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トゥルーデは戦場へ行った

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トゥルーデは戦場へ行った ◆/Fnde2WILg


(やれやれ!まったく、戦場は地獄だな!)

そう感じながら警察署の周辺をゲルトルート・バルクホルンは逃げていた。

「ちょっと待て!話を聞いてくれ!」
「うるさいうるさい!そっちがいきなり撃ってきたんじゃない!」
「すまない!人違いで!って、うゎぁぁぁ!」

不可視の力で投擲された建物の破片がこちらへ飛んでくる。
あわてて後ろへダイブしてそれをかわす。今立っていた場所に破片が突き刺さった。

少し離れた場所から攻撃してきたピンク髪のショートカットの少女の周囲には
石やら瓦礫の破片やらがふわふわ漂っている。

「へー、やるじゃない。でも無理だよ。人間がディトロニィウスに敵う訳ないんだから!」

最初はこの娘を最初に集められた広場で人間の首を吹き飛ばした女だと思っていた。
危険を感じ支給されたトカレフで後ろから撃つことに決めたのだが、寸前に違う人物だと気付いた時は既に遅く。
引き金を引いて足元の地面を撃ち抜いたせいで思いっきり警戒され今に至る。

「……悪い人はパパに代わって懲らしめてあげる。」

ゲルトは膝立ちになりその様子を観察する。
その手に銃はない。何か見えない力で手から落とされたのだ。
慌てて離れた訳だが10メートルほど離すと今度はその辺に落ちていた物を投げて来た。
これは人の技術の類ではない。それに頭から生えた二本の「耳」、
察するに、恐らくこの娘もウィッチ。とすれば広場にいたあの女も。
人違いとはいえこの類似性。髪の長い方と無関係とはとても思えない。
立ち上がり様に振り向き、全力で後方へ駆けだした。

「コラー!逃げるなー!」

追いかけながら次々瓦礫を投げてくる。走りながらゲルトは考えた。

(逃げてしまっては情報を得るチャンスを逃してしまうな。どうにか落ち着かせなければ。)

着いた場所は駐車場。まばらにだが車が放置されている。
ちらりと後ろを見ると投げつくしたのか少女の周りには何も浮いていない。



599 :トゥルーデは戦場へ行った ◆/Fnde2WILg :2010/09/13(月) 04:24:41 ID:qtqC4Nbw
(いいだろう、カースランド軍人の力を見せてやる。)

「ふん、車の陰にでも隠れるつもり?そんな暇あげないよ!」

そういって少女は右手を前に突き出し―――何かが発射された。

「何!?」

慌ててゲルトは車に手を触れる、その瞬間。
車が一瞬でゲルトの前方へスライドし、飛翔物を弾き返した。

「……え?何?」

目の前で起きた良く分からない現象に少女は困惑する。
そうしている内にゆっくりと車が持ち上がっていく。

「その念動力のような魔法、射程範囲はせいぜい5メートルといったところか?
 それほど重いものも投げれないようだな…………私と違って。」

右手一本で車を支えたゲルトの全身が見えた。

「……ルーシーさん並の馬鹿力……って、何する!?」

「どっりゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

車を、そのまま少女へ向かって投げ飛ばした。

「ちょ!?こ、こんなもの!ベクターを全部使えば!」

軌道を変える為車へ向かって力を集中させ、

ポロッ

「あ。」

何かが、太ももの付け根から落ちた。




600 :トゥルーデは戦場へ行った ◆/Fnde2WILg :2010/09/13(月) 04:26:32 ID:qtqC4Nbw
「……やった、か?」

車は軌道をずらされたのか目標とは少しはなれた場所に落下している。
元々真上に落とすつもりはなかったのだがなぜか少女は崩れ落ちてピクリとも動かない。
勝負ありということなのだろうか?

「段取りが少々狂ったな。まあ結果は同じこと……ん?」

ごろりと、足元に腕が転がっている。少し驚いたが、よく見るとこれは。

「……義手?」

最後に飛ばしたのはこれかと納得し、それを拾って倒れている少女に近づいていく。
周りが暗くてよく見えなかったが近づくにつれ段々姿がはっきりとしてきて――――驚愕した。

「……な……!?」

左手腕の義手、両足の義足も外れて頭と胴体だけになった体が転がっている。
少女は四肢のない達磨の様な状態だった。

「う……うぅ……あぁ!!」

気がついたのか目をこちらへ向け、

「う……わーーーーん!!!!恥ずかしいよ!見ないでよ!」

泣き出した。

「………あ、あぁ………。」

戦火が絶えないカースランド地方では被災者や戦争孤児が後を絶たない。
一命を取り留めたものの体の一部を欠損した者、精神を病んだ者、大人の男から小さな子供まで
容赦なく人生を奪っていった。―――――妹のクリスのように。

「馬鹿馬鹿馬鹿ぁぁぁ!!」」
「すま……ない……。本当にすまない。許してくれ。」

ゲルトは膝をつき、大きくうなだれる。

「……?……泣いてるの?」

それを見た少女、ナナは非難する視線を少し和らげた。



601 :トゥルーデは戦場へ行った ◆/Fnde2WILg :2010/09/13(月) 04:29:06 ID:qtqC4Nbw
◇  ◇  ◇

「そうか…そんなことが…。」
「うん、あの人と戦って、こんな体にされたんだよ。」

とりあえず落ち着いた二人は並んで座り込み支給された食料をほおばりながら
互いの身の上を話していた。

「つまり、ルーシーとやらとは敵対してるという訳だな。」
「そうだよ!あの人が生きてたらどんどん人が死んじゃうよ。私が止めなきゃ。」

まだクリスとさほど変わらない年齢であろうにその瞳は確かに戦士の漂っていた。
生死の境を彷徨った者にしかできない覇気。しかし。

「いや、無理だ。」
「なんでー!」
「相手は何の躊躇もなく人を殺す殺人鬼だ。ネウロイと何も変わらない。
 さっきのような戦い方じゃ甘すぎる。」

芳佳、フラウ、シャーリー、501の仲間の安否。会場の脱出方法の模索。
やることは山積みだがとりあえず―――。

「私も協力する。一緒に、奴を倒そう。」

明確な敵がいる。民間人の命が危険にさらされている中逃げ出すのは軍人の名折れである。
ゲルトが差し出した手を、少し迷った後ナナは取った。

「うん、頑張ろうね!お姉ちゃん!」

「・・・・・・。」

「……ん?どうしたの?」
「あ、いや、すまない、……すまん、頼みがあるんだが、もう一度呼んでくれないか?」
「え?どうしたの、お姉ちゃん?」

顔が赤くなっていく。どこか具合でも悪いのだろうか。

「……ああそうだ、さっきの戦闘で気になったことがあってな。」
「うん。」
「いいか、戦場でそんな長いズボンを履いちゃいけないぞ。空気抵抗が強くて思ったように動けないからな。
 ズボンは私のように膝下3cm以内に収めるのが兵士の嗜みだ。良かったらお姉ちゃんが調整してあげるぞ。どうする?」

ナナは凍りついた。




602 :トゥルーデは戦場へ行った ◆/Fnde2WILg :2010/09/13(月) 04:32:59 ID:qtqC4Nbw

【一日目 F-4 警察署前 深夜】
【ゲルトルート・バルクホルン@ストライクウィッチーズ
[状態]:健康
[装備]:トカレフTT-33(14/15)@Phantom ~Requiem for the Phantom~
[道具]:基本支給品×1、予備弾装×4、ランダム支給品0~2(未確認)
[思考]
基本:ナナと一緒に島を廻って危険人物を片付ける
1.できれば芳佳を保護する
2.フラウやシャーリーは…あいつ等なら大丈夫だろ


【ナナ@エルフェンリート】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品×1、ランダム支給品1~3(未確認)
[思考]
基本:やだこのひとこわい
1.どうしようパパ、変態さんだよこの人
2.二人で協力してルーシーさんを倒す


015:鮫は地を這い、竜は天を撃つ 投下順に読む 017:Behind The Mask
014:Phantom Beats... 時系列順に読む
000:胎動 ナナ 041:倍額保険
バルクホルン

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