かつての地球上での戦い。 ウルトラマンが怪獣ゼットンに敗れ、大地に沈む。 ゼットン「ゼッ~トン」 ウルトラマン「…うう…… ゼ…ゼットン…! ま… まけた…」 それから数年後 地球をはなれること数百万光年…… ここ M78星雲ウルトラの星には 宇宙全域の平和をまもる 宇宙警備隊の本部があるのだ!! 宇宙警備隊本部の特別訓練室。 ウルトラセブンが訓練に励んでいる。 セブン「&bold(){はっ!!}」 『ウルトラ戦士は全員 司令室へ集合せよ! 全員 司令室へ集合せよ!』 セブン「!?」 セブン、ジャック、エース、タロウ、レオ、アストラが、司令室のゾフィーのもとへ集結する。 一同「&bold(){ええっ!!? 銀河最強武闘会!!!}」 セブン「ついに開催されるんですか!?」 レオ「やったあ!!」 エース「まちこがれたぜッ!! この日のために腕をみがいてきたんだからなぁっ!!」 ジャック「日時と場所は?」 ゾフィー「五日後に…銀河連邦の首都のある惑星C-93で開催されることにきまった! みんなもしっているとおり われわれ宇宙警備隊の活躍によって宇宙が平和統合されてから もう数十年になる たくさんの怪獣や宇宙人におそわれたわれらの第二の故郷 地球も銀河連邦の仲間いりをし その科学力も飛躍的に進歩した 今や銀河は 人間も怪獣も宇宙人も 平和に共存する理想的な世界なのだ! そこで各惑星の親善もかねて 宇宙一の戦士をきめる武闘大会がひらかれることになったんだ!! 全宇宙の強豪怪獣や宇宙人がぞくぞくとあつまってくる! もちろん地球人たちも参加するが 彼らはわたしたちのように体長をかえられないから チーム単位のハンデがついている」 レオ「なるほど そりゃ公正なルールですね」 ゾフィー「その他の出場メンバーもすごいぞ まあ 見てくれたまえ」 壁面の画面に、出場予定の怪獣や宇宙人たちが次々に映し出される。 「&bold(){ゼットン!! レッドキング!! テンペラー星人!!}」 ジャック「こりゃすごい! たしかに強豪ばかりだっ!」 ゾフィー「だが宇宙の正義をまもる警備隊のメンツにかけても ウルトラ戦士のなかから優勝者をだしたい!! 残念ながらわたしは今回 レフリーとして参加しなければならん… ウルトラ戦士の名誉にかけて みんなの健闘をいのるぞ!!」 エース「&bold(){まかせてくれよっ!! ようするに はむかうやつぁ全員ブチのめして 優勝カップをかっさらや いいんだろ!?}」 セブン「…… ゾフィーの話をまるで理解しとらんな おまえ……」 ゾフィー「!? どうした タロウ?」 タロウ「&bold(){“あの人”は まにあうんでしょうか?}」 一同「&bold(){…ウルトラマン!}」 ゾフィー「…むろんだ 彼のために参加メンバーの数も一人多くしてある! ウルトラサインで連絡しておいたから 修業がおわりしだい かならずやってくる! 彼はけっして 戦いから逃げたりはしない男だ…!」 ウルトラマンが1人、どこかの惑星で、激しい修行に励んでいる。 ウルトラマン「くおおおお…っ!!」 夜空にウルトラサインが輝く。 ウルトラマン (&bold(){!?} 武闘会は五日後にきまったのか!! …まっていろ ゼットン もう二度とおまえにはまけない……!!) そして5日後、ついに銀河最強武闘会の開催日。 試合場は大勢の観客でにぎわっている。 『全宇宙のみなさん ついに…! ついにこの日がやってまいりました 銀河連邦主催による銀河最強武闘会 はたして宇宙一の強者は誰なのかっ!!? ウルトラ一族か? 怪獣か? はたまた地球の戦闘チームなのかっ!!? 実況はわたし 万丈アナ 解説は怪獣 宇宙人のことならなんでも知っているノタニー博士でおおくりします!! 博士 よろしくおねがいします!!』 『あ── いやいや こちらこそ』 『この大会は怪獣チャンネルをつうじて全宇宙に実況中継されております!! どうぞお楽しみに…!!』 にぎわいぶりを満足げに眺めるウルトラの父、ウルトラの母、ゾフィー。 ウルトラの父「ううむ たいへんな盛況でなによりだな」 ゾフィー「では わたしはいってまいります ウルトラの父」 ウルトラの父「宇宙警備隊隊長の実力をみこんでのレフリー起用だ しっかりがんばれよ!!」 ゾフィー「はいっ」 ウルトラの父「……こうして戦いにうちこんでいる若者たちをみていると あの 超闘士をめざして修行をかさねていた若きころを思いだすわい」 ウルトラの母「&bold(){超闘士!?} 超闘士とはいったいなんですの!?」 ウルトラの父「超闘士とは… &bold(){はるかなる太古よりこの宇宙につたわる 伝説の最強戦士のことだ…! その拳は惑星をもくだき その輝きは暗黒の宇宙すら光にみたすという!!} …だがワシにはなれなかった… 超闘士には… このワシの実力をもってしても なれなかったのだ… もしかしたら 単なる伝説なのかもしれんなぁ はっはっは…」 ウルトラの母「&bold(){きゃ~っ!} きたわっ きたわっ われらがウルトラ戦士軍団ですわよ!! フレ~ッ! フレ~ッ!!」 ウルトラの父「じ… 自分ではなしかけておいて……」 『おお~っと!! たった今 ウルトラ戦士たちを先頭に 予選参加選手たちが入場してまいりました~ッ!! まずはウルトラ戦士からウルトラセブン!! ジャック!! エース タロウ!! レオ!! アストラ!!』 『ふ~む… 誰が優勝してもおかしくないメンバーだねぇっ!!』 『その横に行進しているのが われらが地球人チーム 科特隊 ウルトラ警備隊 &ruby(マット){MAT} &ruby(タック){TAC}らのスーパーチームがせいぞろいですっ!!』 『地球人はチームワークと超兵器が勝利のカギだな がんばってほしいね』 『つづいては怪獣軍! レッドキング! ベムスター! エレキング! みな自信まんまんです!! おっと!? 武装しているやつもいますよ! 博士 これは!?』 『ありゃゴモラだよ きみ』 『な…なるほど 参加選手のなかには 独自の武器をくふうしている者もいそうです…! あ~っと!! 今 宇宙人軍団が入場してまいりました!! バルタン星人!! テンペラー星人!! ミステラー星人!! みんな強豪として名だかい連中ばかりですねぇ!!』 行進している宇宙人たちの中に、覆面で姿を隠した謎の宇宙人が混じっている。 『おっ? 一人 見たことないやつがいますが…?』 『あ── よくいるんだよ こういう大舞台にでてきて めだとうとするイナカ者の宇宙人がね ま そんなトコだろう』 ゾフィー「&bold(){これより予選を開始する…!!} 電光掲示板に注目してくれ!! この掲示板のコンピュータの中にはすでに全選手の名まえがインプットしてある!! 対戦相手はすべて コンピュータによってきめられるのだ!! では予選第一試合は…!?」 電光掲示板の表示は「第1試合 ウルトラマン vs. レッドキング」。 ゾフィー「!!!」 セブン「や… やばいっ!!」 ジャック「よ よりによって第一試合だなんて!!」 観客たち「おい ウルトラマンだってさ!」「どこにいるんだ ウルトラマン!?」「そうだそうだ!!」「はやくでてこいっ!!」「ウルトラマンでてこ~いっ!!」 『さあ 観客がさわぎだしました!! たしかにこの場にウルトラマンの姿はありません』 レッドキングは、すでに準備済み。 レッドキング「グフフ… こりゃ戦わずに不戦勝だな!」 セブン「け…結局まにあわなかったのかよ… ウルトラマン!! ゼットン「臆病風にふかれたのか ウルトラマンは…? ゼット~ン」 一同「&bold(){ゼ…ゼットン!!}」 ゼットン「やつは以前オレにやぶれた だから このオレが参戦するとしって にげだしたのだろう ゼットトトトトト!!」 エース「てめぇっ!! ウルトラマンをみそこないなってんだっ!!!」 セブン「や やめろエース!!!」 エース「いや うるせねぇっ!! バカにしくさって ブンなぐってやるッ!!!」 声「&bold(){よさないか エース…!} ……セブンのいうとおりだ 真の&ruby(ファイター){闘士}とは戦いのなかのみにその感情を爆発させるもの…」 エース「おおお…!!」 ウルトラマンが姿を現す。 一同「&bold(){ウルトラマン!!!}」 ウルトラマン「ゾフィー おくれてすまん まだ まにあうかい?」 ゾフィー「あぁ かならずくると思っていたよ だが時間ぎれ失格寸前だったぞ!」 ウルトラマン「これ以上 手間はとらせない &bold(){すぐにおわらせるさ!}」 レッドキング「や…… &bold(){野郎…!! すぐにおわらせるだとォ!!?} おくれてきやがったくせに生意気ぬかしやがってぇっ!!! くらいやがれ 岩石なげ──ッ!!!」 ゾフィー「!! ま まてっ…!! まだ試合は……!!」 いきなりレッドキングが大岩を投げつける。 ウルトラマンは少しも動じず、パンチ1発で大岩を粉々に砕く。 ウルトラマン「ゾフィー &ruby(ゴング){試合開始}だっ!!」 ゾフィー「う…うむ 第一試合はじめっ!!!」 レッドキングが逆上し、ウルトラマン目がけて突進する。 レッドキング「&bold(){うおおお──っ!!!}」 一同「うぉっ」「い…いきなりフルパワーで…!?」「よ…よけてください ウルトラマン!!」 レッドキング「&bold(){おそいわぁっ!!!}」 ウルトラマン「&bold(){ぬおおおお──っ!!!} &bold(){&big(){シュワッ!!!}}」 ウルトラマンが一瞬にして、無数の拳を放つ。 レッドキングが一気に、観客席まで吹き飛ばされる。 ウルトラの父「&bold(){のおおっ!!!}」 『な! な!! なぁ~んと!!! わたしどもがおしゃべりするまもなく 勝負がきまってしまいましたっ!! 突如あらわれたウルトラマンが謎の光の一撃で 豪腕レッドキングをくだしたのですっ!!! 博士っ!! 今のきまり手はっ!!?』 『まぶしかった! なぁんてな! まるで見えんかったよ ガッハッハッ!!!』 ジャック「今の技なんだったんだ まるで見えなかったぜ!!」 セブン「&bold(){やったあっ!!} すげぇぞ ウルトラマン!!」 エース「&bold(){ちっくしょう} やってくれたな こんちくしょうめっ!!!」 ゾフィー (強い! ここまで強くなっているとは…!!) ウルトラの父 (恐るべき力を身につけはじめたな ウルトラマンよ!! これは… もしかすると…!!) ゼットン「……なんという技だ! 瞬間に超スピードのエネルギーパンチを五発も…」 声「…いや &bold(){六発}だ」 声の主は、あの覆面姿の謎の宇宙人。 ゼットン「あ &bold(){あんた}か」 謎の宇宙人「ウルトラマンか… この宇宙にまだあれだけの実力者がいたとはな …だが やつはまだ実力の半分もみせてはいない!! もしあいつが伝説のウルトラ超闘士だったら しょうしょうめんどうなことになるな…!!」 謎の宇宙人が電光掲示板をにらみ、思念を送る。 ゼットン「! なにをしたのだ!?」 謎の宇宙人「フッ このオレさまの超能力でちょいとコンピュータに細工をした これで大会の対戦の組みあわせはオレさまの意のままよ!! 強敵を次々とぶつけ かならずやお前の秘密をあばいてやるぞ!! 覚悟しているがいい!! ウルトラマン!! &bold(){フワッハッハッハッハッ!!!}」 #center(){&big(){(続く)}}