Fighting orchestra/戦奏(3) ◆JZARTt62K2
「この、叫び声は……!?」
薫との戦闘の最中、プレセアは何者かの悲鳴を聞いた。
魂から絞り出したかのような叫び声は長く尾を引いた後、力尽きたように薄れていく。
誰かが、戦いに敗北したのだろう。
(一体、誰が……!)
プレセアは焦った。もしかしたら、今の悲鳴が仲間のものかもしれないからだ。
なにせ、ジーニアス達は2対4の戦いを強いられている。苦戦しないわけがない。
(これは、かなり厳しいですね……)
決していいとは言えない戦況に、プレセアは危機感を募らせた。
そもそも、こんな泥仕合になるはずではなかったのだ。
本来ならプレセアがすぐに薫を倒し、ジーニアス達に合流する予定だった。
だが、甘かった。
プレセアは、薫の実力を完全に読み違えていた。
薫との戦闘の最中、プレセアは何者かの悲鳴を聞いた。
魂から絞り出したかのような叫び声は長く尾を引いた後、力尽きたように薄れていく。
誰かが、戦いに敗北したのだろう。
(一体、誰が……!)
プレセアは焦った。もしかしたら、今の悲鳴が仲間のものかもしれないからだ。
なにせ、ジーニアス達は2対4の戦いを強いられている。苦戦しないわけがない。
(これは、かなり厳しいですね……)
決していいとは言えない戦況に、プレセアは危機感を募らせた。
そもそも、こんな泥仕合になるはずではなかったのだ。
本来ならプレセアがすぐに薫を倒し、ジーニアス達に合流する予定だった。
だが、甘かった。
プレセアは、薫の実力を完全に読み違えていた。
「余所見してる暇はねーぞぉっ!」
薫が念動力のハンマーを作り、滅多矢鱈に振り回してくる。
プレセアは攻撃を避け、時には防ぎ、そして反撃した。
鉄の戦槌が薫を打ち据えようと唸りを上げる。
しかし、攻撃は届かない。鉄槌が敵に触れる直前で、ガチン、と音を立てて見えない壁にぶつかってしまう。
薫の張るバリアに当たったのだ。
念動力の壁は破れないほど強固なものではなかったが、どうしても威力と速度は殺がれる。
グラーフアイゼンがバリアを打ち破っている間に、薫は後ろに逃げてしまった。
結果として、全くダメージを与えられない。こんなことが何度も繰り返されていた。
(予想外に厄介な相手ですね)
明石薫のスペックは圧倒的だった。
攻撃では威力が高い衝撃波を連発し、防御においてはいつでも展開可能なバリアがある。
更に空も飛べ、障害物を持ち上げることまでしてくる。
強い。プレセアは、素直にそう思った。
それでも、ここでこれ以上時間を取られるわけにはいかない。
さっきの悲鳴がジーニアス達のものだったら、もはや一刻の猶予もないのだから。
(後先考えている余裕はありません)
プレセアは、グラーフアイゼンを両腕でしっかりと握り締める。
今までは怪我をしている右肩に気を使っていたが、そんなことを気にしていられる状況ではない。
薫が念動力のハンマーを作り、滅多矢鱈に振り回してくる。
プレセアは攻撃を避け、時には防ぎ、そして反撃した。
鉄の戦槌が薫を打ち据えようと唸りを上げる。
しかし、攻撃は届かない。鉄槌が敵に触れる直前で、ガチン、と音を立てて見えない壁にぶつかってしまう。
薫の張るバリアに当たったのだ。
念動力の壁は破れないほど強固なものではなかったが、どうしても威力と速度は殺がれる。
グラーフアイゼンがバリアを打ち破っている間に、薫は後ろに逃げてしまった。
結果として、全くダメージを与えられない。こんなことが何度も繰り返されていた。
(予想外に厄介な相手ですね)
明石薫のスペックは圧倒的だった。
攻撃では威力が高い衝撃波を連発し、防御においてはいつでも展開可能なバリアがある。
更に空も飛べ、障害物を持ち上げることまでしてくる。
強い。プレセアは、素直にそう思った。
それでも、ここでこれ以上時間を取られるわけにはいかない。
さっきの悲鳴がジーニアス達のものだったら、もはや一刻の猶予もないのだから。
(後先考えている余裕はありません)
プレセアは、グラーフアイゼンを両腕でしっかりと握り締める。
今までは怪我をしている右肩に気を使っていたが、そんなことを気にしていられる状況ではない。
武器を持ち直したプレセアが前を見ると、無数の石ころが宙に浮いていた。
薫による物体操作である。
念動力によって浮いた石々が、羽虫のように空中で蠢いている。
警戒を強めるプレセアは、ふと、石の軍隊を挟んで苦しそうな顔の薫を見た。
「ハァッ……ゼェッ……」
好き勝手に暴れていた薫も、流石に体力が尽きてきたようだ。
それはつまり、薫も賭けに出たということ。
「……これで、決着しそうですね」
「ああ……。あたしの勝ちでなぁっ!」
薫の敵意を全身で受け止めながら、プレセアはハンマーを持つ腕に規格外の力を篭めた。
EXスキルのひとつ、――マイトチャージ。
プレセアが力を込めている間にも、撃ち出されるのを待つだけの石群は次々と増えてゆく。
幾多もの石の弾丸がプレセアに狙いをつけ、女王の命令を待ち焦がれた。
石を従えた女王と、鉄を携えた戦士が対峙する。長かった戦いにも、遂に終焉が迫る。
始まりの合図は、薫の号令。
「行けぇ石どもっ! サイキック・ショットガン!」
薫の命令によって無数の石が銃弾となり、プレセアに向けて突撃する。
津波のように打ち寄せる、数多の石弾。
「――はあぁっ!」
プレセアは、その銃弾の雨に突っ込んだ。
石礫がプレセアの腕を、腹を、脚を、貫き撃ち抜き食い破る。
それでもプレセアは止まらない。
グラーフアイゼンで頭だけを防御し、顔面から飛び込むような形で石の雨を突き抜けた。
プレセアがとったのは力づくの作戦。本当に何の芸もないただの突進。
石の槍衾を突破したとき、プレセアの身体はボロボロになっていた。
肉は削れ、血は噴出し、無事な場所などひとつもない。
だが、生きている。
「マジ……かよ!?」
プレセアが顔を上げると、驚きの表情を形作っている薫の顔が間近にあった。
『肉を切らせて骨を断つ』を地でいく無茶苦茶な攻撃は、確かに成功したのだ。
「……終わりです」
プレセアは呟くと、グラーフアイゼンを振り被った。
「ちぃっ」
振り被られた鉄槌を見た薫が慌てて見えない壁を張る。
それに構わず、プレセアはグラーフアイゼンを振り下ろした。――地面へと。
「は?」
呆けた声を出す薫の足元で、土が抉れて飛び散った。
空振り。
薫の代わりに地面を穿ってしまったプレセアは――しかし、鉄槌を振り上げなかった。
グラーフアイゼンは地面に突き刺さったままである。
これは“空振りではあっても失敗ではないのだから”。
「――塵と化しなさい!」
瞬間、地面が爆ぜた。
グラーフアイゼンが突き刺さった場所を中点として大爆発が巻き起こる。
薫による物体操作である。
念動力によって浮いた石々が、羽虫のように空中で蠢いている。
警戒を強めるプレセアは、ふと、石の軍隊を挟んで苦しそうな顔の薫を見た。
「ハァッ……ゼェッ……」
好き勝手に暴れていた薫も、流石に体力が尽きてきたようだ。
それはつまり、薫も賭けに出たということ。
「……これで、決着しそうですね」
「ああ……。あたしの勝ちでなぁっ!」
薫の敵意を全身で受け止めながら、プレセアはハンマーを持つ腕に規格外の力を篭めた。
EXスキルのひとつ、――マイトチャージ。
プレセアが力を込めている間にも、撃ち出されるのを待つだけの石群は次々と増えてゆく。
幾多もの石の弾丸がプレセアに狙いをつけ、女王の命令を待ち焦がれた。
石を従えた女王と、鉄を携えた戦士が対峙する。長かった戦いにも、遂に終焉が迫る。
始まりの合図は、薫の号令。
「行けぇ石どもっ! サイキック・ショットガン!」
薫の命令によって無数の石が銃弾となり、プレセアに向けて突撃する。
津波のように打ち寄せる、数多の石弾。
「――はあぁっ!」
プレセアは、その銃弾の雨に突っ込んだ。
石礫がプレセアの腕を、腹を、脚を、貫き撃ち抜き食い破る。
それでもプレセアは止まらない。
グラーフアイゼンで頭だけを防御し、顔面から飛び込むような形で石の雨を突き抜けた。
プレセアがとったのは力づくの作戦。本当に何の芸もないただの突進。
石の槍衾を突破したとき、プレセアの身体はボロボロになっていた。
肉は削れ、血は噴出し、無事な場所などひとつもない。
だが、生きている。
「マジ……かよ!?」
プレセアが顔を上げると、驚きの表情を形作っている薫の顔が間近にあった。
『肉を切らせて骨を断つ』を地でいく無茶苦茶な攻撃は、確かに成功したのだ。
「……終わりです」
プレセアは呟くと、グラーフアイゼンを振り被った。
「ちぃっ」
振り被られた鉄槌を見た薫が慌てて見えない壁を張る。
それに構わず、プレセアはグラーフアイゼンを振り下ろした。――地面へと。
「は?」
呆けた声を出す薫の足元で、土が抉れて飛び散った。
空振り。
薫の代わりに地面を穿ってしまったプレセアは――しかし、鉄槌を振り上げなかった。
グラーフアイゼンは地面に突き刺さったままである。
これは“空振りではあっても失敗ではないのだから”。
「――塵と化しなさい!」
瞬間、地面が爆ぜた。
グラーフアイゼンが突き刺さった場所を中点として大爆発が巻き起こる。
「奥義、烈破焔焦撃!」
爆炎は地面を焼き、空気を焙り、そして明石薫を吹き飛ばした。
念動力のバリアも、真下からの爆発に対しては無力である。
吹っ飛ばされた薫は空高く放り投げられると、茂みの奥へと堕ちてゆく。
悲鳴すら上げることなく、バベルの誇るレベル7の超能力者、ザ・チルドレンはプレセアの視界から消え失せた。
「敵、殲滅完了――」
後に残ったのは傷を負った少女と、焼け焦げた巨大なクレーターのみ。
念動力のバリアも、真下からの爆発に対しては無力である。
吹っ飛ばされた薫は空高く放り投げられると、茂みの奥へと堕ちてゆく。
悲鳴すら上げることなく、バベルの誇るレベル7の超能力者、ザ・チルドレンはプレセアの視界から消え失せた。
「敵、殲滅完了――」
後に残ったのは傷を負った少女と、焼け焦げた巨大なクレーターのみ。
長く続いた二人の戦いは、ここに終結した。
しかし、全ての戦いが終わったわけではない。
「早く、行かないと……」
プレセアは、勝利の余韻に浸ることもなく駆け出した。
ジーニアス達の下に向かい、援護するためだ。
けれども、体調は万全とは程遠い。
石礫を喰らった手足は傷だらけで、右肩の傷は殆ど開いてしまっている。
出血もひどく、焼け付くような痛みが身体全体を軋ませる。
プレセアは顔をしかめながらも、脚を動かすことを止めない。
激痛を抱えながら、うつろな魂は走り去った。
しかし、全ての戦いが終わったわけではない。
「早く、行かないと……」
プレセアは、勝利の余韻に浸ることもなく駆け出した。
ジーニアス達の下に向かい、援護するためだ。
けれども、体調は万全とは程遠い。
石礫を喰らった手足は傷だらけで、右肩の傷は殆ど開いてしまっている。
出血もひどく、焼け付くような痛みが身体全体を軋ませる。
プレセアは顔をしかめながらも、脚を動かすことを止めない。
激痛を抱えながら、うつろな魂は走り去った。
――そして、静寂が訪れる。
プレセアが去った後、森は急激に静かになった。
二人の戦いによって、獣や鳥や虫といった森の生物が完全にいなくなってしまったためだ。
もはや、この周辺の森に生きているものは一つもない――。
否。
まだ、息をしているものがあった。
プレセアが去った後、森は急激に静かになった。
二人の戦いによって、獣や鳥や虫といった森の生物が完全にいなくなってしまったためだ。
もはや、この周辺の森に生きているものは一つもない――。
否。
まだ、息をしているものがあった。
「うー…………」
明石薫は、生きていた。
身体中に火傷を負っており服もボロボロだったが、かろうじて呼吸をしている。
無意識のうちに作り出した力場が爆炎のダメージを和らげ、落下の衝撃を最小限に抑えたのである。
プレセアが生死確認を行わなかったことも大きかった。九死に一生を得るとはまさにこのことだ。
茂みに埋まっている薫は、苦しげに顔を歪めている。――ふと、その茂みに異変が生じた。
呻き声を上げる薫の周りで、一人でに石ころが持ち上がったのだ。
念動力による物体操作。
しかし、薫は意識など取り戻していない。
「あ゛ー…………」
薫が再び呻き声を上げ、それに呼応するように石ころが旋回した。
異変はそれだけではない。薫が何か動作をするたびに、周囲の物が空を飛ぶ。
石に葉、土に枝。遂には倒木までもが飛行し出す。
あらゆるものがグチャグチャに飛び回る中、薫がむくりと起き上がった。
しかし、白目で頭をカクカク動かしている姿は、普段の薫からは想像もつかない。
当然だ。薫は今、自分の意志で動いていないのだから。
薫の脳は、とうの昔に限界を迎えていたのである。
「の゛ー…………」
石や木を引き連れたまま、薫がよちよちと歩き始めた。
一歩を踏み出すたびに周りの倒木が持ち上がり、薫を中心として狂ったように飛び回る。
無心の女王が物言わぬ兵隊達を引き連れ、本能のままに行軍してゆく。
明石薫は、生きていた。
身体中に火傷を負っており服もボロボロだったが、かろうじて呼吸をしている。
無意識のうちに作り出した力場が爆炎のダメージを和らげ、落下の衝撃を最小限に抑えたのである。
プレセアが生死確認を行わなかったことも大きかった。九死に一生を得るとはまさにこのことだ。
茂みに埋まっている薫は、苦しげに顔を歪めている。――ふと、その茂みに異変が生じた。
呻き声を上げる薫の周りで、一人でに石ころが持ち上がったのだ。
念動力による物体操作。
しかし、薫は意識など取り戻していない。
「あ゛ー…………」
薫が再び呻き声を上げ、それに呼応するように石ころが旋回した。
異変はそれだけではない。薫が何か動作をするたびに、周囲の物が空を飛ぶ。
石に葉、土に枝。遂には倒木までもが飛行し出す。
あらゆるものがグチャグチャに飛び回る中、薫がむくりと起き上がった。
しかし、白目で頭をカクカク動かしている姿は、普段の薫からは想像もつかない。
当然だ。薫は今、自分の意志で動いていないのだから。
薫の脳は、とうの昔に限界を迎えていたのである。
「の゛ー…………」
石や木を引き連れたまま、薫がよちよちと歩き始めた。
一歩を踏み出すたびに周りの倒木が持ち上がり、薫を中心として狂ったように飛び回る。
無心の女王が物言わぬ兵隊達を引き連れ、本能のままに行軍してゆく。
――オーバーヒート。
脳がまだ完成しきっていない子供が強力な超能力を行使し続けることにより、能力が暴走する現象。
その際、能力者は意識を失ってしまい、行動は予測不可能となる。
なお、暴走時の能力は威力がケタ違いに上がっているため、注意が必要である――
脳がまだ完成しきっていない子供が強力な超能力を行使し続けることにより、能力が暴走する現象。
その際、能力者は意識を失ってしまい、行動は予測不可能となる。
なお、暴走時の能力は威力がケタ違いに上がっているため、注意が必要である――
※ ※ ※ ※
ジーニアスの目の前で、黒焦げになった何かがゴミのように転がった。
数秒前までイキモノだったそれは、もはやただの黒い塊にしか見えない。
イリヤの放った火炎弾が、ジーニアス達を守っていたウツドンを焼き殺したのだ。
「あ、あああぁぁ」
陽炎の中、ジーニアスは思わず膝を突きそうになる。
今まで共に戦ってくれたウツドンが死んだことが悲しく、悔しい。
だがそれ以上に、現状のあまりのどうしようもなさに目眩がしてくる。
すぐ前には、敵に押さえ込まれていて動けないアルルゥ。
ウツドンを焼き殺した炎の先には、無傷で立ちはだかる3人の魔術師。
どう考えてもジーニアス一人では攻略不可能な壁だ。
どれだけ強力な晶術を使っても、悪足掻きにしかならないだろう。
数秒前までイキモノだったそれは、もはやただの黒い塊にしか見えない。
イリヤの放った火炎弾が、ジーニアス達を守っていたウツドンを焼き殺したのだ。
「あ、あああぁぁ」
陽炎の中、ジーニアスは思わず膝を突きそうになる。
今まで共に戦ってくれたウツドンが死んだことが悲しく、悔しい。
だがそれ以上に、現状のあまりのどうしようもなさに目眩がしてくる。
すぐ前には、敵に押さえ込まれていて動けないアルルゥ。
ウツドンを焼き殺した炎の先には、無傷で立ちはだかる3人の魔術師。
どう考えてもジーニアス一人では攻略不可能な壁だ。
どれだけ強力な晶術を使っても、悪足掻きにしかならないだろう。
(――って、ダメだ! ここでボクが諦めたら、全てが終わる!)
ジーニアスは諦めかけた自分に活を入れ、折れかけた心を修正する。
どれだけ絶望的な状況に陥っても希望を捨てることだけはできない。
精神を奮い立たせたジーニアスは、汗でベタベタになった手の中のカードを見た。
それは、アルルゥが落とした『駆』のカード。アルルゥを抱えた時に抜け目なく回収していたのだ。
(……やるしか、ない)
カードを見つめたジーニアスは、心の中で呟く。
意は決した。後はただ、進むのみ。
ジーニアスはカードに魔力を込めた。敵の魔術師やアルルゥを見て使い方はわかっている。
青髪の魔術師は、カードに全神経を集中させた。裂帛の気合とともに。
(ドワーフの誓い第16番、『成せばなる』!)
ジーニアスの身体を風が包み込み、『駆』のカードが発動する。
『駆』は、短距離勝負で無敵のスピードを誇る獣。使用者に最速の足を与えるカードである。
クロウカードの力によって俊足を得たジーニアスは、力強く地を蹴り飛ばす。
ジーニアスは諦めかけた自分に活を入れ、折れかけた心を修正する。
どれだけ絶望的な状況に陥っても希望を捨てることだけはできない。
精神を奮い立たせたジーニアスは、汗でベタベタになった手の中のカードを見た。
それは、アルルゥが落とした『駆』のカード。アルルゥを抱えた時に抜け目なく回収していたのだ。
(……やるしか、ない)
カードを見つめたジーニアスは、心の中で呟く。
意は決した。後はただ、進むのみ。
ジーニアスはカードに魔力を込めた。敵の魔術師やアルルゥを見て使い方はわかっている。
青髪の魔術師は、カードに全神経を集中させた。裂帛の気合とともに。
(ドワーフの誓い第16番、『成せばなる』!)
ジーニアスの身体を風が包み込み、『駆』のカードが発動する。
『駆』は、短距離勝負で無敵のスピードを誇る獣。使用者に最速の足を与えるカードである。
クロウカードの力によって俊足を得たジーニアスは、力強く地を蹴り飛ばす。
――そして敵に背中を見せ、一目散に逃げ出した。
「ッ! 仲間を見捨てるの!?」
背後から、驚いたようなさくらの叫び声が追って来る。
アルルゥを完全に見捨てたのだ。当然の反応だろう。
それに対して、ジーニアスは吐き捨てるように応えた。
「ボクはまだ死ねないんだよ!」
その答えを聞いた少女達は、
「このッ……そこまで外道だとは思いませんでしたわ!」
ベルフラウは怒り、
「ウソ、本当に、逃げちゃうの……?」
梨々は戸惑い、
「ひどいよ!」『一緒に戦ってきた仲間じゃなかったんですか!?』
さくらとリインは悲しみ、
「やっと本性を表したわね! ほら、私の言った通りじゃない!」
イリヤは歓声を上げ、
「…………」
アルルゥは無言を通した。
それら一切合切を無視して、ジーニアスは背後の森に飛び込んだ。
と、すぐに倒木に足を取られ、無様に転倒してしまう。
「あはははははっ!」
『Chain Bind』
姿勢を崩したジーニアスを見て、嘲笑と共にイリヤが拘束魔法を放つ。
二本の魔力の鎖がジーニアスに襲い掛かる。
「……『駆』!」
が、ジーニアスは前転して姿勢を正し、再び『駆』を使用した。
転んだにも関わらず、流れるような動きで加速したジーニアスを捉え損ね、魔力の鎖が地面を貫く。
鎖を回避して走り出したジーニアスは、またも途中で腕を木にぶつけた。
バランスを崩し速度を落としたジーニアスが、ふらふらと森の中へと消えてゆく。
「ッこの! 逃がさないわよ!」
確実に狩れると思った獲物に攻撃を避けられたイリヤはムキになった。
S2Uを中段に構え、逃げる獲物を追い詰めるべく追跡を開始する。
「イリヤちゃん、一人で行っちゃダメ!」
「全く、さっきのことをもう忘れたのかしら!? しかたないですわね……梨々、その子は任せましたわ!
あと、亜人のあなた! あんな下衆に見捨てられたからって気にする必要はありませんわよ!」
「う、うん。わかった!」
「…………」
ジーニアスを追って飛び出したイリヤの後に、さくらとベルフラウが続く。
梨々はアルルゥを押さえる役目があるため、一人でお留守番だ。
茂みが掻き分けられ、3人の人間が森へと消える。
4人が入っていった森からは、すぐに魔法による轟音が聞こえてきた。
戦争は、どちらかが全滅するまで終わらない。それが摂理だとでも言うように、子供達は戦い続ける。
「ッ! 仲間を見捨てるの!?」
背後から、驚いたようなさくらの叫び声が追って来る。
アルルゥを完全に見捨てたのだ。当然の反応だろう。
それに対して、ジーニアスは吐き捨てるように応えた。
「ボクはまだ死ねないんだよ!」
その答えを聞いた少女達は、
「このッ……そこまで外道だとは思いませんでしたわ!」
ベルフラウは怒り、
「ウソ、本当に、逃げちゃうの……?」
梨々は戸惑い、
「ひどいよ!」『一緒に戦ってきた仲間じゃなかったんですか!?』
さくらとリインは悲しみ、
「やっと本性を表したわね! ほら、私の言った通りじゃない!」
イリヤは歓声を上げ、
「…………」
アルルゥは無言を通した。
それら一切合切を無視して、ジーニアスは背後の森に飛び込んだ。
と、すぐに倒木に足を取られ、無様に転倒してしまう。
「あはははははっ!」
『Chain Bind』
姿勢を崩したジーニアスを見て、嘲笑と共にイリヤが拘束魔法を放つ。
二本の魔力の鎖がジーニアスに襲い掛かる。
「……『駆』!」
が、ジーニアスは前転して姿勢を正し、再び『駆』を使用した。
転んだにも関わらず、流れるような動きで加速したジーニアスを捉え損ね、魔力の鎖が地面を貫く。
鎖を回避して走り出したジーニアスは、またも途中で腕を木にぶつけた。
バランスを崩し速度を落としたジーニアスが、ふらふらと森の中へと消えてゆく。
「ッこの! 逃がさないわよ!」
確実に狩れると思った獲物に攻撃を避けられたイリヤはムキになった。
S2Uを中段に構え、逃げる獲物を追い詰めるべく追跡を開始する。
「イリヤちゃん、一人で行っちゃダメ!」
「全く、さっきのことをもう忘れたのかしら!? しかたないですわね……梨々、その子は任せましたわ!
あと、亜人のあなた! あんな下衆に見捨てられたからって気にする必要はありませんわよ!」
「う、うん。わかった!」
「…………」
ジーニアスを追って飛び出したイリヤの後に、さくらとベルフラウが続く。
梨々はアルルゥを押さえる役目があるため、一人でお留守番だ。
茂みが掻き分けられ、3人の人間が森へと消える。
4人が入っていった森からは、すぐに魔法による轟音が聞こえてきた。
戦争は、どちらかが全滅するまで終わらない。それが摂理だとでも言うように、子供達は戦い続ける。
だが、その戦闘から一時的に離脱できた幸運な者もいる。取り残された梨々とアルルゥだ。
「さくらちゃん、気をつけてね……。多分、警戒すべき人はあの男の子だけじゃないはずだから……」
イリヤとベルフラウを危険だと疑う梨々はさくらを心配し、
「うー……」
梨々に押さえつけられているアルルゥは、ジーニアスが消えた森をずっと睨みつけていた。
「さくらちゃん、気をつけてね……。多分、警戒すべき人はあの男の子だけじゃないはずだから……」
イリヤとベルフラウを危険だと疑う梨々はさくらを心配し、
「うー……」
梨々に押さえつけられているアルルゥは、ジーニアスが消えた森をずっと睨みつけていた。
※ ※ ※ ※
「こ……のっ!」
『Accel Shooter』
殺意を孕んだイリヤの魔法が放たれる。何発もの光弾が獲物を食らおうと空を駆けた。
しかし、アクセルシューターが狙った場所に辿り着いたときには、獲物は既に消えていた。
弱弱しい背中を見せながら逃げるジーニアスは攻撃が当たる瞬間だけ『駆』を使用し、危なげながらもイリヤの魔法を避け続けている。
その度にイリヤは悔しそうに唇を噛み締め、S2Uを強く握り込む。
ジーニアスはふらつきながらも要所要所で『駆』を使い、なかなか狩られてくれない。
あと、少しなのだ。だが、その『あと少し』が、遠い。
イリヤは再びS2Uを構え、逃げるジーニアスを追おうとした。
直後、背後から『仲間』の声がかけられる。
「イリヤ、待ちなさい! 一人で先行してはいけないとあれほど言ったでしょう!」
追いついてきたベルフラウである。
その言葉に対して、イリヤも負けじと言い返す。
「だって、あと少しで捕まえられるのよ? もたもたして逃がしたら、また人殺しをするに違いないわ!」
「こちらの消費も考えなさい! あなただって、魔力が残り少ないのではなくて?」
「……ッ!」
ベルフラウの言葉に、イリヤは反論できなかった。
魔力が残り少ないのは確かだ。
魔術回路“そのもの”であるイリヤでも、度重なる戦いによってかなりの魔力を消費していた。
凶戦士の英霊すら軽く使役できるほどの魔力量を持つイリヤにも限界はある。
疲労もひどく、気を抜くと倒れてしまいそうだ。
だが、それでも。
(あと一人……あと一人殺せば回復できる)
あと一人なのだ。ジーニアスさえ殺せれば、『ご褒美』で体力を回復できる。
アルルゥを殺してもご褒美は貰えるが、さくら達にバレないよう殺すのは骨が折れる。
『仲間』もまだまだ利用できそうであり、ここで切り捨てるのは得策とは思えなかった。
ならば、衰弱しているジーニアスを狩るのが一番効率的である。
皮算用を始めたイリヤの前で、ジーニアスがまた転倒した。
10メートルほど先の地面で、今にも死にそうな魔術師がふらふらと起き上がる。
それを見たイリヤの心に、焦りと後悔の感情が浮かび上がった。
こうして話している間に追いかけていれば、トドメが刺せたのではないだろうか?
あれだけ弱った敵なら、流石に自分一人でも倒せるのではないか?
イリヤは、決めた。
「もういい! 私一人でやるもん!」
「イリヤッ!」
ベルフラウの叫びを無視し、イリヤはジーニアスに向けて突進する。
それを見たジーニアスはすぐさま『駆』を使い、森の奥へと飛び込んだ。
それを追ったイリヤも森に消え、2人の姿はすぐにベルフラウの視界から消えた。
「このっ……もう知りませんわ!」
イリヤに拒絶されたベルフラウは頬を膨らますとそっぽを向く。
その後ろから、足音が近付いてきた。
少し遅れてしまっていたさくらが、ようやく追いついたのだ。
「はあっ、はあっ、ベルちゃん、イリヤちゃんは!?」
「勝手に先に行きましたわ。あんな子、どうにでもなればいいんです」
怒りを顕にしたベルフラウが冷たい言葉を吐く。
元々イリヤにいい感情を持っていなかったこともあって、ベルフラウは本当にイリヤのことなどどうでもいいと思っていた。
『Accel Shooter』
殺意を孕んだイリヤの魔法が放たれる。何発もの光弾が獲物を食らおうと空を駆けた。
しかし、アクセルシューターが狙った場所に辿り着いたときには、獲物は既に消えていた。
弱弱しい背中を見せながら逃げるジーニアスは攻撃が当たる瞬間だけ『駆』を使用し、危なげながらもイリヤの魔法を避け続けている。
その度にイリヤは悔しそうに唇を噛み締め、S2Uを強く握り込む。
ジーニアスはふらつきながらも要所要所で『駆』を使い、なかなか狩られてくれない。
あと、少しなのだ。だが、その『あと少し』が、遠い。
イリヤは再びS2Uを構え、逃げるジーニアスを追おうとした。
直後、背後から『仲間』の声がかけられる。
「イリヤ、待ちなさい! 一人で先行してはいけないとあれほど言ったでしょう!」
追いついてきたベルフラウである。
その言葉に対して、イリヤも負けじと言い返す。
「だって、あと少しで捕まえられるのよ? もたもたして逃がしたら、また人殺しをするに違いないわ!」
「こちらの消費も考えなさい! あなただって、魔力が残り少ないのではなくて?」
「……ッ!」
ベルフラウの言葉に、イリヤは反論できなかった。
魔力が残り少ないのは確かだ。
魔術回路“そのもの”であるイリヤでも、度重なる戦いによってかなりの魔力を消費していた。
凶戦士の英霊すら軽く使役できるほどの魔力量を持つイリヤにも限界はある。
疲労もひどく、気を抜くと倒れてしまいそうだ。
だが、それでも。
(あと一人……あと一人殺せば回復できる)
あと一人なのだ。ジーニアスさえ殺せれば、『ご褒美』で体力を回復できる。
アルルゥを殺してもご褒美は貰えるが、さくら達にバレないよう殺すのは骨が折れる。
『仲間』もまだまだ利用できそうであり、ここで切り捨てるのは得策とは思えなかった。
ならば、衰弱しているジーニアスを狩るのが一番効率的である。
皮算用を始めたイリヤの前で、ジーニアスがまた転倒した。
10メートルほど先の地面で、今にも死にそうな魔術師がふらふらと起き上がる。
それを見たイリヤの心に、焦りと後悔の感情が浮かび上がった。
こうして話している間に追いかけていれば、トドメが刺せたのではないだろうか?
あれだけ弱った敵なら、流石に自分一人でも倒せるのではないか?
イリヤは、決めた。
「もういい! 私一人でやるもん!」
「イリヤッ!」
ベルフラウの叫びを無視し、イリヤはジーニアスに向けて突進する。
それを見たジーニアスはすぐさま『駆』を使い、森の奥へと飛び込んだ。
それを追ったイリヤも森に消え、2人の姿はすぐにベルフラウの視界から消えた。
「このっ……もう知りませんわ!」
イリヤに拒絶されたベルフラウは頬を膨らますとそっぽを向く。
その後ろから、足音が近付いてきた。
少し遅れてしまっていたさくらが、ようやく追いついたのだ。
「はあっ、はあっ、ベルちゃん、イリヤちゃんは!?」
「勝手に先に行きましたわ。あんな子、どうにでもなればいいんです」
怒りを顕にしたベルフラウが冷たい言葉を吐く。
元々イリヤにいい感情を持っていなかったこともあって、ベルフラウは本当にイリヤのことなどどうでもいいと思っていた。
さくらは、そんなベルフラウを悲しそうに見た後、リインに尋ねる。
「リインちゃん。エリアサーチ、まだ使える?」
『は、はいです。使えますけど、でも、さくらちゃんの魔力が……』
「さくら、なぜそこまでしますの!? イリヤは私達の言葉を無視して行動しているんですのよ!」
あくまでイリヤを助けることに拘るさくらを見て、ベルフラウが昂ぶった。
さくらだって魔力を消費している。魔法の並列使用を行ったため、むしろ3人の中で最も消費しているかもしれない。
イリヤは、ここの島で始めて出会った、数時間しか一緒に過ごしていない相手だ。
勝手に突っ走って敵を捕まえようと――いや、むしろ殺そうとしている危険な少女。
普通に考えれば、さくらが身を削って助ける必要などないはず。
それでもさくらは言った。
「リインちゃん。エリアサーチ、まだ使える?」
『は、はいです。使えますけど、でも、さくらちゃんの魔力が……』
「さくら、なぜそこまでしますの!? イリヤは私達の言葉を無視して行動しているんですのよ!」
あくまでイリヤを助けることに拘るさくらを見て、ベルフラウが昂ぶった。
さくらだって魔力を消費している。魔法の並列使用を行ったため、むしろ3人の中で最も消費しているかもしれない。
イリヤは、ここの島で始めて出会った、数時間しか一緒に過ごしていない相手だ。
勝手に突っ走って敵を捕まえようと――いや、むしろ殺そうとしている危険な少女。
普通に考えれば、さくらが身を削って助ける必要などないはず。
それでもさくらは言った。
「でも、見捨てることなんてできないよ。仲間なんだもん」
ベルフラウは声を詰まらせた。
さくらは、本当にイリヤのことを思いやっていた。
いや、イリヤだけではないだろう。さくらは、合って間もないはずの梨々も、ベルフラウも、敵でさえも思いやっている。
それが、木之本さくらという少女。
周りの誰かが傷ついたり、悲しんだりするのが見たくなくて。
その為に頑張って、苦しんで、傷ついて。
それでも、笑い続ける人間。まるで、あの先生のような――
ベルフラウは、髪をぐしゃぐしゃと掻き毟った。
そして叫ぶ。とても不機嫌そうに。
「ああもう! 何で私の周りには死ぬほど馬鹿なお人好しばかり集まるのかしら!
……わかりましたわ。行けばいいんでしょう、行けば!」
「ベ、ベルちゃん?」
「魔力切れの魔術師一人行かせるわけにはいかないわ」
「それは……」
「それに、今のあなた一人では碌に援護も出来ないのではなくて?」
「……うん。ありがとう、ベルちゃん」
「……それは偽名なの」
「ほえ!?」
「ベルフラウ。私の名前は、ベルフラウ=マルティーニですわ」
「あ、う、えっと……。ありがとう、ベルフラウちゃん」
「うん。わかればよろしい」
急な名前変更宣言に慌てるさくらを見て、ベルフラウは笑った。
それは、この島に着てから始めて浮かべた、無敵の笑顔。
その笑顔を見たさくらは、戸惑いながらもおずおずと笑みを返す。
「止めよう。あの男の子を、イリヤちゃんを、戦いを。大丈夫……私達なら、絶対大丈夫だよ」
「ええ。こんな馬鹿らしい戦いは、さっさと終わりにしてしまいましょう」
『はい、リインも頑張るです!』
頷き合った三人は、イリヤを追って駆け出した。
その途中で、ふとベルフラウは考える。
さくらは、本当にイリヤのことを思いやっていた。
いや、イリヤだけではないだろう。さくらは、合って間もないはずの梨々も、ベルフラウも、敵でさえも思いやっている。
それが、木之本さくらという少女。
周りの誰かが傷ついたり、悲しんだりするのが見たくなくて。
その為に頑張って、苦しんで、傷ついて。
それでも、笑い続ける人間。まるで、あの先生のような――
ベルフラウは、髪をぐしゃぐしゃと掻き毟った。
そして叫ぶ。とても不機嫌そうに。
「ああもう! 何で私の周りには死ぬほど馬鹿なお人好しばかり集まるのかしら!
……わかりましたわ。行けばいいんでしょう、行けば!」
「ベ、ベルちゃん?」
「魔力切れの魔術師一人行かせるわけにはいかないわ」
「それは……」
「それに、今のあなた一人では碌に援護も出来ないのではなくて?」
「……うん。ありがとう、ベルちゃん」
「……それは偽名なの」
「ほえ!?」
「ベルフラウ。私の名前は、ベルフラウ=マルティーニですわ」
「あ、う、えっと……。ありがとう、ベルフラウちゃん」
「うん。わかればよろしい」
急な名前変更宣言に慌てるさくらを見て、ベルフラウは笑った。
それは、この島に着てから始めて浮かべた、無敵の笑顔。
その笑顔を見たさくらは、戸惑いながらもおずおずと笑みを返す。
「止めよう。あの男の子を、イリヤちゃんを、戦いを。大丈夫……私達なら、絶対大丈夫だよ」
「ええ。こんな馬鹿らしい戦いは、さっさと終わりにしてしまいましょう」
『はい、リインも頑張るです!』
頷き合った三人は、イリヤを追って駆け出した。
その途中で、ふとベルフラウは考える。
――それにしてもあのジーニアスって少年、動きが何か変でしたわね。
まるで、攻撃範囲ギリギリに陣取って敵をおびき出す『誘い込み』をしているような――
まるで、攻撃範囲ギリギリに陣取って敵をおびき出す『誘い込み』をしているような――
※ ※ ※ ※
「よかった……。ちゃんと、付いて来てる」
ジーニアスは、泥で汚れた口元を拭いながら呟く。
後ろを盗み見ると、遠く離れた木々の隙間にイリヤがいるのがわかった。
それを確認したジーニアスは“わざと”木の根に蹴躓き、できるだけ無様に見えるように転んだ。
ジーニアスの転倒を見たイリヤは速度を上げ、トドメを刺そうと一気に接近する。
地面に這い蹲っていたジーニアスはすぐに起き上がり、再び『駆』を使って逃げ出した。
不恰好に。ただ、不恰好に。
ジーニアスは、泥で汚れた口元を拭いながら呟く。
後ろを盗み見ると、遠く離れた木々の隙間にイリヤがいるのがわかった。
それを確認したジーニアスは“わざと”木の根に蹴躓き、できるだけ無様に見えるように転んだ。
ジーニアスの転倒を見たイリヤは速度を上げ、トドメを刺そうと一気に接近する。
地面に這い蹲っていたジーニアスはすぐに起き上がり、再び『駆』を使って逃げ出した。
不恰好に。ただ、不恰好に。
(これで、十分アルルゥから引き離せたかな)
イリヤさえ傍にいなければアルルゥが殺されることはない――。それが、ジーニアスの考えだった。
イリヤは自分達に問答無用で襲い掛かり、翠星石を殺した殺人鬼だ。
機会があれば何の躊躇もなくアルルゥを殺すだろう。
だが、他の少女達はどうだろうか? イリヤに騙されている、他の少女達はどうだろうか?
イリヤが自分を殺そうとしたときにイリヤを非難した、魔術師の女の子はアルルゥを殺すだろうか?
ウツドンが殺されたときに思わず目を伏せていた、コレットに似た女の子はどうだろうか?
敵であるはずのアルルゥに励ましの言葉を送った、高飛車な女の子は?
多分、大丈夫だろう。
あれだけ優しい少女達なら、間違ってもアルルゥを殺したりはしないはずだ。
(それに、裏切りに対してあれだけ怒る人に、悪い人はいないはずだしね)
ゼロスの裏切りに怒り、悲しみ、悔やみ抜いたロイドのように。
ならば、残る問題はイリヤだけ。
イリヤさえ自分が引き付ければ、アルルゥの安全は保障される。
(それなら、僕のプライドなんて安いもんだ。喜んで悪役になってやる!)
つまり、ジーニアスは“わざと”無様に逃げるフリをし、イリヤを引き付けていたのだ。
ただ、アルルゥからイリヤを引き離すためだけに。
現在、事はジーニアスの思惑通りに進んでいる。
このままいけば――いずれ自分は追い詰められるだろう。
残る魔力は少なく、イリヤの気を引くための演技で身体は傷だらけだ。
(ごめん、プレセア。アルルゥのことは任せた。それとごめん、ベッキー。約束、守れそうにないや。でも、それでも――)
ジーニアスは、小さく吼える。
イリヤさえ傍にいなければアルルゥが殺されることはない――。それが、ジーニアスの考えだった。
イリヤは自分達に問答無用で襲い掛かり、翠星石を殺した殺人鬼だ。
機会があれば何の躊躇もなくアルルゥを殺すだろう。
だが、他の少女達はどうだろうか? イリヤに騙されている、他の少女達はどうだろうか?
イリヤが自分を殺そうとしたときにイリヤを非難した、魔術師の女の子はアルルゥを殺すだろうか?
ウツドンが殺されたときに思わず目を伏せていた、コレットに似た女の子はどうだろうか?
敵であるはずのアルルゥに励ましの言葉を送った、高飛車な女の子は?
多分、大丈夫だろう。
あれだけ優しい少女達なら、間違ってもアルルゥを殺したりはしないはずだ。
(それに、裏切りに対してあれだけ怒る人に、悪い人はいないはずだしね)
ゼロスの裏切りに怒り、悲しみ、悔やみ抜いたロイドのように。
ならば、残る問題はイリヤだけ。
イリヤさえ自分が引き付ければ、アルルゥの安全は保障される。
(それなら、僕のプライドなんて安いもんだ。喜んで悪役になってやる!)
つまり、ジーニアスは“わざと”無様に逃げるフリをし、イリヤを引き付けていたのだ。
ただ、アルルゥからイリヤを引き離すためだけに。
現在、事はジーニアスの思惑通りに進んでいる。
このままいけば――いずれ自分は追い詰められるだろう。
残る魔力は少なく、イリヤの気を引くための演技で身体は傷だらけだ。
(ごめん、プレセア。アルルゥのことは任せた。それとごめん、ベッキー。約束、守れそうにないや。でも、それでも――)
ジーニアスは、小さく吼える。
「翠星石の仇だけは、絶対取るから……!」
牙を隠した獲物と狩人の追走劇も既に終盤。
ジーニアスが『駆』を使い、イリヤが追撃をかけるというループが終わろうとしている。
ちょうどその時、どこか遠くで爆発音が響いた。
ジーニアスが『駆』を使い、イリヤが追撃をかけるというループが終わろうとしている。
ちょうどその時、どこか遠くで爆発音が響いた。
※ ※ ※ ※
城の前にある森は、見るも憚られる惨状を呈していた。
多くの木が薙ぎ倒され、あちこちで火が上がり、爆発まで起こっている。
その上空に、浮かぶ影が一つ。
「あら、なかなか楽しそうなことをしているわね」
永遠に赤い幼き月。幻想郷のヴラド・ツェペシュ。紅い悪魔。
レミリア・スカーレットは、その黒翼を大きく揺らす。
レミリアは戦場と化した森を見下ろすと、小さな唇の端を吊り上げた。
「さて、どこから蹴散らそうかしら?」
多くの木が薙ぎ倒され、あちこちで火が上がり、爆発まで起こっている。
その上空に、浮かぶ影が一つ。
「あら、なかなか楽しそうなことをしているわね」
永遠に赤い幼き月。幻想郷のヴラド・ツェペシュ。紅い悪魔。
レミリア・スカーレットは、その黒翼を大きく揺らす。
レミリアは戦場と化した森を見下ろすと、小さな唇の端を吊り上げた。
「さて、どこから蹴散らそうかしら?」
悪魔が乱入し、舞台はますます混迷を極め始めた。
運命の針が狂い出す。
想いは全て空回り。
デウス・エクス・マキナなど顕れない。
カーテンフォールには未だ遠く。
少年少女は踊り続ける。
運命の針が狂い出す。
想いは全て空回り。
デウス・エクス・マキナなど顕れない。
カーテンフォールには未だ遠く。
少年少女は踊り続ける。
【E-4~F-4のどこか/森/1日目/夕方】
【追う魔術師と追われる魔術師】
【ジーニアス・セイジ@テイルズオブシンフォニア】
[状態]:疲労(大)、魔力消費(大)、全身に擦り傷
[服装]:普段着、足は快速シューズ。
[装備]:ネギの杖@魔法先生ネギま!、快速シューズ、クロウカード『駆』
[道具]:ナマコ型寝袋、支給品一式、木村先生の水着@あずまんが大王、モンスターボール(空)@ポケットモンスター
海底探検セット(深海クリーム、エア・チューブ、ヘッドランプ、ま水ストロー、深海クリームの残り(快速シューズ))@ドラえもん
[思考]:負けてたまるかぁっ!
第一行動方針:アルルゥがいる場所から十分イリヤを引き離したら、相討ち覚悟でイリヤに特攻する。
第二行動方針:プレセアなら薫を倒せると信頼しているが、やっぱり心配。できればアルルゥのことを任せたい。
第三行動方針:もし生き残れたら、後で改めて湖底都市を探索する。
基本行動方針:主催者の打倒
参加時期:ヘイムダール壊滅後。ちなみにあえてクラトスルート。
[備考]:
ジーニアスは、薫がゲイボルグを投げた人物なのでは、と疑っています。
【追う魔術師と追われる魔術師】
【ジーニアス・セイジ@テイルズオブシンフォニア】
[状態]:疲労(大)、魔力消費(大)、全身に擦り傷
[服装]:普段着、足は快速シューズ。
[装備]:ネギの杖@魔法先生ネギま!、快速シューズ、クロウカード『駆』
[道具]:ナマコ型寝袋、支給品一式、木村先生の水着@あずまんが大王、モンスターボール(空)@ポケットモンスター
海底探検セット(深海クリーム、エア・チューブ、ヘッドランプ、ま水ストロー、深海クリームの残り(快速シューズ))@ドラえもん
[思考]:負けてたまるかぁっ!
第一行動方針:アルルゥがいる場所から十分イリヤを引き離したら、相討ち覚悟でイリヤに特攻する。
第二行動方針:プレセアなら薫を倒せると信頼しているが、やっぱり心配。できればアルルゥのことを任せたい。
第三行動方針:もし生き残れたら、後で改めて湖底都市を探索する。
基本行動方針:主催者の打倒
参加時期:ヘイムダール壊滅後。ちなみにあえてクラトスルート。
[備考]:
ジーニアスは、薫がゲイボルグを投げた人物なのでは、と疑っています。
【イリヤスフィール・フォン・アインツベルン@Fate/stay night】
[状態]:魔力消費(大)、疲労(大)、全身に切り傷(応急手当済み、命に別状はない)
[装備]:S2U@魔法少女リリカルなのは、凛のペンダント@Fate/stay night
[道具]:支給品一式
[思考]:ひとりで殺れるもん!
第一行動方針:ジーニアスを殺す。できればさくら達に殺害現場は見せたくない。
第二行動方針:できるだけ悪評を流せる者を少なくしてこの状況を抜けたい。
第三行動方針:とにかく生き残りたい。
基本行動方針:優勝して、自分の寿命を延ばす。
※セイバールートの半年後から参戦。
※イリヤのついた嘘の内容
翠星石を殺したのはジーニアス
レンを殺したのは正体不明の魔術師
はやてには会っていない
※桜と梨々の知り合いの情報を聞いている。
[状態]:魔力消費(大)、疲労(大)、全身に切り傷(応急手当済み、命に別状はない)
[装備]:S2U@魔法少女リリカルなのは、凛のペンダント@Fate/stay night
[道具]:支給品一式
[思考]:ひとりで殺れるもん!
第一行動方針:ジーニアスを殺す。できればさくら達に殺害現場は見せたくない。
第二行動方針:できるだけ悪評を流せる者を少なくしてこの状況を抜けたい。
第三行動方針:とにかく生き残りたい。
基本行動方針:優勝して、自分の寿命を延ばす。
※セイバールートの半年後から参戦。
※イリヤのついた嘘の内容
翠星石を殺したのはジーニアス
レンを殺したのは正体不明の魔術師
はやてには会っていない
※桜と梨々の知り合いの情報を聞いている。
【E-4~F-4のどこか/森/1日目/夕方】
【イリヤの援護に向かう二人】
【木之本桜@カードキャプターさくら】
[状態]:血塗れ、左腕に矢傷(処置済)、魔力消費(大) 、疲労(大)
[装備]:パワフルグラブ@ゼルダの伝説、クロウカード『水』『風』
リインフォースII(待機フォルム)@魔法少女リリカルなのはA's
[道具]:基本支給品
[服装]:梨々の普段着
[思考]:大丈夫。きっと、止められる!
第一行動方針:誰も殺さずにこの状況を収めたい。当面の目標はイリヤの援護とジーニアスの捕獲。
第二行動方針:リインのエリアサーチを定期的に使いながら移動し、友達を探す。
第三行動方針:他にも協力してくれそうな人を探す。
基本行動方針:襲われたら撃退する(不殺?)
[リインフォースIIの思考]:リイン、がんばるです!
※永沢、レックス、ジーニアスを危険人物と認識。梨々の知り合いの情報を聞いている。
【イリヤの援護に向かう二人】
【木之本桜@カードキャプターさくら】
[状態]:血塗れ、左腕に矢傷(処置済)、魔力消費(大) 、疲労(大)
[装備]:パワフルグラブ@ゼルダの伝説、クロウカード『水』『風』
リインフォースII(待機フォルム)@魔法少女リリカルなのはA's
[道具]:基本支給品
[服装]:梨々の普段着
[思考]:大丈夫。きっと、止められる!
第一行動方針:誰も殺さずにこの状況を収めたい。当面の目標はイリヤの援護とジーニアスの捕獲。
第二行動方針:リインのエリアサーチを定期的に使いながら移動し、友達を探す。
第三行動方針:他にも協力してくれそうな人を探す。
基本行動方針:襲われたら撃退する(不殺?)
[リインフォースIIの思考]:リイン、がんばるです!
※永沢、レックス、ジーニアスを危険人物と認識。梨々の知り合いの情報を聞いている。
【ベルフラウ=マルティーニ@サモンナイト3】
[状態]:疲労(中)、魔力消費(中)、精神的疲労(まだ完全ではない)、墜落による軽い打撲傷
[服装]:『ザ・チルドレン』の制服姿(野上葵の物)
[装備]:クロウカード『火』『地』
[道具]:支給品一式、湿ったままの普段着
[思考]:あの少年……まさか!
第一行動方針:ジーニアスを捕獲する。イリヤは気に入らないが、さくらが行くようなので一緒にイリヤを援護する。
第二行動方針:召喚術師と交渉し仲間になってもらいたい。リインと八神はやてに期待。
出来ればメイトルパの少女(アルルゥ)とも交渉したい。 ジーニアスに裏切られたところを見たため、アルルゥにはやや同情的。
第三行動方針:みかの安否が心配。早く戻って合流したいが危険には巻き込みたくない。
第四行動方針:殺し合いに乗らず、仲間を探して脱出・対主催の策を練る。
基本行動方針:先生のもとに帰りたい。
[備考]:
ベルフラウは、ロワの舞台がリィンバウムのどこかだと思っています。
ロワの舞台について、「名もなき島」とほぼ同じ仕組みになっていると考えています。
(実際は違うのですが、まだベルフラウはそのことに気づいていません)
ベルフラウは、レックスが名乗るのを聞いていません(気絶していました)。
余計な危険を少しでも避けるため、ベルとだけ名乗っています……が、勢いでさくらに名乗ってしまいました。ダメダメです。
[状態]:疲労(中)、魔力消費(中)、精神的疲労(まだ完全ではない)、墜落による軽い打撲傷
[服装]:『ザ・チルドレン』の制服姿(野上葵の物)
[装備]:クロウカード『火』『地』
[道具]:支給品一式、湿ったままの普段着
[思考]:あの少年……まさか!
第一行動方針:ジーニアスを捕獲する。イリヤは気に入らないが、さくらが行くようなので一緒にイリヤを援護する。
第二行動方針:召喚術師と交渉し仲間になってもらいたい。リインと八神はやてに期待。
出来ればメイトルパの少女(アルルゥ)とも交渉したい。 ジーニアスに裏切られたところを見たため、アルルゥにはやや同情的。
第三行動方針:みかの安否が心配。早く戻って合流したいが危険には巻き込みたくない。
第四行動方針:殺し合いに乗らず、仲間を探して脱出・対主催の策を練る。
基本行動方針:先生のもとに帰りたい。
[備考]:
ベルフラウは、ロワの舞台がリィンバウムのどこかだと思っています。
ロワの舞台について、「名もなき島」とほぼ同じ仕組みになっていると考えています。
(実際は違うのですが、まだベルフラウはそのことに気づいていません)
ベルフラウは、レックスが名乗るのを聞いていません(気絶していました)。
余計な危険を少しでも避けるため、ベルとだけ名乗っています……が、勢いでさくらに名乗ってしまいました。ダメダメです。
【E-4~F-4のどこか/森/1日目/夕方】
【捕らえる怪盗と捕らわれた獣使い】
【梨々=ハミルトン@吉永さん家のガーゴイル】
[状態]:右腕骨折及び電撃のダメージが僅かに有り(処置済) 。
イリヤとベルフラウに確信的疑念。若干精神不安定。
[装備]:白タキシード(パラシュート消費)&シルクハット@吉永さん家のガーゴイル
:タマヒポ(サモナイト石・獣)@サモンナイト3、ワイヴァーン(サモナイト石・獣)@サモンナイト3
[道具]:支給品一式
[服装]:白タキシード&シルクハット
[思考]:この子に話を聞けば何かわかるかも……。でも、また嘘を吐かれたらっ!
第一行動方針:生き残りたい。さくらだけは信じている。
第二行動方針:ベルフラウは間違いないと言っていたが、アルルゥが本当に危険人物か確かめたい(ベルフラウが嘘を吐いていると思っている。
第三行動方針:双葉かリィンちゃんの友達(はやて優先?)及び小狼を探す。
第四行動方針:殺し合いに乗ってない人と協力する。
※永沢、レックス、イリヤ、ベルフラウを危険人物と認識。薫の事も少し疑っている。
※ランクB~Aの召喚術のため、梨々はワイヴァーンを使えません。タマヒポは使えます。
※桜の知り合いの情報を聞いている。
【捕らえる怪盗と捕らわれた獣使い】
【梨々=ハミルトン@吉永さん家のガーゴイル】
[状態]:右腕骨折及び電撃のダメージが僅かに有り(処置済) 。
イリヤとベルフラウに確信的疑念。若干精神不安定。
[装備]:白タキシード(パラシュート消費)&シルクハット@吉永さん家のガーゴイル
:タマヒポ(サモナイト石・獣)@サモンナイト3、ワイヴァーン(サモナイト石・獣)@サモンナイト3
[道具]:支給品一式
[服装]:白タキシード&シルクハット
[思考]:この子に話を聞けば何かわかるかも……。でも、また嘘を吐かれたらっ!
第一行動方針:生き残りたい。さくらだけは信じている。
第二行動方針:ベルフラウは間違いないと言っていたが、アルルゥが本当に危険人物か確かめたい(ベルフラウが嘘を吐いていると思っている。
第三行動方針:双葉かリィンちゃんの友達(はやて優先?)及び小狼を探す。
第四行動方針:殺し合いに乗ってない人と協力する。
※永沢、レックス、イリヤ、ベルフラウを危険人物と認識。薫の事も少し疑っている。
※ランクB~Aの召喚術のため、梨々はワイヴァーンを使えません。タマヒポは使えます。
※桜の知り合いの情報を聞いている。
【アルルゥ@うたわれるもの】
[状態]:疲労(中)、魔力消費(中)、背中に大きな裂傷、頭にたんこぶ、梨々に捕獲されている
[装備]:なし
[道具]:基本支給品(食料-1)、クロウカード『泡』
[服装]:普段着である民族衣装風の着物(背中の部分が破れ、血で濡れている)
[思考]:う~(ジタバタ)
第一行動方針:なんとかサモナイト石を取り戻して脱出したい。見捨てられたため、ジーニアスに対して強い敵意と不信感。
第二行動方針:イエローや丈を捜したい。放送前には城に戻る。
基本行動方針:優勝以外の脱出の手段を捜す。敵は容赦しない。
参戦時期:ナ・トゥンク攻略直後
[備考]:アルルゥは獣属性の召喚術に限りAランクまで使用できます。
ゲームに乗らなくてもみんなで協力すれば脱出可能だと信じました。
サモナイト石で召喚された魔獣は、必ず攻撃動作を一回行ってから消えます。攻撃を止めることは不可能。
[状態]:疲労(中)、魔力消費(中)、背中に大きな裂傷、頭にたんこぶ、梨々に捕獲されている
[装備]:なし
[道具]:基本支給品(食料-1)、クロウカード『泡』
[服装]:普段着である民族衣装風の着物(背中の部分が破れ、血で濡れている)
[思考]:う~(ジタバタ)
第一行動方針:なんとかサモナイト石を取り戻して脱出したい。見捨てられたため、ジーニアスに対して強い敵意と不信感。
第二行動方針:イエローや丈を捜したい。放送前には城に戻る。
基本行動方針:優勝以外の脱出の手段を捜す。敵は容赦しない。
参戦時期:ナ・トゥンク攻略直後
[備考]:アルルゥは獣属性の召喚術に限りAランクまで使用できます。
ゲームに乗らなくてもみんなで協力すれば脱出可能だと信じました。
サモナイト石で召喚された魔獣は、必ず攻撃動作を一回行ってから消えます。攻撃を止めることは不可能。
【E-4~F-4のどこか/森/1日目/夕方】
【仲間の救援に向かう戦士】
【プレセア・コンパティール@テイルズオブシンフォニア】
[状態]:体力消耗(大)、中度の貧血、右肩に重度の裂傷(処置済+核鉄で、なんとか戦闘可能なまでに回復していたが、再び傷が開きかけている)
ツインテール右側喪失、思いきりハサミにトラウマ的恐怖、全身に無数の裂傷
[装備]:グラーフアイゼン(ハンマーフォルム)@魔法少女リリカルなのはA’s、エクスフィア@テイルズオブシンフォニア
[道具]:カートリッジ×10@魔法少女リリカルなのはA’s、支給品一式(生乾き、食料-1)
[服装]:冒険時の戦闘衣装(ピンク色のワンピース、生乾き)
[思考]:二人とも、どうか無事で……!
第一行動方針:ジーニアスとアルルゥを援護する。イリヤには容赦無し。
第二行動方針:放送前には城に帰還して、レミリアと合流。
基本行動方針:ジーニアスとアルルゥが生きている間はゲームに乗らない。レミリアの捜し人を捜す。
[グラーフアイゼンの思考]:話しかける隙がない……。
※プレセアはアリシアの死を知った以降から参戦。
※グラーフアイゼンはこの状況を警戒しています。
【仲間の救援に向かう戦士】
【プレセア・コンパティール@テイルズオブシンフォニア】
[状態]:体力消耗(大)、中度の貧血、右肩に重度の裂傷(処置済+核鉄で、なんとか戦闘可能なまでに回復していたが、再び傷が開きかけている)
ツインテール右側喪失、思いきりハサミにトラウマ的恐怖、全身に無数の裂傷
[装備]:グラーフアイゼン(ハンマーフォルム)@魔法少女リリカルなのはA’s、エクスフィア@テイルズオブシンフォニア
[道具]:カートリッジ×10@魔法少女リリカルなのはA’s、支給品一式(生乾き、食料-1)
[服装]:冒険時の戦闘衣装(ピンク色のワンピース、生乾き)
[思考]:二人とも、どうか無事で……!
第一行動方針:ジーニアスとアルルゥを援護する。イリヤには容赦無し。
第二行動方針:放送前には城に帰還して、レミリアと合流。
基本行動方針:ジーニアスとアルルゥが生きている間はゲームに乗らない。レミリアの捜し人を捜す。
[グラーフアイゼンの思考]:話しかける隙がない……。
※プレセアはアリシアの死を知った以降から参戦。
※グラーフアイゼンはこの状況を警戒しています。
【E-4~F-4のどこか/森/1日目/夕方】
【チルドレン暴走中】
【明石薫@絶対可憐チルドレン】
[状態]:暴走状態。全身打撲及び火傷。
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、バレッタ人形@ヴァンパイアセイヴァー
[服装]:バベルの制服(焼け焦げてボロボロ)
[思考]:の゛ー…………
基本行動方針:無差別攻撃。
[備考]:脳がオーバーヒートを起こしたため、暴走状態に陥りました。
周囲の物を手当たり次第に念動力でぶん回し、突発的に大爆発や地割れなどを引き起こします。
一定時間経つとぶっ倒れて元に戻るかもしれませんし、戻らないかもしれません。
【チルドレン暴走中】
【明石薫@絶対可憐チルドレン】
[状態]:暴走状態。全身打撲及び火傷。
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、バレッタ人形@ヴァンパイアセイヴァー
[服装]:バベルの制服(焼け焦げてボロボロ)
[思考]:の゛ー…………
基本行動方針:無差別攻撃。
[備考]:脳がオーバーヒートを起こしたため、暴走状態に陥りました。
周囲の物を手当たり次第に念動力でぶん回し、突発的に大爆発や地割れなどを引き起こします。
一定時間経つとぶっ倒れて元に戻るかもしれませんし、戻らないかもしれません。
【E-4~F-4のどこか/空中/1日目/夕方】
【悪魔襲来】
【レミリア・スカーレット@東方Project】
[状態]:魔力消費(中)
[装備]:飛翔の蝙也の爆薬(残十発)@るろうに剣心、シルバースキンAT(ブラボーサイズ)@武装錬金
[道具]:支給品一式(食料-1)、思いきりハサミ@ドラえもん、クロウカード1枚(スイート「甘」)
[服装]:シルバースキンAT(シルバースキンの下は全裸、服は洗って干している)
[思考]:ちょっとだけ、私の時間を使ってあげるわ。
第一行動方針:とりあえずプレセア・アルルゥと合流。
または、そこらへんのやつを捕まえてフラン・レイジングハートなる人物・喋る杖の事を聞き出す。
第二行動方針:フランを知っている瞬間移動娘、及びフランをプレセア達に探させる。
第三行動方針:服が乾き、なおかつ時間があり、更に気が乗っていたら爆薬で加速の実験をする。
基本行動方針:フランを捜す。ジェダは気にくわない。少しは慎重に、しかし大胆に。
※フランドールに関する情報、
『紙の束』『赤い宝石』『レイジングハートと遊ぶ』『喋る杖』『貴女自身の魔法、スペルカードを使ってください』『仮面の女』
を手に入れました。
【悪魔襲来】
【レミリア・スカーレット@東方Project】
[状態]:魔力消費(中)
[装備]:飛翔の蝙也の爆薬(残十発)@るろうに剣心、シルバースキンAT(ブラボーサイズ)@武装錬金
[道具]:支給品一式(食料-1)、思いきりハサミ@ドラえもん、クロウカード1枚(スイート「甘」)
[服装]:シルバースキンAT(シルバースキンの下は全裸、服は洗って干している)
[思考]:ちょっとだけ、私の時間を使ってあげるわ。
第一行動方針:とりあえずプレセア・アルルゥと合流。
または、そこらへんのやつを捕まえてフラン・レイジングハートなる人物・喋る杖の事を聞き出す。
第二行動方針:フランを知っている瞬間移動娘、及びフランをプレセア達に探させる。
第三行動方針:服が乾き、なおかつ時間があり、更に気が乗っていたら爆薬で加速の実験をする。
基本行動方針:フランを捜す。ジェダは気にくわない。少しは慎重に、しかし大胆に。
※フランドールに関する情報、
『紙の束』『赤い宝石』『レイジングハートと遊ぶ』『喋る杖』『貴女自身の魔法、スペルカードを使ってください』『仮面の女』
を手に入れました。
【F-4/橋/1日目/夕方】
【戦場に向かう二人】
【レベッカ宮本@ぱにぽに】
[状態]:背中に裂傷(応急処置済)、疲労(中)
[服装]:普段通りの服と白衣姿
[装備]:木刀@銀魂、魔導ボード@魔法陣グルグル、救急箱(プレセアの治療に使われたもの)
[道具]:支給品二式、15歳のシャツ@よつばと!を裂いた布、宇宙服(最小サイズ)@からくりサーカス
[思考]:ジーニアス、死ぬなよー!
第一行動方針:ジーニアス達の援護に向かう。
第ニ行動方針:殺し合いのゲームに乗っている奴がいたら、ぶっ飛ばす。
第三行動方針:後で改めて湖底都市を探索する
基本行動方針:主催者の打倒。
参加時期:小学校事件が終わった後
【戦場に向かう二人】
【レベッカ宮本@ぱにぽに】
[状態]:背中に裂傷(応急処置済)、疲労(中)
[服装]:普段通りの服と白衣姿
[装備]:木刀@銀魂、魔導ボード@魔法陣グルグル、救急箱(プレセアの治療に使われたもの)
[道具]:支給品二式、15歳のシャツ@よつばと!を裂いた布、宇宙服(最小サイズ)@からくりサーカス
[思考]:ジーニアス、死ぬなよー!
第一行動方針:ジーニアス達の援護に向かう。
第ニ行動方針:殺し合いのゲームに乗っている奴がいたら、ぶっ飛ばす。
第三行動方針:後で改めて湖底都市を探索する
基本行動方針:主催者の打倒。
参加時期:小学校事件が終わった後
【福富しんべヱ@落第忍者乱太郎】
[状態]:体のあちこちに軽い傷、疲労(大)、びしょぬれ。
[装備]:なし
[道具]:ヒラリマント(チョンマゲに纏わりつくように引っかかっている)
[思考]:ま、まってよう!
[備考]:凶暴化は一旦治った後、何かのきっかけでフラッシュバックのように再発した例も報告されています。
体力消費が激しいため、いつ気絶してもおかしくない状態です。
[状態]:体のあちこちに軽い傷、疲労(大)、びしょぬれ。
[装備]:なし
[道具]:ヒラリマント(チョンマゲに纏わりつくように引っかかっている)
[思考]:ま、まってよう!
[備考]:凶暴化は一旦治った後、何かのきっかけでフラッシュバックのように再発した例も報告されています。
体力消費が激しいため、いつ気絶してもおかしくない状態です。
【ウツドン 死亡】
≪140:Firing line/火蓋 | 時系列順に読む | 146:Fate end/必死(前編)≫ |
≪142:原点 | 投下順に読む | 144:三宮紫穂の憂鬱(前編)≫ |
≪140:Firing line/火蓋 | ジーニアスの登場SSを読む | 146:Fate end/必死(前編)≫ |
≪140:Firing line/火蓋 | プレセアの登場SSを読む | 146:Fate end/必死(前編)≫ |
≪140:Firing line/火蓋 | アルルゥの登場SSを読む | 154:歪みの国のアリス≫ |
≪140:Firing line/火蓋 | イリヤの登場SSを読む | 146:Fate end/必死(前編)≫ |
≪140:Firing line/火蓋 | 梨々の登場SSを読む | 154:歪みの国のアリス≫ |
≪140:Firing line/火蓋 | 桜の登場SSを読む | 146:Fate end/必死(前編)≫ |
≪140:Firing line/火蓋 | 明石薫の登場SSを読む | 146:Fate end/必死(前編)≫ |
≪140:Firing line/火蓋 | ベルフラウの登場SSを読む | 146:Fate end/必死(前編)≫ |
≪140:Firing line/火蓋 | レミリアの登場SSを読む | 146:Fate end/必死(前編)≫ |
≪140:Firing line/火蓋 | しんべヱの登場SSを読む | 157:全世界ナイトメア≫ |
≪140:Firing line/火蓋 | ベッキーの登場SSを読む | 157:全世界ナイトメア≫ |