電光超人グリッドマンの第38話

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電光超人グリッドマンの第38話 - (2019/02/13 (水) 22:56:30) の1つ前との変更点

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#center(){|BGCOLOR(darkblue):COLOR(white):CENTER:&br()&big(){&bold(){&big(){危うし地球!}&br()&br()悪臭怪獣スカボーン登場&br()&br()}}|} 直人たちの住む町・桜が丘では、ゴミ処理場の原因不明の故障により、ゴミが回収されなくなっていた。 ゴミ置き場で大量のゴミが悪臭を放ち、ハエがたかる。直人の父・宗一郎が顔をしかめている。 宗一郎「くっさいなぁ~! 何だよ、これ? まぁ、どこもかしこも、もうちょっと綺麗に、なんとか格好だけでも整理でもしなさいよ!」 道に転がるゴミ袋を、なんとかゴミの山の上に積もうとするものの、ゴミが彼目がけて崩れ落ちる。 宗一郎「わぁ、ちょっとぉ!?」 一平の両親・寛司と彩子も、ゴミを捨てようとするものの、ゴミ置き場は既にゴミの山。 寛司「母ちゃん、このゴミどうすんの?」 彩子「だって、家ん中に置いとくと、臭くて」 寛司「だけど、捨てるわけにはいかないだろう? 清掃局がゴミ集めをやめたんだから」 彩子「もう! いつになったら、焼却炉の故障ってのが直んのよ!?」 寛司「そんなことは俺にはわかんねぇよ」 彩子「もう、しょうがないわねぇ……」 彩子が何かを思いついた様子で、ゴミ袋を抱えて駆け出す。 寛司「母ちゃん、どこ行くの? 母ちゃん!?」 しばらくして、一平が自作パソコン・ジャンクのある地下室を訪れると、そこには彩子が運び込んだ大量のゴミ。 一平「わぁっ!? ひっでぇ、ゴミ捨て場にしやがって!」 武史の家。 彼のパソコンの中で、魔王カーンデジファーがほくそ笑んでいる。 デジファー「フフフフ、順調な滑り出しだな」 武史「ゴミと人間は切っても切れない関係。人間どもを苦しめまくること、間違いなしです」 デジファー「見事だぞ、武史」 武史「最高の自信作なんだ!」 パソコンの画面の中。 ゴミ処理場のコンピューターワールドに、武史の作った怪獣が潜んでいる。 武史「『悪臭怪獣スカボーン』。焼却炉がゴミを焼き始めるとすぐさま反応して、体から高熱と凄まじい悪臭を放するようにインプットしたんだ」 デジファー「今度こそ、グリッドマンにジャマされずに済むのだな?」 武史「怪獣スカボーンは、焼却炉温度制御プログラムのバグにカモフラージュしてありますからね」 デジファー「フフフフ! いかにハイパーエージェントであろうとも、それを見破ることは──」 武史「出来るわけありません! グリッドマンが気づかぬうちに、ジワジワジワジワ、世界中を鼻が曲がるほどの悪臭で覆い尽くしてやるんだ」 デジファー「とうとうワシが人間どもを、支配する日がやって来るのだな?」 武史「その通り。僕ってやっぱり、天才さ」 前髪を掻き上げてほくそ笑む武史。 町中を行く直人、一平、ゆかの3人。 一平「ジャンクの部屋、ゴミ置き場にされてさぁ。しょうがねぇから片づけたんだ、俺の部屋に」 直人「どうせいっつもゴミ置き場みたいじゃん、一平の部屋は」 一平「そこまで言うか?」 傍ではゴミの山が、悪臭を放っている。 ゆか「それにしても、この臭い! マスクでもしなきゃ息が出来なくなりそうだわ」 そこに、大掛かりな防臭マスクをつけた武史が現れ、ゆかにもマスクを差し出す。 武史「こ、これを!」 一平「……何だ、こいつ?」 武史「強力な防臭マスクですよ」 ゆか「わぁ~、すごいタイミング!」 武史「そんなに感心しないでほしいなぁ~! まぁ、僕ほどの天才は……」 自分に酔って気取る様子の武史を尻目に、ゆかは直人に話しかける。 ゆか「マスクの話をしてたところなのよね、直人」 直人「ちょうどいいじゃん。ゆか、貰っとけよ」 ゆか「でも、私にだけなんて……」 直人「まぁ、いいから」 ゆか「でも、大げさすぎない?」 直人「そんなことないって!」 武史「マ、マ……」 一平「『マスクをあげた僕の立場はどうなんの』?」 図星を突かれ、動揺する武史。 一平「わかってるって。俺もいつも独りぼっちよ」 武史「……わかるもんか! 君なんかに、僕の気持ちが!!」 武史が駆け去る。 ゆか「あら?」 一平「あいつも独りぼっちなのよ」 自宅に戻った武史が、怒りに燃えてパソコンのキーを叩き始める。 武史「くそっ! ジワジワなんて甘いことはやめて、強烈に臭い思いをさせてやる! 井上ゆか、君が悪いんだからな」 姿を隠していた怪獣スカボーンが、実体を現した。 武史「悪臭怪獣スカボーン、隠密作戦は変更だ。思いっきり暴れてやれ!!」 スカボーンが派手に暴れ始める。 それに連動して、ゴミ処理場の煙突から赤い煙が吹き上がり、町中へと広がって行く。 人々「わぁ!?」「くさぁ~い!」「何これぇ!?」「ゴホ、ゴホッ!」 直人「なんだ、この赤い煙は?」 一平「くっせぇ~!」 直人「ゆか、マスクしろよ」 ゆか「ありがとう」 ゆかに武史が渡した防臭マスクを着けてあげる直人。 一平「直人、あそこだ、見ろよ! あの煙突だ!」 直人「ゴミ焼却炉の煙突だ!」 ゆか「まさか、カーンデジファーの仕業?」 直人のアクセプターが鳴り出し、危機を知らせる。 直人「急ごう!」 ゆか「了解!」 悪臭の煙は一平の家の、寛司と彩子のもとにも。 彩子「あら? 父ちゃん、赤い煙が……」 煙をまともに吸った彩子が、あまりの悪臭に倒れる。 寛司「母ちゃん、どうしたよ? ……大丈夫か、母ちゃん!?」 彩子「……臭い! うわぁー!!」 寛司「ああっ、たまらん!!」 地下室へ入る直人たち。 ジャンクのモニターにグリッドマンが出現。 グリッドマン「直人! 桜が丘ゴミ処理場のメインコンピューターだ!」 直人「よし…… アクセス・フラッシュ!!」 画面の中に飛び込んだ直人がグリッドマンと合体し、コンピューターワールドへ飛び立つ。 そしてゴミ処理場のコンピューターの中に降り立ち、暴れ回るスカボーンに立ち向かう。 武史「やっつけるんだ、スカボーン! お前ならやれる」 パンチとキックの応酬。次第にグリッドマンが優勢に。 武史「あぁっ!? 何をしている、スカボーン!? 馬鹿! スカボーンの馬鹿!」 デジファー「馬鹿は貴様だ!!」 武史「……!?」 デジファー「貴様こそ何をしているのだ、武史!?」 カーンデジファーは激怒している。 武史「ぼ、僕……」 デジファー「スカボーンを暴れさせる計画はなかったはずだ。だからこそグリッドマンにも気づかれぬはずではなかったのか!?」 武史「そ、それは…… その……」 グリッドマンの一方的な攻撃が続く。スカボーンは完全に圧倒されている。 デジファー「ぬうっ、計画が台無しではないか! どうせまた、一時の怒りに我を忘れたな? うつけ者が!!」 武史「井上ゆかが悪いんだ……」 町中で人々が悪臭に倒れ、尼崎巡査ら警察が必死に人々を救おうとしている。 尼崎「みんなぁ、大丈夫かぁ!? 今、助けてやるからなぁ!」 女性市民に酸素を供給する尼崎巡査。 一方、警官の一人が煙をまともに吸って倒れる。 尼崎「立つんやない! 屈むんやぁ!! ……くそぉ、あかんなぁ。こないな酸素ボンベじゃ、どうにもならんがな!」 コンピューターワールドでは、スカボーンが悪臭の煙を放ってグリッドマンに反撃する。 ゆか「一平……」 一平「よし、ダイナドラゴンを送ろう」 ゆか「OK!」 ジャンクの画面にアシストウェポンセレクターが表示。 ゆか「ダイナドラゴン、出撃!!」 ジャンクから発進した恐竜ロボ・ダイナドラゴンがグリッドマンに加勢し、スカボーンに火炎攻撃・ドラゴンファイヤーを見舞う。 スカボーンの、悪臭の煙を放つ尻尾が粉砕される。 一平「グリッドマン、竜帝合体だ!」 グリッドマン「よし!!」 グリッドマンがダイナドラゴンと合体、キンググリッドマンとなる。 キンググリッドマン「合体竜帝・キンググリッドマン!!」 キンググリッドマンが強力な攻撃を次々に繰り出し、スカボーンを追いつめていく。 デジファー「むぅ~っ…… 武史! 最高の自信作だと!? これがか!? 馬鹿者めがぁ!!」 怯える武史。 キンググリッドマン「キンググリッド……ビ──ム!!」 とどめの必殺技が炸裂し、スカボーンが跡形もなく消滅する。 武史「あぁっ……!」 デジファー「ぐぬぬ……!! 今度という今度は愛想が尽きたぞ、この能無し!!」 武史「ど、どうかお許しを!」 怪獣が倒れ、ゴミ処理場のコンピューターも修復され、悪臭の煙も消えてゆく。 デジファー「貴様の顔など二度と見たくない! 出てゆけ!!」 カーンデジファーがパソコンの中から電撃を放ち、武史がパソコンの前から吹っ飛ばされる。 デジファー「お前などもういらん!!」 武史「そ、そんな! カ、カ、カーンデジファー様ぁ…… ど、どうか、お傍に置いてください! 僕を見捨てないで!!」 デジファー「くどぉい!!」 電撃が何度も炸裂。 デジファー「……失せろ!!」 武史がたまらずに、部屋を飛び出す。 デジファー「イライラする奴め。もはや、あんな能無しの手を借りずとも、コンピューター操作など、ワシ1人で出来るのだ!!」 武史のパソコンのキーが、ひとりでに動き始める── 町中ではゴミ処理場の稼働が再開したことで、ゴミの山も回収され始めている。 ゆか「危機一髪だったわよね。もしゴミ焼却炉が爆発したら、大変な被害だったわよ」 一平「カーンデジファーの野郎、頭に来るよなぁ。ったく」 直人「ずる賢くターゲットを選んで、人間や地球のウィークポイントを突いてくるようになった。ぞっとするぜ」 武史が1人、落ち込んだ様子で佇んでいる。 ゆか「ねぇ。あの人、さっきの……」 直人「ああ」 一平「えらい孤独っぽいなぁ」 ゆか「マスクのお礼、言わなきゃ」 ゆかが武史に駆け寄る。 ゆか「さっきはありがとう!」 振り向いた武史は、涙をこぼしている。 武史「……僕を見るな! 見ないでくれぇ!!」 武史が頭を抱えて逃げ出す。 一平「何で逃げんだぁ?」 直人「様子がおかしいな……」 一平「いつも変だぜ、あいつは」 ゆか「彼、泣いてたわ…… なんだか気になる」 ゆかが武史を追う。 直人「おい、待てよ、ゆか」 デジファー「人間どもの世界など、すでに熟知しておる! グリッドマンさえ亡き者にすれば、ワシの望み通りになるのだ。グリッドマン、楽しみにしておれ! フフフフ……!!」 町外れで泣き崩れる武史のもとへ、直人たちが駆け寄る。 武史「うっ、うっ……」 一平「痙攣してるぜ、こいつ……」 直人「……おい?」 武史「うっ、うっ…… つ、次こそ最強の怪獣を、カーンデジファー様……」 直人「えっ!? 『カーンデジファー』!?」 一平「ああ、確かにそう言ったぜ!」 ゆか「どういうこと?」 直人「おい! カーンデジファーがどうしたって!?」 うずくまって震え、何も答えない武史。 一平「はっきり答えろ!!」 武史「ひぃ……!」 桜が丘。ビルの壁面のテレビ画面が、カーンデジファーの映像に切り替わる。 そして空が黒雲に閉ざされてゆく。尼崎巡査や町の人々がそれに驚く。 デジファー「フフフフ……! 人間どもよ、とうとうこの時が来た」 尼崎「な、何や!?」 直人の家でも、両親の宗一郎と道子、弟の大地が空の異変に驚いている。 宗一郎「あらら? 『天、にわかにかき曇り』…… ママ、ちょっと! 嵐が来そうだ、嵐が!」 道子「変ねぇ? 天気予報じゃそんなこと言ってなかったわよ?」 大地「あっ! ママ、大変だ! テレビ、テレビ!」 宗一郎「えっ?」 道子「どうしたの? ……あらぁ!?」 宗一郎「あっ、カーンデジファーだ! カーンデジファーがテレビ乗っ取ってる!!」 道子「あなたぁ!」 デジファー「すべてのコンピューターワールドは、このわしが支配する! フフフフフ……!!」 直人「すべてのコンピューターワールドを支配!?」 一平「どういうことなんだ!?」 ゆか「わからないわ」 武史「カーンデジファー様……!」 デジファー「覚悟するがいい! 貴様たち人間は、全能なるこのカーンデジファー様にひれ伏す運命なのだ!」 テレビ画面がニュースの画面に戻る。 『緊急ニュースです! ただ今、カーンデジファーによる電波ジャックがありました。今、各地でデジファーによるコンピューター異常とみられる大混乱が起きている模様です。各地で電車が暴走を始めている模様。追突や正面衝突のニュースが入電されています。工場地帯では、あの悪夢((化学工場から毒ガスが吹き出す。詳しくは第25・26話を参照。))が繰り返されようとしています。ここ桜が丘でも、中央総合配送センター・電話局・水道局などで、次々とコンピューター異常が発生しています』 道子「パパぁ……」 大地「どうなるの?」 宗一郎「いや、こりゃあ大変なことになった!!」 武史「僕こそ天才・藤堂武史が、魔王カーンデジファー様の頭脳だったんだ!」 一平「何てこった! それじゃ今までコンピューターワールドで暴れまくっていた怪獣は、全部…… お前が作ったってのか!?」 直人「そうか! カーンデジファーは君のパソコンに巣食っていたのか」 ゆか「……わかった!」 一平「何が?」 ゆか「カーンデジファーが『すべてのコンピューターワールドを支配した』って言った意味よ。つまり、彼のパソコンがホストステーションになってるってことよ!」 直人のアクセプターが鳴り出し、危機を知らせる。 一平「直人、早く行け! 俺はこいつの部屋のパソコンの電源を切ってから行く」 直人「わかった。急ごう、ゆか!」 ゆか「えぇ!」 一平「さぁ、案内しろよ!」 武史「嫌だ! カーンデジファー様に怒られる」 一平「馬鹿野郎! 早く!」 武史「ひぃ~っ!?」 直人とゆかは、ジャンクの地下室へ戻る。 グリッドマン「直人! あらゆるコンピューターワールドで、無差別に異常が発生している!」 直人「ついにカーンデジファーのアジトを突き止めたよ、グリッドマン!」 グリッドマン「やったな、直人! 行くぞ!」 直人「よし。アクセス・フラッシュ!!」 グリッドマンが直人と合体してコンピューターワールドへ降り立ち、カーンデジファーに立ち向かう。 デジファー「フフフフ…… 対決の時が来たな、グリッドマン!」 グリッドマン「カーンデジファー、逮捕する!!」 デジファー「何? 出来ると思うのか…… ハイパーエージェント!!」 グリッドマン「それが…… 私の使命だ!!」 武史の家。 一平は武史を無理やり、彼の部屋へ引っ張ってゆく。 一平「来いよ、早く! 早くしろって!」 武史「嫌だ、嫌だ! ……あっ!?」 武史のパソコンが歪み、奇怪な形に変形し、植物の根のような触手が生え始めている。 一平「何なんだ、これは……!?」 武史「ぞ、増殖してる……」 一平「増殖!? こりゃ、機械だぞ!? んな馬鹿な……」 触手が火花を散らしながら、一平たちに迫る。 一平「わ、わぁ~っ!?」 慌てて逃げ出す2人。 コンピューターワールドでは、グリッドマンとカーンデジファーの凄まじい戦いが続く。 デジファー「お遊びは終わりだ、グリッドマン!!」 グリッドマン「ネオ超電導キ──ック!!」 カーンデジファーの必殺光線・デジファービームをジャンプしてかわし、その勢いでネオ超電導キックを繰り出すグリッドマン。 しかしカーンデジファーも体を瞬時に分解し、キックを回避する。 一平は武史を連れたまま、ジャンクの部屋へ戻って来る。 一平「ダメだ! こいつのパソコンに近寄ることも出来ねぇよ!」 ゆか「どういうこと!?」 一平「気味悪いったらねぇよ。パソコンから根っこみたいなのが、もうグニグニグニグニ……」 ゆか「えっ?」 一平の発言に、信じられないといった表情を浮かべるゆか。 デジファー「グリッドマン、貴様をこの世から抹殺してやる! ぬああああっ!!」 カーンデジファーの砂嵐攻撃がグリッドマンに炸裂! ジャンクの警報音が鳴り響き、火花が散る。 ゆか「ああっ! グリッドマンのエネルギーが!」 一平「やばい!」 武史「こ、ここはグリッドマンの基地か!?」 一平とゆかは武史を無視してグリッドマンを応援。 ゆか「グリッドマン、しっかり!」 一平「がんばってくれ! 負けるわけにはいかねぇんだよ!」 武史「こ、これが……? これが、僕の敵だったというのか? こんな、こんなボロいコンピューターが……?」 一平「ジャンクに触んな!! 俺たちの命だぜ!?」 武史「ふん…… グリッドマンはカーンデジファー様に負けるさ」 ゆかが武史に、平手打ちを見舞う。 ゆか「目を覚ますのよ、武史君!」 武史「……ぶったね? 僕をぶった!!」 ゆか「あなたが本当に天才なら、カーンデジファーに操られたり、地球を征服されて平気なわけがないわ!」 カーンデジファーの連続攻撃にグリッドマンが苦しみ、額のランプが点滅。 ジャンクの警報音も、ますます激しく鳴り響く。 デジファー「フハハハハ…… 貴様もこれで終わりだ!!」 グリッドマン「ぐぅっ! ぐわぁっ!!」 一平「そんな馬鹿、ほっとくんだ!」 ゆか「私…… つい、直人が…… 私たちがどんな気持ちで戦ってるのか、わかってもらいたくて……」 一平「エネルギーが足りない。グリッドマンを呼び戻さなければ」 ゆか「わかったわ。グリッドマン、還って来て! このままじゃ消去されちゃう!」 一平「緊急避難だ! 地球のために戻るんだ!!」 パサルート(ワープホール)が開き、グリッドマンがコンピューターワールドから飛び去る。 デジファー「むっ!? 逃げるのか、グリッドマン!?」 武史「……井上ゆか」 ゆか「何よ……」 一平「……この野郎!」 武史につかみかかる一平。 武史「やっぱり、君は…… 僕のことを……」 ゆか「私が? 何なのよぉ!?」 武史「君のビンタに…… 愛を感じた!」 グリッドマンから分離した直人がジャンクの前に現れ、息を切らしながら崩れ落ちる。 直人「ハァ、ハァ……」 ゆか「大丈夫!?」 一平「しっかりしろ!」 ゆか「直人、大丈夫!?」 直人「あぁ…… ハァ、ハァ……」 直人の汗を拭うゆか。 一平は再び武史に食って掛かる。 一平「何が愛だよ、この能天気野郎! お前なぁ、今がどんな時だかわかってんのか?」 武史「どいてくれ! 僕はゆかさんにお話が……」 一平「直人を見ろ! あいつが命賭けてんのがわかんねぇのか!? いつだって、どんな怪獣と戦う時だって、直人は必死に戦ってきたんだ!!」 武史「僕はゆかさんに!」 一平「馬鹿野郎っ!!」 今度は一平が、武史を殴り飛ばす。 ゆか「一平、やめて!」 武史「ぼ、僕は…… 僕は……! 僕はずーっと独りぼっちだったんだ!! うっ、うぅっ……」 子供のように泣き出す武史。 デジファー「おのれぇっ! グリッドマンの息の根を止め損ねたか…… だが! これでワシの天下だ…… フフフフ、偉大なる魔王・カーンデジファー様の力、思い知ったか、人間どもよ! フフフハハハハハ……!!」 #center(){|CENTER:&br()グリッドマンは、カーンデジファーの&br()地球征服を、阻止出来るのだろうか?&br()我々人類の未来はどうなる?&br()危うし、地球!&br()&br()|} #center(){&big(){&bold(){つづく}}} ※ この続きは[[電光超人グリッドマンの最終回]]をご覧ください。
#center(){|BGCOLOR(darkblue):COLOR(white):CENTER:&br()&big(){&bold(){&big(){危うし地球!}&br()&br()悪臭怪獣スカボーン登場&br()&br()}}|} 直人たちの住む町・桜が丘では、ゴミ処理場の原因不明の故障により、ゴミが回収されなくなっていた。 ゴミ置き場で大量のゴミが悪臭を放ち、ハエがたかる。直人の父・宗一郎が顔をしかめている。 宗一郎「くっさいなぁ~! 何だよ、これ? まぁ、どこもかしこも、もうちょっと綺麗に、なんとか格好だけでも整理でもしなさいよ!」 道に転がるゴミ袋を、なんとかゴミの山の上に積もうとするものの、ゴミが彼目がけて崩れ落ちる。 宗一郎「わぁ、ちょっとぉ!?」 一平の両親・寛司と彩子も、ゴミを捨てようとするものの、ゴミ置き場は既にゴミの山。 寛司「母ちゃん、このゴミどうすんの?」 彩子「だって、家ん中に置いとくと、臭くて」 寛司「だけど、捨てるわけにはいかないだろう? 清掃局がゴミ集めをやめたんだから」 彩子「もう! いつになったら、焼却炉の故障ってのが直んのよ!?」 寛司「そんなことは俺にはわかんねぇよ」 彩子「もう、しょうがないわねぇ……」 彩子が何かを思いついた様子で、ゴミ袋を抱えて駆け出す。 寛司「母ちゃん、どこ行くの? 母ちゃん!?」 しばらくして、一平が自作パソコン・ジャンクのある地下室を訪れると、そこには彩子が運び込んだ大量のゴミ。 一平「わぁっ!? ひっでぇ、ゴミ捨て場にしやがって!」 武史の家。 彼のパソコンの中で、魔王カーンデジファーがほくそ笑んでいる。 デジファー「フフフフ、順調な滑り出しだな」 武史「ゴミと人間は切っても切れない関係。人間どもを苦しめまくること、間違いなしです」 デジファー「見事だぞ、武史」 武史「最高の自信作なんだ!」 パソコンの画面の中。 ゴミ処理場のコンピューターワールドに、武史の作った怪獣が潜んでいる。 武史「『悪臭怪獣スカボーン』。焼却炉がゴミを焼き始めるとすぐさま反応して、体から高熱と凄まじい悪臭を放するようにインプットしたんだ」 デジファー「今度こそ、グリッドマンにジャマされずに済むのだな?」 武史「怪獣スカボーンは、焼却炉温度制御プログラムのバグにカモフラージュしてありますからね」 デジファー「フフフフ! いかにハイパーエージェントであろうとも、それを見破ることは──」 武史「出来るわけありません! グリッドマンが気づかぬうちに、ジワジワジワジワ、世界中を鼻が曲がるほどの悪臭で覆い尽くしてやるんだ」 デジファー「とうとうワシが人間どもを、支配する日がやって来るのだな?」 武史「その通り。僕ってやっぱり、天才さ」 前髪を掻き上げてほくそ笑む武史。 町中を行く直人、一平、ゆかの3人。 一平「ジャンクの部屋、ゴミ置き場にされてさぁ。しょうがねぇから片づけたんだ、俺の部屋に」 直人「どうせいっつもゴミ置き場みたいじゃん、一平の部屋は」 一平「そこまで言うか?」 傍ではゴミの山が、悪臭を放っている。 ゆか「それにしても、この臭い! マスクでもしなきゃ息が出来なくなりそうだわ」 そこに、大掛かりな防臭マスクをつけた武史が現れ、ゆかにもマスクを差し出す。 武史「こ、これを!」 一平「……何だ、こいつ?」 武史「強力な防臭マスクですよ」 ゆか「わぁ~、すごいタイミング!」 武史「そんなに感心しないでほしいなぁ~! まぁ、僕ほどの天才は……」 自分に酔って気取る様子の武史を尻目に、ゆかは直人に話しかける。 ゆか「マスクの話をしてたところなのよね、直人」 直人「ちょうどいいじゃん。ゆか、貰っとけよ」 ゆか「でも、私にだけなんて……」 直人「まぁ、いいから」 ゆか「でも、大げさすぎない?」 直人「そんなことないって!」 武史「マ、マ……」 一平「『マスクをあげた僕の立場はどうなんの?』」 図星を突かれ、動揺する武史。 一平「わかってるって。俺もいつも独りぼっちよ」 武史「……わかるもんか! 君なんかに、僕の気持ちが!!」 武史が駆け去る。 ゆか「あら?」 一平「あいつも独りぼっちなのよ」 自宅に戻った武史が、怒りに燃えてパソコンのキーを叩き始める。 武史「くそっ! ジワジワなんて甘いことはやめて、強烈に臭い思いをさせてやる! 井上ゆか、君が悪いんだからな」 姿を隠していた怪獣スカボーンが、実体を現した。 武史「悪臭怪獣スカボーン、隠密作戦は変更だ。思いっきり暴れてやれ!!」 スカボーンが派手に暴れ始める。 それに連動して、ゴミ処理場の煙突から赤い煙が吹き上がり、町中へと広がって行く。 人々「わぁ!?」「くさぁ~い!」「何これぇ!?」「ゴホ、ゴホッ!」 直人「なんだ、この赤い煙は?」 一平「くっせぇ~!」 直人「ゆか、マスクしろよ」 ゆか「ありがとう」 ゆかに武史が渡した防臭マスクを着けてあげる直人。 一平「直人、あそこだ、見ろよ! あの煙突だ!」 直人「ゴミ焼却炉の煙突だ!」 ゆか「まさか、カーンデジファーの仕業?」 直人のアクセプターが鳴り出し、危機を知らせる。 直人「急ごう!」 ゆか「了解!」 悪臭の煙は一平の家の、寛司と彩子のもとにも。 彩子「あら? 父ちゃん、赤い煙が……」 煙をまともに吸った彩子が、あまりの悪臭に倒れる。 寛司「母ちゃん、どうしたよ? ……大丈夫か、母ちゃん!?」 彩子「……臭い! うわぁー!!」 寛司「ああっ、たまらん!!」 地下室へ入る直人たち。 ジャンクのモニターにグリッドマンが出現。 グリッドマン「直人! 桜が丘ゴミ処理場のメインコンピューターだ!」 直人「よし…… アクセス・フラッシュ!!」 画面の中に飛び込んだ直人がグリッドマンと合体し、コンピューターワールドへ飛び立つ。 そしてゴミ処理場のコンピューターの中に降り立ち、暴れ回るスカボーンに立ち向かう。 武史「やっつけるんだ、スカボーン! お前ならやれる」 パンチとキックの応酬。次第にグリッドマンが優勢に。 武史「あぁっ!? 何をしている、スカボーン!? 馬鹿! スカボーンの馬鹿!」 デジファー「馬鹿は貴様だ!!」 武史「……!?」 デジファー「貴様こそ何をしているのだ、武史!?」 カーンデジファーは激怒している。 武史「ぼ、僕……」 デジファー「スカボーンを暴れさせる計画はなかったはずだ。だからこそグリッドマンにも気づかれぬはずではなかったのか!?」 武史「そ、それは…… その……」 グリッドマンの一方的な攻撃が続く。スカボーンは完全に圧倒されている。 デジファー「ぬうっ、計画が台無しではないか! どうせまた、一時の怒りに我を忘れたな? うつけ者が!!」 武史「井上ゆかが悪いんだ……」 町中で人々が悪臭に倒れ、尼崎巡査ら警察が必死に人々を救おうとしている。 尼崎「みんなぁ、大丈夫かぁ!? 今、助けてやるからなぁ!」 女性市民に酸素を供給する尼崎巡査。 一方、警官の一人が煙をまともに吸って倒れる。 尼崎「立つんやない! 屈むんやぁ!! ……くそぉ、あかんなぁ。こないな酸素ボンベじゃ、どうにもならんがな!」 コンピューターワールドでは、スカボーンが悪臭の煙を放ってグリッドマンに反撃する。 ゆか「一平……」 一平「よし、ダイナドラゴンを送ろう」 ゆか「OK!」 ジャンクの画面にアシストウェポンセレクターが表示。 ゆか「ダイナドラゴン、出撃!」 ジャンクから発進した恐竜ロボ・ダイナドラゴンがグリッドマンに加勢し、スカボーンに火炎攻撃・ドラゴンファイヤーを見舞う。 スカボーンの、悪臭の煙を放つ尻尾が粉砕される。 一平「グリッドマン、竜帝合体だ!」 グリッドマン「よし!!」 グリッドマンがダイナドラゴンと合体、キンググリッドマンとなる。 キンググリッドマン「合体竜帝・キンググリッドマン!!」 キンググリッドマンが強力な攻撃を次々に繰り出し、スカボーンを追いつめていく。 デジファー「むぅ~っ…… 武史! 最高の自信作だと!? これがか!? 馬鹿者めがぁ!!」 怯える武史。 キンググリッドマン「キンググリッド……ビ──ム!!」 とどめの必殺技が炸裂し、スカボーンが跡形もなく消滅する。 武史「あぁっ……!」 デジファー「ぐぬぬ……!! 今度という今度は愛想が尽きたぞ、この能無し!!」 武史「ど、どうかお許しを!」 怪獣が倒れ、ゴミ処理場のコンピューターも修復され、悪臭の煙も消えてゆく。 デジファー「貴様の顔など二度と見たくない! 出てゆけ!!」 カーンデジファーがパソコンの中から電撃を放ち、武史がパソコンの前から吹っ飛ばされる。 デジファー「お前などもういらん!!」 武史「そ、そんな! カ、カ、カーンデジファー様ぁ…… ど、どうか、お傍に置いてください! 僕を見捨てないで!!」 デジファー「くどぉい!!」 電撃が何度も炸裂。 デジファー「……失せろ!!」 武史がたまらずに、部屋を飛び出す。 デジファー「イライラする奴め。もはや、あんな能無しの手を借りずとも、コンピューター操作など、ワシ1人で出来るのだ!!」 武史のパソコンのキーが、ひとりでに動き始める── 町中ではゴミ処理場の稼働が再開したことで、ゴミの山も回収され始めている。 ゆか「危機一髪だったわよね。もしゴミ焼却炉が爆発したら、大変な被害だったわよ」 一平「カーンデジファーの野郎、頭に来るよなぁ。ったく」 直人「ずる賢くターゲットを選んで、人間や地球のウィークポイントを突いてくるようになった。ぞっとするぜ」 武史が1人、落ち込んだ様子で佇んでいる。 ゆか「ねぇ。あの人、さっきの……」 直人「あぁ」 一平「えらい孤独っぽいなぁ」 ゆか「マスクのお礼、言わなきゃ」 ゆかが武史に駆け寄る。 ゆか「さっきはありがとう!」 振り向いた武史は、涙をこぼしている。 武史「……僕を見るな! 見ないでくれぇ!!」 武史が頭を抱えて逃げ出す。 一平「何で逃げんだぁ?」 直人「様子がおかしいな……」 一平「いつも変だぜ、あいつは」 ゆか「彼、泣いてたわ…… なんだか気になる」 ゆかが武史を追う。 直人「おい、待てよ、ゆか」 デジファー「人間どもの世界など、すでに熟知しておる! グリッドマンさえ亡き者にすれば、ワシの望み通りになるのだ。グリッドマン、楽しみにしておれ! フフフフ……!!」 町外れで泣き崩れる武史のもとへ、直人たちが駆け寄る。 武史「うっ、うっ……」 一平「痙攣してるぜ、こいつ……」 直人「……おい?」 武史「うっ、うっ…… つ、次こそ最強の怪獣を、カーンデジファー様……」 直人「えっ!? 『カーンデジファー』!?」 一平「ああ、確かにそう言ったぜ!」 ゆか「どういうこと?」 直人「おい! カーンデジファーがどうしたって!?」 うずくまって震え、何も答えない武史。 一平「はっきり答えろ!!」 武史「ひぃ……!」 桜が丘。ビルの壁面のテレビ画面が、カーンデジファーの映像に切り替わる。 そして空が黒雲に閉ざされてゆく。尼崎巡査や町の人々がそれに驚く。 デジファー「フフフフ……! 人間どもよ、とうとうこの時が来た」 尼崎「な、何や!?」 直人の家でも、両親の宗一郎と道子、弟の大地が空の異変に驚いている。 宗一郎「あらら? 『天、にわかにかき曇り』…… ママ、ちょっと! 嵐が来そうだ、嵐が!」 道子「変ねぇ? 天気予報じゃそんなこと言ってなかったわよ?」 大地「あっ! ママ、大変だ! テレビ、テレビ!」 宗一郎「えっ?」 道子「どうしたの? ……あらぁ!?」 宗一郎「あっ、カーンデジファーだ! カーンデジファーがテレビ乗っ取ってる!!」 道子「あなたぁ!」 デジファー「すべてのコンピューターワールドは、このワシが支配する! フフフフフ……!!」 直人「すべてのコンピューターワールドを支配!?」 一平「どういうことなんだ!?」 ゆか「わからないわ」 武史「カーンデジファー様……!」 デジファー「覚悟するがいい! 貴様たち人間は、全能なるこのカーンデジファー様にひれ伏す運命なのだ!」 テレビ画面がニュースの画面に戻る。 『緊急ニュースです! ただ今、カーンデジファーによる電波ジャックがありました。今、各地でデジファーによるコンピューター異常とみられる大混乱が起きている模様です。各地で電車が暴走を始めている模様。追突や正面衝突のニュースが入電されています。工場地帯では、あの悪夢((化学工場から毒ガスが吹き出す。詳しくは第25・26話を参照。))が繰り返されようとしています。ここ桜が丘でも、中央総合配送センター・電話局・水道局などで、次々とコンピューター異常が発生しています』 道子「パパぁ……」 大地「どうなるの?」 宗一郎「いや、こりゃあ大変なことになった!!」 武史「僕こそ天才・藤堂武史が、魔王カーンデジファー様の頭脳だったんだ!」 一平「何てこった! それじゃ今までコンピューターワールドで暴れまくっていた怪獣は、全部…… お前が作ったってのか!?」 直人「そうか! カーンデジファーは君のパソコンに巣食っていたのか」 ゆか「……わかった!」 一平「何が?」 ゆか「カーンデジファーが『すべてのコンピューターワールドを支配した』って言った意味よ。つまり、彼のパソコンがホストステーションになってるってことよ!」 直人のアクセプターが鳴り出し、危機を知らせる。 一平「直人、早く行け! 俺はこいつの部屋のパソコンの電源を切ってから行く」 直人「わかった。急ごう、ゆか!」 ゆか「えぇ!」 一平「さぁ、案内しろよ!」 武史「嫌だ! カーンデジファー様に怒られる」 一平「馬鹿野郎! 早く!」 武史「ひぃ~っ!?」 直人とゆかは、ジャンクの地下室へ戻る。 グリッドマン「直人! あらゆるコンピューターワールドで、無差別に異常が発生している!」 直人「ついにカーンデジファーのアジトを突き止めたよ、グリッドマン!」 グリッドマン「やったな、直人! 行くぞ!」 直人「よし。アクセス・フラッシュ!!」 グリッドマンが直人と合体してコンピューターワールドへ降り立ち、カーンデジファーに立ち向かう。 デジファー「フフフフ…… 対決の時が来たな、グリッドマン!」 グリッドマン「カーンデジファー、逮捕する!!」 デジファー「何? 出来ると思うのか…… ハイパーエージェント!!」 グリッドマン「それが…… 私の使命だ!!」 武史の家。 一平は武史を無理やり、彼の部屋へ引っ張ってゆく。 一平「来いよ、早く! 早くしろって!」 武史「嫌だ、嫌だ! ……あっ!?」 武史のパソコンが歪み、奇怪な形に変形し、植物の根のような触手が生え始めている。 一平「何なんだ、これは……!?」 武史「ぞ、増殖してる……」 一平「増殖!? こりゃ、機械だぞ!? んな馬鹿な……」 触手が火花を散らしながら、一平たちに迫る。 一平「わ、わぁ~っ!?」 慌てて逃げ出す2人。 コンピューターワールドでは、グリッドマンとカーンデジファーの凄まじい戦いが続く。 デジファー「お遊びは終わりだ、グリッドマン!!」 グリッドマン「ネオ超電導キ──ック!!」 カーンデジファーの必殺光線・デジファービームをジャンプしてかわし、その勢いでネオ超電導キックを繰り出すグリッドマン。 しかしカーンデジファーも体を瞬時に分解し、キックを回避する。 一平は武史を連れたまま、ジャンクの部屋へ戻って来る。 一平「ダメだ! こいつのパソコンに近寄ることも出来ねぇよ!」 ゆか「どういうこと!?」 一平「気味悪いったらねぇよ。パソコンから根っこみたいなのが、もうグニグニグニグニ……」 ゆか「えっ?」 一平の発言に、信じられないといった表情を浮かべるゆか。 デジファー「グリッドマン、貴様をこの世から抹殺してやる! ぬああああっ!!」 カーンデジファーの砂嵐攻撃がグリッドマンに炸裂! ジャンクの警報音が鳴り響き、火花が散る。 ゆか「あぁっ! グリッドマンのエネルギーが!」 一平「やばい!」 武史「こ、ここはグリッドマンの基地か!?」 一平とゆかは武史を無視してグリッドマンを応援。 ゆか「グリッドマン、しっかり!」 一平「がんばってくれ! 負けるわけにはいかねぇんだよ!」 武史「こ、これが……? これが、僕の敵だったというのか? こんな、こんなボロいコンピューターが……?」 一平「ジャンクに触んな!! 俺たちの命だぜ!?」 武史「ふん…… グリッドマンはカーンデジファー様に負けるさ」 ゆかが武史に、平手打ちを見舞う。 ゆか「目を覚ますのよ、武史君!」 武史「……ぶったね? 僕をぶった!!」 ゆか「あなたが本当に天才なら、カーンデジファーに操られたり、地球を征服されて平気なわけがないわ!」 カーンデジファーの連続攻撃にグリッドマンが苦しみ、額のランプが点滅。 ジャンクの警報音も、ますます激しく鳴り響く。 デジファー「フハハハハ…… 貴様もこれで終わりだ!!」 グリッドマン「ぐぅっ! ぐわぁっ!!」 一平「そんな馬鹿、ほっとくんだ!」 ゆか「私…… つい、直人が…… 私たちがどんな気持ちで戦ってるのか、わかってもらいたくて……」 一平「エネルギーが足りない。グリッドマンを呼び戻さなければ」 ゆか「わかったわ。グリッドマン、還って来て! このままじゃ消去されちゃう!」 一平「緊急避難だ! 地球のために戻るんだ!!」 パサルート(ワープホール)が開き、グリッドマンがコンピューターワールドから飛び去る。 デジファー「むっ!? 逃げるのか、グリッドマン!?」 武史「……井上ゆか」 ゆか「何よ……」 一平「……この野郎!」 武史につかみかかる一平。 武史「やっぱり、君は…… 僕のことを……」 ゆか「私が? 何なのよぉ!?」 武史「君のビンタに…… 愛を感じた!」 グリッドマンから分離した直人がジャンクの前に現れ、息を切らしながら崩れ落ちる。 直人「ハァ、ハァ……」 ゆか「大丈夫!?」 一平「しっかりしろ!」 ゆか「直人、大丈夫!?」 直人「あぁ…… ハァ、ハァ……」 直人の汗を拭うゆか。 一平は再び武史に食って掛かる。 一平「何が愛だよ、この能天気野郎! お前なぁ、今がどんな時だかわかってんのか?」 武史「どいてくれ! 僕はゆかさんにお話が……」 一平「直人を見ろ! あいつが命賭けてんのがわかんねぇのか!? いつだって、どんな怪獣と戦う時だって、直人は必死に戦ってきたんだ!!」 武史「僕はゆかさんに!」 一平「馬鹿野郎っ!!」 今度は一平が、武史を殴り飛ばす。 ゆか「一平、やめて!」 武史「ぼ、僕は…… 僕は……! 僕はずーっと独りぼっちだったんだ!! うっ、うぅっ……」 子供のように泣き出す武史。 デジファー「おのれぇっ! グリッドマンの息の根を止め損ねたか…… だが! これでワシの天下だ…… フフフフ、偉大なる魔王・カーンデジファー様の力、思い知ったか、人間どもよ! フフフハハハハハ……!!」 #center(){|CENTER:&br()グリッドマンは、カーンデジファーの&br()地球征服を、阻止出来るのだろうか?&br()我々人類の未来はどうなる?&br()危うし、地球!&br()&br()|} #center(){&big(){&bold(){つづく}}} ※ この続きは[[電光超人グリッドマンの最終回]]をご覧ください。

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