トランスフォーマー 超神マスターフォースの第1話

「トランスフォーマー 超神マスターフォースの第1話」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

トランスフォーマー 超神マスターフォースの第1話 - (2014/07/15 (火) 04:20:46) のソース

&bold(){トランスフォーマー &ruby(ちょうじん){超神}マスターフォースの第1話}


夜の海を行く客船。
突如、船室の窓をぶち破り、コウモリ型モンスター・ブラッドが船員に襲いかかる。

船員「う、うわぁ──っ!?」

甲板上のカップル。
男性が女性にビデオカメラを向ける。

男性「はい、笑って……」

その女性の背後から、半魚人型モンスター・ギルマーが現れる。

男女「ぎゃあぁっ!?」「キャ──ッ!」

たちまち船上の乗客たちは大パニックに陥る。

ブラッド「ガルフ、出ろ! ガルフ!」

海中から魚型モンスター・ガルフが無数に現れ、船を荒らし回る。

ギルマー「出て来い、メタルホーク!」


#center(){|BGCOLOR(black):COLOR(white):CENTER:&br()&big(){&big(){&bold(){立て&i(){!!} プリテンダー}}}&br()&br()|}


日本。
サッカーグランドで試合が行われている。
ボールをドリブルする少年、剛 &ruby(しゅうた){秀太}。客席で父親の剛博士と、その助手のホークが歓声を送る。

剛博士「行け、秀太!」
ホーク「キックだ!」

秀太のキックしたボールが、ゴールネットに突き刺さる。

秀太「イェイ!」

ホーク「やりましたね、秀太くんは」
剛博士「ありがとう、ホークくん。君が時々コーチしてくれたおかげだよ」
ホーク「いえ、私はただ彼の欠点をアドバイスしただけです」
剛博士「何せ、秀太は実の兄のように慕っている。君の言うことなら何でも素直に聞くからね。父親の私の言うことよりもだ。ハハハ」

試合の帰りの途中、ホークの腕時計から声が響く。

声『ダイバーだ』
ホーク「ダイバー! 久しぶりだな。元気か?」
声『ホーク、聞け! カナダ沖で船が襲われた。奴らの仕業だ』
ホーク「……!」
声『現場の遺留品からビデオが回収された。研究所の方へ送ったから、君の目で確かめてくれ』


剛博士の研究所。
冒頭で襲われた船の惨状が、カップル客のビデオカメラが捉えた画像に映し出している。

ホーク「間違いない…… ブラッドとギルマーだ。所長、恐れていたことが起ったんです」
剛博士「それじゃあ、君が私にだけ話してくれた……」
ホーク「そうです。デストロンが動き出したのです!」

そこへ駆け込んでくる秀太。

秀太「父さぁん! ホーク、見てくれた? 僕の逆転シュート!」
剛博士「秀太、下へ行ってなさい」
ホーク「秀太くんにも、話しておいた方がいいでしょう」
剛博士「いや、しかし……」
ホーク「奴らは、赤ん坊だろうと子供だろうと、情け容赦なく殺します。再び現れたとなれば秀太くんとて、いつ危ない目に遭うか……」
剛博士「……わかった。君の言う通りかもしれん」
秀太「ねぇ、何のこと? 僕にはさっぱりだよ」
ホーク「秀太くん。私は…… 地球人ではない」
秀太「え……? 宇宙人なのぉ?」
ホーク「う?」
秀太「あのねぇ、ホークさん? 僕を担ごうと思ってるんなら、もう少し上手な嘘をねぇ……」
ホーク「真面目な話だ」


研究所の外。
沈み行く夕陽を見つめるホーク。

ホーク「私は、地球から遥か彼方にあるセイバートロン星から来た。正確に言えば『トランスフォーマー』と呼ばれる超ロボット生命体なのだ」
秀太「ロボット…… ホークが……?」
ホーク「そうだ。人間や動物、生命を持つ者なら何にでも姿を変えることのできる、トランスフォーマーの中の『プリテンダー』という種族なのだよ。セイバートロン星では、サイバトロンとデストロンの激しい戦いが続いていた。我々は敵のプリテンダーを追って太陽系に突入し、戦いの中、互いに傷つき地球に不時着した……」

夜の研究所。
ホークの話は続く。

ホーク「地球はその頃、人が洞穴に住み、石や動物の骨で獣を追う太古の時代だった。帰る船を失った我々は、人間の姿にトランスフォームし、奴らもまた己を変えた。悪魔の姿にだ。長い戦いの末、我々が勝ち、悪魔どもを地球の各地に封じ込めた。だが…… 奴らは再び甦った!」


海岸のコンビナート地帯。
イカ型モンスター・テンタキルがコンビナートを襲い、無数の火柱が上がる。
自衛隊の武装ヘリコプターが出撃。

自衛隊員「撃てぇ!」

しかしヘリの攻撃はまったく通じず、逆にテンタキルの攻撃で次々に撃墜される。

さらにテンタキルは、街にも進出する。
建物が砕け、人々が悲鳴をあげて逃げ惑う。
その様子をビルの上から眺めている、ミノタウロス型モンスター・ダウロス。

ダウロス「グフフフ、虫ケラどもが泣き叫んでおるわ。テンタキル、ブチ壊せ! 皆殺しだぁ!」

そこへブラッドが現れる。

ブラッド「ダウロス、抜け駆けする気か!?」
ダウロス「ブラッド、貴様のやることは生ぬるいのよ!」
ブラッド「何だとぉ!?」
ダウロス「やる気か!?」

ギルマーも現れ、仲裁に入る。

ギルマー「やめろ! 仲間割れしてるときか!?」

自衛隊の戦車が到着し、テンタキルに砲弾を浴びせる。
しかし、一向に攻撃は通じない。

ダウロス「ハデにやれ! サイバトロンの連中を燻り出すのだ!」
ブラッド「まさか、怖気づいたんじゃ?」
ギルマー「いや、来る! ホークはそういう奴だ」


剛博士の研究所。
テレビのニュースで、街の惨状が報じられている。

テレビ『奇怪な怪物の出現に、街は今パニックと化しています』

剛博士「大変なことに……」
ホーク「デストロンめ…… スーツ・オン!」


秀太「ホーク、大変だよぉ! ニュース見た!?」

研究所に辿り着いた秀太が見たものは、強化服プリテンダースーツを纏ったホークの姿。

秀太「ホーク……?」
ホーク「プリテンダ──!」

ホークの体が光に包まれ、巨大なロボットの姿・メタルホークへと変身する。

メタルホーク「トランスフォ──ム!」

さらにメタルホークがジェット機に変形、空へと飛び立つ。

秀太「ヒャッホー! 信じらんないや!」


メタルホーク「デストロンが日本に現れた! 繰り返す、デストロンが現れた! プリテンダー、集結せよ!」


とある国の海洋研究所。

ホーク「プリテンダー!」「トランスフォーム!」

ホークの仲間・ダイバーが潜水艦に変形し、海へと出撃する。


また別の国。
女性をはべらせてデート中の青年・ランダーの腕時計が光る。

ランダー「ちぇっ! これからデートだっていうのに、ホークの奴」
女性「ランダー、何なの? これ」
ランダー「スーツ・オン!」「プリテンダー!」「トランスフォーム!」

青年がプリテンダーに変身する。
スーパーカーに変形し、白目をむいた女性を残して夜の街を走り去る。


さらに別の国、とある空港。

フェニックス「トランスフォーム!」

雨の中を、プリテンダー・フェニックスがジェット機に変形して飛び立つ。


日本。
街中で暴れ回るテンタキルのもとへ、メタルホークが飛来する。

メタルホーク「トランスフォーム!」

ロボットモードに変形して降り立つメタルホーク。

ブラッド「ホークだ!」
ギルマー「やっぱり出てきたか、作戦は成功だ」
ダウロス「グフフ、叩き殺してやる! 野郎!」
ブラッド「俺が先だ!」
ダウロス「何!?」
ギルマー「待て! テンタキルで様子を見るんだ。我々は高見の見物というわけだ」

メタルホーク「来い!」

メタルホークとテンタキルの戦いが始まる。
テンタキルの触手がメ、タルホークを叩きのめす。
秀太がそこへ駆けつける。

メタルホーク「うぅぅ……!」
秀太「ホーク! ホークぅ!」

メタルホークが立ち上がり、反撃に転じる。

秀太「ホーク、その調子だぁ! ノシイカにしちゃえ! やれぇ! そこだ! 行けぇ!」

夢中になる秀太の背後に別のテンタキルが現れ、触手で彼を捕らえる。

秀太「わぁ、助けてぇ!」
メタルホーク「はっ、秀太くん!?」
秀太「ホーク! 助けてぇ──! わぁっ!」

メタルホークが秀太を助けようとし、テンタキルの攻撃を背に浴びる。

メタルホーク「うわぁっ!?」
秀太「ホーク!? ホーク、ホーク!」
メタルホーク「くっ……」
秀太「ホーク、立てぇ! うっ、うわぁっ!」
メタルホーク「ぐぅっ…… その子を離せ!」
秀太「ホーク、危ない! 後ろ!」

背後からテンタキルが襲いかかるが、メタルホークは大ジャンプでかわす。

メタルホーク「チタニウムサーベル! とぉっ!」

メタルホークの抜いた剣が、テンタキルの攻撃を跳ね返しつつ、テンタキルを真っ二つに叩き斬る。
テンタキルが大爆発。
残るテンタキルはあと1体だが、依然、秀太が捕われている。
さらにダウロスがモンスターからロボットモードへと変身、剣を抜いてメタルホークと切り結ぶ。

メタルホーク「貴様、ダウロス!」
ダウロス「メタルホーク、久しぶりだな!」

ブラッドとギルマーも、次々にロボットモードに変身して現れる。

メタルホーク「デストロン……!」
ブラッド「会いたかったぜ、ホーク」
ギルマー「よくも俺たちを何千年もの間、薄暗い地下に閉じ込めてくれたな!」
メタルホーク「どうやって抜け出して来た!?」
ダウロス「ケッ、お前の知ったことか! 今までの礼、たっぷりさせてもらうぜ!」

ダウロスとメタルホークの、激しい鍔迫り合い。

メタルホーク「たぁっ!」
ブラッド「俺がやる!」
ギルマー「だぁっ!」
メタルホーク「うわぁっ!」

3人を一度に相手にし、メタルホークは明らかに劣勢を強いられる。

ギルマー「これまでだ、ホーク。名残惜しいが死んでもらうぞ」
メタルホーク「貴様たちの狙いは何だ!? なぜ地球を!?」
ギルマー「わかりきったこと。地球を我が手にし、やがてはデストロンの帝国を築くため! フフフ…… お喋りはここまでだ。ホーク、覚悟!」

そこへフェニックスが飛来する。
ビームを放ち、ギルマーの剣を弾き飛ばす。

ギルマー「おわぁっ!?」
メタルホーク「フェニックス、遅いぞ!」
フェニックス「そりゃないぜ! 朝メシをまだ食ってないんだ!」
ブラッド「野郎、ふざけやがって! トランスフォーム!」

ブラッドがビークルモードに変形して飛び上がり、フェニックスを追う。

フェニックス「ブラッド、俺とやる気かい?」
ブラッド「当たり前だ! お前なんかにコケにされてたまるか!」
フェニックス「面白ぇ!」

一方でダイバーも、日本に到着する。

ダイバー「トランスフォーム!」

ロボットモードに変形して地を走る彼の脇を、ランダーが追い抜いて行く。

ランダー「やぁダイバー、元気だったか? お先にっ! トランスフォーム!」

ランダーがロボットに変形し、ブラッドに体当たりを食らわす。

ブラッド「ぐわぁっ!?」
ランダー「ダウロス、お前の相手はこのランダー様が!」

メタルホークの相手はギルマーのみとなったが、依然、秀太がテンタキルに捕われている。

ギルマー「ホーク、武器を捨てろ!」
メタルホーク「卑怯な!」
ギルマー「フフフ…… ガキの命が惜しかったら、抵抗をやめろ」

そこへ背後から忍び寄ったダイバーの鉄拳が、ギルマーの顔面に炸裂。

ギルマー「ぐはぁっ!?」
ダイバー「こいつらは引き受けた!」
メタルホーク「おぉっ!」

メタルホークがテンタキルの攻撃をかわしつつ、その触手を剣で切り落とす。
宙に放り出される秀太を、メタルホークが受け止める。
テンタキルが大爆発を遂げる。

ギルマー「しまったぁ!?」

秀太「ホーク……」
メタルホーク「大丈夫かい?」
秀太「うん…… ありがとう、ホーク!」

ギルマー「退け、テンタキルがやられた!」
ブラッド「何!?」

フェニックスと空中戦を演じていたブラッドが、慌てて撤退する。

フェニックス「ブラッド、逃げるつもりか!?」

ギルマー「トランスフォーム!」
ダウロス「トランスフォーム!」

ダウロスとギルマーもビークルモードに変形し、走り去る。


戦いは終わった。
メタルホーク、秀太、プリテンダーたちが、夕陽を見つめる。

メタルホーク「初めて見る人間は、頼りなく弱い生き物に見えた……しかし、相手をいたわる優しさ、思いやり、そして、愛する者のためなら命をかけても立ち向かう勇気。私たちは人間に出会い、そのすばらしさにショックを受けた。だから人間にトランスフォームしたのだ」
秀太「ホーク……!」
メタルホーク「ただ強ければいいのではない。それを教えてくれた人間を守るために、私たちは立ち上がる!」
ダイバー「俺たちがいる限り、この平和で美しい地球は……」
ランダー「必ず守ってみせる!」
フェニックス「再び現れたデストロンと戦う!」


#center(){|CENTER:&br()数千年の時を経て今また、&br()悪魔の使者デストロンとサイバトロンの、&br()宿命の対決が開始された。&br()&br()立て、正義の戦士サイバトロン!&br()戦え、プリテンダー!&br()&br()|}


#center(){&big(){(続く)}}