初出 1027話
W12同様雲海が広がる
マップ。
W12からマップ突入後、雲海から何かが来ると感じるやいなや白い壁のようなものが見えた。
上空を見ると経験したことがない程の大きさの巨体が出現していた。そのマーカーは黄色であった。
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遭遇イベント |
《よくぞここ迄、来た》
その声はオレの体を震わせるかのようだった。
響く。
体の芯に、響く!
そして骨を伝わり、脳を揺さぶっていた。
頭上のマーカーがあるけど、遠過ぎて【識別】も効かない。
一体、何者なんだ?
《だが、ここより先に汝等に辿るべき道は無い》
目の前に存在するのは余りにも巨大に過ぎる立像。
その両腕がゆっくりとした所作で動く。
いや、速い!
大きいからゆっくり見えているだけだ!
合掌したかと思うと、巨像の目が閉ざされた。
空気の流れが止んだ。
全ての音が消える。
何か、巨像が呟いているように見えたが。
耳に伝わって来るのは重低音の読経。
次の瞬間、周囲の風景が切り替わる!
全身を叩かれるかのような衝撃の後、目の前が暗くなってしまっていた。
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1038話で
S1W13方面から再突入。北欧神話マップであった。
マップ中央付近には枝が拡がった頂点が見えない程の巨木。
根元を見るために雲海の下に行くと雨が降っており、巨木は島の上に根を張っていた。根の間には森が形成されていた。
白く見える氷結した湖面、その湖畔に人魂らしき光があった。
開放戦の開始インフォはかなり
キースピンポイントのメッセージであったが、聞き流したと明言していた。
エリアポータルから西へ向かうと天候が荒れ、積乱雲が現れる。
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ポータルボス戦開始・終了インフォ |
《秩序を乱す者よ》
《混沌を断つ者よ》
《汝、中庸を呼ぶ者よ》
《或いは修羅道に堕ちし者よ》
《世界の理に触れるなかれ》
《いや、我等が触れさせはせぬ》
《存在理由を消させはせん!》
《秩序と混沌もまた表裏一体》
《この理は変わらぬ》
《汝、中庸を呼ぶ者よ》
《或いは修羅道に堕ちし者よ》
《世界の理を破壊するなかれ》
《罪を犯すなかれ》
《汝如きで償えるものではないのだ!》
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エリアポータル詳細情報
- 1101話で恒例の木登りに挑戦した。途中にもモンスターが襲ってくるハードモード。さらには飛べないと言う縛りがあり、半日程のかなり厳しい戦いになった。
- たどり着いたのは太い枝で形成された緑の回廊で広域マップには中継ポータルのような表示で欺瞞の根源と表示されていた。広域マップのデータとしてはそれのみが書かれたシートでd4層の下、u4層の隣に表示されるようであった。
- 中継ポータルのような表示であったが、モンスターは襲ってくるようだった。
周囲8つの回廊解放後広域マップの点滅に釣られ再訪するとインフォがいきなり流れる。
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8つの回廊解放後再訪時インフォ |
《罪深き者よ、高みを目指すがいい》
《そこで汝等の歪みを正し、次の世へと送ろう》
《これもまた試練》
《そして福音》
《同時に呪詛となろう》
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階段が幹に穿たれていて、さらなる道に誘っていた。(1128話)
- 緑の回廊はコール・モンスターは効かず、マグネティック・コンパスだけは効いていた。8つある回廊の内、東へと続く回廊を進んでいくとやや上に向け緩やかな登り坂が続く上にクネクネと曲がっている。だんだん風を感じるようになり、ようやく回廊を抜けると、その先には2つの渦状星雲が交差している星空がかなり明るく照らし出している空間。眼下には雲海が広がる。交差する星雲は2つの並行世界の接触をあらわすのか、はるか未来の銀河系とアンドロメダとの衝突をあらわすのかは不明。地面は木ではなくアスファルトの様であり、「H」と表示されたヘリポートであった。そしてそこには人魂が浮かんでいた。いつかのように選択しない中庸の選択をすると、2つの選択それぞれで出てくるであろう天使と堕天使両方が出現と言うご褒美があった。そこは中継ポータル慈悲の位となっていた。ポータルボスがザドキエルであり、ポータルの名前が「慈悲」であるため、セフィロトを象徴すると考えられる。但し、中庸のため天使と堕天使をまとめて殲滅しているので、裏のクリフォトも一緒に攻略しているようなものである。
このポータル開放により称号【
中庸を貫く者】を獲得する。(1103話)
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イベント開始・終了インフォ |
《この世界の有り様を見るがいい!》
《これもまた宇宙の秩序の一端》
《そして混沌へと還る》
《汝はいずれの道を望むや?》
《秩序を守護し、汚れし世界を望むか?》
《混沌へと還り、新たな世界を望むか?》
《いずれなりや?》
人魂が2つに分かれる。
そして人魂の上に選択肢も浮かぶ。
左が《秩序》で、右が《混沌》。
いつかのように選択をしない選択をする。
《汝、中庸を呼ぶ者よ》
《天空よりの御使いを遣わそう》
《闇よりの使者の前にひれ伏すがいい》
《足掻いて見せるがいい》
《苦悶の声を上げよ》
《中庸に留まる事の無為を知れ》
《そしてここで滅びるがいい》
《この世界の有り様を見るがいい!》
《歪んだ世界、それ故に滅び行く世界だ》
《いずれは何もかもが崩れ去るであろう》
《そこに秩序は無い》
《混沌も無いのだ》
《愚かな者よ、足掻くがいい》
《汝自身が歪みに冒されようと自らの進む道を辿る事だ》
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解放後はモンスターが姿を消していた。上から神樹を見ると、縁を一周してみたんだが1時間弱かかるほどの巨大さが目に付く。下に降りられそうなのは
慈悲の位の所だけのようだ。
- 次に南東へと続く緑の回廊を進むと、またもや渦状星雲が2つ交差している星空の下に出た。今度の地面は空母の甲板であった。艦橋は半ば朽ちていたが、かなり大型の空母である。2桁の番号が書かれていて、右は0だが、左は蔦で見えない。艦載機もいくつかあったが、これも半壊状態で蔦に覆われていた。艦橋の手前に人魂が浮いていた。インフォは段々直接的になり、終了インフォに至ってはそのまま答えにも成りかねなかった。
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イベント開始・終了インフォ |
《愛は幻》
《平和は幻想》
《調和は歪みを許容しているに過ぎぬ》
《認めるがいい》
《汝等が如き偽善者こそが悪そのものである事を!》
《愛する者がいるならば苦難を受け入れよ》
《平和を望むならば孤独に耐えるがいい》
《全てが調和する世界を見たいなら、全てが滅ぶしかない》
《知らぬ事を幸福に思え》
《汝等が如き者が辿り着けぬ世界は数多とあるのだ!》
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こちらも解放後はモンスターが姿を消していた。上から神樹を見て回ったが、降りられそうなのは
勝利の位の所だけのようだ。
- 次に北東へと続く緑の回廊を進むとさすが鬼門で、装備脱がしを仕掛けてくるナルシサス・モスカトスなど危険がたくさんあった。回廊の先にはビルの屋上のような場所が開けていた。天空を見上げると例によって渦状星雲が交差している。ビルの屋上にボロボロとなって転がっている給水塔の前に人魂があった。(1108話)
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イベント開始・終了インフォ |
《世界の禁忌を暴くなかれ》
《神の意を疑うなかれ》
《魔の誘いに耳を傾けるなかれ》
《全てを知る者は全てを背負う》
《その重圧に人の身で耐えられはしないのだ》
《世界の禁忌に触れんとする者よ》
《天と地のいずれにも汝に身を置く場所は無い》
《贖罪への旅路は永遠に続くであろう》
《全てを知ろうとする者は全てを失う》
《失っても尚、進む覚悟があるのか?》
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- 北へと続く緑の回廊を進むと、今までの回廊が登りだったのに対し所々で相当な長さの崖のような傾斜の高低がある場所があり時間がかかった。メデューサ,白蛇姫,アラクネクイーン,蜘蛛神,各種スライム,パイロヒュドラ,マッドヒュドラ,ファフニール,八岐大蛇之化身,キングバジリスク,巴蛇,アナンタの分身,シェーシャの分身,サムサラアペプ,ニーズヘッグの分身,伏義の化身など地形を苦にしない相手が中心。そんな中、なぜかヴォルフも地形を苦にしなかった。回廊の先には高層ビル群の廃墟があった。天空を見上げると例によって渦状星雲が交差している。ビル群の合間にある道路の上には人魂があった。(1112話)
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イベント開始・終了インフォ |
《我は法を奉じる者》
《そして神罰の代行者》
《ここで自らの罪を晒すがいい》
《その命で償いを果たす事になるだろう》
《汝は法を破りし者》
《そして神罰を恐れぬ愚か者》
《自らが犯した罪を嘆くがいい》
《その命で償いを果たす事になるだろう》
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イベント開始・終了インフォ |
《神へと至る門はいずれにも在る》
《だが見出す者は稀である》
《真の言葉は汝と共に在る》
《己を見よ》
《その穢れを我は討つであろう》
《神へと至る門はいずれ開くであろう》
《例え鍵が無いのだとしても》
《神の真の姿を見よ》
《そして崇めよ》
《ただ真摯に神の言葉を待つがいい》
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イベント開始・終了インフォ |
《破壊の御子は我と共に在る》
《その神の威の一端を汝等は知る》
《恐れるなかれ》
《死すべき者が、ただ死ぬだけの事であるのだから》
《破壊の御子は我と共に去る》
《その神の威の一端を汝等は知った》
《思い上がるなかれ》
《死を避ける術は汝等には無いのだから》
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- 南西へと続く緑の回廊を進むと、英雄王ルガルバンダ,冥界王ギルガメシュ,各種エンキドゥ,レッドオーガ,エルダーマンティコア,エルダーバシュム,ムシュフシュロード,ムシュマッフロード,クサリクロード,ギルタブルルロード,ウガルルロード,ウリディンムロード,仏像シリーズ,インド神話関連が出現。この方向は鬼門であり、1116話でキースはフラグを建てていたが、とても心躍る相手が多く長居したくなる回廊だった。回廊の先には学校のグラウンドが広がり、周囲は森に囲まれ、各種学校関係の施設があった。天空を見上げると例によって渦状星雲が交差している。旗の無いポールが3つあり、その真ん中のポールの前に人魂が浮かんでいた。インフォは学校にちなんだのか腐ったミカンは要らないと言わんばかりの内容だったが、キースはそんなことよりドラゴンのレベルアップが無いことに切れてそれ所ではなかった。(1119話)
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イベント開始・終了インフォ |
《風が囁く》
《変革の時が来た》
《全てを破壊し尽くす時が来たのだと》
《新たな世界に旧き世界は無用》
《器を新しくしましょう》
《その中身もまた、新しくすべきなのです》
《風が囁く》
《いずれ世界は静寂に包まれる》
《風は止み、再び吹く事も無いのだと》
《新たな世界に旧き世界の理は無用》
《清く美しい世界に穢れは不要》
《醜い存在に愛情を注ぐ理由は無いのです》
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- 南へと続く緑の回廊を進むとインド神話関係が出てきた。他には英雄王ルガルバンダや妖怪達も出現。確率は低いが、アンデッド軍団もいる。(1123話)回廊は途中崖のような段差もあり、最長となっている。その後平坦となりさらに続いた。回廊の先には白い積雪がある地面が拡がっていた。天空を見上げると例によって渦状星雲が交差している。雪原に1つだけ、寂れた送電鉄塔があり、そこに人魂が浮いている。戦いはクラス5のドラゴン同士の怪獣同士の戦争の様相を呈してあっけなく終わった。
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イベント開始・終了インフォ |
《我等は予言をここに記す》
《月は翳り太陽は光を失う》
《星々も瞬く事なく、闇へと還るであろう》
《その時を定める者よ》
《選択の時は今なのだと知るがいい》
《我等の予言は潰えてはいない》
《必ず月は翳り太陽は光を失うであろう》
《星々の姿はいずれ消え、闇へと還るであろう》
《その時を見る者よ》
《選択は既に終わり、覆る事は無いのだと知るがいい》
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全ての位の中継ポータルが解放されると、広域マップの
欺瞞の根源の部分が点滅し始めたが、
ドラゴンの進化に夢中の
キースに後回しにされた。(1124話)
- 欺瞞の根源の幹に新たに現れた階段を上っていくと蔦ばかりの茶色の世界で難儀な道行となる。途中何度も蔦の壁が道を遮り、その先はモンスターが群がっている。この壁はショート・ジャンプを阻害していて、物理的に排除しなければならない。階段状だったが徐々に急勾配の登り坂となり、蛇身たちが襲ってくる。(1128話)その先には屋上にドームを備えた細長い建物の天文台があり、天空を見上げると例によって渦状星雲が交差している。浮かんでいる人魂は今回は上下に分かれ、上は小さく、下は大きい。呪文を無効化し、火の強力な剣を持つミカエルの写身も火輪をパイルダーオンした金髪仕様のアイソトープの敵では無かった。(1129話)
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イベント開始・終了インフォ |
《天空に輝く太陽を見よ》
《闇に瞬く星を見よ》
《世界の流転は無限にして儚い》
《神には些末な変化に過ぎぬ》
《人の命など、更に矮小》
《ここで散れ》
《世界の流転の中へ還るのだ》
《天空に輝く太陽を見よ》
《闇に瞬く星を見よ》
《世界の流転は無限にして儚い》
《だが人の身では知る事は出来ぬであろう》
《全ては無為と知れ》
《何も知らぬまま、世界の一部となり還るだけなのだ》
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ポータル解放後天文台の脇、偽りの神樹の樹上に森のような一角に回廊が出来上がっていた。
- その先にはキノコたちが出てきて、古代バビロニア、ギリシャ神話、北欧神話、日本神話、インド神話、古代中国、古代エジプト、仏像シリーズとありとあらゆる神話関係者が出現し、格闘戦の相手にも事欠かず、さらには花精が出てこないというすばらしい回廊があった。だが、切り札も無く連日の徹夜もありある程度堪能して撤退した。(1129話)1132話で再訪し、出来れば戦う前から敵を屠るイメージと感覚が合致する事というある意味極みの領域を目指しながら攻略をした。進んでいくと野球ができるくらいの広間に出た。床も壁も天井すらも蔦で覆われていた。但し、壁沿いに太い幹が露出している所が異なるが人魂などは見当たらない。しかし一見行き止まりであり、何らかの仕掛けがあると思われた。9つの柱に変化が生まれ、堕天使が姿を現した。
堕天使を倒すと、さらに上に続く回廊が現れた。その先は堕天使と
マスティマが通常モンスターとして出てくるようになる。その先にはやや狭い円形の空間が開けていて、足場は鏡面となっていた。周囲は森のようであるが、それは偽りの神樹の枝葉でしかない筈で、中に入って自由に動けるようには見えない。中央に人魂が浮いていた。天空を見上げると例によって渦状星雲が交差しているだろうとの直前の予測は記述されているが、実際の所あるともないとも記述されていない。戦いはかなりの激戦となり、
天馬疾駆だけでなく、
ブーステッド・モンスターズも使い切り札を2つも切ることとなった。これは決してイケメン野郎が使えなかったからではないと思われる。
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イベント開始・終了インフォ |
《生命の楽園に住まう者よ》
《生命の監獄に封じし者よ》
《拝跪して聞くがいい》
《我等は楽園の守護者》
《そして脱獄を許しはしない》
《生命の海に生きる者よ》
《生命の宿命に抗う者よ》
《拝跪して聞くがいい》
《この先は聖域であって聖域に非ず》
《汝等の望む世界ではないのだ》
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戦闘後鏡面の中央に黄金色に光る何かが出現していた。黄金色に輝いていたのは1本の樹木、どうも若木であるらしい。
準備を整え、満を持して黄金樹に触るもまたもや残念なインフォが流れた。
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運営インフォ |
《 知識の位は準備中、情報リンクを確立出来ません》
《伝達情報に致命的な欠落があります。暫定シークエンスを適用》
《称号の鍵は『 中庸を貫く者』と確認》
《称号『 修羅道への通行証』を確認、追加シナリオの適用が必要です》
《警告!リソース不足です!》
《暫定シークエンスの進行を中断します》
《ルートは確定出来ません》
《待機モードに以降、 知識の位は凍結されます》
《転移マーカー機能は凍結、 王国の位は現状維持とします》
《報告処理は中断、一時保存します》
《 キース様へお知らせです。イベントの進行は中断となりました》
《大変申し訳ございませんが、日を改めてイベント進行可否の確認をお願いします》
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もともと
王国の位解放戦終了インフォでも「この先にあなたの望む世界(修羅道)は(今は)無いので帰ってください」と言っているようなものであり、準備中ということになる。本来の宗教に根ざした哲学におけるセフィロトですら、
知識の位は隠されある意味準備中であり、当然のことかもしれない。
本来様々な神話体系を絡めて
システムを作っている
運営としては、まさかこんなに早く緑の回廊が必要になるとは思っていなかったであろうし、もしも十分に準備ができていれば、緑の回廊も本来の大アルカナ22枚との対応を絡めてギミック満載になっていた可能性もある。
その先のイベントが設定されていたはずだが、なぜか1222話の
N4E29における戦いに流用されてしまったらしい。(1234話)
しかもその次のイベントのリソースも
u4で老紳士に流用されてしまった可能性がある。
1235話で
王国の位に移動すると、黄金の木に
黄金の林檎が生っていた。それに触るとイベントインフォが流れた。リソースを使われてしまったせいか
知識の位の既存設定は廃棄とのことで、しかも介入に対する警戒もしていた。手を触れると風景が一変した。黄金の木のみが変わらないが、周囲はいつの間にか半ば以上花々で埋め尽くされている草原になっており、何か花の良い匂いがした。空には青空が広がり天気もよく暖かい。そして
召喚モンスターの姿も無かった。そこには黄色のマーカーの
フレイヤ,
イシュタル,
アフロディテ,
イズン,
玉依姫,
イシス,
サラスヴァティー,
天宇受賣命,
アナト,
アスタルテ,
スクルド,
ヴェルダンディ,
ウルドがいた。
アプサラス,
フレイヤガードなども含めると百名を越える大戦力の美女軍団であり、キャバクラのようなものであった。スクリーンショットのコレクションは増えたが、この罠にかつてないほど苦戦することとなった。ちなみに一番のお気に入りは
天宇受賣命。
何とか振り切って逃げ出して確かめると、広域マップも表示されず、
召喚モンスターも呼べない状態だった。平原から見えた森に到達すると、唐突に
召喚モンスターが居て風景も
王国の位に戻っていた。
その後
久住が登場した。調査のため
久住が去り、改めて黄金の木に触れても発せられるのはリソースが枯渇したためのイベント中断のお知らせであった。
ある意味完全敗北で逃げたことになったが、そのすさんだ心を救ったのは
ヘザーの笑顔であった。
何度も煮え湯を飲まされた運営もついに本気になった可能性がある。インフォでも『記録を開始します』とあったため、恐ろしい手である。しかし、このことを
キースが報告すれば、
睡蓮洞などに終結している者たちを筆頭に、短期間で【
神殺し】が量産される可能性も否定できない諸刃の剣の策である。
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イベントインフォ |
《転移を開始します》
《知識の位の既存設定は廃棄済みです》
《警告!特定監視対象です!》
《リソース認証は不要です。管理者管轄外での運用を実施》
《結界による隔離措置を実施します》
《介入の可能性があります! 監視強化を申請》
《申請は認可されました。緊急停止措置の判断は一任とします》
《記録を開始します》
『ようこそ、キース。こちらへどうぞ。まずはお話しでもしませんか?』
「話をしに来た訳じゃない。ここは、何だ?」
『貴方の見ている通りです。ここは楽園。争いは無く、誰もが心穏やかになれる場所』
『そして貴方の望むままに我等も振る舞う事でしょう』
「ッ?」
『どうぞこちらへ』
『何か召し上がります? 先に喉を潤すのも良いでしょう』
「一体、何のつもりだ?」
『貴方にはそれだけの事を為した。だから貴方はここに来る事になったのですよ?』
『ここはあらゆる望みを叶える常世でもあります』
『まずは身体を休める事です』
『歓迎しますわよ?』
『喉を潤し、お腹を満たしたら殿方はどうなると思う?』
『ええ、勿論知っているわ!』
『きっと素敵に振る舞って下さると思うわよ?』
『順番が回って来るのが後にならないか、心配だわ』
『どうかしら? そもそも順番なんて無いのかもしれないわよ?』
『あら、それもいいわね』
『貴女が乱れる所を見せて頂けるのかしら?』
『妾は問題ない。こちらも存分に貴女達の乱れる様を愛でる事になるでしょう』
「ッ?」
『この者達も貴方に仕える事になります』
『どうぞ、貴方の望みのままに』
「ここはあらゆる望みを叶える。そう言ってたな?」
『ええ、勿論』
『あら。食事の前に早速、愛でて頂けます?』
「先に戦いだ。他の神々がいる筈だな?」
『ここはそういった場所ではありませんわよ?』
『争いの無い、平穏なる場所』
『常世の楽園。あらゆる望みを満たす場所』
『あらゆる欲を満たす場所』
『全てを癒す、そんな場所なのです』
「無意味だ。戦いの中でこそ、生きている事を感じられるというのに。そこは満たせないよな?」
女神様達が揃って、艶然と微笑む。
でもどこか違和感もあるぞ?
色欲で男性を籠絡しようとする女性のものとも違う。
何か獣のような?
『英雄たる者、戦いに身を投じるだけではありませんでしょう?』
『女と戯れる事も必要です。少しは嗜んでおきませんと』
「それはどうかな?」
寝技は得意だし自信もあるけどね。
勿論、格闘技の意味でしかない。
そこへ睦言も加わるとなれば全く話が違う。
「やはり楽園には足りないな。ここには敵がいない」
このまま戦いを忘れそうになっているオレがいる。
自覚出来る。
だからこそ、これは窮地だ!
『修羅の道ですわね』
『戦いの中に身を置こうとするなんて!』
『望むままに振る舞って下されば私達もそれで満足ですのに』
『妾達では不服ですか?』
「まさか。だが、戦いの相手には出来ない。それが理由の全てなのでね」
『切り倒すつもりじゃないだろうね?』
「さて。それはどうかな?」
背後から制止の声、振り返らずとも誰であるのかは分かる。
久住か。
「さあ、話せ! 先刻のは何だ!」
『アルメイダめ、ここに来たがらなかった理由はこれか!』
「何?」
『異様にリソースが足りなくなったんでね。私は彼に調べて欲しいと懇願されただけだよ』
「では事情を知らないのか?」
『出来れば君にその事情を聞きたい所だが、これじゃまともに話せそうにないなあ』
「まさか、あの老紳士か!」
『老紳士? ああ、また彼が何かやったの?』
「彼? 奴は何者だ!」
『以前はアルメイダと同じだと思っていたけど違っていたようだね』
「名前は?」
『知らない』
「真面目に答えるつもりは?」
『これ以上ないって程に真面目だよ! それよりもその怖い顔を引っ込めてくれないかなあ』
「また、と言ったな?」
『言ったよ?』
「以前にも何かあったのか? 何を知ってる?」
『このゲーム世界を支えるリソースを勝手に流用している、と聞かされているだけだよ』
「でも名前はしらないのか」
『まあね』
「あの黄金人形は何も手を打たないのか?」
『彼は基本的に放置だからねえ。君等の前に出て来るような事態は珍しいんだよ』
「その放置ってまさか」
『ご明察。彼もアルメイダも未だに観察対象なんだと思うよ?』
「何か試している?」
『多分。そしてこの私もまた試されているんだろうねえ』
「そんな自覚があったのか」
『自覚も何も、普段通りにしか行動しないし出来ないよ。気に入られたい訳でも無いし』
無性に殴りたくなっているぞ?
『ストップ! その笑みは止せ!』
「事情が分からん。何が進行している?」
『それこそこっちの台詞だね。ここで何があった?』
「こっちは口下手なんだ。上手く説明出来る自信なんて無いんでね」
『そうだろうねえ』
「少しは口を慎め」
『そ、そうするよ! クソッ! アルメイダめ、こうなる事を予測してたか!』
『ども。で、簡潔に説明出来る?』
「各神話世界の女神様達に囲まれてた。その上、迫られていたよ」
『性的な意味で?』
「性的な意味で」
『その立場になってみたかったなあ!』
「ああ、あんたならそうだろうよ!」
ダメだこいつ。
『意図が分からないな。思い当たる事は?』
「無い。いや、もしかすると称号が影響している可能性はあるかもな」
『称号?』
「神殺しだ」
『神殺しか。君も大概だねえ』
「おい」
『分かった。余計な一言だった』
『ダメだ。すぐに分かるような事じゃ無いみたいだ』
「時間ならある。調べられるか?」
『いいけどね。こっちも色々と大変なんだよ? 主に現実の方がだけど』
「問題になっているのか?」
『大いにね。ニュースになっていないだけで大変な事態だ!』
「大丈夫なのか?」
『多分ね。それは君のお陰でもある』
「何?」
『君のモーションをプログラムした警護ロボットがあるんだ。地上戦で何度も活躍してるよ』
『以前に君にも見せたでしょ?』
「あ!」
『加工精度がいい工作機器を導入出来たし、素材も充実してる。もっといい動きになってるよ』
「おいおい!」
『動画で見たい? 調べ物が区切れたら君の拠点に行くからさ』
「任せる。出来るだけ早く調べ上げてくれないか?」
『了解。じゃあ私はここで失礼』
《知識の位は準備中、情報リンクを確立出来ません》
《伝達情報に致命的な欠落があります。暫定シークエンスを適用》
《称号の鍵は『中庸を貫く者』と確認》
《称号『修羅道への通行証』を確認、追加シナリオの適用が必要です》
《警告!リソース不足です!》
《暫定シークエンスの進行を中断します》
《ルートは確定出来ません》
《待機モードに以降、知識の位は凍結されます》
《転移マーカー機能は凍結、王国の位は現状維持とします》
《報告処理は中断、一時保存します》
《キース様へお知らせです。イベントの進行は中断となりました》
《大変申し訳ございませんが、日を改めてイベント進行可否の確認をお願いします》
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1247話では、東方の
N4E29における黒い球体の封印の完了後にセフィロトの守護天使の本体が勢ぞろいした。通常ならこちらのセフィロトイベントに出てもおかしくない面子であり、またもやソースの流用が為された可能性がある。
最終更新:2016年11月08日 12:16