直人たちの住む町・桜が丘では、ゴミ処理場の原因不明の故障により、ゴミが回収されなくなっていた。
ゴミ置き場で大量のゴミが悪臭を放ち、ハエがたかる。直人の父・宗一郎が顔をしかめている。
宗一郎「くっさいなぁ~! 何だよ、これ? まぁ、どこもかしこも、もうちょっと綺麗に、なんとか格好だけでも整理でもしなさいよ!」
道に転がるゴミ袋を、なんとかゴミの山の上に積もうとするものの、ゴミが彼目がけて崩れ落ちる。
宗一郎「わぁ、ちょっとぉ!?」
一平の両親・寛司と彩子も、ゴミを捨てようとするものの、ゴミ置き場は既にゴミの山。
寛司「母ちゃん、このゴミどうすんの?」
彩子「だって、家ん中に置いとくと、臭くて」
寛司「だけど、捨てるわけにはいかないだろう? 清掃局がゴミ集めをやめたんだから」
彩子「もう! いつになったら、焼却炉の故障ってのが直んのよ!?」
寛司「そんなことは俺にはわかんねぇよ」
彩子「もう、しょうがないわねぇ……」
彩子が何かを思いついた様子で、ゴミ袋を抱えて駆け出す。
寛司「母ちゃん、どこ行くの? 母ちゃん!?」
しばらくして、一平が自作パソコン・ジャンクのある地下室を訪れると、そこには彩子が運び込んだ大量のゴミ。
一平「わぁっ!? ひっでぇ、ゴミ捨て場にしやがって!」
武史の家。
彼のパソコンの中で、魔王カーンデジファーがほくそ笑んでいる。
デジファー「フフフフ、順調な滑り出しだな」
武史「ゴミと人間は切っても切れない関係。人間どもを苦しめまくること、間違いなしです」
デジファー「見事だぞ、武史」
武史「最高の自信作なんだ!」
パソコンの画面の中。
ゴミ処理場のコンピューターワールドに、武史の作った怪獣が潜んでいる。
武史「『悪臭怪獣スカボーン』。焼却炉がゴミを焼き始めるとすぐさま反応して、体から高熱と凄まじい悪臭を放するようにインプットしたんだ」
デジファー「今度こそ、グリッドマンにジャマされずに済むのだな?」
武史「怪獣スカボーンは、焼却炉温度制御プログラムのバグにカモフラージュしてありますからね」
デジファー「フフフフ! いかにハイパーエージェントであろうとも、それを見破ることは──」
武史「出来るわけありません! グリッドマンが気づかぬうちに、ジワジワジワジワ、世界中を鼻が曲がるほどの悪臭で覆い尽くしてやるんだ」
デジファー「とうとうワシが人間どもを、支配する日がやって来るのだな?」
武史「その通り。僕ってやっぱり、天才さ」
前髪を掻き上げてほくそ笑む武史。
町中を行く直人、一平、ゆかの3人。
一平「ジャンクの部屋、ゴミ置き場にされてさぁ。しょうがねぇから片づけたんだ、俺の部屋に」
直人「どうせいっつもゴミ置き場みたいじゃん、一平の部屋は」
一平「そこまで言うか?」
傍ではゴミの山が、悪臭を放っている。
ゆか「それにしても、この臭い! マスクでもしなきゃ息が出来なくなりそうだわ」
そこに、大掛かりな防臭マスクをつけた武史が現れ、ゆかにもマスクを差し出す。
武史「こ、これを!」
一平「……何だ、こいつ?」
武史「強力な防臭マスクですよ」
ゆか「わぁ~、すごいタイミング!」
武史「そんなに感心しないでほしいなぁ~! まぁ、僕ほどの天才は……」
自分に酔って気取る様子の武史を尻目に、ゆかは直人に話しかける。
ゆか「マスクの話をしてたところなのよね、直人」
直人「ちょうどいいじゃん。ゆか、貰っとけよ」
ゆか「でも、私にだけなんて……」
直人「まぁ、いいから」
ゆか「でも、大げさすぎない?」
直人「そんなことないって!」
武史「マ、マ……」
一平「『マスクをあげた僕の立場はどうなんの?』」
図星を突かれ、動揺する武史。
一平「わかってるって。俺もいつも独りぼっちよ」
武史「……わかるもんか! 君なんかに、僕の気持ちが!!」
武史が駆け去る。
ゆか「あら?」
一平「あいつも独りぼっちなのよ」
自宅に戻った武史が、怒りに燃えてパソコンのキーを叩き始める。
武史「くそっ! ジワジワなんて甘いことはやめて、強烈に臭い思いをさせてやる! 井上ゆか、君が悪いんだからな」
姿を隠していた怪獣スカボーンが、実体を現した。
武史「悪臭怪獣スカボーン、隠密作戦は変更だ。思いっきり暴れてやれ!!」
スカボーンが派手に暴れ始める。
それに連動して、ゴミ処理場の煙突から赤い煙が吹き上がり、町中へと広がって行く。
人々「わぁ!?」「くさぁ~い!」「何これぇ!?」「ゴホ、ゴホッ!」
直人「なんだ、この赤い煙は?」
一平「くっせぇ~!」
直人「ゆか、マスクしろよ」
ゆか「ありがとう」
ゆかに武史が渡した防臭マスクを着けてあげる直人。
一平「直人、あそこだ、見ろよ! あの煙突だ!」
直人「ゴミ焼却炉の煙突だ!」
ゆか「まさか、カーンデジファーの仕業?」
直人のアクセプターが鳴り出し、危機を知らせる。
直人「急ごう!」
ゆか「了解!」
悪臭の煙は一平の家の、寛司と彩子のもとにも。
彩子「あら? 父ちゃん、赤い煙が……」
煙をまともに吸った彩子が、あまりの悪臭に倒れる。
寛司「母ちゃん、どうしたよ? ……大丈夫か、母ちゃん!?」
彩子「……臭い! うわぁー!!」
寛司「ああっ、たまらん!!」
地下室へ入る直人たち。
ジャンクのモニターにグリッドマンが出現。
グリッドマン「直人! 桜が丘ゴミ処理場のメインコンピューターだ!」
直人「よし…… アクセス・フラッシュ!!」
画面の中に飛び込んだ直人がグリッドマンと合体し、コンピューターワールドへ飛び立つ。
そしてゴミ処理場のコンピューターの中に降り立ち、暴れ回るスカボーンに立ち向かう。
武史「やっつけるんだ、スカボーン! お前ならやれる」
パンチとキックの応酬。次第にグリッドマンが優勢に。
武史「あぁっ!? 何をしている、スカボーン!? 馬鹿! スカボーンの馬鹿!」
デジファー「馬鹿は貴様だ!!」
武史「……!?」
デジファー「貴様こそ何をしているのだ、武史!?」
カーンデジファーは激怒している。
武史「ぼ、僕……」
デジファー「スカボーンを暴れさせる計画はなかったはずだ。だからこそグリッドマンにも気づかれぬはずではなかったのか!?」
武史「そ、それは…… その……」
グリッドマンの一方的な攻撃が続く。スカボーンは完全に圧倒されている。
デジファー「ぬうっ、計画が台無しではないか! どうせまた、一時の怒りに我を忘れたな? うつけ者が!!」
武史「井上ゆかが悪いんだ……」
町中で人々が悪臭に倒れ、尼崎巡査ら警察が必死に人々を救おうとしている。
尼崎「みんなぁ、大丈夫かぁ!? 今、助けてやるからなぁ!」
女性市民に酸素を供給する尼崎巡査。
一方、警官の一人が煙をまともに吸って倒れる。
尼崎「立つんやない! 屈むんやぁ!! ……くそぉ、あかんなぁ。こないな酸素ボンベじゃ、どうにもならんがな!」
コンピューターワールドでは、スカボーンが悪臭の煙を放ってグリッドマンに反撃する。
ゆか「一平……」
一平「よし、ダイナドラゴンを送ろう」
ゆか「OK!」
ジャンクの画面にアシストウェポンセレクターが表示。
ゆか「ダイナドラゴン、出撃!」
ジャンクから発進した恐竜ロボ・ダイナドラゴンがグリッドマンに加勢し、スカボーンに火炎攻撃・ドラゴンファイヤーを見舞う。
スカボーンの、悪臭の煙を放つ尻尾が粉砕される。
一平「グリッドマン、竜帝合体だ!」
グリッドマン「よし!!」
グリッドマンがダイナドラゴンと合体、キンググリッドマンとなる。
キンググリッドマン「合体竜帝・キンググリッドマン!!」
キンググリッドマンが強力な攻撃を次々に繰り出し、スカボーンを追いつめていく。
デジファー「むぅ~っ…… 武史! 最高の自信作だと!? これがか!? 馬鹿者めがぁ!!」
怯える武史。
キンググリッドマン「キンググリッド……ビ──ム!!」
とどめの必殺技が炸裂し、スカボーンが跡形もなく消滅する。
武史「あぁっ……!」
デジファー「ぐぬぬ……!! 今度という今度は愛想が尽きたぞ、この能無し!!」
武史「ど、どうかお許しを!」
怪獣が倒れ、ゴミ処理場のコンピューターも修復され、悪臭の煙も消えてゆく。
デジファー「貴様の顔など二度と見たくない! 出てゆけ!!」
カーンデジファーがパソコンの中から電撃を放ち、武史がパソコンの前から吹っ飛ばされる。
デジファー「お前などもういらん!!」
武史「そ、そんな! カ、カ、カーンデジファー様ぁ…… ど、どうか、お傍に置いてください! 僕を見捨てないで!!」
デジファー「くどぉい!!」
電撃が何度も炸裂。
デジファー「……失せろ!!」
武史がたまらずに、部屋を飛び出す。
デジファー「イライラする奴め。もはや、あんな能無しの手を借りずとも、コンピューター操作など、ワシ1人で出来るのだ!!」
武史のパソコンのキーが、ひとりでに動き始める──
町中ではゴミ処理場の稼働が再開したことで、ゴミの山も回収され始めている。
ゆか「危機一髪だったわよね。もしゴミ焼却炉が爆発したら、大変な被害だったわよ」
一平「カーンデジファーの野郎、頭に来るよなぁ。ったく」
直人「ずる賢くターゲットを選んで、人間や地球のウィークポイントを突いてくるようになった。ぞっとするぜ」
武史が1人、落ち込んだ様子で佇んでいる。
ゆか「ねぇ。あの人、さっきの……」
直人「あぁ」
一平「えらい孤独っぽいなぁ」
ゆか「マスクのお礼、言わなきゃ」
ゆかが武史に駆け寄る。
ゆか「さっきはありがとう!」
振り向いた武史は、涙をこぼしている。
武史「……僕を見るな! 見ないでくれぇ!!」
武史が頭を抱えて逃げ出す。
一平「何で逃げんだぁ?」
直人「様子がおかしいな……」
一平「いつも変だぜ、あいつは」
ゆか「彼、泣いてたわ…… なんだか気になる」
ゆかが武史を追う。
直人「おい、待てよ、ゆか」
デジファー「人間どもの世界など、すでに熟知しておる! グリッドマンさえ亡き者にすれば、ワシの望み通りになるのだ。グリッドマン、楽しみにしておれ! フフフフ……!!」
町外れで泣き崩れる武史のもとへ、直人たちが駆け寄る。
武史「うっ、うっ……」
一平「痙攣してるぜ、こいつ……」
直人「……おい?」
武史「うっ、うっ…… つ、次こそ最強の怪獣を、カーンデジファー様……」
直人「えっ!? 『カーンデジファー』!?」
一平「ああ、確かにそう言ったぜ!」
ゆか「どういうこと?」
直人「おい! カーンデジファーがどうしたって!?」
うずくまって震え、何も答えない武史。
一平「はっきり答えろ!!」
武史「ひぃ……!」
桜が丘。ビルの壁面のテレビ画面が、カーンデジファーの映像に切り替わる。
そして空が黒雲に閉ざされてゆく。尼崎巡査や町の人々がそれに驚く。
デジファー「フフフフ……! 人間どもよ、とうとうこの時が来た」
尼崎「な、何や!?」
直人の家でも、両親の宗一郎と道子、弟の大地が空の異変に驚いている。
宗一郎「あらら? 『天、にわかにかき曇り』…… ママ、ちょっと! 嵐が来そうだ、嵐が!」
道子「変ねぇ? 天気予報じゃそんなこと言ってなかったわよ?」
大地「あっ! ママ、大変だ! テレビ、テレビ!」
宗一郎「えっ?」
道子「どうしたの? ……あらぁ!?」
宗一郎「あっ、カーンデジファーだ! カーンデジファーがテレビ乗っ取ってる!!」
道子「あなたぁ!」
デジファー「すべてのコンピューターワールドは、このワシが支配する! フフフフフ……!!」
直人「すべてのコンピューターワールドを支配!?」
一平「どういうことなんだ!?」
ゆか「わからないわ」
武史「カーンデジファー様……!」
デジファー「覚悟するがいい! 貴様たち人間は、全能なるこのカーンデジファー様にひれ伏す運命なのだ!」
テレビ画面がニュースの画面に戻る。
『緊急ニュースです! ただ今、カーンデジファーによる電波ジャックがありました。今、各地でデジファーによるコンピューター異常とみられる大混乱が起きている模様です。各地で電車が暴走を始めている模様。追突や正面衝突のニュースが入電されています。工場地帯では、あの悪夢が繰り返されようとしています。ここ桜が丘でも、中央総合配送センター・電話局・水道局などで、次々とコンピューター異常が発生しています』
道子「パパぁ……」
大地「どうなるの?」
宗一郎「いや、こりゃあ大変なことになった!!」
武史「僕こそ天才・藤堂武史が、魔王カーンデジファー様の頭脳だったんだ!」
一平「何てこった! それじゃ今までコンピューターワールドで暴れまくっていた怪獣は、全部…… お前が作ったってのか!?」
直人「そうか! カーンデジファーは君のパソコンに巣食っていたのか」
ゆか「……わかった!」
一平「何が?」
ゆか「カーンデジファーが『すべてのコンピューターワールドを支配した』って言った意味よ。つまり、彼のパソコンがホストステーションになってるってことよ!」
直人のアクセプターが鳴り出し、危機を知らせる。
一平「直人、早く行け! 俺はこいつの部屋のパソコンの電源を切ってから行く」
直人「わかった。急ごう、ゆか!」
ゆか「えぇ!」
一平「さぁ、案内しろよ!」
武史「嫌だ! カーンデジファー様に怒られる」
一平「馬鹿野郎! 早く!」
武史「ひぃ~っ!?」
直人とゆかは、ジャンクの地下室へ戻る。
グリッドマン「直人! あらゆるコンピューターワールドで、無差別に異常が発生している!」
直人「ついにカーンデジファーのアジトを突き止めたよ、グリッドマン!」
グリッドマン「やったな、直人! 行くぞ!」
直人「よし。アクセス・フラッシュ!!」
グリッドマンが直人と合体してコンピューターワールドへ降り立ち、カーンデジファーに立ち向かう。
デジファー「フフフフ…… 対決の時が来たな、グリッドマン!」
グリッドマン「カーンデジファー、逮捕する!!」
デジファー「何? 出来ると思うのか…… ハイパーエージェント!!」
グリッドマン「それが…… 私の使命だ!!」
武史の家。
一平は武史を無理やり、彼の部屋へ引っ張ってゆく。
一平「来いよ、早く! 早くしろって!」
武史「嫌だ、嫌だ! ……あっ!?」
武史のパソコンが歪み、奇怪な形に変形し、植物の根のような触手が生え始めている。
一平「何なんだ、これは……!?」
武史「ぞ、増殖してる……」
一平「増殖!? こりゃ、機械だぞ!? んな馬鹿な……」
触手が火花を散らしながら、一平たちに迫る。
一平「わ、わぁ~っ!?」
慌てて逃げ出す2人。
コンピューターワールドでは、グリッドマンとカーンデジファーの凄まじい戦いが続く。
デジファー「お遊びは終わりだ、グリッドマン!!」
グリッドマン「ネオ超電導キ──ック!!」
カーンデジファーの必殺光線・デジファービームをジャンプしてかわし、その勢いでネオ超電導キックを繰り出すグリッドマン。
しかしカーンデジファーも体を瞬時に分解し、キックを回避する。
一平は武史を連れたまま、ジャンクの部屋へ戻って来る。
一平「ダメだ! こいつのパソコンに近寄ることも出来ねぇよ!」
ゆか「どういうこと!?」
一平「気味悪いったらねぇよ。パソコンから根っこみたいなのが、もうグニグニグニグニ……」
ゆか「えっ?」
一平の発言に、信じられないといった表情を浮かべるゆか。
デジファー「グリッドマン、貴様をこの世から抹殺してやる! ぬああああっ!!」
カーンデジファーの砂嵐攻撃がグリッドマンに炸裂!
ジャンクの警報音が鳴り響き、火花が散る。
ゆか「あぁっ! グリッドマンのエネルギーが!」
一平「やばい!」
武史「こ、ここはグリッドマンの基地か!?」
一平とゆかは武史を無視してグリッドマンを応援。
ゆか「グリッドマン、しっかり!」
一平「がんばってくれ! 負けるわけにはいかねぇんだよ!」
武史「こ、これが……? これが、僕の敵だったというのか? こんな、こんなボロいコンピューターが……?」
一平「ジャンクに触んな!! 俺たちの命だぜ!?」
武史「ふん…… グリッドマンはカーンデジファー様に負けるさ」
ゆかが武史に、平手打ちを見舞う。
ゆか「目を覚ますのよ、武史君!」
武史「……ぶったね? 僕をぶった!!」
ゆか「あなたが本当に天才なら、カーンデジファーに操られたり、地球を征服されて平気なわけがないわ!」
カーンデジファーの連続攻撃にグリッドマンが苦しみ、額のランプが点滅。
ジャンクの警報音も、ますます激しく鳴り響く。
デジファー「フハハハハ…… 貴様もこれで終わりだ!!」
グリッドマン「ぐぅっ! ぐわぁっ!!」
一平「そんな馬鹿、ほっとくんだ!」
ゆか「私…… つい、直人が…… 私たちがどんな気持ちで戦ってるのか、わかってもらいたくて……」
一平「エネルギーが足りない。グリッドマンを呼び戻さなければ」
ゆか「わかったわ。グリッドマン、還って来て! このままじゃ消去されちゃう!」
一平「緊急避難だ! 地球のために戻るんだ!!」
パサルート(ワープホール)が開き、グリッドマンがコンピューターワールドから飛び去る。
デジファー「むっ!? 逃げるのか、グリッドマン!?」
武史「……井上ゆか」
ゆか「何よ……」
一平「……この野郎!」
武史につかみかかる一平。
武史「やっぱり、君は…… 僕のことを……」
ゆか「私が? 何なのよぉ!?」
武史「君のビンタに…… 愛を感じた!」
グリッドマンから分離した直人がジャンクの前に現れ、息を切らしながら崩れ落ちる。
直人「ハァ、ハァ……」
ゆか「大丈夫!?」
一平「しっかりしろ!」
ゆか「直人、大丈夫!?」
直人「あぁ…… ハァ、ハァ……」
直人の汗を拭うゆか。
一平は再び武史に食って掛かる。
一平「何が愛だよ、この能天気野郎! お前なぁ、今がどんな時だかわかってんのか?」
武史「どいてくれ! 僕はゆかさんにお話が……」
一平「直人を見ろ! あいつが命賭けてんのがわかんねぇのか!? いつだって、どんな怪獣と戦う時だって、直人は必死に戦ってきたんだ!!」
武史「僕はゆかさんに!」
一平「馬鹿野郎っ!!」
今度は一平が、武史を殴り飛ばす。
ゆか「一平、やめて!」
武史「ぼ、僕は…… 僕は……! 僕はずーっと独りぼっちだったんだ!! うっ、うぅっ……」
子供のように泣き出す武史。
デジファー「おのれぇっ! グリッドマンの息の根を止め損ねたか…… だが! これでワシの天下だ…… フフフフ、偉大なる魔王・カーンデジファー様の力、思い知ったか、人間どもよ! フフフハハハハハ……!!」
グリッドマンは、カーンデジファーの 地球征服を、阻止出来るのだろうか? 我々人類の未来はどうなる? 危うし、地球!
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最終更新:2019年02月13日 22:56