概要
1973年に東京映画で製作された時代劇映画。当時、視聴率30%を超える人気時代劇「木枯し紋次郎」の主演だった政治家としても知られる俳優、中村敦夫の映画初主演作である。
監督は東宝ニューアクションの旗手として注目された西村潔で、脚本は原作者の笹沢左保と後にテレビドラマでヒット作を連発するジェームス三木の共作。
監督は東宝ニューアクションの旗手として注目された西村潔で、脚本は原作者の笹沢左保と後にテレビドラマでヒット作を連発するジェームス三木の共作。
公開に先駆け主演の中村が歌う主題歌「指笛のバラード」のレコードが発売されるなど、東宝の正月映画として大々的に宣伝されていたのだが、何故か直前で公開中止になり現在に至るまで封印状態になっている。
数年後の70年代後半に高知県と京都府の一部映画館で上映されたという記録があり、映画自体は完成していたらしい。
封印の理由には諸説あり
- 悲し過ぎる結末が当時の東宝のプロデューサーの癪に触れた説
- 東宝経営陣と制作スタッフのゴタゴタで公開出来なかった説
- 『木枯し紋次郎』第3話「峠に哭いた甲州路」とプロットに類似点があり著作権の面で懸念があったとする説
などが挙げられているがはっきりした理由は判明していない。
なお、脚本は雑誌「シナリオ」の1972年11月号に掲載されている。
ストーリー
弘化元年8月。渡世人の佐吉は、水飢饉にあえぐ村で、雨乞いのための人柱として捕えられてしまう。
見張り役・小夜を騙した佐吉は囚われていた絵馬堂から脱出するが、途中仙太郎達四兄弟と出会い、小夜が自分の身代わりに人柱にされると聞き、小夜の元へ戻る。一方、かつて父親を人柱にされ殺された仙太郎たちは、復讐のため村を襲撃する。
組頭の娘・静を差し出すよう要求する仙太郎。用心棒に雇い入れた浪人たちも殺され、どうすることも出来ない組頭らは、旅の傀儡師から佐吉が百姓の味方で、風鈴の佐吉と呼ばれていた無宿人だったことを知り、佐吉に仙太郎兄弟討伐を依頼する。仙太郎は、父親をかばってくれた唯一の村人の孫である小夜を連れて村を出るのであれば、罪のない村人には手を出さないと約束し、佐吉はそれを承知する。
一方、村を救うために単身乗り込んだ静は、兄弟たちに輪姦され狂ってしまう。しかし、仙太郎たちは約束を破り、村に火を放つ。かつて火の中で妻を殺された佐吉は、火に過剰なまでの反応を示し、小夜の制止も聞かず村へと向かう。
地獄絵図と化した村で佐吉と、仙太郎一味との壮絶な戦いが繰り広げられる。兄弟たちを次々倒した佐吉は、短銃で武装した仙太郎に刀で立ち向かう。銃弾を全身に受けながらも、佐吉は仙太郎の胸を刀で貫く。相討ちになった2人をよそに踊り狂う村人たち。
雨の中、佐吉の墓を立てた小夜が静の嫁入り行列を見送る。卒塔婆に書かれた「さきち」の文字は雨で流れ消えていく。
見張り役・小夜を騙した佐吉は囚われていた絵馬堂から脱出するが、途中仙太郎達四兄弟と出会い、小夜が自分の身代わりに人柱にされると聞き、小夜の元へ戻る。一方、かつて父親を人柱にされ殺された仙太郎たちは、復讐のため村を襲撃する。
組頭の娘・静を差し出すよう要求する仙太郎。用心棒に雇い入れた浪人たちも殺され、どうすることも出来ない組頭らは、旅の傀儡師から佐吉が百姓の味方で、風鈴の佐吉と呼ばれていた無宿人だったことを知り、佐吉に仙太郎兄弟討伐を依頼する。仙太郎は、父親をかばってくれた唯一の村人の孫である小夜を連れて村を出るのであれば、罪のない村人には手を出さないと約束し、佐吉はそれを承知する。
一方、村を救うために単身乗り込んだ静は、兄弟たちに輪姦され狂ってしまう。しかし、仙太郎たちは約束を破り、村に火を放つ。かつて火の中で妻を殺された佐吉は、火に過剰なまでの反応を示し、小夜の制止も聞かず村へと向かう。
地獄絵図と化した村で佐吉と、仙太郎一味との壮絶な戦いが繰り広げられる。兄弟たちを次々倒した佐吉は、短銃で武装した仙太郎に刀で立ち向かう。銃弾を全身に受けながらも、佐吉は仙太郎の胸を刀で貫く。相討ちになった2人をよそに踊り狂う村人たち。
雨の中、佐吉の墓を立てた小夜が静の嫁入り行列を見送る。卒塔婆に書かれた「さきち」の文字は雨で流れ消えていく。
メディアギャラリー

映画ポスター

主題歌レコード

脚本が掲載された「シナリオ」1972年11月号