【名前】バジリスク
【モチーフ】コブラ
【危険度】C(幼体)/ B(閉眼個体)/ A(開眼個体、群れ)
【全長】〜1メートル(幼体)/ 15〜20メートル(成体)
【体重】〜5kg(幼体)/ 7〜10トン(成体)
【主な能力】全身に猛毒、火炎放射(成体のみ)、邪視(開眼個体のみ)
【モチーフ】コブラ
【危険度】C(幼体)/ B(閉眼個体)/ A(開眼個体、群れ)
【全長】〜1メートル(幼体)/ 15〜20メートル(成体)
【体重】〜5kg(幼体)/ 7〜10トン(成体)
【主な能力】全身に猛毒、火炎放射(成体のみ)、邪視(開眼個体のみ)
古来よりリビア東部、キレナイカ地方を中心に群れをなして棲息している龍。1つの群れは頂点たる1頭の雌と、その周囲を取り巻く複数の雄からなる。雌雄で見た目が大きく異なることで知られており、雄は王冠のような鶏冠を戴く巨大な蛇に近い見た目なのに対し、雌は8本足の雄鶏に蛇の尾が生えたような姿である。雌の呼び声に似ているため、雄は雄鶏の鳴き声を耳にすると一瞬怯み、隙を晒す。
幼体はコルドロードをほぼ専食に近い割合で捕食するため、親は卵の孵化が近づくとサハラ砂漠を縦断し、カメルーン北西部の亜滅地にてこれを仕留め、死骸を巣の上に被せる。本種の繁殖期はコルドロードよりも約四ヶ月遅れるため、増えすぎると広範囲に被害をもたらしうるコルドロードの個体数を調整する要因となっている。
雌雄共に成体になれば全長は20メートルに迫るが、当時の人間が目撃した個体のほとんどは孵化直後に人里に迷い込んできた幼体であるため、全長は1メートルに満たないとされてきた。
幼体はコルドロードをほぼ専食に近い割合で捕食するため、親は卵の孵化が近づくとサハラ砂漠を縦断し、カメルーン北西部の亜滅地にてこれを仕留め、死骸を巣の上に被せる。本種の繁殖期はコルドロードよりも約四ヶ月遅れるため、増えすぎると広範囲に被害をもたらしうるコルドロードの個体数を調整する要因となっている。
雌雄共に成体になれば全長は20メートルに迫るが、当時の人間が目撃した個体のほとんどは孵化直後に人里に迷い込んできた幼体であるため、全長は1メートルに満たないとされてきた。
雌は古くは別種の龍であると考えられ、コカトリスと呼ばれていたが、近年になってとある神装巫女が本種の毒を武器に転用しようと試みたことで研究が進み、バジリスクとコカトリスが同種の雌雄関係にあることが解明されたため、名称は文献上での言及がより早かったバジリスクに統一された。
全身に強力な腐食性の毒を持ち、無毒な部位はほとんど存在しない。先述の幼体でさえ、馬上から槍で突いた兵士が返り血に含まれる僅かな毒素にあてられ、馬もろとも1日ともたず落命するほどである。まして成体ともなれば、その毒は呼吸1つで草木を枯らし、岩石を風化させ、コルドロードを襲う際に数多くの個体が通過するサハラが現在のような荒廃した砂漠となった大きな要因ですらあるという。
なお、一部のイタチは本種の毒素に若干の耐性があるため、幼体の天敵はイタチである。
また、充分に成熟した個体は口部から火炎を放射する能力を得るが、これは喉に決して消えることのない種火を生成するためである。火炎放射は霧状に噴射した毒液にこの種火で着火することでなされており、迂闊に被弾すると火傷した傷口より猛毒に侵される。
なお、一部のイタチは本種の毒素に若干の耐性があるため、幼体の天敵はイタチである。
また、充分に成熟した個体は口部から火炎を放射する能力を得るが、これは喉に決して消えることのない種火を生成するためである。火炎放射は霧状に噴射した毒液にこの種火で着火することでなされており、迂闊に被弾すると火傷した傷口より猛毒に侵される。
本種は視覚以外の感覚器官を持っており、多くの個体は眼を完全に閉ざしているが、この状態でも巫女を的確に追従してくるため、注意が必要となる。氷系統の神を降ろす巫女に対してはやや混乱したような素振りを見せることがあるため、ピット器官による熱源探知であるとする説が有力。
ただし、本種と相対した巫女が真に警戒すべきなのは、それが眼を開いた個体の時である。この個体は邪視と呼ばれる強力な能力を行使し、視界内で認識した全生物、さらに巫力による抵抗に失敗した場合は巫女の命をも意のままに奪うことができるため、開眼個体との戦闘には透明化能力あるいは光線操作能力といった本個体の認識を逃れる手段がほぼ必須である。抵抗率は大まかにシンクロ率と巫力操作の精度に応じるが、難易度は総じて非常に高く、過信は許されない。さらには、抵抗に成功したとしても、体の表面がよほどのことでは砕けないほど硬く石化し、身動きがとれなくなるため、戦線からの離脱を余儀なくされる。この石化は本種の種火によって溶かすことができ、後遺症なく回復することができる。
先述の神装巫女などの主導で行われた、この邪視を強力な龍の対処に活用できるかを調査する検証実験によると、Bランク以下の龍については、同種であるバジリスクには効果がなく、調査できた範囲でそれ以外の龍はほぼ間違いなく抵抗に失敗するが、唯一ファントムシェードを邪視で殺害することはなかったという。一方で、Aランク以上の龍に関しては、リスクが大きく検証が不可能な種がほとんどであったが、本種はキレナイカ地方に隣接するエジプトの結界内にも一定数棲息するため、そこで行われている観察実験に便乗することで、本種よりも龍気の保有量が多い種は抵抗率が格段に高まること、そして龍の場合は巫女とは異なり、抵抗に成功した個体はそのまま石化した表皮を砕き割って行動できることが判明した。しかし、どれほど龍気保有量が多くとも完全な抵抗には至らないようで、観察対象はいずれも本個体の視界内に極力侵入しないように行動する傾向が強かったため、アラビア半島やアフリカ北部、地中海近辺に出現した龍が巫女の手に負えなかった場合の善後策として、龍を複数の開眼個体のもとへ誘導し、邪視に頼らずとも充分に高い本種の戦闘能力も利用する形で討伐ないしは弱体化を狙う作戦が提唱されている。
なお、閉眼しているか開眼しているかによらず成体は吸霊能力を持つが、積極的に狙ってくることは少なく、使用頻度は低い。
本種の甲殻を1枚でも添えれば消えることがなくなる種火の存在により、鍛冶系の巫女からの需要は高い。しかし、その種火を狙って返り討ちに遭う巫女も多く、閉眼個体はBランクの龍の中では人類に対する脅威度が高い方である。
既知最大の個体は、現在は魔法を学ぶ教育機関として用いられているスコットランドの古城に棲み着いていた全長約25メートルの雄個体であった。その個体はおよそ30年前に男性魔法使いが討伐したとされているが、その魔法使いと対峙した際には餌が不足しており極度の飢餓状態下にあった上、あくまで彼は一時的に沈黙させたにすぎず、実際には討伐そのものは後から秘密裏に派遣された巫女によってなされていたということは、巫女の特殊性を語る上での格好の事例である。