鎧伝サムライトルーパーの最終回 (漫画版)

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鎧伝サムライトルーパーの最終回 (漫画版) - (2014/12/14 (日) 07:39:49) の1つ前との変更点

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&ruby(アラゴ){阿羅醐}「&ruby(ようじゃ){妖邪}が人間界を支配するときは もはやまぢかにせまっておる! いっこくもはやくすべての鎧をてにいれるのだ!」 四天王たち「ははーっ!」 阿羅醐「&bold(){&ruby(カユラ){迦遊羅}!}」 阿羅醐の髪が伸び、迦遊羅を捕える。 迦遊羅「な……なにをなさいます!? 阿羅醐さま!」 阿羅醐「おぬしの力は…… もはや妖邪のものではない!」 迦遊羅「阿羅醐さま……」 #center(){|&big(){&big(){&bold(){決戦! そして&ruby(とわ){永遠}に!!}}}|} サムライトルーパー・リョウは、囚われの身の仲間たちを救うため&ruby(きこうてい){輝煌帝}となって単身、妖邪界に突入していた。 目の前の塔の上に、仲間たちの心を示す「義」「礼」「智」「信」の文字が浮かび上がっている。 リョウ「鎧のオーラがうかんでいる! みんなはあの塔にとらわれているんだ! みんなまってろ!! いまたすけだす! サムライトルーパーの力を結集して こんどこそ阿羅醐をたたきつぶすんだ!」 妖邪の尖兵・&ruby(じりょうしゅう){地霊衆}たちが次々に襲いかかるが、リョウは1体残らず斬り捨ててゆく。 リョウ「うせろ! &ruby(おさ){長}をうしなった地霊衆のでる幕じゃない!」 塔の中では機械とも生物ともつかない巨大な物体に、セイジ、トウマ、シュウ、シンの4人が囚われている。 リョウ「な……なんだ &ruby(){こいつは!?} みんながなかに……!! こいつは機械か…… 生きものか……」 そこに四天王の&ruby(シュテン){朱天}、&ruby(アヌビス){悪奴弥守}、&ruby(ナアザ){那唖挫}、&ruby(ラジュラ){螺呪羅}たち4人が現れる。 四天王たち「鎧パワーをすって成長する&ruby(){妖邪機械!} 人間界を滅亡へとみちびく終局兵器だ! こいつにはすべての鎧のパワーが必要なのさ!」 リョウ「鎧をまといながら悪に身を売った四魔将め!」 朱天「われらは阿羅醐さまの鎧から生まれしもの! うらぎりものはおまえのほうだ 烈火! 地霊衆の残党よ! 阿羅醐さまのご意志だ! &bold(){われら四魔将に力をあたえよ! 大いなる妖邪界のために!}」 地霊衆が激しい雷を放ち、光の中に四天王が溶け込んでゆく。 リョウ「四魔将の鎧が雷のなかに…… なにをする気だ!?」 四天王たち「&bold(){われら死して妖邪界に名をのこす!}」 リョウ「な……なにーっ!」 四天王の鎧が合体、巨大な鬼のような姿と化す。 「&bold(){四魔将合体鎧武者 羅邪王!} 烈火! おまえに地獄をみせてやろう!」 リョウ「こいつは…… &bold(){まるで地獄の鬼だ!}」 一方で迦遊羅は、牢屋の中に閉じ込めらている。 迦遊羅「阿羅醐さまーっ! なぜ……!? なぜ わたしがこのようなめに……!?」 阿羅醐「おまえの力 まだ妖邪には必要じゃ! いま めざめられてはめんどうなことになる」 迦遊羅「めざめる……? 阿羅醐さま…… わたしにはなんのことか……?」 阿羅醐「おまえにはわからずとも 胸のプレートはめざめはじめておるわ……」 天井から大量の血が滴る。 阿羅醐「迦遊羅よ いまふたたび血の洗礼をうけよ! 身も心も妖邪のしもべと化すのだ!」 迦遊羅「なにをする気です!? 阿羅醐さま!1」 滴った血しぶきが生物のように、迦遊羅へと絡みつく。 迦遊羅「この血……! 生きている! きゃああっ!」 だが迦遊羅の胸飾りのプレートが光り、血しぶきは悲鳴のような音とともに飛び散る。 迦遊羅「&bold(){えっ……!?}」 |&br()彼女の脳裏に甦る過去の記憶。&br()幼い自分が&ruby(カオス){迦雄須}を慕っている。&br()&br()迦遊羅「迦雄須さまーっ」&br()&br()阿羅醐にさらわれた迦遊羅が、両親から引き離される。&br()&br()両親「迦遊羅ーっ」&br()迦遊羅「たすけて──っ! おとうさま おかあさま!」&br()阿羅醐「迦雄須一族の力を妖邪のためにつかえ!」&br()&br()| 迦遊羅「わたしは阿羅醐にあやつられていた……?」 手にしていた剣・星麗剣が、迦雄須のものと同じ錫杖へ姿を変える。 迦遊羅「星麗剣が錫杖に…… かわった! &bold(){わ……わたしは 妖邪のものでは…… ない! 迦遊羅は…… 迦雄須一族の末裔なり! 宿敵は阿羅醐! 同胞サムライトルーパーとともに阿羅醐をたおす! 打倒阿羅醐こそ迦雄須一族の悲願なり! 烈火──っ!}」 一方でリョウは、羅邪王の巨体を前に苦戦を強いられている。 羅邪王「&bold(){&ruby(こうらいざん){紅雷斬}──っ!!}」 リョウ「うっ!」 羅邪王の剣撃。さらに不気味な闇がリョウを包み込む。 羅邪王「ふふふ どうした烈火…… 悪奴弥守のつくりだした闇と朱天の紅雷斬でそのざまか…… 鎧武者羅邪王は四魔性の攻撃をどうじにくりだすことができる」 リョウ「&bold(){烈火剛烈剣!}」 リョウが羅邪王を斬りつけるが、剣は羅邪王をすり抜けてしまう。 羅邪王「くっくっく そいつは幻! 螺呪羅の得意技をわすれたか 実体は…… ここだ!」 リョウの背後から、真の羅邪王が巨大な手でリョウを捕える。 羅邪王「輝煌帝といえど 魔将四体の鎧パワーにはかなわぬ!」 だがリョウは、渾身の力で束縛から逃れる。 羅邪王「なにっ!」 リョウ「ハエみたいにつぶされてたまるか」 羅邪王「しぶといやつめ」 リョウ「おれたちの鎧は人をたすけ 人の心をまもるために生まれた…… 心を失ったものに やぶれるわけにはいかん…… 心をうばうものと戦うこと…… それが鎧の心 &bold(){鎧の意志は打倒阿羅醐だ──っ!}」 羅邪王「&bold(){ほざけ! 力なきものは消えさるのみだ! &ruby(らいようざん){雷妖斬}!}」 リョウ「ぐわぁ──っ!」 羅邪王「妖邪機械がうごきだした 烈火よ おまえの鎧を妖邪機械がほしがっているのだ」 リョウ「うっ…… これは…… まるで体が 鎧がひきはがされるみたいだ」 輝煌帝の鎧が軋み、かすかに亀裂が入り始める。 リョウ「鎧がきしむ! 鎧パワーが…… 消える……」 羅邪王「鎧は妖邪機械に! 烈火! おまえはわれらがしとめてくれるわ! &bold(){死ねぃ! 烈火!! 死して妖邪に鎧をささげよ!}」 リョウ「&bold(){ぐわあっ!}」 しかし突如、リョウの体が光球に包まれ、羅邪王の攻撃が跳ね返される。 羅邪王「光る球が雷妖斬をはねかえした…! な……なにやつだ……!?」 リョウの危機を救ったのは、菅笠姿に錫杖を持った者── 迦雄須? リョウ「あなたは……!」 迦雄須?「烈火よ われらの悲願をはたせ! &bold(){打倒阿羅醐!}」 リョウ「&bold(){打倒妖邪だ!! &big(){輝煌帝烈火! 爆裂斬──っ!}}」 渾身のリョウの剣撃で羅邪王は爆散し、もとの四魔将軍の4つの鎧の姿に戻る。 さらに4つの鎧にそれぞれ「忠」「孝」「悌」「忍」の心の文字が浮かび上がる。 迦雄須?「鎧武者羅邪王を四つの鎧に分断した! 四魔将の鎧に…… 心がもどった!」 リョウ「迦雄須…… 師匠が生きていた!?」 迦雄須と思われたその菅笠の者は、迦遊羅。 胸のプレートには心文字「愛」が浮かんでいる。 リョウ「迦遊羅! おまえか──っ」 迦遊羅「迦雄須一族の末裔 迦遊羅! 烈火とともに阿羅醐をたおす!」 リョウ「やはり そのプレートの心文字は仲間の証か! われらの鎧を妖邪にはわたさん! &bold(){いこう迦遊羅!} 阿羅醐との戦いに決着をつけてやる! シュウ トウマ セイジ シン……! いまおれがたすけだす! &bold(){輝煌帝烈火&ruby(そうえんざん){双炎斬}──っ!!}」 だが妖邪機械には、リョウの必殺の剣撃も通じない。 リョウ「そ……双炎斬がきかない!」 迦遊羅「妖邪機械は鎧パワーをすいとってしまうんだわ!」 そこへ阿羅醐の顔が浮かび上がる。 阿羅醐「ふふふ 妖邪機械はよろこんでおるわ!」 迦遊羅「阿羅醐か!」 阿羅醐「輝煌帝の鎧パワーは妖邪機械には最上級のごちそうというものよ!」 妖邪機械から触手が伸び、リョウを捕える。 リョウ「うぐっ!」 迦遊羅「烈火!」 阿羅醐「妖邪機械よ! たくわえた鎧パワーで&ruby(ようじゃづき){妖邪月}をひきよせるがいい!」 阿羅醐の繰り出す衛星・妖邪月が次第に、地球へと接近して来る。 リョウ「地鳴りが……!?」 迦遊羅「地震がくる!」 阿羅醐「妖邪月がちかづけば地球の重力はおろか 地軸さえもくるわす! &bold(){人間どもは地球にはすめぬ!!} 烈火よ みるがいい!」 妖邪月の接近により大災害に見舞われた地上の光景が浮かび上がる。 阿羅醐「大地はゆれ 天はたけり 海は鳴り 地底のマグマさえもふきあげる!! ありとあらゆる災厄が人間界にふりそそぐ! 人間界が地獄と化すときがきたのだ!!」 リョウ「こ……これは地獄絵図!」 阿羅醐「四人のトルーパーの鎧パワーではまだたりぬ! 輝煌帝をふくめた五人の鎧で五芒星パワーを完成させるのだ!」 リョウ「うわぁっ! 阿羅醐め! おれたちの鎧パワーで地獄をつくりだそうというのか!」 阿羅醐「人間界のかわるさま…… &bold(){とくと見物させてもらおう!}」 阿羅醐の姿が消えてゆく。 迦遊羅「阿羅醐がきえる……」 リョウ「迦遊羅! 阿羅醐を追え!」 迦遊羅「リョウ……!」 リョウ「おれにかまうな! 迦遊羅は迦雄須一族の悲願をはたせ! 阿羅醐をたおさなければ…… 人間界に真の平和はない!」 迦遊羅「&bold(){打倒阿羅醐!} 迦雄須一族の名にかけて!」 迦遊羅が阿羅醐を追い、姿を消す。 リョウ「うがぁーっ! 輝煌帝の鎧が…… 消える……」 シュウ「リョウ……!」 リョウ「シュウ!」 セイジ「おれたちの鎧パワーも…… わずかだ」 リョウ「セイジ!」 シン「おれたちはこのま消えさるのか」 リョウ「シン!」 トウマ「おれたちの鎧は妖邪から人の心をまもる鎧にはなりえなかったのか……」 リョウ「トウマ! あきらめるな! みろ! みんな!」 消えかかっていた輝煌帝の鎧が、再びリョウの体を包み込む。 一同「輝煌帝の鎧が……」「&bold(){あらわれた!}」「鎧パワーがどこかからそそがれているんだ!」 リョウ「あきらめない心……つねに戦いつづける心こそ…… &bold(){トルーパーの鎧の心だ!}」 輝煌帝へと注がれているパワーの主は、鬼魔将ら四天王の4つの鎧。 一同「&bold(){四魔将の鎧!} 心をとりもどした四魔将の鎧からパワーがそそがれている!」 リョウ「妖邪機械よ うなりをあげろ! おれたちの鎧パワーでおまえの吸収力をうわまわってみせる──っ!」 だが妖邪機械の力は、執拗にリョウを苦しめる。 リョウ「うがあ──っ」 どこからともなく放たれた錫杖が妖邪機械に突き刺さり、リョウの危機を救う。 リョウ「&bold(){錫杖……!?} 迦遊羅の……!?」 そこになんと、烈火の鎧を纏った者が白炎に跨って駆けつける。 烈火?「&bold(){迦雄須の錫杖だよ! 復活だ! サムライトルーパー!!}」 リョウ「&bold(){な なにーっ!!} びゃ……白炎と烈火の鎧だって……!? &bold(){な なにものだーっ!?}」 烈火?「白炎と烈火の鎧がよみがえったのは…… 迦雄須の錫杖パワーのおかげさ」 兜から覗いた素顔は、なんと山野純。 純「リョウ兄ちゃん!」 リョウ「&bold(){純ーっ!}」 純「妖邪界の道案内は呪岩羅の子がしてくれたんだ」 リョウ「&bold(){輝煌帝烈火の鎧にすべての鎧パワーを結集させよ! 妖邪機械をうちやぶるのだ! うおおぉ──っ!!}」 皆のパワーを浴びたリョウの輝煌帝の鎧の色が、白から金色へと変わってゆく。 リョウ「白い鎧が…… 金色にかがやく! &bold(){輝煌帝烈火が黄金の鎧になった──っ!}」 一方で迦遊羅は単身、阿羅醐に挑んでいる。 阿羅醐「死ねぃ! 迦遊羅!!」 迦遊羅「きゃあぁっ!!」 阿羅醐「迦遊羅1人でわしに勝てると思っておるのか」 迦遊羅「ぐぐ…… わたしが死ぬときは…… 阿羅醐 おまえも道づれだ──!」 迦遊羅が大きく宙を舞う。その頭上に、二つの五芒星が輝く。 阿羅醐「な なにぃ!?」 渾身の迦遊羅の剣が、阿羅醐に炸裂。 阿羅醐「&bold(){ぐわぁっ!!}」 迦遊羅「なに あの光は!? 塔の上に二つの五芒星がかさなっている! ま……まさか サムライトルーパーの……!」 阿羅醐が口から炎を吐きかける。 阿羅醐「ゆるさぬぞ 迦遊羅! 骨ものこさずとかしてくれるわ!」 迦遊羅「きゃあぁっ!」 しかし水壁が迦遊羅の体を包み込み、炎から守る。 迦遊羅「こ……これは! 水の&ruby(パワー){力}がわたしをまもってくれる! す……水滸のシン……の 超流破……!?」 阿羅醐「水の力などわが灼妖熱で蒸発させてくれるわ!」 声「真──っ空──っ波──っ!」 強力な気流で、迦遊羅は炎の外へと飛ばされる。 迦遊羅「大気の渦が炎の外におしだした! これは天空の……! サムライトルーパーは生きている……」 妖邪機械を打ち破ったリョウが現れる。 リョウ「阿羅醐よ おまえの灼熱攻撃…… おれの鎧には最上級のごちそうだ 輝煌帝烈火の鎧は &bold(){熱き炎の鎧だ!}」 阿羅醐「&bold(){烈火のリョウ!}」 そして烈火の鎧を纏った純を含め、ほかのトルーパーたちも駆けつける。 リョウ「&bold(){サムライトルーパー 阿羅醐決戦に参上──っ!!} 阿羅醐よ! おまえが妖邪月とともに戦うならば &bold(){われらは二重五芒星のパワーでいどむ! いくぞ みんな!}」 一同「&bold(){おぅ!}」 10体の鎧を頂点として、宙に2重の五芒星が輝く。 シュウ「金剛! 螺呪羅!」 セイジ「光輪! 悪奴弥守!」 シン「水滸! 那唖挫!」 トウマ「天空! 朱天!」 リョウ「&bold(){輝煌帝!}」 純「&bold(){烈火!!}」 リョウ「&bold(){十の鎧はいま ひとつになる!} うおおっ!」 &big(){&bold(){「仁・義・礼・智・信・忠・孝・悌・忍・輝煌! 超五芒星&ruby(れいこうざん){黎煌斬}──っ!!」}} すべての鎧パワーを込めた必殺技が、阿羅醐目がけて炸裂──! リョウ「阿羅醐の兜から妖邪の怨念がふきだした! &bold(){超五芒星聖霊光!}」 阿羅醐の兜から噴き出た怨念も、輝煌帝の前に消滅する。 阿羅醐「サムライトルーパーよ…… もはや手おくれじゃ わしがほろびようと…… 妖邪月はとめられぬ 人間界は…… 消滅する……のだ…… ふはは……!」 阿羅醐が捨て台詞を残し、消滅してゆく。 リョウ「&bold(){打倒! 阿羅醐!!} いこう みんな! 妖邪月をおれたちの鎧パワーで破壊するんだ!」 シン「でも どうやってあの月まで……」 リョウ「&bold(){妖邪砲だ!}」 一同「な……なんだって──っ!?」 リョウ「おれたちが妖邪砲の弾になる…… サムライトルーパーの鎧弾だ!」 純「リ……リョウ兄ちゃん!」 迦遊羅「リョウ…… あなたは…… 死ぬ気なの!?」」 リョウ「純よ……! 人間界はおれたちサムライトルーパーがまもりぬく!」 リョウ、セイジ、トウマ、シュウ、シンの5人が弾丸と化し、妖邪砲から宇宙へと撃ち出される── 純「リョウ兄ちゃん! みんな──っ!」 弾丸の命中した妖邪月が粉砕され、四散する──! ナスティ「妖邪月がくだけて…… いく万もの星屑になった…… 純…… みんなは……?」 純の纏っている烈火の鎧が、何かに共鳴しているように音を発する。 純「ナスティ きいて! 鎧が鳴っている!」 ナスティ「えっ?」 純「みんなは生きているんだ! ねぇ そうだろ? 迦遊羅!」 迦遊羅「迦雄須の心をうけつぐ者は永遠なり 人間界に悪しき魔界があらわれたとき かれらはふたたびあらわれる……」 「トウマ セイジ シュウ シン &bold(){リョウ! サムライトルーパーたちは…… きっと!}」 &big(){&bold(){「武装──っ! 烈火!!」}} #center(){&big(){&bold(){完}}}
&ruby(アラゴ){阿羅醐}「&ruby(ようじゃ){妖邪}が人間界を支配するときは もはやまぢかにせまっておる! いっこくもはやくすべての鎧をてにいれるのだ!」 四天王たち「ははーっ!」 阿羅醐「&bold(){&ruby(カユラ){迦遊羅}!}」 阿羅醐の髪が伸び、迦遊羅を捕える。 迦遊羅「な……なにをなさいます!? 阿羅醐さま!」 阿羅醐「おぬしの力は…… もはや妖邪のものではない!」 迦遊羅「阿羅醐さま……」 #center(){|&big(){&big(){&bold(){決戦! そして&ruby(とわ){永遠}に!!}}}|} サムライトルーパー・リョウは、囚われの身の仲間たちを救うため&ruby(きこうてい){輝煌帝}となって単身、妖邪界に突入する。 目の前の塔の上に、仲間たちの心を示す「義」「礼」「智」「信」の文字が浮かび上がっている。 リョウ「鎧のオーラがうかんでいる! みんなはあの塔にとらわれているんだ! みんなまってろ!! いまたすけだす! サムライトルーパーの力を結集して こんどこそ阿羅醐をたたきつぶすんだ!」 妖邪の尖兵・&ruby(じりょうしゅう){地霊衆}たちが次々に襲いかかるが、リョウは1体残らず斬り捨ててゆく。 リョウ「うせろ! &ruby(おさ){長}をうしなった地霊衆のでる幕じゃない!」 塔の中では機械とも生物ともつかない巨大な物体に、セイジ、トウマ、シュウ、シンの4人が囚われている。 リョウ「な……なんだ &ruby(){こいつは!?} みんながなかに……!! こいつは機械か…… 生きものか……」 そこに四天王の&ruby(シュテン){朱天}、&ruby(アヌビス){悪奴弥守}、&ruby(ナアザ){那唖挫}、&ruby(ラジュラ){螺呪羅}たち4人が現れる。 四天王たち「鎧パワーをすって成長する&ruby(){妖邪機械!} 人間界を滅亡へとみちびく終局兵器だ! こいつにはすべての鎧のパワーが必要なのさ!」 リョウ「鎧をまといながら悪に身を売った四魔将め!」 朱天「われらは阿羅醐さまの鎧から生まれしもの! うらぎりものはおまえのほうだ 烈火! 地霊衆の残党よ! 阿羅醐さまのご意志だ! &bold(){われら四魔将に力をあたえよ! 大いなる妖邪界のために!}」 地霊衆が激しい雷を放ち、光の中に四天王が溶け込んでゆく。 リョウ「四魔将の鎧が雷のなかに…… なにをする気だ!?」 四天王たち「&bold(){われら死して妖邪界に名をのこす!}」 リョウ「な……なにーっ!」 四天王の鎧が合体、巨大な鬼のような姿と化す。 「&bold(){四魔将合体鎧武者 羅邪王!} 烈火! おまえに地獄をみせてやろう!」 リョウ「こいつは…… &bold(){まるで地獄の鬼だ!}」 一方で迦遊羅は、牢屋の中に閉じ込めらている。 迦遊羅「阿羅醐さまーっ! なぜ……!? なぜ わたしがこのようなめに……!?」 阿羅醐「おまえの力 まだ妖邪には必要じゃ! いま めざめられてはめんどうなことになる」 迦遊羅「めざめる……? 阿羅醐さま…… わたしにはなんのことか……?」 阿羅醐「おまえにはわからずとも 胸のプレートはめざめはじめておるわ……」 天井から大量の血が滴る。 阿羅醐「迦遊羅よ いまふたたび血の洗礼をうけよ! 身も心も妖邪のしもべと化すのだ!」 迦遊羅「なにをする気です!? 阿羅醐さま!1」 滴った血しぶきが生物のように、迦遊羅へと絡みつく。 迦遊羅「この血……! 生きている! きゃああっ!」 だが迦遊羅の胸飾りのプレートが光り、血しぶきは悲鳴のような音とともに飛び散る。 迦遊羅「&bold(){えっ……!?}」 |&br()彼女の脳裏に甦る過去の記憶。&br()幼い自分が&ruby(カオス){迦雄須}を慕っている。&br()&br()迦遊羅「迦雄須さまーっ」&br()&br()迦遊羅が阿羅醐に浚われ、両親から引き離される。&br()&br()両親「迦遊羅ーっ」&br()迦遊羅「たすけて──っ! おとうさま おかあさま!」&br()阿羅醐「迦雄須一族の力を妖邪のためにつかえ!」&br()&br()| 迦遊羅「わたしは阿羅醐にあやつられていた……?」 手にしていた剣・星麗剣が、迦雄須のものと同じ錫杖へ姿を変える。 迦遊羅「星麗剣が錫杖に…… かわった! &bold(){わ……わたしは 妖邪のものでは…… ない! 迦遊羅は…… 迦雄須一族の末裔なり! 宿敵は阿羅醐! 同胞サムライトルーパーとともに阿羅醐をたおす! 打倒阿羅醐こそ迦雄須一族の悲願なり! 烈火──っ!}」 一方でリョウは、羅邪王の巨体を前に苦戦を強いられている。 羅邪王「&bold(){&ruby(こうらいざん){紅雷斬}──っ!!}」 リョウ「うっ!」 羅邪王の剣撃。さらに不気味な闇がリョウを包み込む。 羅邪王「ふふふ どうした烈火…… 悪奴弥守のつくりだした闇と朱天の紅雷斬でそのざまか…… 鎧武者羅邪王は四魔性の攻撃をどうじにくりだすことができる」 リョウ「&bold(){烈火剛烈剣!}」 リョウが羅邪王を斬りつけるが、剣は羅邪王をすり抜けてしまう。 羅邪王「くっくっく そいつは幻! 螺呪羅の得意技をわすれたか 実体は…… ここだ!」 リョウの背後から、真の羅邪王が巨大な手でリョウを捕える。 羅邪王「輝煌帝といえど 魔将四体の鎧パワーにはかなわぬ!」 だがリョウは、渾身の力で束縛から逃れる。 羅邪王「なにっ!」 リョウ「ハエみたいにつぶされてたまるか」 羅邪王「しぶといやつめ」 リョウ「おれたちの鎧は人をたすけ 人の心をまもるために生まれた…… 心を失ったものに やぶれるわけにはいかん…… 心をうばうものと戦うこと…… それが鎧の心 &bold(){鎧の意志は打倒阿羅醐だ──っ!}」 羅邪王「&bold(){ほざけ! 力なきものは消えさるのみだ! &ruby(らいようざん){雷妖斬}!}」 リョウ「ぐわぁ──っ!」 羅邪王「妖邪機械がうごきだした 烈火よ おまえの鎧を妖邪機械がほしがっているのだ」 リョウ「うっ…… これは…… まるで体が 鎧がひきはがされるみたいだ」 輝煌帝の鎧が軋み、かすかに亀裂が入り始める。 リョウ「鎧がきしむ! 鎧パワーが…… 消える……」 羅邪王「鎧は妖邪機械に! 烈火! おまえはわれらがしとめてくれるわ! &bold(){死ねぃ! 烈火!! 死して妖邪に鎧をささげよ!}」 リョウ「&bold(){ぐわあっ!}」 リョウの体が突如、光球に包まれ、羅邪王の攻撃が跳ね返される。 羅邪王「光る球が雷妖斬をはねかえした…! な……なにやつだ……!?」 リョウの危機を救ったのは、菅笠姿に錫杖を持った者── 迦雄須? リョウ「あなたは……!」 迦雄須?「烈火よ われらの悲願をはたせ! &bold(){打倒阿羅醐!}」 リョウ「&bold(){打倒妖邪だ!! &big(){輝煌帝烈火! 爆裂斬──っ!}}」 渾身のリョウの剣撃で羅邪王は爆散し、もとの四魔将軍の4つの鎧の姿に戻る。 さらに4つの鎧にそれぞれ「忠」「孝」「悌」「忍」の心の文字が浮かび上がる。 迦雄須?「鎧武者羅邪王を四つの鎧に分断した! 四魔将の鎧に…… 心がもどった!」 リョウ「迦雄須…… 師匠が生きていた!?」 迦雄須と思われたその菅笠の者は、迦遊羅。 胸のプレートには心文字「愛」が浮かんでいる。 リョウ「迦遊羅! おまえか──っ」 迦遊羅「迦雄須一族の末裔 迦遊羅! 烈火とともに阿羅醐をたおす!」 リョウ「やはり そのプレートの心文字は仲間の証か! われらの鎧を妖邪にはわたさん! &bold(){いこう迦遊羅!} 阿羅醐との戦いに決着をつけてやる! シュウ トウマ セイジ シン……! いまおれがたすけだす! &bold(){輝煌帝烈火&ruby(そうえんざん){双炎斬}──っ!!}」 だが妖邪機械には、リョウの必殺の剣撃も通じない。 リョウ「そ……双炎斬がきかない!」 迦遊羅「妖邪機械は鎧パワーをすいとってしまうんだわ!」 そこへ阿羅醐の顔が浮かび上がる。 阿羅醐「ふふふ 妖邪機械はよろこんでおるわ!」 迦遊羅「阿羅醐か!」 阿羅醐「輝煌帝の鎧パワーは妖邪機械には最上級のごちそうというものよ!」 妖邪機械から触手が伸び、リョウを捕える。 リョウ「うぐっ!」 迦遊羅「烈火!」 阿羅醐「妖邪機械よ! たくわえた鎧パワーで&ruby(ようじゃづき){妖邪月}をひきよせるがいい!」 阿羅醐の繰り出す衛星・妖邪月が次第に、地球へと接近して来る。 リョウ「地鳴りが……!?」 迦遊羅「地震がくる!」 阿羅醐「妖邪月がちかづけば地球の重力はおろか 地軸さえもくるわす! &bold(){人間どもは地球にはすめぬ!!} 烈火よ みるがいい!」 妖邪月の接近により大災害に見舞われた地上の光景が浮かび上がる。 阿羅醐「大地はゆれ 天はたけり 海は鳴り 地底のマグマさえもふきあげる!! ありとあらゆる災厄が人間界にふりそそぐ! 人間界が地獄と化すときがきたのだ!!」 リョウ「こ……これは地獄絵図!」 阿羅醐「四人のトルーパーの鎧パワーではまだたりぬ! 輝煌帝をふくめた五人の鎧で五芒星パワーを完成させるのだ!」 リョウ「うわぁっ! 阿羅醐め! おれたちの鎧パワーで地獄をつくりだそうというのか!」 阿羅醐「人間界のかわるさま…… &bold(){とくと見物させてもらおう!}」 阿羅醐の姿が消えてゆく。 迦遊羅「阿羅醐がきえる……」 リョウ「迦遊羅! 阿羅醐を追え!」 迦遊羅「リョウ……!」 リョウ「おれにかまうな! 迦遊羅は迦雄須一族の悲願をはたせ! 阿羅醐をたおさなければ…… 人間界に真の平和はない!」 迦遊羅「&bold(){打倒阿羅醐!} 迦雄須一族の名にかけて!」 迦遊羅が阿羅醐を追い、姿を消す。 リョウ「うがぁーっ! 輝煌帝の鎧が…… 消える……」 シュウ「リョウ……!」 リョウ「シュウ!」 セイジ「おれたちの鎧パワーも…… わずかだ」 リョウ「セイジ!」 シン「おれたちはこのま消えさるのか」 リョウ「シン!」 トウマ「おれたちの鎧は妖邪から人の心をまもる鎧にはなりえなかったのか……」 リョウ「トウマ! あきらめるな! みろ! みんな!」 消えかかっていた輝煌帝の鎧が、再びリョウの体を包み込む。 一同「輝煌帝の鎧が……」「&bold(){あらわれた!}」「鎧パワーがどこかからそそがれているんだ!」 リョウ「あきらめない心……つねに戦いつづける心こそ…… &bold(){トルーパーの鎧の心だ!}」 輝煌帝へと注がれているパワーの主は、鬼魔将ら四天王の4つの鎧。 一同「&bold(){四魔将の鎧!} 心をとりもどした四魔将の鎧からパワーがそそがれている!」 リョウ「妖邪機械よ うなりをあげろ! おれたちの鎧パワーでおまえの吸収力をうわまわってみせる──っ!」 だが妖邪機械の力は、執拗にリョウを苦しめる。 リョウ「うがあ──っ」 どこからともなく放たれた錫杖が妖邪機械に突き刺さり、リョウの危機を救う。 リョウ「&bold(){錫杖……!?} 迦遊羅の……!?」 そこになんと、烈火の鎧を纏った者が白炎に跨って駆けつける。 烈火?「&bold(){迦雄須の錫杖だよ! 復活だ! サムライトルーパー!!}」 リョウ「&bold(){な なにーっ!!} びゃ……白炎と烈火の鎧だって……!? &bold(){な なにものだーっ!?}」 烈火?「白炎と烈火の鎧がよみがえったのは…… 迦雄須の錫杖パワーのおかげさ」 兜から覗いた素顔は、なんと山野純。 純「リョウ兄ちゃん!」 リョウ「&bold(){純ーっ!}」 純「妖邪界の道案内は呪岩羅の子がしてくれたんだ」 リョウ「&bold(){輝煌帝烈火の鎧にすべての鎧パワーを結集させよ! 妖邪機械をうちやぶるのだ! うおおぉ──っ!!}」 皆のパワーを浴びたリョウの輝煌帝の鎧の色が、白から金色へと変わってゆく。 リョウ「白い鎧が…… 金色にかがやく! &bold(){輝煌帝烈火が黄金の鎧になった──っ!}」 一方で迦遊羅は単身、阿羅醐に挑んでいる。 阿羅醐「死ねぃ! 迦遊羅!!」 迦遊羅「きゃあぁっ!!」 阿羅醐「迦遊羅1人でわしに勝てると思っておるのか」 迦遊羅「ぐぐ…… わたしが死ぬときは…… 阿羅醐 おまえも道づれだ──!」 迦遊羅が大きく宙を舞う。その頭上に、二つの五芒星が輝く。 阿羅醐「な なにぃ!?」 渾身の迦遊羅の剣が、阿羅醐に炸裂。 阿羅醐「&bold(){ぐわぁっ!!}」 迦遊羅「なに あの光は!? 塔の上に二つの五芒星がかさなっている! ま……まさか サムライトルーパーの……!」 阿羅醐が口から炎を吐きかける。 阿羅醐「ゆるさぬぞ 迦遊羅! 骨ものこさずとかしてくれるわ!」 迦遊羅「きゃあぁっ!」 しかし水壁が迦遊羅の体を包み込み、炎から守る。 迦遊羅「こ……これは! 水の&ruby(パワー){力}がわたしをまもってくれる! す……水滸のシン……の 超流破……!?」 阿羅醐「水の力などわが灼妖熱で蒸発させてくれるわ!」 声「真──っ空──っ波──っ!」 強力な気流で、迦遊羅は炎の外へと飛ばされる。 迦遊羅「大気の渦が炎の外におしだした! これは天空の……! サムライトルーパーは生きている……」 妖邪機械を打ち破ったリョウが現れる。 リョウ「阿羅醐よ おまえの灼熱攻撃…… おれの鎧には最上級のごちそうだ 輝煌帝烈火の鎧は &bold(){熱き炎の鎧だ!}」 阿羅醐「&bold(){烈火のリョウ!}」 そして烈火の鎧を纏った純を含め、ほかのトルーパーたちも駆けつける。 リョウ「&bold(){サムライトルーパー 阿羅醐決戦に参上──っ!!} 阿羅醐よ! おまえが妖邪月とともに戦うならば &bold(){われらは二重五芒星のパワーでいどむ! いくぞ みんな!}」 一同「&bold(){おぅ!}」 10体の鎧を頂点として、宙に2重の五芒星が輝く。 シュウ「金剛! 螺呪羅!」 セイジ「光輪! 悪奴弥守!」 シン「水滸! 那唖挫!」 トウマ「天空! 朱天!」 リョウ「&bold(){輝煌帝!}」 純「&bold(){烈火!!}」 リョウ「&bold(){十の鎧はいま ひとつになる!} うおおっ!」 &big(){&bold(){「仁・義・礼・智・信・忠・孝・悌・忍・輝煌! 超五芒星&ruby(れいこうざん){黎煌斬}──っ!!」}} すべての鎧パワーを込めた必殺技が、阿羅醐目がけて炸裂──! リョウ「阿羅醐の兜から妖邪の怨念がふきだした! &bold(){超五芒星聖霊光!}」 阿羅醐の兜から噴き出た怨念も、輝煌帝の前に消滅する。 阿羅醐「サムライトルーパーよ…… もはや手おくれじゃ わしがほろびようと…… 妖邪月はとめられぬ 人間界は…… 消滅する……のだ…… ふはは……!」 阿羅醐が捨て台詞を残し、消滅してゆく。 リョウ「&bold(){打倒! 阿羅醐!!} いこう みんな! 妖邪月をおれたちの鎧パワーで破壊するんだ!」 シン「でも どうやってあの月まで……」 リョウ「&bold(){妖邪砲だ!}」 一同「な……なんだって──っ!?」 リョウ「おれたちが妖邪砲の弾になる…… サムライトルーパーの鎧弾だ!」 純「リ……リョウ兄ちゃん!」 迦遊羅「リョウ…… あなたは…… 死ぬ気なの!?」」 リョウ「純よ……! 人間界はおれたちサムライトルーパーがまもりぬく!」 リョウ、セイジ、トウマ、シュウ、シンの5人が弾丸と化し、妖邪砲から宇宙へと撃ち出される── 純「リョウ兄ちゃん! みんな──っ!」 弾丸の命中した妖邪月が粉砕され、四散する──! ナスティ「妖邪月がくだけて…… いく万もの星屑になった…… 純…… みんなは……?」 純の纏っている烈火の鎧が、何かに共鳴しているように音を発する。 純「ナスティ きいて! 鎧が鳴っている!」 ナスティ「えっ?」 純「みんなは生きているんだ! ねぇ そうだろ? 迦遊羅!」 迦遊羅「迦雄須の心をうけつぐ者は永遠なり 人間界に悪しき魔界があらわれたとき かれらはふたたびあらわれる……」 「トウマ セイジ シュウ シン &bold(){リョウ! サムライトルーパーたちは…… きっと!}」 &big(){&bold(){「武装──っ! 烈火!!」}} #center(){&big(){&bold(){完}}}

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