甲鉄城のカバネリの第1話

甲鉄城が走る

「圧力を下げるな!ここで止まったら、終わりだぞ!」
「はい。車内に連絡を。」
「はい。廃駅を通過します。各々、衝撃に備えてください。」

列車の上にカバネが
壁に衝撃が
「…!」
髪を掴まれる
「くそっ!」
「この野郎!」
「こっちへ来るな!」

「生きる為に必要なもの…。それは隠れて守る事じゃない。カバネに怯まず、戦う力だ。」

一方、甲鉄城

長筒が掴まれる
「シンゴ!」

「大丈夫か?」
「ああ。すまない。お、お前。」

血が滴る


20年前、日ノ本の民はカバネを恐れて駅の中に閉じ籠もった。
仲間の誇りも捨てて、逃げ出したんだ。

「使え。」
「…。」
「使え。自決袋を!早くしろ!」
「覚悟を見せろ!」
「醜態を晒すな!」
「何をしている?」
「引け、引け!」

(誰かを切り捨てて、それで生き延びて追われるのか?失うのは仲間の命だけじゃない。だから、俺は…)

「母さん…。」

紐を引く



的に凹みが
「くそっ!」

(俺はカバネを倒せる力が欲しい。あともう一歩なのに!)


「目が覚めたか。武士が死ぬのも。眠っていていい、今は。」
「また駅が飲まれた。」


第一話
脅える屍


「おい、聞いてたか?補給が遅れているって。」
「前線がまた下がったらしいな。」
「このまま持つのか?」
「やめろよ、そういう事言うの。」
「武士が聞いたらどうする?」

「よう、英雄!遅刻かよ?」

「おい、生駒!」
「どうだった、昨日?」
「駄目だった。圧力は十分な筈だったけど…。」
「どうしても普通の鉛球じゃ駄目なの?」
「それじゃ、武士の蒸気術と同じだ。カバネの心臓被曝に弾かれちまう。だから、噴流弾だ。貫通力に差をつけないと。」
「それで武士の代わりにカバネと戦うって?正気じゃねえよ。炸薬は増やした?ほら、前回の調整で空洞部分を増やしたから。」
「それだよ、タクミ!どうして手順を飛ばしちゃったんだ?」
「どこ行くんだよ?」
「家に戻ってやり直す。」
「おいおい、仕事終わってからに。」
「おい、菖蒲様だ。」
「四方川家の?」
「何事も自分の目で確かめるべきかと。」
「菖蒲様。一体何のご用で?」
「父の短筒です。調子がよくないので見て貰えないかと。」
「菖蒲様。まっ、美人ではあるな。」
「武士の姫様だと。」
「生駒!こっちに来て、菖蒲様のご用をしろ!」
「お預かりします。」
「英雄になりたいのですか?」
「俺は逃げるのが嫌なだけです。菖蒲様、これを何に向けるのですか?」
「…!」
「西門が開くぞ!甲鉄城の到着だ!」
「甲鉄城が来るのは明日の筈。」
「参りましょう。」

「甲鉄城だって?」
「扶桑城も来るのに。一日にはやじろが二重って?」

「お父様、甲鉄城が来るのは明日のはずでは?」
「早谷駅が潰れた。停車駅が減れば、早く着く通りだ。」
「そんな…」
「箱をさけろ!」
「いるかな、噛まれた奴?」
「それをこれから調べるんだろ。カバネに感染しているか、噛み後を探して見分ける。見つけ、牢屋に閉じ込める。いつものやり方だろ。」
「そりゃ、そうするだろ、潜伏期かもしれないんだ?」
「よし、整備を始めろ!」
「見ろよ、切り取ったたけが太くなっている。やっぱりここもウイルスが通るんだ。」
「おい!」
「こんな状態のいい奴は珍しい。」
「ご法度破りだぞ!」
「これは祟りとかじゃないって俺達知ってるだろ。」


「どうしたんだよ?」
「あっ、いや。」
「おい、そこの子供!」

「出口は反対側だ!子供でも検閲を受けて貰う。」
「人を測れと外見を思ってますは不幸であれ。って兄様が言ってたよ、髭のおじさん。」
「な、何だと?」
「よい。こちらは私の客人だ。」
「あっ、親方様!」
「ここで一番偉い人?」
「四方川家の当主を勤めてますケンショウと申します。」
「四方川殿、世話になります。」
「シモン様ですね、お話は先の書状にて。まずは我らの屋敷においでくだされ。」
「うむ。」
「検閲を受けないのか、どう言う事だ?」
「どういう事?」
「さあ。」
「わああああっ!」

「カバネだ!」
「傷があるぞ!」
「逃がすな!」
「カバネ?」
「止まれ!」
「違う、俺はカバネじゃない!」
「止まらんか!」
転ぶ
「殺せ!」
「一思いに殺せ!」
「ほんとに違うんだ!助けてくれ!」
「やめろ!」
「?」
「何だ、貴様は!?」
「カバネじゃないって言ってる!」
「信じられるか!」
「やめろ、臆病者!」
「!」
「カバネの疑いをある者を三日間は閉じ込めて、真偽を判断する!お前らが作った決まりだろ!」
「黙れ!」
「蒸気かじゅう風情が口を出す事ではない!」
「尋問する相手を間違ってるって言ってんだ!」
「…!お父様!」
「カバネの肝!」
「気持ち悪い!」
「何で持ってるの?」
「答えろ!何故そんな物を持っている?」
「逃げるぞ!」
「やめろ!」

「死んだ…」
「カバネじゃなかったのか?」
「恥ずかしくないのか、何もかも怖がって?正気を失って。」
「武士に守られた安全な場所なら何とでもいえる。」
「違う!俺だって戦えます!」
「来栖!」
「はっ。」
「もうすぐ貫き…」
「この者を牢に入れろ。カバネの疑いがある。」
「お父様!」
「いくぞ。」
「菖蒲、秩序を守るのも武士の勤めだ。」
「秩序ですか…?」


「左様ですか。二人は金剛閣に?」
「だからこそ、我々二人だけでも。」

(水無月か。もうすぐだね。兄様。)

牢獄にて

「やっぱり、死体拾いの人だ。」
「君は…」
「無名。」
「無名?何だそれ名前なのか?」
「いいでしょ?兄様がつけてくれたんだ。ねっ、さっきのあの人がカバネじゃないって分かってたんでしょ?」
「いや、でもほっとけないだろ?」
「普通はほっとくけどね。」
「なら、普通が間違ってる」
「あんた、面白いね。」
「何か?」
「だって、カバネは普通に怖いでしょ?人は怖がりで臆病なんだからさ、仕方ないよ。」
「仕方なくなんかない。」
「?」
「怖がって人を切り捨てるのが仕方ないなんて?俺には到底思えない。今日として人の人生を失っちゃいけない。」
「…。」
「馬鹿なんだよ、生駒は。すぐ熱くなって。正義感持ってな。」
「でも…私にはやろうと思ってできないなあ、武士一言を言い返すなんて。」
「それが馬鹿だって言ってんだ!」

「来たぞ、扶桑城だ!」
「今度は時間通りだったな。」

「おい、速過ぎるぞ!」
「速度、落とせ!」

「まずいぞ!橋を上げろ!早くしろ!」
レバーを上げる
「間に合わない。」

大爆発が起きる

「何だ!?」



迎え撃つも噛み殺される

「カバネだ!」
警鐘を鳴らす

「これは。」
「まさか…!」
「来たのか、カバネが!?」
「行かなきゃ。」
南京錠を解く
「貫き筒だ、今ならアレを!」
「早くしてよ!」
「これも持ってくの。」


「無名、西門が突破された。ここはもう駄目だ。」
「でも。」
「甲鉄城へ行く。来るんだ。」
「お父様、どちらに?」
「甲鉄城だ。」
「!まさか…?この駅を見捨てるのですか?」
「甲鉄城を確保したら合図を打つ。そしたらお前も来い。」

「カバネは血に反応する。」

自傷する生駒
「くそっ、痛え。」

「止まれ!ここで服を脱げ!」
「ふざけるな!カバネが来てるんだよ!」
「だから体に傷がないか証明しろ!」
「どうなるのかな?」
「生駒は!?」

「かかった!(今度は失敗しない!さいころの目も増やした!)」
構える生駒
かわす生駒
首根っこを掴み、打ち込む生駒
「やった!俺の貫き筒が心臓をぶち抜いた!俺の!俺が!」
噛み傷が
「うああああ…!」

「見えた、甲鉄城。」
「無名殿、ここからはお一人で。」
駆け寄る無名
「この金剛閣、若様の指示をお待ちください。あとは頼みました。」
頷く無名
「輪廻の加護があらん事を。」
頷く混合閣
自決する

(祟りなんかじゃない。燃えるさくに届かなければ、大丈夫なんだ!五年…五年だぞ。何の為に俺はカバネと戦えるようにって…。俺はあの時とは違うんだ。)

回想

(俺はもう二度と…逃げない!)


(今度こそ…俺は…俺を誇れる俺になるんだ。)

回し蹴りでカバネを倒す無名



(続く)

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最終更新:2016年05月28日 15:31