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魔石商ラピス・ラズリの第1話 - (2022/06/04 (土) 05:33:31) の1つ前との変更点
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#center(){|&big(){&bold(){第1話 願いをかなえるナゾの宝石!?}}|}
この世にはけして入ってはいけない店がある。もし、見かけたとしても、けして入ってはいけない―――。
少年「あれ?昨日までこんな店あったっけ?なんの店だろう?」
ある少年が、宝石店「タリスマン」に入った。
その店主は渦巻く右眼とクローバーの様な左眼を持つ少年だった。
ラピス・ラズリ「運命の宝石店タリスマンへようこそ、お客さま。わたしは当店の主人、ナゾの宝石商、ラピス・ラズリ。あなたは持ち主の願いをかなえる宝石を知っていますか?」
「わたしと同じ名前の石、ラピス・ラズリ。かってはこの宝石のチカラで一国の王になった者もいたといいます。おや?この宝石にきょうみがわいてきましたか?」
「では、この宝石おゆずりしましょう。お代はいただいておりません」
「対価にいただくのはただ一つ、あなたの&ruby(ハートジュエル){心の宝石}!」
「さあ、開け!&ruby(ジュエルバクト){心の宝石箱}!!」
少年「うわあああ!!」
ラピスが右手を輝かせると、客の少年の胸から宝石箱が出て来て、
その宝石箱から出たハート型の宝石をラピスが受け取った。
ラピス「&ruby(エンゲージ){契約成立}。」
「これでラピス・ラズリはあなたのモノ。どんな願いも1つだけかなえることができます。見せてください、あなたの命の輝きを・・・」
ラピスが心の宝石をなめる。
優「うわあああ!」
ここで、客の少年、後輪寺 優(ごりんじ ゆう)は夢から目覚めた。
優「夢・・・?」
「!」
優の手には宝石ラピス・ラズリが握られていた。
優が小学校に向かう。
優「フフ・・・。あの変な店にまよいこんだのは夢じゃない・・・!オレは本当に願いがかなう、魔法の宝石を手に入れた・・・!」
優(クラスのイジメっ子、井児萌泰造(いじめ たいぞう)。やつの存在をこの世から消してやろうか・・・。いや、こんなバカにこの宝石の力を使うなんてもったいない)
「どんな願いも1つだけかなえられる・・・か。・・・よくゲームをしてて、アレも現実でも使えたら、便利だなって思ってたんだ」
「セーブとロード。もしリアルでアレが使えたら、やり直しのきく人生が送れる・・・!」
優の手に握られた宝石ラピス・ラズリが輝きだした。
優「あっ!」
先生「どうしました?」
優「な、なんでもないです!」
「ハッ、!?これは!
優の右手の甲にSAVE、左手の甲にLOADの文字が浮かび上がっていた。
優「願いがかなったってことなのか?とにかく実験をしてみよう。まず、電柱の前で・・・。セーブの文字を押す・・・そして、数歩あるいてロードの文字を押す・・・!」
すると、優は電柱の前に戻った。
優(!?)
「電柱から数歩あるく前の時間にもどったんだっ!!す・・・、すげェ!!」
「マジで、す、げェ~~~~~!?」
立ち止まっていた優は井児萌に弾き飛ばされた。
井児萌「痛ぇな、コノヤロー。道のまんなかでボ~ッとしやがって!!一発なぐらせろ!!」
優「井児萌泰造~~~~!?」
井児萌が優を殴ろうとする。
優「うわあああ!ロードォォ!!」
優は電柱の前にいた時間に戻った。
優「た、助かった~。さっきセーブした時間にもどったんだ。だんだんわかってきた。このチカラの使い方・・・!ってことは、もうすぐこの道にアイツがくるはず!かくれないと!」
優が電柱の後ろに隠れた所を井児萌が通り過ぎていく。
優「・・・・。まてよ・・・?なんで力を持ってるオレがビクビク隠れてなきゃいけないんだ!?」
「オイ・・・・・」
井児萌「ん?」
優「前からムカついてたんだよ!!このクソデブ野郎!!」
井児萌「ブヒィ!」
優が井児萌にドロップキックをかました。
優「あ~~~~、スッキリしたぜ」
井児萌「てんめェ、よくも・・・・」
優「ハイハイ・・・もう実験は終わりにしてやるよ」
井児萌「なっ」
優「ロード・・・っと!」
優「・・・・。何度でも同じ時間を・・・やり直せる・・・!」
優「この力を使えば――――。
優「学校のテストで100点とることだってーー」
「カンタンにできる!テストに出る問題が先にわかってれば簡単だぜ!」
優「野球で打席に立てばー」
「必ず打てる!」
優「カードゲームのパックを買うときもー」
「一発でレアカードをゲット!」
モブたち「おおっ」
「スゲーー、ウルトラレアじゃん!」
優(実際は当たるまでロードしたんだけど♡)
優(そして、この力を何度か使ってわかったことがある―――。それは・・・)
(「セーブできるデータは1つしかない」ということ。1つ前にセーブした時間には二度ともどれないんだ。つまり3時にセーブしたら3時にもどれるが、その後4時にセーブしたら、3時にはもどれず、4時にしかもどれないということだ)
「だとしても、この力があれば無敵だけどな!」
優の母「最近は100点ばかり♪アンタ、やればできる子だったのね♡」
優「・・・母さん、いいものあげるよ」
優が母親に渡したのは、1枚の宝くじだった。
優「それ、たぶん当たると思うから・・・」
優の母「あはは・・・1枚だけ買って当たるワケないでしょ?」
数日後―――。
優の母「1億円・・・、当たったぁぁ!!今度の連休は、海外旅行だ―――♪」
優は母親と一緒に海外行きの飛行機に乗っていた。
優「人生なんて楽勝だぜ!当選番号を先に見てロードするだけで、宝くじで1億円、当てることができるんだから・・・」
「はじめての飛行機が海外旅行でファーストクラス。それに、機内食もウマウマ♡」
「おっと!」
優が食べていた機内食をズボンの上に落としてしまった。
優の母「あーもう、なにやってんの?」
優「こんな失敗もーー、なかったことにすればいい。ロード・・・!」
優の母「さ、もうすぐ飛行機に乗るわよ」
優「!」
優「またこぼしたら、空港からやり直すのめんどくさいな。とりあえず――――、セーブしとくか・・・」
「フー――――。食った食った!メシ食ったらなんだか眠くなってきたー。むこうについたら起こしてよ、母さん」
優が眠ったが、やがて機内の騒がしさで起こされた。
乗客たち「わ~~~!」
「ひィィ!」
優「?。う、う~~~~ん、なんだよっ!!うるさくて眠れやしない・・・?」
「!?」
機内は大きく揺れて、乗客たちは大パニックを起こしていた。
乗客たち「ギャアアアアアア!!」
「いやあああ、助けてェェッ!!」
優「え?みんないったいなにをさわいで・・・!?母さんまで!!」
優の母「神さま、お助けください」
優「・・・・・。まさか・・・・」
「オイオイ。オイィィィッ!!」
優が窓から外を見ると、飛行機のエンジンが爆発し、大炎上していた。
優「あ・・・、ありえねェ・・・!この飛行機、ついらくするっ!!」
「うわああ!!」
機内の揺れで、優が倒れた。
優「うわあ!!うっ」
(いやだ!死にたくない、死にたく・・・)
優の眼に自分の手の甲のSAVEとLOADの文字が入った。
優「忘れていたぜ!こんな飛行機乗ってたまるか!乗る前の時間からやり直してやる!!」
「これでオレは助かるっ!!ロードッッ!!」
優はロードしたが、戻ったのは墜落し始める前の飛行機の中だった。
優(!?)
優(またこぼしたら空港からやり直すのめんどくさいな。とりあえずセーブしとくか)
「そ・・・、そうだった・・!!最悪だっ!!これからついらくする飛行機の中でセーブするなんてっっ!!」
(なんとかしないと、なんとか・・・。まだ爆発は起こっていない!今なら不時着することはできるかも・・・!)
「みんな、聞いて!この飛行機はもうすぐ―――、ついらくするっ!!だから、だれか早く機長に―――――」
乗客「ハハハ、なにを言ってるんだ、この子は♪」
優「ダメだ・・・、コイツら・・・・だれも信じてねェ・・・!」
自分達の未来を信じず笑う乗客たちが、優の目にはガイコツの様に見えていた。
優「この・・・バカどもが・・・!」
「!?」
飛行機が揺れだした。
優「始まった!?セーブ時間から10分ぐらい・・・か!」
乗客「なんだかゆれるなあ」
優「とにかくまずはロードだ!絶対になんとかなる!10分間、何度でもやり直してパラシュートかなにかで脱出を・・・!」
優の母「優ちゃん、ゆれてるから立ってるとあぶないわよ」
優「母さん、今はそれどころじゃ・・・」
優の母が優の左手のSAVEの文字を押してしまった。
優(ギャー―――!!ロードする前にセーブのボタンを押されちまったぁーーーーっ!!)
ラピス「ずいぶん困ったことになっていますね。ちなみに――――、旅客機にパラシュートはつまれていませんよ?」
いつの間にかに、ラピスが飛行機の中に来ていた。
優「宝石商!?た、助かった~!!どうやって飛行機の中に・・・なんて、ヤボなことは聞かないぜ!」
優の母「あら、優ちゃん、お友だち?」
優「また売ってくれるんだろ?ラピス・ラズリを・・・!今度は瞬間移動できるようにしてもらうぜ!とっととみんなで脱出だァ!!」
ラピス「・・・・・。―――――どうやらあなたは・・・・・、3つほどかんちがいをしてるようですね」
優「え?」
ラピス「まず1つ。ラピス・ラズリの対価、心の宝石は1人に1つだけ。あなたにはもう払えません」
「それから2つ、同じ人間にもう一度ラピス・ラズリをおゆずりすることは対価があろとなかろうとできません。ナゾの宝石商のルールです」
「そして、3つ。わたしは助けに来たわけではない―――――。あなたの絶望する姿を見に来ただけです」
優「・・・なァっ」
ラピス「そうそう、いいですよ。その顔その顔♪その絶望が、心の宝石をより輝かせる!」
ラピスの額の宝石が輝き、優の周りにラピス・ラズリの両目が無数に浮かび、取り囲む。
ラピス「あなたの絶望が、わたしの願望なのです」
優「ひイッ。そんな・・・」
絶望する優の心の宝石は強く輝き、ラピス・ラズリも満面の笑みを見せた。
ラピス「最後にまぶしいくらいの絶望を、ありがとうございました。またのご利用をおまちしていますよ・・・・来世でね」
優の母「本当にゆれがひどくなってきたわね・・・ところで、アンタの友だちとつぜんいなくなったんだだけど・・・」
優「・・・・・・母さん」
優の母「なあに?」
優「ゴメン・・・」
優の母「なによもう・・・・、気持ち悪いわね。ウフフ・・・」
優達を乗せたまま、飛行機が墜落していった・・・・・・
タリスマン。
その店内の棚に無数の心の宝石が並べられていた。
ラピス「やはり絶望にそまった心の宝石は美しさがちがう。わたしの宝石コレクションがまた一つふえました♪」
「おや?」
また、一人の少年がタリスマンを見つけてしまった。
少年「なんの店かなぁ?」
この世にはけして入ってはならない店がある。もし見かけたとしても、
ラピス「どうやら次のお客さまが来たようですね、フヒ」
少年がタリスマンに入っていった。
けして入ってはならない――――。
#center(){&big(){&bold(){つづく}}}
#center(){|&big(){&bold(){第1話 願いをかなえるナゾの宝石!?}}|}
この世にはけして入ってはいけない店がある。もし、見かけたとしても、けして入ってはいけない―――。
少年「あれ?昨日までこんな店あったっけ?なんの店だろう?」
ある少年が、宝石店「タリスマン」に入った。
その店主は渦巻く右眼とクローバーの様な左眼を持つ少年だった。
ラピス「運命の宝石店タリスマンへようこそ、お客さま。わたしは当店の主人、ナゾの宝石商、ラピス・ラズリ。あなたは持ち主の願いをかなえる宝石を知っていますか?
わたしと同じ名前の石、ラピス・ラズリ。かってはこの宝石のチカラで一国の王になった者もいたといいます。おや?この宝石にきょうみがわいてきましたか?
では、この宝石おゆずりしましょう。お代はいただいておりません
対価にいただくのはただ一つ、あなたの&ruby(ハートジュエル){心の宝石}!
さあ、開け!&ruby(ジュエルバクト){心の宝石箱}!!」
少年「うわあああ!!」
ラピスが右手を輝かせると、客の少年の胸から宝石箱が出て来て、その宝石箱から出たハート型の宝石をラピスが受け取った。
ラピス「&ruby(エンゲージ){契約成立}。」
「これでラピス・ラズリはあなたのモノ。どんな願いも1つだけかなえることができます。見せてください、あなたの命の輝きを…。」
ラピスが心の宝石を舐める。
優「うわあああ!」
ここで、客の少年、後輪寺 優(ごりんじ ゆう)は夢から目覚めた。
優「夢…?」
「!」
優の手には宝石ラピス・ラズリが握られていた。
優が小学校に向かう。
優「フフ…。あの変な店にまよいこんだのは夢じゃない…!オレは本当に願いがかなう、魔法の宝石を手に入れた…!」
優(クラスのイジメっ子、井児萌泰造(いじめ たいぞう)。やつの存在をこの世から消してやろうか・・・。いや、こんなバカにこの宝石の力を使うなんてもったいない)
「どんな願いも1つだけかなえられる…か。…よくゲームをしてて、アレも現実でも使えたら、便利だなって思ってたんだ」
「セーブとロード。もしリアルでアレが使えたら、やり直しのきく人生が送れる…!」
優の手に握られた宝石ラピス・ラズリが輝きだした。
優「あっ!」
先生「どうしました?」
優「な、なんでもないです!」
「ハッ、!?これは!
優の右手の甲にSAVE、左手の甲にLOADの文字が浮かび上がっていた。
優「願いがかなったってことなのか?とにかく実験をしてみよう。まず、電柱の前で…。セーブの文字を押す…そして、数歩あるいてロードの文字を押す…!」
すると、優は電柱の前に戻った。
優(!?)
「電柱から数歩あるく前の時間にもどったんだっ!!す・・・、すげェ!!」
「マジで、す、げェ~~~~~!?」
立ち止まっていた優は井児萌に弾き飛ばされた。
井児萌「痛ぇな、コノヤロー。道のまんなかでボ~ッとしやがって!!一発なぐらせろ!!」
優「井児萌泰造~~~~!?」
井児萌が優を殴ろうとする。
優「うわあああ!ロードォォ!!」
優は電柱の前にいた時間に戻った。
優「た、助かった~。さっきセーブした時間にもどったんだ。だんだんわかってきた。このチカラの使い方・・・!ってことは、もうすぐこの道にアイツがくるはず!かくれないと!」
優が電柱の後ろに隠れた所を井児萌が通り過ぎていく。
優「…。まてよ…?なんで力を持ってるオレがビクビク隠れてなきゃいけないんだ!?」
「オイ…」
井児萌「ん?」
優「前からムカついてたんだよ!!このクソデブ野郎!!」
井児萌「ブヒィ!」
優が井児萌にドロップキックをかました。
優「あ~~~~、スッキリしたぜ」
井児萌「てんめェ、よくも…」
優「ハイハイ・・・もう実験は終わりにしてやるよ」
井児萌「なっ」
優「ロード…っと!」
優「…。何度でも同じ時間を…やり直せる…!」
優「この力を使えば――――。」
優「学校のテストで100点とることだってーー」
「カンタンにできる!テストに出る問題が先にわかってれば簡単だぜ!」
優「野球で打席に立てばー」
「必ず打てる!」
優「カードゲームのパックを買うときもー」
「一発でレアカードをゲット!」
モブたち「おおっ」
「スゲーー、ウルトラレアじゃん!」
優(実際は当たるまでロードしたんだけど♡)
優(そして、この力を何度か使ってわかったことがある―――。それは・・・)
(「セーブできるデータは1つしかない」ということ。1つ前にセーブした時間には二度ともどれないんだ。つまり3時にセーブしたら3時にもどれるが、その後4時にセーブしたら、3時にはもどれず、4時にしかもどれないということだ)
「だとしても、この力があれば無敵だけどな!」
優の母「最近は100点ばかり♪アンタ、やればできる子だったのね♡」
優「…母さん、いいものあげるよ」
優が母親に渡したのは、1枚の宝くじだった。
優「それ、たぶん当たると思うから…」
優の母「あはは・・・1枚だけ買って当たるワケないでしょ?」
数日後―――。
優の母「1億円・・・、当たったぁぁ!!今度の連休は、海外旅行だ―――♪」
優は母親と一緒に海外行きの飛行機に乗っていた。
優「人生なんて楽勝だぜ!当選番号を先に見てロードするだけで、宝くじで1億円、当てることができるんだから…」
「はじめての飛行機が海外旅行でファーストクラス。それに、機内食もウマウマ♡」
「おっと!」
優が食べていた機内食をズボンの上に落としてしまった。
優の母「あーもう、なにやってんの?」
優「こんな失敗もーー、なかったことにすればいい。ロード…!」
優の母「さ、もうすぐ飛行機に乗るわよ」
優「!」
優「またこぼしたら、空港からやり直すのめんどくさいな。とりあえず――――、セーブしとくか…」
「フー――――。食った食った!メシ食ったらなんだか眠くなってきたー。むこうについたら起こしてよ、母さん」
優が眠ったが、やがて機内の騒がしさで起こされた。
乗客たち「わ~~~!」
「ひィィ!」
優「?。う、う~~~~ん、なんだよっ!!うるさくて眠れやしない…?」
「!?」
機内は大きく揺れて、乗客たちは大パニックを起こしていた。
乗客たち「ギャアアアアアア!!」
「いやあああ、助けてェェッ!!」
優「え?みんないったいなにをさわいで…!?母さんまで!!」
優の母「神さま、お助けください」
優「…。まさか…」
「オイオイ。オイィィィッ!!」
優が窓から外を見ると、飛行機のエンジンが爆発し、大炎上していた。
優「あ…、ありえねェ…!この飛行機、ついらくするっ!!」
「うわああ!!」
機内の揺れで、優が倒れた。
優「うわあ!!うっ」
(いやだ!死にたくない、死にたく…)
優の眼に自分の手の甲のSAVEとLOADの文字が入った。
優「忘れていたぜ!こんな飛行機乗ってたまるか!乗る前の時間からやり直してやる!!」
「これでオレは助かるっ!!ロードッッ!!」
優はロードしたが、戻ったのは墜落し始める前の飛行機の中だった。
優(!?)
優(またこぼしたら空港からやり直すのめんどくさいな。とりあえずセーブしとくか)
「そ…、そうだった…!!最悪だっ!!これからついらくする飛行機の中でセーブするなんてっっ!!」
(なんとかしないと、なんとか・・・。まだ爆発は起こっていない!今なら不時着することはできるかも・・・!)
「みんな、聞いて!この飛行機はもうすぐ―――、ついらくするっ!!だから、だれか早く機長に―――――」
乗客「ハハハ、なにを言ってるんだ、この子は♪」
優「ダメだ…、コイツら…だれも信じてねェ…!」
自分達の未来を信じず笑う乗客たちが、優の目にはガイコツの様に見えていた。
優「この…バカどもが…!」
「!?」
飛行機が揺れだした。
優「始まった!?セーブ時間から10分ぐらい…か!」
乗客「なんだかゆれるなあ」
優「とにかくまずはロードだ!絶対になんとかなる!10分間、何度でもやり直してパラシュートかなにかで脱出を…!」
優の母「優ちゃん、ゆれてるから立ってるとあぶないわよ」
優「母さん、今はそれどころじゃ・・・」
優の母が優の左手のSAVEの文字を押してしまった。
優(ギャー―――!!ロードする前にセーブのボタンを押されちまったぁーーーーっ!!)
ラピス「ずいぶん困ったことになっていますね。ちなみに――――、旅客機にパラシュートはつまれていませんよ?」
いつの間にか、ラピスが飛行機の中に来ていた。
優「宝石商!?た、助かった~!!どうやって飛行機の中に…なんて、ヤボなことは聞かないぜ!」
優の母「あら、優ちゃん、お友だち?」
優「また売ってくれるんだろ?ラピス・ラズリを…! 今度は瞬間移動できるようにしてもらうぜ!とっととみんなで脱出だァ!!」
ラピス「…。―――――どうやらあなたは…、3つほどかんちがいをしてるようですね」
優「え?」
ラピス「まず1つ。ラピス・ラズリの対価、心の宝石は1人に1つだけ。あなたにはもう払えません」
「それから2つ、同じ人間にもう一度ラピス・ラズリをおゆずりすることは対価があろとなかろうとできません。ナゾの宝石商のルールです」
「そして、3つ。わたしは助けに来たわけではない―――――。あなたの絶望する姿を見に来ただけです」
優「…なァっ」
ラピス「そうそう、いいですよ。その顔その顔♪ その絶望が、心の宝石をより輝かせる!」
ラピスの額の宝石が輝き、優の周りにラピス・ラズリの両目が無数に浮かび、取り囲む。
ラピス「あなたの絶望が、わたしの願望なのです。」
優「ひイッ。そんな…」
絶望する優の心の宝石は強く輝き、ラピス・ラズリも満面の笑みを見せた。
ラピス「最後にまぶしいくらいの絶望を、ありがとうございました。またのご利用をおまちしていますよ…来世でね。」
優の母「本当にゆれがひどくなってきたわね・・・ところで、アンタの友だちとつぜんいなくなったんだだけど…」
優「……母さん」
優の母「なあに?」
優「ゴメン…」
優の母「なによもう…、気持ち悪いわね。ウフフ…」
優達を乗せたまま、飛行機が墜落していった……
タリスマン。
その店内の棚に無数の心の宝石が並べられていた。
ラピス「やはり絶望にそまった心の宝石は美しさがちがう。わたしの宝石コレクションがまた一つふえました♪」
「おや?」
また、一人の少年がタリスマンを見つけてしまった。
少年「なんの店かなぁ?」
この世にはけして入ってはならない店がある。もし見かけたとしても、
ラピス「どうやら次のお客さまが来たようですね、フヒ」
少年がタリスマンに入っていった。
けして入ってはならない――――。
#center(){&big(){&bold(){つづく}}}