少女達の憂鬱
「・・・とうとう・・・来てしまった・・・・ここまで・・・・」
学園世界の喧騒の中、誰に聞かれるでもなく一人の少女の悲しき呟きが風に消える。
出来ればここには来たくはなかった・・・ずっと・・・。
出来ればここには来たくはなかった・・・ずっと・・・。
その思いの内にあるのは、諦めか・・・それとも絶望か・・・・。
だがしかし、どれほど辛くとも彼女はやがてここに足を踏み入れていただろう・・・・
それが、彼女の運命なのだから。
それが、彼女の運命なのだから。
しかし、だからと言って問題を先送りにするわけにはいかない。
それは人間ならば決して避けては通れぬ道だし、
なによりまさか逃げるなどと、己のプライドが許さない。
それは人間ならば決して避けては通れぬ道だし、
なによりまさか逃げるなどと、己のプライドが許さない。
そう!!大魔王として恐れられる自らのプライドが!!!!!
拳をグッ!と握り締め、
ウェーブのかかった銀髪をデパートの室内の空調の風にたなびかせながら、
制服の上にポンチョをまとった少女『ベル・フライ』
ウェーブのかかった銀髪をデパートの室内の空調の風にたなびかせながら、
制服の上にポンチョをまとった少女『ベル・フライ』
裏界第2位の大魔王『蠅の女王ベール=ゼファー』は、己の目の前に立ちはだかった憎っくき敵を睨みつけていた。
ワゴンの看板にデカデカと貼り付けられた忌々しい文字
『Aカップブラ各品こちら↓』
の文字を。
『Aカップブラ各品こちら↓』
の文字を。
実際、以前も少しは気にしていた事ではあったが、別にそこまで胸の事を気に病む事はなかった。
元々あくまでこの体型は楽だから取っていた姿だし、
その気になればCだろうがDだろうとどんな体型にだって変化出来るのだから。
だから別にアゼル達といても特に気にしなかったのだけれど・・・・
元々あくまでこの体型は楽だから取っていた姿だし、
その気になればCだろうがDだろうとどんな体型にだって変化出来るのだから。
だから別にアゼル達といても特に気にしなかったのだけれど・・・・
ここにきて、文字通り“予想外の事態”が起きたのがいけないのだ!
今も周りを見渡してみればあちこちに存在する
C、E、D、D、C、D、C、D、E、C、D、E、G・・・・・ってG!!??
「うっそなにあの胸!?ってかあの制服・・・・・・・・・
麻帆良の中学生の制服じゃないの!? まさか・・・・・・あれで中学生だっての!??」
麻帆良の中学生の制服じゃないの!? まさか・・・・・・あれで中学生だっての!??」
あまりの衝撃に思わず叫んでしまう。
慌てて口を押さえるがもう後の祭りだ。
こっちに気づいた相手が「うふふ・・・」と笑いながら去っていく姿に、言い知れぬ敗北感を覚える。
慌てて口を押さえるがもう後の祭りだ。
こっちに気づいた相手が「うふふ・・・」と笑いながら去っていく姿に、言い知れぬ敗北感を覚える。
そう、どうゆうわけだか知らないけど、
この学園世界にやって来た者たちの中にはやたら巨乳の、
それも『爆乳』と呼んでいいんじゃないか!?と言うレベルの女生徒や女教師が多いのである。
この学園世界にやって来た者たちの中にはやたら巨乳の、
それも『爆乳』と呼んでいいんじゃないか!?と言うレベルの女生徒や女教師が多いのである。
・・・どれくらい凄いのかって、
なんせアゼルで普通サイズなんじゃないか?と思えるくらい凄いのがあちこちにいるのだ!
なんせアゼルで普通サイズなんじゃないか?と思えるくらい凄いのがあちこちにいるのだ!
となれば、当然私のような胸の小さい・・・・まあ、私はわざとこのサイズにしているのだけれども。
それでも!これだけ巨乳が多いと流石に気にならないと言えば嘘になる。
それでも!これだけ巨乳が多いと流石に気にならないと言えば嘘になる。
でも、残念ながら現在この学園世界において
自分はベル・フライであり、あくまで人間なのである。
ただの人間がそんなポンポン体型を変化させるわけにはいかない。
しかも最近、アダルトモードになるのはなんか異常に疲れるし。
それでも無理して変身すればニヤニヤしながらリオンが何かいいたそうにこっちを見てくるし。
だからと言って巨乳の連中を八つ裂きにしてしまえば、
それはそれでやっぱ魔王としてなんか負けたような気がする。
自分はベル・フライであり、あくまで人間なのである。
ただの人間がそんなポンポン体型を変化させるわけにはいかない。
しかも最近、アダルトモードになるのはなんか異常に疲れるし。
それでも無理して変身すればニヤニヤしながらリオンが何かいいたそうにこっちを見てくるし。
だからと言って巨乳の連中を八つ裂きにしてしまえば、
それはそれでやっぱ魔王としてなんか負けたような気がする。
そんな訳でこの学園世界に来てからの私は、
なるべくこの手の話題は避け、あまり胸に関わる所には近寄らないようにしてたのだが・・・・・・
そろそろ新しいブラが欲しくなってきてしまったのだ!!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・というか、
そこまで嫌ならブラ買わなきゃいいんじゃ?と言われるだろうが、
やっぱり『魔王』として身だしなみは大事だし、
じゃあ誰か適当な落し子辺りに買いに行かせればいいんじゃないか?
と言われれば自分の下着なんだから自分で選びたいし!!
なるべくこの手の話題は避け、あまり胸に関わる所には近寄らないようにしてたのだが・・・・・・
そろそろ新しいブラが欲しくなってきてしまったのだ!!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・というか、
そこまで嫌ならブラ買わなきゃいいんじゃ?と言われるだろうが、
やっぱり『魔王』として身だしなみは大事だし、
じゃあ誰か適当な落し子辺りに買いに行かせればいいんじゃないか?
と言われれば自分の下着なんだから自分で選びたいし!!
と、そうゆうわけで仕方なくこうしてアゼルにも黙って一人で、
持てるプラーナ全力で使用してなんとか“あの”リオンも撒いてこのデパートに来たのである。
持てるプラーナ全力で使用してなんとか“あの”リオンも撒いてこのデパートに来たのである。
蠅の女王が・・・・
裏界第2位の大魔王たるこのベール=ゼファーが・・・・
こんなコソコソしなきゃいけないなんて・・・・・・・・・・・・・・・!!!!!
裏界第2位の大魔王たるこのベール=ゼファーが・・・・
こんなコソコソしなきゃいけないなんて・・・・・・・・・・・・・・・!!!!!
屈辱ではあるが、
だからと言って普通に堂々と買い物に来て、万が一にもアイツ等にでも会おうものなら!!
だからと言って普通に堂々と買い物に来て、万が一にもアイツ等にでも会おうものなら!!
〈んふふ~。ふ~んベルったら、こ~んなお子ちゃまぽ~いのが好みなんだ~。
あ、そうか!元々お子ちゃま体型だもんね~♪お♪こ♪ちゃ♪ま♪べ♪ル♪~~♪♪〉
あ、そうか!元々お子ちゃま体型だもんね~♪お♪こ♪ちゃ♪ま♪べ♪ル♪~~♪♪〉
〈ふふふ、ご心配なく大魔王ベル、私は別に興味はありませんから。
・・・・・・ああ、そういえば私もそろそろ新しいのを買おうと思っていたのですが、
よかったら参考までにどのようなのが良いか選んでくれませんか?〉
・・・・・・ああ、そういえば私もそろそろ新しいのを買おうと思っていたのですが、
よかったら参考までにどのようなのが良いか選んでくれませんか?〉
うっきぁああああぁぁぁぁぁ!!
すっごいム・カ・つ・くうぅぅぅぅ~~~!!!!
すっごいム・カ・つ・くうぅぅぅぅ~~~!!!!
すっごいいい笑顔でこんな事言ってきそうな二人の顔が脳裏に浮かぶ。
と、とにかくさっさとブラ買って帰ろ。見つからない内に・・・・・・・
「ねえねえみくるちゃん、みくるちゃん! これ見てこれ、これ!! スケスケですっごいセクシーよ!!」
「ふ、ふえぇぇ。そ、そんなの恥ずかしくて付けれませ~ん。」
「な~にいってんのよ! この黒いのとかなんて絶対みくるちゃんに似合うわよ!!」
「そうにょろ~。みくるもたまにはこうゆう派手なの付けないと~ねえハルにゃん?」
「そ~よ鶴屋さんの言うとおり! なんなら団長命令で無理やり付けさせるわよ!!」
「ふえええぇぇぇぇぇ」
「ふ、ふえぇぇ。そ、そんなの恥ずかしくて付けれませ~ん。」
「な~にいってんのよ! この黒いのとかなんて絶対みくるちゃんに似合うわよ!!」
「そうにょろ~。みくるもたまにはこうゆう派手なの付けないと~ねえハルにゃん?」
「そ~よ鶴屋さんの言うとおり! なんなら団長命令で無理やり付けさせるわよ!!」
「ふえええぇぇぇぇぇ」
「あのな~ミゾレ。オレのブラ選ぶだけじゃなくて自分のも選べよ!」
「え~。 でもほらカナちゃん。私って雪女だし~」
「説明になってねーよ!!」
「お前等くらいでかい胸なら逆にノーブラの方がエロいよな~。
ん?!いや待てよ・・・・むしろ服の上から透き出るぐらいの黒の下着とか付けた方がエロいか!??」
「って!どこから湧いて出たこのエロ保健医!!!」
「え~。 でもほらカナちゃん。私って雪女だし~」
「説明になってねーよ!!」
「お前等くらいでかい胸なら逆にノーブラの方がエロいよな~。
ん?!いや待てよ・・・・むしろ服の上から透き出るぐらいの黒の下着とか付けた方がエロいか!??」
「って!どこから湧いて出たこのエロ保健医!!!」
きゃいきゃいわいわい回りの雑音が聞こえてくる。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・
~~っ!!全く・・・どいつもこいつも!!!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・
~~っ!!全く・・・どいつもこいつも!!!
とにかく無視よ無視!さっさと買わないといつリオン達にバレるか判ったもんじゃない。
え~と・・・・・・・ん?あのポニーテールの子・・・・・・。
え~と・・・・・・・ん?あのポニーテールの子・・・・・・。
「そんじゃ英子。あたし向こうで自分のブラ見てくるからぁ~!」
「キミはほんと遠慮がないな!こうゆう事に関して!!」
「キミはほんと遠慮がないな!こうゆう事に関して!!」
たったった~と軽快なステップを踏みながら
無駄にでかい乳を揺らして去っていく友人、藤原なえかに対して最大限の皮肉をこめた返答をしつつ、
私、和泉英子は自分のサイズ・・・つまりはAカップブラのコーナーに向かって歩き出した。
無駄にでかい乳を揺らして去っていく友人、藤原なえかに対して最大限の皮肉をこめた返答をしつつ、
私、和泉英子は自分のサイズ・・・つまりはAカップブラのコーナーに向かって歩き出した。
ワゴンにデカデカと『Aカップブラ各品こちら↓』と書かれた看板が癇に障る。
くそう!もともとなえかやフブキさんの所為で肩身が狭かったのに!
この学園世界に巻き込まれてからは、新手のイジメか嫌がらせか何かなのか!?と、
叫びたくなるほどの状況なのだ!!!
右を見ても左をみても乳、乳、乳!!
なえかやフブキさんレベルの巨乳のオンパレード!!!!!
この学園世界に巻き込まれてからは、新手のイジメか嫌がらせか何かなのか!?と、
叫びたくなるほどの状況なのだ!!!
右を見ても左をみても乳、乳、乳!!
なえかやフブキさんレベルの巨乳のオンパレード!!!!!
・・・・なんだこれは!?
遂に世界が巨乳に支配されたとでもいうのか!?
特にあの麻帆良学園とか、麻帆良学園とか、後麻帆良学園とか!!!!!
さっき見たあの子!あれで中学生って一体何食ったらあんなのなれるのよ!?
なえかどころか、いつぞやのリズよりでかいって普通じゃないよ!!!???
遂に世界が巨乳に支配されたとでもいうのか!?
特にあの麻帆良学園とか、麻帆良学園とか、後麻帆良学園とか!!!!!
さっき見たあの子!あれで中学生って一体何食ったらあんなのなれるのよ!?
なえかどころか、いつぞやのリズよりでかいって普通じゃないよ!!!???
・・・・はぁ、虚しい。
もういいや、さっさとブラ買って帰ろう・・・・・・・・。
もういいや、さっさとブラ買って帰ろう・・・・・・・・。
さてと・・・、ん?あの銀髪の子・・・・・。
女性客で賑わう下着売り場の真ん中、ワゴンの前で二人の少女が運命の出会いをはたした。
この瞬間世界には二人以外の存在はおらず、二人ともお互いの姿しか見えていなかった。
目の合った瞬間、互いに気が付いたのだ。
人間かどうか、捕食者とその餌だとか何だとかは関係ない。
この瞬間世界には二人以外の存在はおらず、二人ともお互いの姿しか見えていなかった。
目の合った瞬間、互いに気が付いたのだ。
人間かどうか、捕食者とその餌だとか何だとかは関係ない。
『同じ』だと!同じように悩み、同じように苦しむ『同類』だと!!
そう・・・・・・・かつてベルが敵のトップである『アンゼロット』と『赤羽くれは』の二人と共に、
『Aカップ同盟』を結んだあの時のように。
『Aカップ同盟』を結んだあの時のように。
そういえばあの時も下着売り場だったような・・・・・・。
あの時と同じように、どちらからともなく歩み寄って互いが互いにグッっと手を握り合う二人。
二人にとって言葉は意味を成さず、互いに握り合ったその手が全てを物語っていた。
周囲ではまだ他の女性客達の声が聞こえる。
あの時と同じように、どちらからともなく歩み寄って互いが互いにグッっと手を握り合う二人。
二人にとって言葉は意味を成さず、互いに握り合ったその手が全てを物語っていた。
周囲ではまだ他の女性客達の声が聞こえる。
「先輩これなんてどうでしょうか?」
「あ、あのな桜。だから、こうゆうのは遠坂とか他の奴に選んでもらってくれって・・。」
「だめです!前々からの約束じゃないですか。・・・・・それとも先輩は私といるのが嫌なんですか?」
「そ、そんなわけないだろ!!」
「だったら選んでください♪」
「あ、あのな桜。だから、こうゆうのは遠坂とか他の奴に選んでもらってくれって・・。」
「だめです!前々からの約束じゃないですか。・・・・・それとも先輩は私といるのが嫌なんですか?」
「そ、そんなわけないだろ!!」
「だったら選んでください♪」
「・・・・ん~これでいい」
「拙者は多分これ位でござる」
「もう。エスカさんもカエデさんも、だからサイズ測っておいて下さいっていったのに!
それじゃあお二人には小さ過ぎます!!。」
「ううぅ面目ないでござる。拙者まだこちらの『さいず』というのがよくわからんでござるよ~。」
「・・・・面倒。」
「・・・・・・はあ、もう!!とにかく、早く決めましょう。お兄ちゃん達あまり待たせ過ぎると悪いですし。」
「う~~・・・・・・・・拙者、どうせなら師匠に選んでほしかったでござるよ・・・・・」
「駄目です!!!下着売り場なんかにお兄ちゃん連れてきたらどうなるか・・・・・・・・
言っておきますけど、一応イムちゃんにちゃ~んと見張ってもらってますから、
お兄ちゃんのとこ行っても駄目ですからね!!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・握った手に力を入れ、強く、強く握り合い互いに耐える二人。
ここで切れてしまえば、楽にはなるかもしれないが
それは巨乳に敗北したも同じ事である。
ただひたすら冷静に、冷静にと自分自身に言い聞かせる。
その姿はある意味美しい光景なのかもしれない。
――――理由さえまともならばだが。
「拙者は多分これ位でござる」
「もう。エスカさんもカエデさんも、だからサイズ測っておいて下さいっていったのに!
それじゃあお二人には小さ過ぎます!!。」
「ううぅ面目ないでござる。拙者まだこちらの『さいず』というのがよくわからんでござるよ~。」
「・・・・面倒。」
「・・・・・・はあ、もう!!とにかく、早く決めましょう。お兄ちゃん達あまり待たせ過ぎると悪いですし。」
「う~~・・・・・・・・拙者、どうせなら師匠に選んでほしかったでござるよ・・・・・」
「駄目です!!!下着売り場なんかにお兄ちゃん連れてきたらどうなるか・・・・・・・・
言っておきますけど、一応イムちゃんにちゃ~んと見張ってもらってますから、
お兄ちゃんのとこ行っても駄目ですからね!!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・握った手に力を入れ、強く、強く握り合い互いに耐える二人。
ここで切れてしまえば、楽にはなるかもしれないが
それは巨乳に敗北したも同じ事である。
ただひたすら冷静に、冷静にと自分自身に言い聞かせる。
その姿はある意味美しい光景なのかもしれない。
――――理由さえまともならばだが。
「まいったなあぁ。ま~た大きくなってるよ。
いい加減成長止まってほしいんだけどな~英子達に何言われるか・・・。全く、巨乳も楽じゃないのに。」
いい加減成長止まってほしいんだけどな~英子達に何言われるか・・・。全く、巨乳も楽じゃないのに。」
ピク!
「・・・・・・・ふ、ふふふ。あ、そう・・・そんな事言うんだ・・・・なえかの奴~っ!」
「ううぅ。ただでさえお金ないのに・・・・また買い変えなきゃいけないなんて~。
ああ、自分の胸が憎いです。
・・・・ああ・・・・・そういえばベルさんとか、結構控えめだったな~・・・・・・
やっぱ、あれぐらいのほうがお金掛かんなくて楽なのかな?」
ああ、自分の胸が憎いです。
・・・・ああ・・・・・そういえばベルさんとか、結構控えめだったな~・・・・・・
やっぱ、あれぐらいのほうがお金掛かんなくて楽なのかな?」
ムカ!!
「・・・・・み、翠ったら、
随分と好き勝手言ってくれるじゃないっ・・・・・・・・・!!!!」
随分と好き勝手言ってくれるじゃないっ・・・・・・・・・!!!!」
ギリギリギリギリ!!!!
周囲のその他大勢にまぎれて、知り合いの(聞きたくない)呟きが聞こえる。
正直、今にもブチギレそうなのだが、
ここでキレてしまえばそれこそ敗北を認めるようなものだ。
互いにきつく手を握り合い挫けそうな心を落ち着かせる。
正直、今にもブチギレそうなのだが、
ここでキレてしまえばそれこそ敗北を認めるようなものだ。
互いにきつく手を握り合い挫けそうな心を落ち着かせる。
しかし・・・・
「あれ?英子どしたの?そんなとこで小さく蹲って??何なら選ぶの手伝おうか????
あ、そっちの小さい子お友達?」
あ、そっちの小さい子お友達?」
「ん?そこにいるのは・・・・ああ!ベルさんお久しぶりです!
もしかしてベルさんもお買い物ですか?そうだ!よかったら御一緒しませんか。
私のサイズだとかわいいの無くて~、あれ?そちらの方はベルさんのお仲間の方ですか?」
もしかしてベルさんもお買い物ですか?そうだ!よかったら御一緒しませんか。
私のサイズだとかわいいの無くて~、あれ?そちらの方はベルさんのお仲間の方ですか?」
えへへ~。と、こちらに気が付いた二人が
空気を全く読まずに悪気ナシでフレンドリーにトコトコ歩いてくる。
でかい胸を揺らしながら・・・・・・・・
空気を全く読まずに悪気ナシでフレンドリーにトコトコ歩いてくる。
でかい胸を揺らしながら・・・・・・・・
―――――あぁ、なんか・・・・・・・もうどうでもいいや。
もう、ゴールしてもいいよね?
ぷつん!
と、自分達の頭がキレる音がした気がした。
顔を見合わせて
『ニッコリ』
とふたり笑顔を作る――――目は全く笑ってないが。
顔を見合わせて
『ニッコリ』
とふたり笑顔を作る――――目は全く笑ってないが。
「?英子??」
「?ベルさん??」
「?ベルさん??」
巨乳二人があれ?何か様子がおかしいな??と思ったその瞬間
「ディバイン・コロナァァァァァ!!!」
「巨乳なんかいなくなれぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」
「巨乳なんかいなくなれぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」
ドガアアァァァ!!!!
魂の叫びと共に放たれた巨大な爆発がデパートを襲った。
魂の叫びと共に放たれた巨大な爆発がデパートを襲った。
「うわぁぁぁ!!!ちょ!?まさかこれはいつぞやの“牛乳魔石の呪い”と同じぃぃぃ!?!?」
「いやあぁぁぁぁ!!ベ、ベルさん!?お、落ち着いてくださぁぁぁい!?!?」
「いやあぁぁぁぁ!!ベ、ベルさん!?お、落ち着いてくださぁぁぁい!?!?」
「「黙れぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」」
うわあああぁぁぁん!!!!
と、二人の少女の咆哮と爆音がデパート中に響き渡った。
と、二人の少女の咆哮と爆音がデパート中に響き渡った。
後に残ったのは少女達に破壊された下着コーナーの残骸と、
倒れてピクピクしてる二人の哀れな被害者のみである。
倒れてピクピクしてる二人の哀れな被害者のみである。
「ベ、ベルさん・・・・なんで・・・いきなり??」
「え、英子の奴いつの間に・・・あんな変な力を???」
「え、英子の奴いつの間に・・・あんな変な力を???」
ガクッ。
まあ、デパートの中にやたらめったら特殊な連中が大量にいたので
他にケガ人などもでなかったのが不幸中の幸いといえるだろう。
他にケガ人などもでなかったのが不幸中の幸いといえるだろう。
「ククク!!自ら地雷を押しに行くとは。やれやれ、毎度毎度世話を焼かせるKYご主人だ」
「あのイノセントの少女・・・・・・さしずめ『小さな(胸の)奇跡』と言った所ですか?
ふふふ。無駄ですよ。大魔王ベル。あなたが今日ココに来る事は、最初から全てこの書物に書いてある通り。」
「あのイノセントの少女・・・・・・さしずめ『小さな(胸の)奇跡』と言った所ですか?
ふふふ。無駄ですよ。大魔王ベル。あなたが今日ココに来る事は、最初から全てこの書物に書いてある通り。」
「あ、あははは。あはははは~。」
「ふ、うふふふ。ふふふふふふ。」
「ふ、うふふふ。ふふふふふふ。」
デパートから遠く離れた食堂街にあるファーストフード店内に二人の少女の壊れた笑い声が響く。
魂の一撃を怨敵(巨乳)二人に叩きこんだ後、そのままダッシュでココまで来たのだが、
追い討ちを掛けるようにある事に気が付いたのだ
魂の一撃を怨敵(巨乳)二人に叩きこんだ後、そのままダッシュでココまで来たのだが、
追い討ちを掛けるようにある事に気が付いたのだ
・・・・・・・・・そういえば結局ブラ買って無いじゃん!!と。
「う、うふふふふふふ・・・・・・
折角行ったのに・・・・これじゃあせっかくリオン達から隠れた意味無いじゃないの~!!!」
「うううぅぅ~。もうあの店行けないよおおぉぉぉぉ~~!!!!」
折角行ったのに・・・・これじゃあせっかくリオン達から隠れた意味無いじゃないの~!!!」
「うううぅぅ~。もうあの店行けないよおおぉぉぉぉ~~!!!!」
あはははははは~~~~と、完全に壊れた二人の声が店内に響く。
店としてはいい迷惑だが、
万が一にも今、声を掛けようものなら間違いなく骨も残らずケシズミだろう。
すでに二人以外の客はいなくなっていた。
店としてはいい迷惑だが、
万が一にも今、声を掛けようものなら間違いなく骨も残らずケシズミだろう。
すでに二人以外の客はいなくなっていた。
る~ららら~。
と哀れな敗者(貧乳)二人の嘆きの声と、店員達の“どっかいってくれ”という切なる願いの嘆きが店内に渦巻いていた。
と哀れな敗者(貧乳)二人の嘆きの声と、店員達の“どっかいってくれ”という切なる願いの嘆きが店内に渦巻いていた。
「大体ねぇ~! 巨乳が何だっていうのよぉぉぉぉ!!
あんなのただの肉の塊じゃないのおおお!!!!」
「そうだあぁぁ!! 巨乳が全部悪いんだああぁぁぁぁぁ!!!!」
あんなのただの肉の塊じゃないのおおお!!!!」
「そうだあぁぁ!! 巨乳が全部悪いんだああぁぁぁぁぁ!!!!」
うわあああぁぁぁぁぁ~~ん!!!!と絶叫する二人、
店内にいた従業員の一部も激しく同意していたりするが
店内にいた従業員の一部も激しく同意していたりするが
「どちくしょうぅぅぅぅぅ~! こ~なったら英子! 今日は飲むわよ!!」
「巨乳がなんだぁぁぁ~!! 店員さ~ん! 牛乳おかわり!!」
「チマチマしないで、牛乳有るだけぜ~んぶ持ってきなさい!!!」
「巨乳がなんだぁぁぁ~!! 店員さ~ん! 牛乳おかわり!!」
「チマチマしないで、牛乳有るだけぜ~んぶ持ってきなさい!!!」
ぎゃあぎゃあ言いながら店員に牛乳を注文する二人
・・・・・・・・・あまり飲みすぎると腹を壊すのだが
・・・・・・・・・あまり飲みすぎると腹を壊すのだが
「「こらぁぁ~!!!さっさと持ってこ~い!!!」」
たちの悪い酔っ払いか何かかキミ等?――――店員達のツッコミは胸の中にしまわれていた。
「くくく!!何やら平原のごとき真っ平らな無乳共が無駄な行為に精をだしているようだな」
「ふふふふふ。駄目ですよ大魔王ベル。
そんなに飲んだところで膨らむのはお腹だけと、この書物にも書いてあります。」
「ふふふふふ。駄目ですよ大魔王ベル。
そんなに飲んだところで膨らむのはお腹だけと、この書物にも書いてあります。」
「やっかましいいぃぃぃぃっ!?」
「うるさああああいっ!!!」
「うるさああああいっ!!!」
ふざけんなぁぁぁぁ!!!と、いらん茶々入れてきた相手に振り返って―――二人は固まった。
そこにいた奇妙な格好の二人組みに。
いや、二人とも知り合いでは有るのだが、
お互い知り合いは片方ずつで、もう片方の奇妙な格好に固まっていたのだ。
そこにいた奇妙な格好の二人組みに。
いや、二人とも知り合いでは有るのだが、
お互い知り合いは片方ずつで、もう片方の奇妙な格好に固まっていたのだ。
二人組みの一人、大男の方は特に奇妙で筋骨隆々としたその体つきの威圧感もそうだが、
何よりもその服装・・・・・・・・
カチューシャの付いた仮面にエプロン、
フリルと言うにはギザギザすぎるロングスカート、
パッと見ではメイド服・・・・・・普通女性が着るはずの服を身に纏っているのだ。
これを奇妙と言わずして何を奇妙と言えばいいのか?と言うほど突っ込み所満点な格好なのである。
何よりもその服装・・・・・・・・
カチューシャの付いた仮面にエプロン、
フリルと言うにはギザギザすぎるロングスカート、
パッと見ではメイド服・・・・・・普通女性が着るはずの服を身に纏っているのだ。
これを奇妙と言わずして何を奇妙と言えばいいのか?と言うほど突っ込み所満点な格好なのである。
「くはははははは!!蠅の女王よ、お初にお目にかかる。俺の名はコガラシ!!メイドガイのコガラシだ!!!」
メイド服の変態・・・・・コガラシと言う男がベルに向けて挨拶をする。
格好は完全に変態だが、その仕草は目上の者に対する敬意に満ち溢れている。
・・・・・・まあ、逆にその優雅とも言える仕草の所為でベルは固まっているのだが。
格好は完全に変態だが、その仕草は目上の者に対する敬意に満ち溢れている。
・・・・・・まあ、逆にその優雅とも言える仕草の所為でベルは固まっているのだが。
「し、師匠!???」
「って、えええぇぇぇぇぇぇぇ!! え、英子あんたこの変態と知り合いなの!?!?」
「って、えええぇぇぇぇぇぇぇ!! え、英子あんたこの変態と知り合いなの!?!?」
変態を師匠と呼ぶ英子に驚いて、声を掛けるベル。
まあ、まさかこの変態と知り合いとは思うまい。
まあ、まさかこの変態と知り合いとは思うまい。
「あらあら・・・・・いけませんよ?大魔王ベル。
こちらのコガラシは、こう見えて超一流のメイドであり、
家事、奉仕、ボディーガード、教鞭などなど数々の分野におけるエキスパートの方なんですよ?」
こちらのコガラシは、こう見えて超一流のメイドであり、
家事、奉仕、ボディーガード、教鞭などなど数々の分野におけるエキスパートの方なんですよ?」
おそらく、その奉仕の腕は“誘惑者エイミー”とすらいい勝負でしょう。
と、本人が聞いたら泣いて否定しそうな事を言ってくるリオン
と、本人が聞いたら泣いて否定しそうな事を言ってくるリオン
「・・・・あ~そう!!これがエキスパートねえ?・・・・・所でリオン?」
「はい?」
「・・・・・・なんであんたまでメイド服着てんのよおぉぉぉぉ!!?!?」
「はい?」
「・・・・・・なんであんたまでメイド服着てんのよおぉぉぉぉ!!?!?」
ベルがリオンの姿に激しく突っ込む。
そう、英子まで固まった理由―――
それはリオンが、何故かいつもの服ではなく“メイド服”それも“コガラシと同じデザインのメイド服”
ただし袖は破られておらず仮面ではなくただのカチューシャだが、で現れたからである。
そう、英子まで固まった理由―――
それはリオンが、何故かいつもの服ではなく“メイド服”それも“コガラシと同じデザインのメイド服”
ただし袖は破られておらず仮面ではなくただのカチューシャだが、で現れたからである。
「ああ。・・・・うふふ、それは・・・・・・・」
「「それは・・・・・??」」
「・・・・・・・・秘密です。」
「「それは・・・・・??」」
「・・・・・・・・秘密です。」
と、いい笑顔で言ってのけるリオン
(*1)
単に着てみたかったんだ!!と、
二人して突っ込みたいが、リオンの笑顔の裏の黒いオーラに気圧されて突っ込めない二人。
二人して突っ込みたいが、リオンの笑顔の裏の黒いオーラに気圧されて突っ込めない二人。
「くくく!!たかだか贅肉の大小程度でここまで大騒ぎ出来るとは、流石は裏界第2位の大魔王よ。」
「いえいえ、そちらの和泉英子さんもなかなかの者ですよ。あの怨念のパワーには目を見張る物がありましたし。」
「いえいえ、そちらの和泉英子さんもなかなかの者ですよ。あの怨念のパワーには目を見張る物がありましたし。」
なんでしたら、魔王候補になりません?と笑いながら英子に声を掛けるリオン
「ほほう・・・・!さしずめ“怨念の魔王”エイコ=イズミとでも言ったところか?」
「ああ・・・・・・。いいですね、それ」
「ああ・・・・・・。いいですね、それ」
それいただきです。とコガラシに笑顔で同意するリオン。・・・・・・・実に楽しそうである。
こう・・・・・・・なんて言うか・・・・・・新しいおもちゃ的な意味で
こう・・・・・・・なんて言うか・・・・・・新しいおもちゃ的な意味で
「!!ぜ、絶対お断りです!!!」
慌てて否定する英子。
「あらそうですか?・・・・・それは残念です・・・・・・。」
「むう?なかなか名誉な事だと思うが??」
「い・り・ま・せ・ん!!って言うか!!なんの怨念なんですか!?何の!!」
「それは・・・・・・ねえ?」
「くくく・・・・・・・・決まっておろう?」
「嫌ああぁぁぁぁ!!聞きたくない!!ゼッタイ聞きたくないぃぃぃぃ!!!」
「むう?なかなか名誉な事だと思うが??」
「い・り・ま・せ・ん!!って言うか!!なんの怨念なんですか!?何の!!」
「それは・・・・・・ねえ?」
「くくく・・・・・・・・決まっておろう?」
「嫌ああぁぁぁぁ!!聞きたくない!!ゼッタイ聞きたくないぃぃぃぃ!!!」
怨念の魔王って・・・・というか!“何の”怨念かとか考えたら嫌すぎる!!
「・・・・それより!一体どうしてここが分かったのよリオン!?」
英子の魔王勧誘は置いておくにしても、
何故一番ばれたくない相手にばれたのか!? と問うベル
何故一番ばれたくない相手にばれたのか!? と問うベル
「ああ、それは勿論。この書物に書いてあったからですよ?」
ケロ。っと答えるリオン
「ってそんな事まで書いてあるのその本!?」
「ええ・・・・・・勿論。何なら今後のベルの面白エピソードを今ここで公開しましょうか?」
「ほう! 大魔王の珍場面とは!! くくく・・・・・・これは楽しみだ。」
「するな!! っていうかリオン!! そんなの公開したら、あんたでも殺す!!! 絶対殺す!!!」
「ふふふ。冗談ですよベル。
私が、そんな楽し・・・・・もとい、あなたの逆鱗に触れるような事するわけ無いじゃないですか。」
「今、楽しいって言いかけたでしょあんたぁぁぁぁ~~!!!」
「ええ・・・・・・勿論。何なら今後のベルの面白エピソードを今ここで公開しましょうか?」
「ほう! 大魔王の珍場面とは!! くくく・・・・・・これは楽しみだ。」
「するな!! っていうかリオン!! そんなの公開したら、あんたでも殺す!!! 絶対殺す!!!」
「ふふふ。冗談ですよベル。
私が、そんな楽し・・・・・もとい、あなたの逆鱗に触れるような事するわけ無いじゃないですか。」
「今、楽しいって言いかけたでしょあんたぁぁぁぁ~~!!!」
うっきゃああぁぁ~~!!!と吼えるベル
実にいい弄られっぷりである・・・・・
実にいい弄られっぷりである・・・・・
「うう~ぅ。なんなのよこの二人~!!」
「・・・・・・・いろんな意味で恐ろしい組み合わせだわコレ。」
「・・・・・・・いろんな意味で恐ろしい組み合わせだわコレ。」
“メイドガイ・コガラシ”と“秘密公爵リオン・グンタ”
―――――ある意味ベルと英子にとって最悪の組み合わせであろう。
一人相手でも大変なのに、それがセットで弄りに来ているのだから・・・・・・・・・
正直、さっさと追い返したい。
―――――ある意味ベルと英子にとって最悪の組み合わせであろう。
一人相手でも大変なのに、それがセットで弄りに来ているのだから・・・・・・・・・
正直、さっさと追い返したい。
「っていうか何の用よ! ど~せ笑いにきたんでしょ!?」
「くっそう! 貧乳で悪いか~!!!」
「くっそう! 貧乳で悪いか~!!!」
まだ牛乳で酔っ払ってるのかコイツ等―――と言わんばかりのやさぐれっぷりでリオン達に絡むベル達
「あらあら・・・・・・私達は何も言っていませんよ?」
「くくく、その通り。
例え主で無かろうと救いを求める声あれば、手を差し伸べるがメイドガイの奉仕の魂。
貴様等も、俺の奉仕の餌食となるが良い!!!!」
「くくく、その通り。
例え主で無かろうと救いを求める声あれば、手を差し伸べるがメイドガイの奉仕の魂。
貴様等も、俺の奉仕の餌食となるが良い!!!!」
そう言って不適な笑みを浮かべるコガラシ
「・・・・・・ってことは!!なんか手段があるんすか師匠!!!」
思いっきりコガラシの言葉に食いつく英子
「ちょ、英子!大丈夫なのコイツ??」
「いや~、アレで結構頼りになるのよ師匠。 ウチの町内じゃ救世主扱い受けてたし。」
「・・・・・・・ってことは、マジで・・・・・・」
「たぶん・・・・・」
「いや~、アレで結構頼りになるのよ師匠。 ウチの町内じゃ救世主扱い受けてたし。」
「・・・・・・・ってことは、マジで・・・・・・」
「たぶん・・・・・」
ひそひそと話し合う二人。
実際、元の世界ではやりすぎる事はあったが、それでもやる事はやってのけるのがコガラシだ。
聞いてみる価値はあるだろう―――――ほとんど悪魔の取引でしかないが。
返事を聞かぬ内からどこからとも無くコップを取り出し、そこに怪しい液体を流し込むコガラシ
実際、元の世界ではやりすぎる事はあったが、それでもやる事はやってのけるのがコガラシだ。
聞いてみる価値はあるだろう―――――ほとんど悪魔の取引でしかないが。
返事を聞かぬ内からどこからとも無くコップを取り出し、そこに怪しい液体を流し込むコガラシ
「くはははは!肉が無いなら作ればいい!!!
この“メイドガイ特性栄養満天超☆高カロリードリンク”を一口飲めば貴様等の貧弱な体にもブクブクと脂肪が!!」
この“メイドガイ特性栄養満天超☆高カロリードリンク”を一口飲めば貴様等の貧弱な体にもブクブクと脂肪が!!」
「「いるかあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~~~~!!!!」」
「ぐはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
どがしゃ!!と二人の息のあったコンビネーションによる両サイドからのクロスアッパーで沈むコガラシ
「はあはあ・・・・・・・な、何考えてんのよコイツ!!!」
「太っちゃ意味ないじゃないか~!!!」
「太っちゃ意味ないじゃないか~!!!」
まあ、そりゃそうである。
「ぬう?脂肪が付けばそれだけ贅肉も増えるのは当然。
貴様等の、ただでさえ未成熟な肉体にはある程度の脂肪も必要だと何故わからん?」
「「わかってたまるかああぁぁぁぁぁぁ~!!!!」」
貴様等の、ただでさえ未成熟な肉体にはある程度の脂肪も必要だと何故わからん?」
「「わかってたまるかああぁぁぁぁぁぁ~!!!!」」
再び撃沈
「・・・・・・・いけませんよコガラシ。
この二人が求めているのはあくまで胸だけ、体重の増加は望んでいません」
この二人が求めているのはあくまで胸だけ、体重の増加は望んでいません」
まあ、そんな夢のような話はあるわけありませんけどね。と口元に手をやり妖艶に微笑みながら語るリオン。
なんというか・・・・・・・・今のベルと英子にはない色香がある。
なんというか・・・・・・・・今のベルと英子にはない色香がある。
(っく~なにあれ!!あれがアダルトの強みだって言うのか~!!!)
(うううぅぅぅ~!!リオンの奴~あんただって、べつに巨乳ってわけじゃ・・・・・・・)
「何か?」
(うううぅぅぅ~!!リオンの奴~あんただって、べつに巨乳ってわけじゃ・・・・・・・)
「何か?」
ニコリ
「え?い、いや別に何もないわよ!!??」
慌てて言い繕うベル。
ほんと、あの妙に威圧感のある笑みは苦手だ―――――横で英子もブルブル震えている。
ほんと、あの妙に威圧感のある笑みは苦手だ―――――横で英子もブルブル震えている。
「まあいいでしょう。それはそれとして・・・・・・コガラシが駄目ならもう一つの手段を使うとしましょうか」
「「え!?」」
「「え!?」」
リオンの発言に驚く二人。
と、いうかリオンがこんな事に手を貸してくれるなんて
と、いうかリオンがこんな事に手を貸してくれるなんて
「・・・・・何企んでるのアンタ?」
胡散臭げな表情でリオンを睨むベル。
しかし、リオンは微笑んだまま
しかし、リオンは微笑んだまま
「いえ別に・・・・・ただ、ベルが見落としている事について助言してさしあげようかと」
「助言?」
「助言?」
何の事だろう?
「え~と・・・・・・。その見落としいてる事に気付くと巨乳になれる・・・・・・・と?」
そんな都合のいい話があるのだろうか?
「ええ。まあ、巨乳とは行かないかもしれませんが・・・・・・・少なくとも今よりは」
「ベル~!! 早く思い出せ! 今すぐ思い出せ~~! とっとと思い出せぇぇぇぇぇぇ~~~!!!」
「ちょ!? ちょ!?英子!!止めなさい!!頭が!! 頭がぁぁ~~!!!!」
「ベル~!! 早く思い出せ! 今すぐ思い出せ~~! とっとと思い出せぇぇぇぇぇぇ~~~!!!」
「ちょ!? ちょ!?英子!!止めなさい!!頭が!! 頭がぁぁ~~!!!!」
ガックンガックン揺らさせて思わず悲鳴を上げるベル。
これが他の人間だったりウィザードだったりすれば間違いなく 即! 滅殺!! なのだが、
下に恐ろしきは女の胸に掛ける執念か――――
これが他の人間だったりウィザードだったりすれば間違いなく 即! 滅殺!! なのだが、
下に恐ろしきは女の胸に掛ける執念か――――
「はっ!!ゴ、ゴメン思わず!!!」
「~~~っ!!あんたねえぇぇ~。普通私にこんな事したら跡形もなく焼き殺すわよ!?」
「~~~っ!!あんたねえぇぇ~。普通私にこんな事したら跡形もなく焼き殺すわよ!?」
うがあぁぁぁ~!! と吼えながらとりあえず憂さ晴らしに英子のほっぺたを左右に引っ張るベル
「まあまあ落ち着いて・・・・・・。それより思い出しませんか? 大魔王ベル?」
「ううぅぅ~。そんな事言われたって・・・・・・何かあったかしら?」
「思い出せ!! そこにあたし達の未来が掛かってるんだから!!!」
「わ、わかってるわよ!! まったく・・・・・・え~と・・・・・・・・・・・・?」
「ううぅぅ~。そんな事言われたって・・・・・・何かあったかしら?」
「思い出せ!! そこにあたし達の未来が掛かってるんだから!!!」
「わ、わかってるわよ!! まったく・・・・・・え~と・・・・・・・・・・・・?」
英子の迫力に気圧されながら、必死に記憶を探るベル。
(・・・・・・まったく。大体なんで私がこんな必死にならなきゃなんないのよ?
・・・・・・・そりゃあ、私だって気にしてるし、今までだって“Aカップ同盟”とか思わず組んだりしちゃってたけど)
・・・・・・・そりゃあ、私だって気にしてるし、今までだって“Aカップ同盟”とか思わず組んだりしちゃってたけど)
頭の中で愚痴をこぼすベル
(だからといってこの世界に来るまで、ここまで胸を本気で気にした事ないし
大体それなら同じ仲間のくれはだって・・・・・・・・・・ってくれは!?)
大体それなら同じ仲間のくれはだって・・・・・・・・・・ってくれは!?)
はっ!とある事に気が付くベル
(あれ!?そういえばうっかりしてたけど・・・・・・・・いつの間にか、くれはって・・・・・・!!)
「ふふふ。ようやく気が付いたようですね。」
「ふふふ。ようやく気が付いたようですね。」
“赤羽くれは”現在この世界にいるウィザード達の実質的なトップであり、ベルとも何度も面識のある女性。
元の世界において一時期ベル――そしてアンゼロットと共に、
“Aカップ同盟”なるものを組んだ事もある彼女なのだが
元の世界において一時期ベル――そしてアンゼロットと共に、
“Aカップ同盟”なるものを組んだ事もある彼女なのだが
「あ、ああああああああ~~~!!!」
「うっうわああぁぁぁ~!? どうしたの? ベル??」
「そうよ! くれはよ! くれは!!」
「?くれはって輝明学園の赤羽くれは理事代理の事?」
「うっうわああぁぁぁ~!? どうしたの? ベル??」
「そうよ! くれはよ! くれは!!」
「?くれはって輝明学園の赤羽くれは理事代理の事?」
?と頭に疑問符を浮かべながら英子が疑問の声を上げる。
若い理事と言う事で学園世界においても有名なくれはだが彼女はたしか
若い理事と言う事で学園世界においても有名なくれはだが彼女はたしか
「あの人がどうかしたの? そりゃあ巨乳ってわけでもないけど・・・・・・
あの人 普通に和服着てても胸が分かるくらいには胸あるよ?」
あの人 普通に和服着てても胸が分かるくらいには胸あるよ?」
私等と関係ないじゃん、と英子は問う。
そう彼女は“今の”くれはしか知らない。―――だが
そう彼女は“今の”くれはしか知らない。―――だが
「だから!その事よ!!」
「?」
「だって!アイツは元々・・・・・・
去年の今頃まで、明らかに私達の同類だったのよぉぉぉぉぉ~~~!!!」
「な、なんだってぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ~~~~~!!!」
「?」
「だって!アイツは元々・・・・・・
去年の今頃まで、明らかに私達の同類だったのよぉぉぉぉぉ~~~!!!」
「な、なんだってぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ~~~~~!!!」
元々限りなくBに近いAであったくれはだがそれにしてもここ最近
一年どころかマジカル・ウォー・ウェアの頃から急に!明らかに!!増えていたのだ!!!!
一年どころかマジカル・ウォー・ウェアの頃から急に!明らかに!!増えていたのだ!!!!
「ちなみに、こちらが約一年前の彼女の写真です。
ああ、そういえば以前私がアンゼロット城で見た時にはもうしっかり胸がありましたね」
ああ、そういえば以前私がアンゼロット城で見た時にはもうしっかり胸がありましたね」
と、リオンが付け加える。
写真の中のくれはは明らかに今と比べて格段にサイズが小さかった。
成長期も過ぎた18の女性にしては明らかに大きくなりすぎだ。
写真の中のくれはは明らかに今と比べて格段にサイズが小さかった。
成長期も過ぎた18の女性にしては明らかに大きくなりすぎだ。
(そういえば!“あの事件”の時、私も見たような・・・・・・・・それどころじゃなくて気が付かなかったけど)
ベルの頭に衝撃が走る。
それはずっと信じていた者に裏切られたかのような衝撃であった
それはずっと信じていた者に裏切られたかのような衝撃であった
ふと、窓の外から空を眺める。
デパートで暴れてからまだそんなに時間は経っておらず外はまだ明るい。
しかし、その晴天の空には、はっきりと青い月が昇っていた
その“真昼の月”にこの世界にはいない銀髪のロングヘアーの少女の姿が浮かぶ。
ずっと敵対してきた敵同士ではあったが、
浮かんだ彼女のニッコリとした笑顔の幻影の右手の親指が下に向いた時、初めて二人の気持ちが一つになった。
デパートで暴れてからまだそんなに時間は経っておらず外はまだ明るい。
しかし、その晴天の空には、はっきりと青い月が昇っていた
その“真昼の月”にこの世界にはいない銀髪のロングヘアーの少女の姿が浮かぶ。
ずっと敵対してきた敵同士ではあったが、
浮かんだ彼女のニッコリとした笑顔の幻影の右手の親指が下に向いた時、初めて二人の気持ちが一つになった。
(そう・・・・・・あなたもそう思うのね?アンゼロット・・・・・・・・)
ゆらり、と席を立つベル。
それに付き従うように英子もゆらりと立ち上がる。
それに付き従うように英子もゆらりと立ち上がる。
「・・・・・・・どちらに行かれるのですか?大魔王ベル」
クスリ、と笑みを浮かべたままリオンがベルに問う。
リオンの思惑に乗るのは気に入らないが――――今はそれ以上に!
リオンの思惑に乗るのは気に入らないが――――今はそれ以上に!
「決まっているでしょ?」
「当然」
「当然」
「「裏切り者に死を!!!」」
そして出来れば、その膨胸術を我等のモノに!
「「赤羽くれはぁぁぁぁぁぁぁぁ~~~~!!!」」
どどどどど!!!と、土煙を上げながらベルと英子は去って行った―――お代も払わず。
「あ、あのう。お勘定・・・・・・・・・」
恐る恐る店員が残ったリオンに声を掛ける。
「ん?ああ、そうですね・・・・・・・・領収書いただけます?名前はベル・フライで・・・・・」
あとでちゃっかり請求するつもりらしい