※ここまでのあらすじは『[[ウルトラマンZの第24話]]』をご覧ください ハルキやヘビクラ、ストレイジ隊員たちが、地球防衛軍日本支部を奪還に向う。 作戦部長ユウキ マイが、武装した警備員たちを率い、守りを固めている。 両手を上げて降伏の意志を示すハルキたちに、警備員たちが銃を構える。 警備員「止まれぇ! それ以上、動くなぁ!」 マイ「ストレイジ……」 ヘビクラ「ただいま」 マイ「ヘビクラぁ!! その男は敵性宇宙人。クリヤマ長官襲撃も、ナカシマ隊員によるウルトロイドゼロ強奪も、そいつが首謀者よ!」 ハルキ「俺たちに戦闘の意志はありません! このままでは敵の思うつぼです! お願いします! 中に入れてください!」 マイ「撃ちなさい」 警備員「しかし、相手は丸腰です」 マイ「これは命令だ! 早く撃ちなさい!!」 警備員「し、しかし……」 マイが業を煮やし、自らの銃を放つ。 ヘビクラがジャグラスジャグラーに変身し、剣撃で銃弾を跳ね返す。 マイ「見なさい、これがあいつの正体よ。撃てぇ!!」 警備員「……撃てぇ!!」 警備員たちが一斉に発砲する。 ジャグラーは銃弾をすべて防ぎ、マイや警備員たちも倒して、変身を解く。 ヘビクラ「丸腰じゃなくて悪かったな」 一同「隊長!?」「隊長!?」 ヘビクラ「安心しろ、峰打ちだ」 ユカ「隊長!? 隊長が宇宙人!? ちょっと隊長、皮膚細胞のサンプル取らせてもらってもいいですか!? 髪の毛だけでも大丈夫です、お願いします!」 ヘビクラ「……行くぞ」 ハルキたち一同は基地を取り戻し、反撃の準備を開始する。 ユカ「デストルドス、全世界の主要都市を襲撃中。各国の防衛軍は軒並み壊滅状態」 イナバ「残ってるのは、俺たちだけか」 ユカ「デストルドス、こっちの動きに気づいたみたいです。まっすぐこっちにやって来ます」 ヘビクラ「敵はゲームをやってるんだ。当然、面白がってこっちに来ると思ってたぜ」 隊員「出撃準備、できました」 ヘビクラ「よし」 ヘビクラの前に、ストレイジ一同が準備を終えて勢揃いする。 ヘビクラ「ハルキはキングジョー、俺はウィンダムで出る。なんとしてもデストルドスからヨウコを救い出し、奴を殲滅する! ここが標的になるかもしれない。本部の連中が殺到する可能性もある! 俺は『怪しい宇宙人』だしな。危険を感じたらすぐ逃げろ。逃げていい。これが俺たちストレイジの最後の戦いだ!! 全員生きて帰って、パコさんのマグロで打ち上げするぞ!!」 ヘビクラが腕を差し出し、一同が手を重ねて合図する。 一同「ゴー・ストレイジ!!」 #center(){|BGCOLOR(#500000):COLOR(white):CENTER:&br()&big(){&big(){&bold(){遥かに輝く戦士たち}}}&br()&br()|} ハルキ「隊長。やっぱり俺、わかんないっす。なんで今まで、あんなことしてきたんスか?」 ヘビクラ「お前ら人類もセレブロも、調子に乗りすぎた。諦めもしないように調節してやってたんだ」 ハルキ「なんスか、それ?」 ヘビクラ「ま、それも全部パーだ」 ハルキ「隊長のこと…… 信じていいんスよね?」 ヘビクラ「知るか。自分で決めろ」 ハルキ「俺…… 信じます! 隊長は、隊長ですから」 ヘビクラ「元・隊長だ。それにどちらにしろ、俺はライザーが壊れちまったから、もう怪獣にはなれない」 ハルキ「自力で巨大化とか、できないんスか?」 ヘビクラ「前はできたんだけどな。それももう、力がねぇんだ」 ハルキ「俺ももう、次に変身したら体がもたないって、ゼットさんが……」 ヘビクラ「ってことは、俺たちに残された武器は、こいつらだけってことか」 ハルキの乗るキングジョーストレイジカスタム、ヘビクラの乗るウィンダムが、地上に降り立つ。 ヘビクラ「配置についた」 ユカ「半径10キロ圏内の民間人の避難、完了しました」 ハルキ「&ruby(オス){押忍}!」 ユカ「デストルドス、作戦区域到達まで距離5千…… 来ます!」 殲滅機甲獣デストルドスが、空から舞い降りる。 寄生生物セレブロに取りつかれたヨウコが、コクピットで狂ったように笑っている。 ヨウコ(セレブロ)「ハハハハ!! お前らで最期だ…… 楽しませてもらうぞぉ!! アッハハハハ!!」 ハルキ「先輩…… 絶対救出します!」 ヘビクラ「行くぞ、ハルキ!」 ハルキ「押忍! これより、攻撃を開始する!」 キングジョーとウィンダムが、ミサイルで先制攻撃を加える。 デストルドスはそれを意にも介さず、反撃を繰り出す。 キングジョーとウィンダムが格闘で応戦するが、苦戦を強いられる。 ヘビクラ「ユカ! ヨウコの位置解析、どうだ!?」 ユカ「こいつ、温度も波長も滅茶苦茶で、全然解析できない! なんとか動きを止めてください!」 ヘビクラ「レーザーショット」 ハルキ「ペダニウム粒子砲!」 2人「発射ぁ!!」 キングジョーらが強力な砲撃を同時に繰り出すが、やはりデストルドスには通用しない。 ユカ「ヨウコ、どこ!? ヨウコ、どこなのぉ!?」 デストルドスの猛攻の前に、キングジョーもウィンダムも倒れる。 ハルキ「動け、動いてくれぇ!!」 デストルドスが2体をめがけて、攻撃の構えをとる。 ヘビクラ「おい、D4レイを撃とうとしてるぞ! ハルキ、動けるか!?」 ハルキ「右脚部をやられました!」 ヘビクラ「分離して回避しろ!」 ハルキ「エラーで分離ができないっス!」 ウィンダムもバッテリーの警報が鳴り響いている。 ヘビクラ「チッ、こっちも駄目か……」 ユカ「ヨウコぉ……」 あわやというとき、鉄拳が飛来してデストルドスに命中、窮地を救う。 攻撃の主は、現役を引退したはずのセブンガー。 ハルキ「あれは…… セブンガー!?」 コクピットには、イナバが搭乗している。 イナバ「骨董品だってな、まだまだ役に立つんだよ!」 ヘビクラ「遅いですよ、パコさん」 イナバ「間に合ったんだからいいだろ」 一同「班長~!!」 ユカ「よっしゃぁ!! 見つけたぁ!! ヨウコ発見! ハルキ、ヨウコは胸の主砲の奥にいる!」 ハルキ「押忍! 先輩、今行きます!」 セブンガーがウィンダムに、バッテリーを装填する。 イナバ「ほら、追加バッテリーだ!」 ヘビクラ「あざっす、パコさん! ハルキ、俺たちで奴の動きを何としても止める。絶対ヨウコを救出しろ!」 ハルキ「押忍!!」 セブンガー『超硬芯回転鉄拳、装着』 イナバ「よし、行くぞぉ!」 デストルドスの攻撃が、キングジョーに炸裂する。 爆炎の中から、タンクモード(戦車形態)に変形したキングジョーが突進する。 キングジョー『キングジョー ストレイジカスタム・タンクモード』 ハルキ「ペダニウム粒子砲、発射ぁ!!」 キングジョーの砲撃で、デストルドスの胸のコクピットが露出する。 ウィンダムとセブンガーが左右から、デストルドスを押さえる。 ヘビクラ「今だ、ハルキ!!」 ハルキ「押忍!!」 キングジョー『キングジョー ストレイジカスタム・ロボットモード』 ハルキ「ロボットモード! チェストォォ!!」 キングジョーがデストルドスの胸をめがけて、拳を突き立てる。 ハルキ「先輩、絶対に助け出しま──す!! うおぉ──!!」 ヨウコ「やめろおぉ──!!」 デストルドスがウィンダムとセブンガーを吹き飛ばし、キングジョー共々、空高く上昇してゆく── 光に満ちたストレイジ基地の光景。 ハルキが、呆けた様子のヨウコと対峙している。 ハルキ「ヨウコ先輩!?」 ヨウコ「──どなたですか?」 ハルキ「俺ですよ、ハルキです!」 ヨウコ「ハル……キ……?」 ハルキ「……あ、腕相撲でもしませんか?」 ヨウコ「腕相撲……」 ハルキ「好きっすよね、腕相撲」 ヨウコ「まぁ…… いいですけど」 ハルキがヨウコと、腕相撲で対決する。 ハルキ「レディ・ゴー!」 互いの力の応酬の末、徐々にヨウコの力が勝ってゆく。 ハルキ「先輩、勝ち逃げは無しっすよ。俺、負けっぱなしで悔しくて、ここんとこ、ずっと特訓してたんスから!」 ヨウコの脳裏に、これまでのハルキとの腕相撲勝負の記憶が甦り、徐々にもとの表情が戻ってゆく。 ハルキが力をこめて、ヨウコの腕を押し返し、ついに腕相撲で勝利する。 ハルキ「よっしゃあ…… よっしゃあ!! やっと勝ったぁ…… あ、あれか…… だったら、俺、ヨウコ先輩と結婚しなきゃいけないのか…… マジか……」 ハルキが涙ぐみ、ヨウコも泣き笑いしている。 ヨウコ「あんた、なんで泣いてんのよ……」 ハルキ「先輩こそ……」 ヨウコがデストルドスの中で、我に返る。 セレブロが、ヨウコから分離して実体を現す。 ヨウコが慌ててセレブロを振りほどき、セレブロはデストルドスの中に消え去る。 セレブロがハルキから奪ったベリアルのメダルが、こぼれ落ちる。 デストルドスからコクピット部分が分離し、ヨウコが空中に投げ出される。 ハルキは意を決して、キングジョーから宙へ飛び降りる。 沈黙したウィンダムとセブンガーから、ヘビクラとイナバが、ストレイジ一同により救出される。 一同「ハルキ!?」「ヨウコさん!?」 ヨウコがなすすべもなく落下してゆく。 ハルキが空中で、必死にヨウコを追う。 ハルキ「ヨウコ先輩──!!」 ヨウコ「ハルキぃ──!!」 そのとき── ヨウコの手にしていたベリアルのメダルが、[[ベリアルアトロシアス>ウルトラマンジードの最終回]]のライズメダルとなる。 ヨウコ「え……!?」 ハルキ「ゼットさん! もう一度、一緒に戦おう! 俺の体はどうなっても構わない! 皆を守りたいんだぁぁ!!」 ハルキはゼットライザーを手にし、アクセスカード、[[ウルトラマンゼロ>ウルトラマンジードの第24話]]と[[ジード>ウルトラマンジードの第1話]]のメダルを装填する。 ライザー&i(){『Haruki ! Access granted !』} ハルキ「ゼロ師匠、ジード先輩! ヨウコ先輩、そのメダルをここに!」 ヨウコ「わかったぁ!」 ハルキとヨウコが空中で、必死に手を伸ばし合う。 ヨウコがベリアルのメダルを、ハルキの持つライザーに装填する。 ヨウコ「ハルキ──! 頼んだぁ!!」 ハルキ「押──忍!!」 ライザー&i(){『Zero beyond !』『Geed !』『Belial Atrocious !』} ゼット「ご唱和ください、我の名を!!」 ハルキ「&bold(){ウルトラマ──ン!!}」 一同「&bold(){ゼ──ット!!}」 ライザー&i(){『Ultraman Z Delta Rise Claw !』} ハルキがウルトラマンゼット・デルタライズクローに変身し、ヨウコを救い、無事に地上に降ろす。 ストレイジ一同が駆けよる。 一同「ヨウコ!」「ヨウコ!」 ユカ「ハルキがウルトラマンゼット……!?」 ヘビクラ「行け! 終わらせて来い、ハルキぃ!!」 ハルキ「行こう、ゼットさん!! 俺たちの覚悟を、見せてやろう!!」 ゼット「よっしゃぁ! ウルトラ暴れるぞ、ハルキ!!」 ハルキ「押忍!!」 幻界魔剣ベリアロクが飛来し、ゼットの手に収まる。 ゼット「あ、危ねぇ!」 ベリアロク「また面白い奴と戦ってるな。俺にも斬らせろ」 ゼットはベリアロクの剣撃で、そして徒手空拳でデストルドスに挑む。 デストルドスが、D4レイ発射の構えをとる。 ゼット「まずい!」 異次元破壊光線、D4レイが発射される。 ゼットはベリアロクでD4レイを防御する。 ベリアロク「フン、お前らこんなもんか」 ハルキ・ゼット「んなわけ、無いだろぉ!!」 ゼットとハルキは、強烈な光線の威力を必死に堪える。 ベリアロク「色々と面白いものを斬った…… 楽しかったぜ」 ハルキ「え……!?」 ベリアロクが自ら、デストルドスの体に深々と突き刺さり、粉々に砕け散る。 ハルキ「ベリアロクさぁ──ん!?」 ゼットは、メダルの力を持たないオリジナルの姿に戻ってしまい、そばのビルに痛烈に叩きつけられる。 デストルドスはなおも、D4レイ発射の構えをとる。 ユカ「あいつ、またD4レイを撃とうとしてる!?」 ヨウコ「ハルキぃ!! 立ってぇ!!」 一同「立てぇ!」「ハルキぃ!!」 ハルキは、ゼットの体内のインナースペースで、気を失っている。 ヨウコ「立ってぇ──!!」 一同「ウルトラマンゼット──!!」 皆の声援がゼットのカラータイマーに集まり、ゼットとハルキに、これまでにない新たな力が漲ってゆく。 ハルキ「うぅおお──!! まだまだいけますね、ゼットさん!!」 ゼット「もちろんでございますよ! ハルキぃ!!」 ゼットがオリジナルの姿のままで、果敢にデストルドスに挑む。 ゼット「これが最後だ、ハルキ! ウルトラ気合い入れていくぞぉ!!」 ハルキ「押ぉ──っ忍!!」 またもD4レイの破壊光線が放たれる。 ハルキ「&bold(){ゼスティウム光──線──!!}」 ゼットのゼスティウム光線と、デストルドスのD4レイが、空中で激突する。 ヨウコ「ゼット様、ハルキぃ!!」 ハルキ「&bold(){うぉおおぉぉ──!! チェストぉぉ──!!}」 渾身の気合いと共に、ゼットの体にハルキの姿がだぶる。 ゼスティウム光線の軌道が「Z」の字を描き、D4レイを力技で押し戻す。 デストルドスが爆発四散、ゼットは最強の敵を相手に、ついに勝利をおさめる。 一同「やったぁ!」「ハルキぃ!!」 皆が沸き返り、ヘビクラとイナバが固く握手を交わす。 勝利をおさめたゼットが、空の彼方へと飛び去る。 ──と思いきや、ゼットが姿勢を崩し、地上に墜落する。 ストレイジ一同が慌てて、駆けつける。 変身の解けたハルキが倒れている。 一同「ハルキ!」「大丈夫か!?」 ヨウコ「ハルキ、ハルキ!」 ハルキ「恰好よく決めるつもりだったのに、ちょっと無理した…… ハハ」 ヨウコ「馬鹿ぁ!! よくやったぞ、ハルキ!!」 ヨウコがハルキに抱きつく。 ハルキ「お、押忍……」 ハルキがストレイジ一同にもみくちゃにされ、手荒い歓迎を受ける。 無人の街角。 黒焦げになったセレブロが、コソコソと動いている。 ヘビクラが、剣を突き付ける。 ヘビクラ「ゲームオーバーだ、セレブロ。コンティニューは無しだ」 そこへ、ユカとカブラギが、虫取り網でセレブロをとらえる。 カブラギ「やったぁ!!」 ユカ「捕ったぞ──!!」 カブラギ「間違いありません、こいつです! こいつが犯人ですよ!」 ユカ「隊長、こいつと戦ってたんですね!」 ヘビクラ「ハハ……」 ヘビクラが背を向ける。 ユカ「隊長! ……また、逢えますよね」 ヘビクラは答えをはぐらかすかのように、視線を反らしつつ、意味深に笑む。 ヘビクラ「じゃあな」 ヘビクラが立ち去る。 ユカ「フフ、さぁ、解剖の時間だよ──!!」 カブラギ「よっしゃぁ!! 姐さん、手伝いますよ!!」 後日。 旅荷物をまとめたハルキを、ストレイジ一同が見送る。 隊員たち「やっぱ、行っちゃうんだな……」「淋しくなりますね……」 ハルキ「宇宙では、まだまだいろんな人が困ったり、苦しんだりしてる。俺、ゼットさんと一緒に、そういう人たちも救いたいんです」 ヨウコ「ハルキらしいね。私たちも宇宙用ロボット出来たら、手伝いに行くから」 ユカ「頑張りますか! 私たちも」 イナバ「簡単に言うな……」 一同「ハハハハハ!」 ヨウコが進み出て、手を差し出す。 ヨウコ「じゃあね」 ハルキはその手を、力強く握り返す。 ハルキ「じゃ…… 皆さん、お元気で! あ、盆と正月には帰ってきますね」 ヨウコ「フフ…… 実家みたいに言うな!」 ハルキ「それじゃ」 ハルキが変身し、ウルトラマンゼットの巨体が地上に降り立つ。 ヨウコたちストレイジ一同が姿勢を正し、敬礼を決める。 ゼットも姿勢を正して、一礼し、空へと飛び立つ。 どこからかベリアロクが飛来し、ゼットの手に収まる。 ゼット「わぁ、危ねぇって!」 ハルキ「ベリアロクさん!?」 ゼット「生きたのか!?」 ベリアロク「俺様は不死身だ。それにお前らといれば、まだまだ面白いものが斬れそうだからな」 ハルキ「押忍! この手が届く限り、皆の命、守るぜ!!」 ゼット「よぉし!! それじゃ行くぞ!! ハルキ!!」 ハルキ「シュワッチ!!」 ウルトラマンゼットがベリアロクを手に、「Z」の字を描きつつ、宇宙の彼方へと飛び去る。 #center(){|BGCOLOR(blue):COLOR(white):CENTER:&big(){&bold(){&color(yellow){平和}を守るため&color(red){ゼット}と&color(cyan){ハルキ}は旅立つ&br()ゼットの&color(cyan){地球}での日々を&color(pink){忘れないでね}}}|}