒してくる。
故に立ち止まる。故に一気に決める。そう思ってイリヤはS2Uをレンの方に向ける。

「終わらせて」
『Blaze Cannon』

しかし、イリヤは気がつかなかった。
イリヤが完璧に射殺す間合いは、レンがイリヤを狙える間合いである事を……
S2Uの先端に魔法陣が現れ、炎を伴う魔力弾が再度レンを狙う。
レンにはもう防ぐ術はない。ここで捕縛された以上勝てる要素はない。そう、勝てる要素は……
ならば相打ちにもってくだけだ。
それは現れた。彼女の胸辺りから。
無数の氷の刃が彼女の周りを見境なく空気もろとも切り刻んだ。

 *  *  *


「レン……ちゃん……?」

場は静寂としていた。
その場にいるのは2人、はやてとレンであった。
俯けに倒れてるレンをはやては呼びかけた。
結局の所、はやては戻ってきたのであった。
イリヤの魔力弾が猫アルクに炸裂した音を聞いた瞬間、車椅子の動きを止めた。
彼女に言われた通りこのまま逃げ去るのか、それともやはり後先考えず戻った方がよいのか、2つの意見が対立する。
そして……はやてが決断に至ったのは新しく聞こえた音。
彼女は戻る事にした。
やっぱり見捨てる事なんて出来るわけがない。
それに考えたくもないがレンがもし死んでしまったら自分を襲って来るに違いない。
ならばせめて追われる立場ではなく、戦う立場になろう、そう思っての行動であった。
そして今に至る。

はやてはピクリとも動かぬレンの下へと近寄る。が、目の前には近寄れない。
穴が、はやての行き先を邪魔だてていた。
カードを使って飛翔魔法を唱えれば、穴を飛び越え近寄れる。しかし、そんな思考も今のはやてには浮かばなかった。

「レンちゃん……?」

もう一度呟く。しかし誰1人として返事する者はいない。
火によって殺されたのか煙が体中から沸きあがっていた。
はやては自分の頬を抓る――これは悪い夢だと信じて。

(痛っ……)

しかし現実はそれを阻止する。
痛みを持たせ、夢ではない事を知らせる。
それが引き金となったのか、涙は大粒の物へと変わっていった。

わかっていた。あそこで別れて無事であるわけがないと。
それでも期待していた。レンちゃんが勝ってくれるに違いないと。
だから私が迎えに行く為に戻るんや。そんでそこで感動の再会、悪くないやろ?
そしたら都合よく治療魔法を唱える人が現れてな、レンちゃんも助かってめでたしめでたし
……それじゃダメなんか? そうなってもいいんじゃないか?
なぁ…………そうしてな…………

ありもしない事を考え、現実からはやては目を背ける。
それだけ辛かった。それだけ悲しかった。それだけ逃げたかった。

…………この足が普通やったら、
足手まといにならなかったのかもしれない。
一緒に戦えたのかもしれない。
向こうに渡ってせめてお墓を作ってあげる事が出来るかもしれない。

不意に、思いが変わった。
どうしてこんな事になってしまったのかと。
これはずっと前から思っていた。ゆえにこれがどうしようもない事であるとわかっていた。しかし、

『……4人殺すごとに『ご褒美』をあげよう。
 追加の支給品や知りたい情報、怪我の治療の3種類の内から1つだ。目標が近くに見えた方が幼子達も気合が入るだろう』

不意にあのジェダって人の言葉が浮かんだ。
それこそ無意識の内に勝手に浮かび上がったのだが……
その中の『怪我の治療』という単語が出たとき、はやては身体が止まった。
怪我の治療……それはこの下半身にも言えるんじゃないだろうか?

(そないすればレンちゃんみたいな犠牲者はもう出なくなる……)

ハッと気づくと、なんて馬鹿らしい事を考えたのかとはやては自分の事を叩く。
その為には人を3人も殺さなければならない。
そんな事できるわけないし、そんな事レンが望むわけない。
しかし、その思いははやての悩みの種として植え付けられる事になった。


【F-5/南部/1日目/午前】
【八神はやて@魔法少女リリカルなのは】
[状態]:腹部に浅い切り傷、魔力消費(小)、殺害への僅かな悩み、精神的にショック、深い悲しみ
[装備]:メイド服(防弾仕様・腹部に裂け目)、車椅子、カード×5@魔法少女リリカルなのは
[道具]:支給品一式(はやてとレン)、自分の服、首領パッチソード@ボボボーボ・ボーボボ、ヘルメスドライブ@武装錬金(使用可能まであと二時間)
[思考・状況]
1:泣く。
2:これからどうするべきなのか決める。
3:レンの仇をとる。
4:脱出手段を練る。
5:何かあったらカードを使用
※闇の書事件の数週間後ほど後から参戦。リインフォースⅡは未完成な時期。
※首領パッチソードの説明は読んでいません。馬鹿らしくなったので。

 *  *  *


「ハァ……ハァ…………ハァ…………」

呼吸が苦しい。身体がだるい。
ここは頭上に橋が建っている川辺。
誰かが意識的に来ない限りまず見つかりはしないであろう場所。
イリヤはそこで弱々しく倒れこんでいた。
レンが最後に放った攻撃はイリヤのバリアジャケットを貫通し、肩や足や手といった箇所を切り刻んだ。
しかし不幸中の幸いだったのか、距離が少し離れていたのか、どれも致命傷となる傷にはならなかった。
そして倒れかけようとしたその体をなんとか踏ん張り、レンの状態を確認しないまま飛び去って逃げたのである。

(シロウって……いっつもこんなに無茶していたのかしら?)

などと苦笑がこぼれる。
彼女に回復の手段はない。ゆえに自然回復して待つしか方法がなかった。
その点本当にイリヤは助かった。
レンとの距離がもう少し縮んでいたのなら今頃出血多量で死んでいたに違いない。
バリヤジャケットは解かれて、元の服装へと戻っていた。
そのスカートの切れ端を使ってとりあえず傷を負っている部分の簡単な止血は施した。
後はもう体の体調がよくなるのを待つだけ。
疲労感と魔力の回復も込めて、イリヤは眠りにへと入った。



【F-6/川辺/1日目/午前】
【イリヤスフィール・フォン・アインツベルン@Fate/stay night】
[状態]:魔力残量僅か、疲労大、全身に切り傷(応急手当済み、命に別状はない)、睡眠中
[装備]:S2U@魔法少女リリカルなのは、凛のペンダント@Fate/stay night
[道具]:支給品一式
[思考・状況]……。
基本:優勝して、自分の寿命を延ばす。
※セイバールートの半年後から参戦。

【レン@Melty Blood 死亡】
【ネコアルク3@Melty Blood 死亡】
【ネコアルク4@Melty Blood 強制送還】

【橋が一部壊されました(大体1M弱の穴)。なお崩れる心配はありません】

はやての状態表

【F-6/中央部/1日目/午前】
【八神はやて@魔法少女リリカルなのは】
[状態]:腹部に浅い切り傷、魔力消費(小)、殺害への僅かな悩み、精神的にショック、深い悲しみ
[装備]:メイド服(防弾仕様・腹部に裂け目)、車椅子、カード×5@魔法少女リリカルなのは
[道具]:支給品一式(はやてとレン)、自分の服、首領パッチソード@ボボボーボ・ボーボボ、ヘルメスドライブ@武装錬金(使用可能まであと二時間)
[思考・状況]
1:泣く。
2:これからどうするべきなのか決める。
3:レンの仇をとる。
4:脱出手段を練る。
5:何かあったらカードを使用
※闇の書事件の数週間後ほど後から参戦。リインフォースⅡは未完成な時期。
※首領パッチソードの説明は読んでいません。馬鹿らしくなったので。

≪106:遊ぼ♪ 時系列順に読む 065:涙>ツッコミ≧ボケ≫
≪110:CAN TAKE YOUR EYES OFF YOU 投下順に読む 112:でにをは、そして正しすぎる拳(前編)≫
≪066:臆病者の誓い―第7番― イリヤの登場SSを読む 129:『』shift≫
≪071:選ぶのは一つだけ 八神はやての登場SSを読む 114-1:はやてのごとく!~at the doll's theater~(前編)≫
レンの登場SSを読む GAME OVER

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