トジテンドとの戦いが終わり、五色田一家は朝食を済ませていた。 セッちゃん「チュン……」 一同「ごちそうさまでした!」 セッちゃん「はい、みんな残さず食べてえらいチュン。はい、片付けるチュン」 介人「父ちゃん、母ちゃん。今日も大学行くの?」 功「もちろん……」 美都子「今日こそ並行世界を見つけるため、全力全開」 功「失敗も挽回!」 2人「何回もトライ!」 介人「そっか……」 セッちゃん「今日もラブラブチュン……」 功「どうした? なんか相談か?」 介人「いや、せっかく久しぶりに家族も揃ったし、と思ってさ……」 美都子「久しぶり?」 ヤツデ「何言ってんだよ。朝ごはん、毎日一緒に食べてんだろ?」 セッちゃん「全然久しぶりじゃないチュン」 介人「……そっか……」 功「それじゃあ行ってきまーす!」 介人「行ってらっしゃい!」 功と美都子は出かけていった。 セッちゃん「気をつけてチュン……」 介人「店、こんなに広かったっけ?」 介人はスカイツリーにロープを持ってきていた。 介人「よし!」 警備員「ストーップ! あなた、また来たんですか? 出禁ですよ?」 介人「なんで? 俺、なんかした?」 警備員「そういえば何でだ?」 介人「ほら」 警備員「いや、待った、待った。この荷物は?」 介人「世界初、スカイツリーからバンジージャンプ‼︎」 こうして介人はまたつまみ出されてしまう。 警備員「やっぱりお断りですよ」 介人「待った! 俺は、父ちゃん母ちゃんみたいに世界初の何かでっかいことがしたいだけで…… あれ?」 介人が大急ぎで功と美都子の研究所に飛び込む。 介人「父ちゃん、母ちゃん! まだ並行世界見つけてないよね?」 功「なんだ、なんだ。そんなに待ち遠しいのか?」 美都子「まだまだ絶賛研究中…… 介人も知ってるでしょ?」 介人「だよね……」 介人の手にはセンタイギアが持っていた。 介人「これ……」 功「ん? 何だこれ?」 美都子「ちょっといい?」 2人はギアを研究し始める。 介人「センタイギア……」 功「戦隊?」 介人「スーパー戦隊だよ。他の世界の……」 美都子「他の世界? 介人、他の世界見たの」 介人「……見てない。いや、見た…… てか、あった!」 介人は急いでカラフルに帰ってくる。 介人「ジュラン、ガオーン! マジーヌ、ブルーン!」 セッちゃん「びっくりした……」 ヤツデ「どうしたんだよ介人? ジューだかガーだか何の呪文だい?」 介人「ジュランたちだよ! うちに住んでたキカイノイドの……」 セッちゃん「キカイノイド? 一体何チュン?」 功と美都子も帰ってくる。 介人「別の世界。キカイトピアとくっついて、トジテンドが攻めてきて…… みんなでゼンカイジャーになって!」 ヤツデ「ゼンカイジャー?」 介人「そうだ…… 神様」 一同「神様?」 介人「クソォ、神様! どうなってんだよ神様‼︎ 神様‼︎」 神様「すごいねぇ、君……」 神様が介人の姿で現れた。 神様「世界初だよ。自分で記憶を取り戻したのは……」 介人「お前…… 神様か?」 神様「その通り……」 介人が立ち上がった。 セッちゃん「なんだ?」 介人「俺たちの記憶がおかしかったのも、お前のせいだよな?」 ヤツデ「本当に神様が降りてきたのかい?」 美都子「みたい……」 介人「何するつもりだ?」 神様「お片づけだよ…… 大掃除」 介人「大掃除?」 神様「思いつくままに世界を作っていたら、増えすぎちゃってね…… 僕には世界を作るか消すかのどちらかしかできない。せっかく作ったのに世界を消すのはもったいないなぁって思っていたら、イジルデが世界をまるごと閉じ込める仕組みを研究してることに気がついたんだ……」 介人「トジルギアのことか?」 神様「あれを使えば、世界を完全に消さずに記念として残せる…… だから僕は、トジテンドに手を貸すことにしたんだ」 介人「じゃあ、何で俺たちを手伝ったんだよ?」 神様「君たちの世界だけ、閉じられなかったからさ。ギアの技術がある同士、くっついたら反発したのか……」 介人「それで、キカイトピアと混ざったのか」 神様「そんな世界初めてだったからね…… 君たちの世界とキカイトピア…… 面白そうな方をどちらか1つ残そうと思って、しばらく迷った結果、君たちの世界が選ばれたんだよ! おめでとう……」 介人『おめでとう』じゃない! 全然良くない。 じゃあジュランたちは? ゾックスたちはどこ行ったんだよ⁉︎」 神様「お片づけだからね…… 自分たちの世界に帰ってもらって、トジルギアの中さ……」 介人「そんなのない! 他の世界を元に戻せ! 全部解放しろ‼︎」 神様「いいじゃないか…… 君の世界は残ったんだから」 介人「そういうことじゃない! 俺、見たんだ…… それぞれの世界に、それぞれ生きてる人がいる。いろんな世界と繋がったから、新しい仲間と会えた…… 元いた世界で、苦しかったけど、逃げる場所ができた。お前が気まぐれに作った世界でも、もうそこで生きてる人がいるんだよ‼︎」 神様「でも、他の世界があるから君の両親はさらわれた。他の世界に侵略までされたんだよ?」 介人「それは世界が悪いんじゃない…… そういう人もいるってだけだ! 返せよ。みんなの世界を返せ‼︎」 介人は神様に飛びつくが、すり抜けてしまう。 神様「無駄さ…… 今、僕がトジルギアを持ってるわけじゃない」 介人「じゃあどこにあるんだ? 教えろ‼︎」 またすり抜けてしまう。 神様「じゃあ、僕に勝ったら教えてあげる……」 神様がゼンカイザーに変化し介人に蹴りかかる。 介人「絶対だぞ。今度こそ約束だ! チェンジ全開!」 介人がチェンジ全開を遂げ、ゼンカイザーとなる。 &font(i){『バババーン!』『ゼンカイザー』} カイザー「行くぜ。全力全開!」 ゼンカイザーが神様に挑む。 場所が商店街に変わる。 神様「やるねぇ…… さすがトジテンドを倒した人間だ」 神様はスーパーゼンカイザーになる。 神様「なら……」 神様がゼンカイテンランスを振るう。 その先端がゼンカイザーにキャッチされる。 カイザー「俺1人でやったんじゃない! みんなの力だ‼︎」 2人の拳が激突。 ゼンカイザーがゼンカイジュランに変わる。 神様「その姿は……」 ジュラン「どうぞヨロシコ!」 次はゼンカイガオーンに。 ガオーン「ガオーン!」 神様「君の心にいる仲間の力か。面白いね、君は!」 次はゼンカイマジーヌに。 マジーヌ「ヌヌヌ、マジーヌ!」 次はゼンカイブルーンに。 ブルーン「ブルーン!」 続いてはツーカイザー。 ツーカイザー「ヨホホイ!」 神様「次々と……」 最後はステイシーザー。 ステイシーザー「はっ!」 ゼンカイジャーの攻撃が神様を次々と押していく。 神様「しぶといね、君は!」 神様の砲撃がゼンカイザーを吹き飛ばす。 カイザー「結果出すまで……」 一同「全力全開‼︎」 ゼンカイザーの拳が神様に殴りかかる。 そして2人は倒れてしまう。 美都子「介人!」 セッちゃん「大丈夫チュン?」 神様「僕たち…… 君の中で永遠に争うのかい?」 カイザー「だったら…… 最後の勝負だ!」 神様「いいとも……」 カイザー「最初はグーで! 1回勝負な」 神様「はっ? えっ、待って。世界の命運をじゃんけんで?」 カイザー「これで負けたら、俺も諦める!」 神様「はっはっは…… 本当に面白いなぁ、君。いいよ…… じゃんけんだ」 2人「最初はグー!じゃんけんぽん!」 介人がグーとパーを出した。 セッちゃん「こ、これは……」 ヤツデ「どっちが勝ったんだい?」 勝ったのはゼンカイザーだった。 2人はチェンジ全開を解除。 神様「あーあ、負けちゃった…… でも、僕も本当は片付けたくなかったからね…… その気持ちが出ちゃったのかも」 介人「ありがとう!」 神様「これからは、今まで作った世界を1つ1つを大切にするよ」 介人「これから作る世界も、だろ? どんどん作って、全部大切にしてよ! その方が楽しい……」 神様「簡単にいうな…… トジルギア装置は、スカイツリーの上にある。ステルス機能を使って見えなくしてあるけどね……」 介人は公園に向かい、ゼンリョクゼンカイキャノンを構える。 介人「全力全開! はぁーっ!」 &font(i){『ダイゼンカイ!』} 撃った反動で吹き飛ぶ介人。 ゼンリョクゼンカイキャノンの砲撃が装置を破壊。 トジルギアも次々と砕けていく。 介人「世界…… ちゃんと解放できたかな?」 するとゲートからキカイノイドが出現。 介人の上に落ちる。 ジュラン「腰が……」 介人「ジュラン……」 ジュラン「いけてるお兄さん、調子どう?」 介人「ガオーン……」 ガオーン「会いたかったよ、介人」 介人「マジーヌ……」 マジーヌ「キュンでーす!」 介人「ブルーン……」 ブルーン「いやはや、どうも……」 声「ヨホホイ」 ゴールドツイカー一家も現れる。 介人「ゾックス……」 ゾックス「よっ」 介人「フリント……」 フリント「へへへ……」 介人「カッタナー……」 カッタナー「イエイ!」 介人「リッキー……」 リッキー「にひひ」 介人「よかった」 ジュラン「なーに涙ぐんじゃってんの? ほら、立て」 起き上がる介人たち。 介人「おかえり全開!」 ガオーン「ただいま全開!」 レポーター「世界の開放から3ヶ月経った今日、新たにちょんまげトピアとの世界館条約が結ばれることになりました……。今回の条約により、我がゼンカイトピアと公式ゲートでつながった並行世界は100となり、ますます世界交流が盛んになりそうです」 2人のスーさんがカラフルから帰ろうとする。 スーさん「じゃあ、また来るわ」 ガオーン「スーさんに柏餅スーさん、またね!」 ヤツデ「またね」 セッちゃん「ありがとうございましたチュン……」 解説者「ゲートの技術を改良した五色田功博士と五色田美都子博士は、あのゼンカイジャーを作った方でもあるんですよね……」 ヤツデ「息子夫婦ばかりか、孫まで有名になっちゃった!」 セッちゃん「まさかゼンカイジャーがこの世界の名前になるとは思わなかったチュン」 ガオーン「参っちゃうなぁ…… カラフルの看板キカイノイドでーす!」 そこへステイシーがやって来る。 ステイシー「こんにちは」 ガオーン「ステイシーちゃん、いらっしゃい!」 セッちゃん「いらっしゃいませチュン」 ヤツデ「こんにちは、ステイシーくん。はいよ、特等席……」 ガオーン「どうぞ!」 セッちゃん「座るチュン」 ヤツデ「いつものでいいのかな?」 ステイシー「はい。お願いします」 ガオーン「少々お待ちください…… 楽しいな、楽しいな」 カラフルに介人とジュランが帰ってくる。 介人「ただいま!」 ガオーン「介人、お帰り!」 介人「ステイシー、来てたのか」 ジュラン「どうよ? 最近あっちの様子は」 ステイシー「すぐにどうこうなるもんじゃない。僕も含めて、少しずつ変わるしかない……」 介人「キカイトピア、新しく学校も始めたんだよね!」 ステイシー「ブルーンが持ってきてくれる本がわかりやすいと、教師たちが言っていた」 介人「さすがブルーン!」 ジュラン「そういやマジーヌも時々そっちに言ってんだって?」 ステイシー「どうやら、学校に馴染めない子供たちの話し相手をしてくれてるらしい……」 ジュラン「そっか…… あの泣き虫マジーヌがな……」 介人「知らなかった…… なんで教えてくんなかったんだろう?」 ガオーン「きっと恥ずかしいんだよ。照れ屋さんだから……」 ジュラン「たしかに」 ステイシー「ご馳走さま……」 ガオーン「お粗末様でした」 ヤツデ「今日はもう帰っちゃうのかい?」 ステイシー「あっちで用事があって……」 ヤツデ「そっか……」 ステイシー「また来ます」 ステイシーは券をヤツデに渡す。 ヤツデ「あのさぁ…… この前も言ったんだけど、うちに住んでくれてもいいんだけど」 ガオーン「うん、うん」 ステイシー「介人たちと一緒に暮らすのはちょっと……」 ガオーン「ええーっ?」 ジュラン「ちょ待てよ」 介人「ひど!」 ステイシー「冗談だ。ここが大切だからこそ、息抜きの場にしておきたいんです…… あっちで、やりたいこともできたし」 ジュラン「だってよ……」 ステイシーがキカイトピアに帰ってくる。 そこはすっかりキカイノイドやクダックで賑わっていた。 キカイノイド「ステイシーさん」「やっぱり新しい王にはなってくれないんですか?」 ステイシー「説明しただろ。君たちを助けたのは僕じゃない……」 キカイノイド「僕たちだって何度でも言います! あなたはトジテンドを倒してくれた1人です!」 ステイシー「考えたんだ…… 僕は王にはなれないが、君たちと一緒に新しい世界を作っていくことはできるってね」 大喜びするキカイノイドたち。 カラフル。 リッキー、カッタナー「最近の旅の土産だ!」 ブルーン「土産?」 セッちゃん「土産って、誰チュン?」 ジュラン「そいつはご丁寧に……」 介人「えっ?」 ヤツデ「あの、どちらさんだい?」 そこへゾックスとフリントがやってくる。 フリント「わかんねぇかな?」 ゾックス「カッタナーとリッキーだ……」 一同「ええーっ?」 介人「じゃあ、SDトピアの呪いも解けたってこと?」 ガオーン「本当に人間ちゅわんだったんだね!」 カッタナー、リッキー「イエーイ!」 マジーヌ「でも、人間に戻ったってことは、もうゾックスたちと一緒に戦えないっすね……」 フリント「そこは、天才の私が抜かりなく…… 兄貴」 ゾックス「ああ……」 マジーヌ「まさか!」 &font(i){『回せ』『ヨーソロー』} ギアの力でカッタナーとリッキーがSD化を果たす。 リッキー、カッタナー「ジャーン!」 一同「ああっ!」 ジュラン「馴染みの姿……」 カッタナー「SDの姿も慣れると楽しくてさ……」 リッキー「いつでも人間に戻れるなら問題ナッシング!」 ジュラン「おい、ちょ待てよお前ら。まさかこの土産、またどっかから奪ってきたんじゃ……」 ガオーン「何ですと?」 ブルーン「皆さん、まだ海賊行為を?」 ゾックス「まぁ、奪ったのは確かだが……」 フリント「私ら、弱いもんから取るのはやめたんだよな」 リッキー「うん」 介人「そうなの?」 セッちゃん「改心したチュン?」 ゾックス「いや。そういうんじゃねぇけど…… なーんか、単純に面白くねぇなぁって…… ゴールドツイカーのモットーは……」 一家「面白そうなことには、頭から突っ込め‼︎」 ゾックス「だからな、俺は海賊。自由求めて世界から世界へ♪」 介人「そっか…… 楽しそう」 その夜。 介人が店を閉める。 美都子「お疲れ様」 介人「ありがとう…… 何? 話って」 美都子「介人もさ、この家出て好きなことやりな……」 介人「えっ? どうしたの急に?」 功「行きたいんだろう? 世界から世界へ」 介人「でも……」 美都子「介人みたいな子がずっとうちにいたの…… 私たちがいなくなったからでしょ?」 ヤツデ「あたしをおいて行きたくなかったんだよね? ありがとね」 介人「ヤッちゃん…… 違う。俺も、父ちゃん、母ちゃんのことを待ちたくて……」 功「でも、俺たちは帰ってこられた。介人、今度はお前の番だ……」 セッちゃん「おいらも応援するチュン……」 ヤツデ「介人…… あんたはいつでも」 3人「全力全開‼︎」 ヤツデ「だろ?」 介人「うん!」 翌朝。 介人たちがセッちゃんを連れて旅に出ようとする。 介人「おおーっ、いい天気!」 セッちゃん「快晴」 介人「旅立ち日和全開‼︎」 セッちゃん「全開だチュン」 キカイノイド「旅立ち日和全開!」 セッちゃん「まさか揃ってみんなついてくるとはチュン」 ガオーン「もう。僕が介人についていかないわけないでしょ?」 ブルーン「好奇心のエンジンがブルンブルンして止まらなくて……」 マジーヌ「自分も、もっと変われるって欲が出たんす」 介人「そっか……」 ジュラン「なぁ介人…… ゼンカイジャーってのは敵を倒すためだけに集まったんじゃねぇ…… ぶっちゃけみんな介人のことが好きで集まった仲間だ。だからこれからも末長くヨロシコ」 ガオーン「介人、よろしくちゃん」 マジーヌ「よろしくっす!」 ブルーン「ブルン!」 介人「うん…… ヨロシコ!」 セッちゃん「それではおいらの新機能、世界観ゲート、オープン!」 セッちゃんが世界観ゲートを開く。 ガオーン「すごい……」 介人「それじゃあ、行ってきます。みんなも元気でね……。 目指せ世界初、全部の世界に行っちゃう戦隊だ‼︎ ちょあーっ! 全力全開‼︎」 ガオーン「待ってよ介人」 ジュラン「おい、今押したろ。ガオーン……」 マジーヌ「ちょっとブルーン!」 ブルーン「あっ……」 #center(){|&big(){&bold(){最終カイ!&br()俺の世界、みんなのセカイ}}|} そして、物語は『[[機界戦隊ゼンカイジャーVSキラメイジャーVSセンパイジャー>機界戦隊ゼンカイジャーVSキラメイジャーVSセンパイジャーのオープニング]]』に続いていく……。 #center(){ (終) }