仮面ライダーウィザードの最終回

※ 仮面ライダーが勢揃いする特別エピソードです。『仮面ライダーウィザード』本編の最終エピソードは、第51話をご覧ください。


賢者の石の封印のための旅の最中、晴人が出会った魔法石の中の世界の物語。

ここは、仮面ライダーに倒されたすべての怪人たちがいる世界であった。
そしてこの世界の住人たちは、いずれ人間でないものに変身する運命を持っていた。
世界は、仮面ライダーを召喚することのできる13個の指輪、ライダーリングによって封印されている。

晴人が出逢った少年と少女・こよみは、いずれ怪人になることを恐れ、封印を解いて外の世界へ出ようとしていた。
13個のライダーリングに祈りを捧げれば、世界の封印は解ける。
だが世界の封印を解けば、大勢の怪人たちが現実世界へあふれ出してしまう──


怪人たちに苦戦するウィザードとビースト*1
突如として現れた未知の戦士・鎧武(ガイム)の活躍で怪人たちは一掃された。

ビースト「ありがとな」
鎧武「おぅ。ここ、どこなんだ? ってか、助けてって言ったのは君たち……じゃないよな?」
ウィザード「あぁ」
鎧武「あ、やべ! ごめん! 俺、取り込み中だったわ。じゃ! つぅか、ここ、どこだよ?」

鎧武が光球と化して飛び立ち、空にできた裂け目の中へ消え去る。

少年「こよみ、俺たちも行くぞ!」

声「テレポートッ!」

この世界の主・アマダムが瞬時に姿を現し、ライダーリングの宝箱の蓋を閉めると、空中の裂け目も閉じてしまう。

アマダム「実験は完了~! あそこに私の求めるものがあ~る!」
少年「仮面ライダー、あいつを倒せ!」
アマダム「サンダ──ッ!!」

響鬼(ヒビキ)電王キバがアマダムに挑むが、電撃を食らってふっ飛ばされる。

ウィザード「魔法!?」
アマダム「ざまあみやがれ!」


第53話 終わらない物語


変身を解いた晴人と仁藤の前で、少年たちは、アマダムの手に落ちてしまう。
こよみは苦痛に呻き、皮膚に亀裂が入り始めている。

少年「ダメだ、変身するな!」
アマダム「間もなく、その子たちも変身のときを迎える! 2人が外の世界に出れば、君たちの敵となる!」
少年「僕たちの敵!?」
晴人「違う! 俺は君たちを助けたくて……」
少年「来るな!」

仁藤がアマダムたちに隠れ、そっと背後で晴人に指輪を渡す。

『バインド・プリーズ』

魔法の鎖がアマダムや怪人たちを拘束する。

『コピー・プリーズ』

続いて晴人が2人に分身し、少年たちを助け出す。

少年「離せ! 離せぇ!」

『ビースト・プリーズ』

さらにビーストの指輪の力で、晴人が少年たちごと、地中へと姿を消す。
いつの間にか、宝箱の中からはフォーゼのライダーリングが消えている。

アマダム「あの野郎……! いでよ、ディケイド! ウィザードからリングを取り戻せ」


晴人は少年たちを連れ、海岸の廃屋へたどり着く。

晴人「どうしたら……」
少年「こよみに…… 触るな」

そこへ凜子と瞬平*2がやって来る。

凛子「何があった!?」
少年「変身すれば、いいことも悪いことも分からなくなる。そうなる前に、外に出たかった。でも、外に出たら…… 仮面ライダーに倒されちゃうんだ」
晴人「違う。お前たちは……」
こよみ「だったら…… 変身する前に、私たちを……」


晴人は途方に暮れて、さまよう。
その手には、宝箱から持ち出していたフォーゼのライダーリングがある。

晴人「今を生きるコヨミを救いたい。そう願ってたのに…… あの子たちをここから出したら……」

そこへ、アマダムに召喚されたディケイドが姿を現す。

ディケイド「それが13個目のライダーリングか」
晴人「アマダムに命じられて来たのか?」

変身を解くディケイド── 門谷 士(かどや つかさ)

士「すべての怪人が現実に溢れ出したら、どうなると思う? 怪人大戦でも起こすつもりか?」
晴人「そんなこと、望んじゃいない」
士「お前は、なんでこの世界に来た?」
晴人「声が聞こえたんだ。『助けて』っていう子供たちの声を。仮面ライダーが正義のために戦うのなら、ここを封印し続けなきゃいけない。でも俺は……」
士「正義か。俺はたくさんの世界でたくさんの正義を見てきたが……」


一方で仁藤は単身、アマダムの潜む洞窟へ潜入する。
無数の魔法石の埋め込まれた石柱を前に、アマダムが祈祷を捧げている。

アマダム「カモンカモンカモン! カモ──ン!」

ディケイドとフォーゼを除く11人のライダーたちが出現する。

アマダム「知っていたかね? ビースト。君たち仮面ライダーも、ここが故郷(ふるさと)だということを」
仁藤「ここはライダーに倒された怪人の楽園じゃなかったのか?」
アマダム「仮面ライダーは、怪人になり損なったものに過ぎない」
仁藤「何だと!?」
アマダム「ウィザードは、ファントムを生み出すサバトによって誕生し、君も、体内にファントムを飼うことで魔力を得た。仮面ライダーとは、悪と同じものでおじゃる。ホホホ……!」
仁藤「……」
アマダム「仮面ライダーの力の源、それをクロス・オブ・ファイアという。炎の十字架。悪から生まれたという、罪の証。おじゃるおじゃるおじゃる…… お前の力も、も~らお!」
仁藤「渡せねえな、それだけは。変──身!」

『セット・オ──プン!』『L・I・O・N! ライオ──ン!』

仁藤がビーストに変身してアマダムに挑むが、強力な怪人たちが次々に出現。
連続攻撃を食らい、ついにはベルトに痛烈な一撃を食らう。

ビースト「うぅっ! 後は頼んだ、晴人……」

ビーストが消滅する。


晴人たちの潜む廃屋にも、怪人たちが襲いかかる。

少年「こよみに手を出すな!」
晴人「やめろ!」

突如、士がライドブッカーの銃口を春人に突きつける。

少年「連れて行くなら、俺だけにしろ!」
晴人「お前……!? 裏切ったな?」
士「13個目のライダーリング、渡してもらう」


アマダムの潜む洞窟。怪人たちに囲まれ、少年が倒れている。
士が現れ、フォーゼのライダーリングを示す。

アマダム「無事、取り戻したな。これで13個、全て揃った! さあ少年よ…… この世界の外に行きたいんだろう? 願いを叶えてやる。祈るんだ、昨日のように。私もともに行く」
士「この世界を壊し、怪人たちをあふれ出させるんだな」
アマダム「ようやくライダーリングを掘り当てたんだ。私をここに封じ込めた、外の世界に復讐するために!」
声「そういうことか」

春人も現れる。

春人「かつて罪を犯し、魔法石に封印された魔法使い。それがお前の正体か。子供たちをそそのかし、この世界から抜け出すつもりだったんだな?」
アマダム「いでよ、仮面ライダー! さあ、ウィザードを倒せ!」

12人すべてのライダーたちが出現し、春人と士を取り囲む。

アマダム「リングの持ち主の命令に従う。ライダーなど所詮、その程度の存在だ!」
電王「あぁ? 何言ってんだ? バカかお前。俺たちはリングの力で子供たちに従ったんじゃねえ。弱い者を守っただけだ!」
アマダム「フハハハハ! この子は、怪人に変身する存在だ。それを守るのがお前たちの正義か!?」
士「ある人が言った── 俺たちは、正義のために戦うんじゃない。俺たちは、人間の自由のために戦うんだと」
アマダム「何だぁ!? お前たちは一体、何だぁ!?」
士「通りすがりの仮面ライダーだ。覚えておけ。変身!」
晴人「変身!」

『カメンライド・ディケイド!』『フレイム・プリーズ』『ヒー・ヒー! ヒー・ヒー・ヒ──!』

士と晴人も、ディケイドとウィザードに変身。
アマダムは両手をかざし、無数の怪人たちを出現させる。

ウィザード「さあ、ショータイムだ!」

次々に襲い来る怪人たち。ライダーたちはそれを次々に蹴散らしてゆく。

ダブル「さあ、お前の罪を数えろ!」
フォーゼ「タイマン張らせてもらうぜ!」
キバ「ウェイクアップ!」

『ガトリング・オン』『トリプル・スキャニング・チャージ!』

電王「俺の必殺技・パート1!!」

『ストライクベント』『ジョーカー! マキシマムドライブ』『Rider Kick !』

全ライダーたちの必殺技の応酬で、怪人たちは一掃される。
アマダムは宝箱を抱え、少年を引き連れて外へ逃げようとする。

アマダム「ほら、起きろ!」
ウィザード「待て、アマダム!」
アマダム「いでよ、我が最強の兵士たちよ!」

壁面を突き破り、『仮面ライダーW』の巨大ティーレックス、『仮面ライダー龍騎』のハイドラグーンなどの巨大モンスターたちが現れる。

龍騎「でかい相手にも戦い方はある!」
キバ「そういうことですね」
電王「行くぜ行くぜ行くぜぇ!」

3人はそれぞれドラグレッダー、デンライナー、キャッスルドランを召喚し、怪獣に立ち向かう。

響鬼「魔化魍(まかもう)でこういうのは慣れてる」
カブト「そんなスピードでは俺にはついて来れない」
ダブル「これで決まりだ!」

響鬼は音撃棒で、カブトはカブトエクステンダーのクロックアップで、ダブルはルナトリガーで、ファイズはファイズブラスターで応戦。

『ロケット・オン』

フォーゼはロケットステイツ、ブレイドはジャックフォームに変身し、空へ飛び立つ。

フォーゼ「宇宙キタ──!!」
ブレイド「キターって何だ? キターって!?」

『ファイナルフォームライド・ククク・クウガ!』『ファイナルフォームライド・アアア・アギト!』

ディケイド「ちょっとくすぐったいぞ」
クウガたち「おい、こういうのは」「先に断ってからやってください!」

ディケイドの力によりクウガはクウガゴウラムに、アギトはマシントルネイダーに変身し、ディケイドを乗せて飛び立つ。

『セットアップ・スタート!』『ウォータードラゴン!』『ハリケーンドラゴン!』『ランドドラゴン!』『オールドラゴン・プリーズ』

ウィザード「それじゃ行くか!」

『プテラ! トリケラ! ティラノ! プ・ト・ティラーノザウル──ス♪』

ウィザードはオールドラゴン、オーズはプトティラコンボに変身し、2人も空へ飛び立つ。
ライダーたちの一斉攻撃で、モンスターたちは全滅する。

アマダム「おのれ……! 時は今だ! 祈れ! この世界の外に出たいと! それがお前の希望だったんだろ? さぁ!」
ウィザード「やめろ!」
ディケイド「そこまでだ、アマダム」

少年に祈りを強要するアマダム。ウィザードやライダーたちが彼を取り囲む。

アマダム「私を倒せるつもりか?」
ライダーたち「俺たち仮面ライダーの力があれば!」

ウィザードたちが一斉攻撃をしかけるが、アマダムは手をかざし、目に見えない力で一同を吹き飛ばす。
フォーゼが立ち上がり、単身でアマダムに挑む。

フォーゼ「任せろ!」
アマダム「まだ、お前の力はもらってなかったな!」

アマダムが怪人体に変身し、フォーゼを捕まえる。
フォーゼの体からあふれたエネルギーがアストロスイッチの形となり、アマダムの体に吸い込まれてゆく。

フォーゼ「アストロスイッチが!?」
ウィザード「仮面ライダーの力を自分のものにしているのか!?」
アマダム「違う! もともとこれは私の力だ!

ライダーたちが次々に挑みかかるが、ライダーたちの力はそれぞれのアイテムの姿となり、次々にアマダムに奪われてゆく。

アマダム「スイッチ、メダル、メモリ、カード! お前たちの力の源、それら全て怪人を生み出すのと同じ力だ! だからこそお前たちの力は私の力となる! 13のライダーの力の源、クロス・オブ・ファイアが私の中にある!」

力を失ったライダーたちが倒れ、残されたのはウィザードのみ。

アマダム「あとはお前だけだ!」

ウィザードが単身で挑みかかるが、13人のライダーの力を取り込んだアマダムは圧倒的。

『チョーイイネ!』『スペシャル・サイコ──!』

フレイムドラゴンに変身してドラゴンブレスの炎を繰り出すが、アマダムはたやすく跳ね返す。

『ハリケーン』

ウィザードがハリケーンドラゴンに変身して宙を舞うが、アマダムが触手を伸ばし、地面に叩き落とす。

『ウォーター』

今度はウィザードはウォータードラゴンに変身。液化してアマダムを攻撃するが、アマダムはこれも跳ね返す。
さらにアマダムはライダーキックばりの飛び蹴りで反撃。

『ランド』『ディフェンド・プリーズ』

ウィザードはランドドラゴンに変身し防御壁を張るが、アマダムのキックでたやすく砕かれてしまう。

ウィザード「俺の魔法が通じない?」
アマダム「お前たちに、正義などもともと無かったのだ!」

ウィザードはインフィニティーリングを構えるが、変身する前にアマダムの攻撃を食らってしまう。
少年が呆然と立ちすくみ、戦いの光景を見つめている。

アマダム「さぁ、お前の望みを叶えてみろ! さぁ!」

ウィザードはなおも立ち上がり、必死にアマダムに挑む。

ウィザード「例え俺たちの力が悪と同じものだとしても…… 俺は絶望を希望に変えた! そして、なったんだ」
少年「なったんだ…… 仮面ライダーに」
ウィザード「俺たちだけじゃない。たとえ悪と同じ存在から生まれても、仮面ライダーとなる者が現れる! 次々と……」
アマダム「ハハハ…… 世界の壁を壊せ! 外に出してやる!」
少年「俺も…… なれるかな?」
アマダム「そうだ!」

ついに祈りを始めた少年。空に浮かぶ地球に、次第に亀裂が走る。

アマダム「ハハハ……! 私の勝ちだ!」

そのとき、その地球の中には数えきれないほどの人影が浮かび上がる。

アマダム「何だ……? 何だ、あれは? 一体、何を祈った!?」
少年「怪人に変身するのは、決まってると思ってた。でも、もしかしたら俺も…… 仮面ライダーに」
アマダム「何をしたっていうんだ!?」
少年「この世界を壊すんじゃない、呼んだんだ」

地球の中に浮かび上がった人影の中の1人が、地上へと降り立つ── 鎧武。

アマダム「何だ!? こんな仮面ライダーがいたというのか?」
鎧武「あ? 仮面、ライダー? 俺が?」
ウィザード「すべての人の自由を守る戦士の名だ。助けを求める声があれば、必ず駆けつける」
鎧武「ふぅん、『助けて』っていう声が聞こえたんだ」
ウィザード「俺と一緒だ。『必ず助ける』、そう答えた。だからここに来たんだ。だからお前も、仮面ライダーだ」
鎧武「へぇ。なら俺は『仮面ライダー鎧武』ってことか?」

祈りで力を使い果たした少年が倒れる。

アマダム「何、会話してんだ! 消えろ!」
鎧武「消えるのはお前だ!」

襲いかかるアマダムを、鎧武の剣撃が次々に斬り裂く。

アマダム「こんなはずはない! お前たちは、お前たちは皆私から生まれた、ただの出来損ないに過ぎない!」
鎧武「ゴチャゴチャうるさいっての!」

嵐のような鎧武の攻撃を浴び、アマダムの吸い取ったエネルギーが飛び出し、ライダーたちへと戻ってゆく。
クウガはライジングアルティメット、アギトはシャイニングフォーム、龍騎はサバイブ、ファイズはブラスターフォーム、ブレイドはキングフォーム、響鬼は装甲響鬼、カブトはハイパーフォーム、電王はライナーフォーム、キバはエンペラーフォーム、ディケイドは最強コンプリートフォーム、ダブルはサイクロンジョーカーエクストリーム、オーズはスーパータトバコンボ、フォーゼはコズミックステイツに、各々の最強形態などに変化していく。

ディケイド「俺たちの、仮面ライダーの力を見せてやる!」

更にウィザードもインフィニティースタイルへと変身する。

ウィザード「フィナーレだ!」
鎧武「行っちゃいますか!」
アマダム「何ぃ! 望むところだぁ!」

アマダムが火炎弾を放つが、立ち昇る炎の中からクウガとアギトが飛び出し、アマダムにキックを浴びせる。
続いて龍騎、ファイズ、ブレイドの3人のキックを浴び、アマダムが大きく後ずさりする。

さらに響鬼、カブト、電王のキック。続けざまにキバ、ディケイド、ダブル、オーズ、フォーゼのキック。
アマダムは防御壁を張って防ごうとするものの、たやすく破られて連続キックを浴びる。
地面に叩きつけられたアマダムに、ウィザードと鎧武のキック。

アマダム「うわっ! まだだ! まだだ!」
鎧武「あらよっと!」

とどめに、鎧武の剣、ウィザードのアックスカリバーの斬撃が炸裂。

アマダム「うわぁ──っ! な、何が違うっていうんだ? 私とお前たちと…… 同じ意思から生まれた……」

大爆発──!! アマダムが最期を遂げる。

鎧武「へへっ!」
ウィザード「ふぃ~……」


戦いが終わり、少年がライダーたちに囲まれ、意識を取り戻す。

少年「僕たち…… 世界を守れた?」
クウガ「大丈夫だ」
電王「へへっ、あばよ!」

ライダーたちが次々に消えてゆく。

鎧武「後は任せろよ」

鎧武も光球と化し、空の彼方へ飛び立つ。
宝箱の中のライダーリングも、一つ残らず消え去ってしまう。

変身を解いた晴人と士の2人が残る。

晴人「まだ、旅を続けるのか?」
士「俺たちはいつでも旅の途中だ。またどこかで出会ったら…… その時も一緒に戦おう」

士もまた、オーロラの壁の向こうへと消えてゆく。
最後に残されたのは、晴人と少年の2人のみ。

春人「ここから出してやることはできなかった…… ごめんな」
少年「いいんだ。いつか変身するとしても、怪人にはならない道を選べるっていうことを教えてもらった。ただ、ライダーリングが消えちゃったのは、ちょっとだけ悔しいかな」

晴人は懐から指輪を取り出すと、少年の指にはめる。

少年「これって!?」
晴人「いつでも呼べ。必ず駆けつける。俺が…… 最後の希望だ」

『コネクト・プリーズ』

晴人はマシンウィンガーを取り出して颯爽と走り出し、魔法陣をくぐって元の世界へと飛び出す。

入れ替わりに輪島、凛子、こよみを背負った瞬平がやって来る。

一同「お──い!」
少年「こよみ 大丈夫か!?」
瞬平「あ~ダメだ、もうダメだ! 交代交代!」

こよみが瞬平の背から降り、笑顔で歩き出す。

瞬平「あの人、行っちゃったんだ」
凛子「あ! 名前、聞かなかったな」
輪島「でも、何だか知っているような気がするなぁ。ずぅっと前から……」
少年「こよみぃ──っ!」


晴人は元の世界へと飛び出し、マシンウィンガーを駆り、「賢者の石」封印のため、どこかへと走り去ってゆく。


魔法石の中の世界では、少年がこよみに駆け寄り、手を取り合う。
その指には、晴人から託されたインフィニティーリングが輝いている。

こよみが初めて、少年の名前を呼ぶ。

こよみ「はると……」

(終)

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最終更新:2021年09月27日 06:38

*1 第49話で変身能力を失った仁藤攻介ではなく、それ以前の時間軸から召喚された。

*2 『ウィザード』本編の登場人物たちと名前・演者が同じだが、魔法石の中の世界に住む別人。